
1960年代後半から1970年代前半に米国で流行したポピュラー・ミュージックを、日本では「ソフト・ロック」と呼んでいるのですけれど、どうにもしっくりきません。「ハード」な「ロック」で「ハード・ロック」は分かるけれど、「ソフト」な「ロック」って何じゃらホイなのです。直訳すれば「柔らかい岩」なわけで、そんなもんないでしょう。米国では「サンシャイン・ポップ」と呼ばれている様で、色々なバンドが結成されてレコードを出しています。そんな中で「パレード」と云うグループがあってですね、1967年にデビュー・シングル「SUNSHINE GIRL」をA&Mからリリースして、全米20位とヒットしました。パレードのメンバーは、ジェリー・リオペル、マレー・マクレード、アレン“スモーキー”ロバーズの3人組ですが、所謂ひとつのレッキング・クルーが関わっていて、ジェリー・リオペル自身がレッキング・クルーとしてキーボードを担当していて、シングル「SUNSHINE GIRL」には、ハル・ブレイン(ドラムス)、キャロル・ケイ(ベース)、スティーブ・ダグラス(サックス)などがレコーディングに参加しています。パレードはデビュー曲の「SUNSHINE GIRL」は売れたものの、その後のシングルは売れず、アルバムもリリース出来ずに1968年には解散しています。その音源を集めた全13曲入りのCDが日本で1988年に世界初リリースされて、1995年には1曲足して全14曲入りのCD「THE PARADE」がA&Mからリリースされています。海外では、2008年に全23曲入りのCD「SUNSHINE GIRL:THE COMPLETE RECORDINGS」が「NOW SOUNDS/CHERRY RED RECORDS」からリリースされています。1995年盤のコンピレーション・アルバム「THE PARADE」の内容は、1「SUNSHINE GIRL」、2「SHE SLEEPS ALONE」、3「THE RADIO SONG」、4「LOVERS」、5「KINDA WASTED WITHOUT YOU」、6「FROG PRINCE」、7「WELCOME, YOU'RE IN LOVE」、8「HALLELUJAH ROCKET」、9「SHE'S GOT MAGIC」、10「A.C. / D.C.」、11「LULLABY」、12「THIS OLD MELODY」、13「LAUGHIN' LADY」、14「I CAN SEE」の、全14曲入りです。
パレードは「SUNSHINE GIRL」の一発屋で、無理矢理に「日本発世界初CD化」されたわけですけれど、内容は悪くはありません。それで、パレードのメンバーだったマレー・マクレードは、同時期に「ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ」のメンバー(妹のメリンダ・マクレードとの3人組)でもありました。こちらのアルバムも、1968年のA&Mからのリリース当時には日本盤は出ていませんし、その後も大瀧師匠がラジオで紹介しただけでした。それが1987年になって「日本発世界初CD化」されて、渋谷系の元ネタとして日本限定で異常に持ち上げられています。それで、1997年には1CDで「THE COMPLETE ROGER NICHOLS & THE SMALL CIRCLE OF FRIENDS」がリリースされました。内容は、1「DON'T TAKE YOUR TIME」、2「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、3「DON'T GO BREAK MY HEART」、4「I CAN SEE ONLY YOU」、5「SNOW QUEEN」、6「LOVE SO FINE」、7「KINDA WASTED WITHOUT YOU」、8「JUST BEYOND YOUR SMILE」、9「I'LL BE BACK」、10「COCOANUT GROVE」、11「DON'T WANT TO HAVE TO DO IT」、12「CAN I GO」、13「OUR DAY WILL COME」、14「LOVE SONG, LOVE SONG」、15「JUST BEYOND YOUR SMILE」、16「I'LL BE BACK」、17「LET'S RIDE」、18「THE DRIFTER」、19「TRUST」の、全19曲入りです。1「DON'T TAKE YOUR TIME」〜12「CAN I GO」の12曲が本編で、13「OUR DAY WILL COME」〜16「I'LL BE BACK」が「ロジャー・ニコルズ・トリオ」名義で、17「LET'S RIDE」〜19「TRUST」が「ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ」名義のボーナス・トラックです。「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」と「I'LL BE BACK」はビートルズのカバーで、「KINDA WASTED WITHOUT YOU」は「パレード」でもレコーディングしています。ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズは再発によって日本で人気となり、1995年には新録アルバム「BE GENTLE WITH MY HEART」が日本限定でリリースされて、その後も日本企画の新録や編集アルバムを何作もリリースしています。
そんな日本での「ロジャニコ人気」に乗って、2001年にはロジャー・ニコルズとポール・ウィリアムスの連名アルバム「WE’VE ONLY JUST BEGUN COMPOSED BY ROGER NICHOLS & PAUL WILLIAMS」と云うアルバムまでリリースされています。コレはですね、1970年に、ロジャー・ニコルズが作曲して、ポール・ウィリアムスが作詞して、ロジャー・ニコルズが演奏して、ポール・ウィリアムスが歌った、楽曲売り込み用のデモ音源集でありましてですね、当然の事ながら「日本発・世界初公式発売!」なのです。いやはや何とも、レコード会社へのデモ音源までCD化してしまった日本のレコード会社の商魂の逞しさには驚かされましたけれど、コレがとても良いアルバムとなっております。内容は、1「AFTER ALL」、2「SO MANY PEOPLE(光りある世界へ)」、3「SOMEBODY WAITING」、4「TIME」、5「THE DRIFTER」、6「WE’VE ONLY JUST BEGUN(愛のプレリュード)」、7「SOMEDAY MAN」、8「LET ME BE THE ONE(あなたの影になりたい)」、9「WHEN LOVE IS NEAR」、10「DO YOU REALLY HAVE A HEART(真心はどこへ)」、11「I KEPT ON LOVING YOU(愛しつづけて)」、12「OUT IN THE COUNTRY」の、全12曲入りです。後にスリー・ドッグ・ナイトが取り上げる「OUT IN THE COUNTRY」や、カーペンターズで有名な「WE’VE ONLY JUST BEGUN」と「LET ME BE THE ONE」や、ハーパース・ビザールが取り上げた「THE DRIFTER」や、モンキーズの「SOMEDAY MAN」と云った楽曲のデモ音源が聴けます。所詮は売り込み用のデモ音源にすぎないので、演奏は簡素ですが、楽曲の良さは充分に伝わるし、例えば「THE DRIFTER」なんかは、個人的にはこちらのデモ音源の方が好きです。それで、タイトルにもなっている「WE’VE ONLY JUST BEGUN(愛のプレリュード)」ですけれど、カーペンターズがカバーして大ヒットさせたこの曲を、最初にレコーディングしたのはフレディ・アレンです。そのフレディ・アレンとは、パレードのメンバーだったアレン“スモーキー”ロバーズの変名です。元々はCM用の曲で、それを聴いたリチャード・カーペンターが「フル尺はあるのか?」と問い合わせたところ、チャンスだと思ったポール・ウィリアムスが、まだ未完成だったのに「あるよ」と嘘をついて慌てて完成させたそうです。
(小島イコ)
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