
1971年リリースのアルバム「MUSWELL HILLBILLIES」から、1975年リリースのアルバム「THE KINKS PRESENT SCHOOLBOYS IN DISGRACE」まで、RCA時代の5年間でレイ・デイヴィスが率いるキンクスは、コンセプト・アルバムばかり6作でLP8枚を乱発して、全く売れずにRCAからアリスタへと移籍する事となりました。そこで、1976年6月25日に、RCA時代のアルバムからのベスト・アルバム「THE KINKS’ GREATEST:CELLULOID HEROES」をリリースしました。内容は、A面が、1「EVERYBODY'S A STAR(STARMAKER)」、2「SITTING IN MY HOTEL」、3「HERE COMES YET ANOTHER DAY」、4「HOLIDAY」、5「MUSWELL HILLBILLIES」、6「CELLULOID HEROES」で、B面が、7「20TH CENTURY MAN」、8「SITTING IN THE MIDDAY SUN」、9「ONE OF THE SURVIVORS」、10「ALCOHOL」、11「SKIN AND BONE」、12「(A)FACE IN THE CROWD」の、全12曲入りです。単なるベスト・アルバムではなくて、1971年のアルバム「MUSWELL HILLBILLIES」から2曲(「20TH CENTURY MAN」、「MUSWELL HILLBILLIES」)の短縮ヴァージョン、1972年のアルバム「EVERYBODY'S IN SHOW-BIZ」のスタジオ・サイドから2曲(「SITTING IN MY HOTEL」別ミックス、「CELLULOID HEROES」)、ライヴ・サイドから3曲(「HOLIDAY」、「ALCOHOL」、「SKIN AND BONE」)の短縮ヴァージョン、未発表ライヴ音源1曲(「HERE COMES YET ANOTHER DAY」)、1973年のアルバム「PRESERVATION ACT 1」から2曲(「SITTING IN THE MIDDAY SUN」、「ONE OF THE SURVIVORS」)の別ミックス、1975年のアルバム「THE KINKS PRESENT A SOAP OPERA」から2曲(「EVERYBODY'S A STAR(STARMAKER)」モノラル・ミックス、「(A)FACE IN THE CROWD」)と云った、別ミックスを多く含むマニア向けの音源集です。
このベスト・アルバムは全米144位まで上がりロング・セラーとなったので、RCAは1980年8月22日に続編のベスト・アルバム「SECOND TIME AROUND」をリリースしました。内容は、A面が、1「THE HARD WAY」、2「NO MORE LOOKING BACK」、3「ACUTE SCHIZOPHRENIA PARANOIA BLUES」、4「MOTORWAY」、5「LOLA」で、B面が、6「SCHOOLDAYS」、7「(A)FACE IN THE CROWD」、8「HOT POTATOES」、9「CELLULOID HEROES」の、全9曲入りです。1972年のアルバム「EVERYBODY'S IN SHOW-BIZ」のスタジオ・サイドから3曲(「HOT POTATOES」、「MOTORWAY」、「CELLULOID HEROES」)、ライヴ・サイドから2曲(「ACUTE SCHIZOPHRENIA PARANOIA BLUES」、「LOLA」)、1975年のアルバム「THE KINKS PRESENT A SOAP OPERA」から1曲(「(A)FACE IN THE CROWD」)、1975年のアルバム「THE KINKS PRESENT SCHOOLBOYS IN DISGRACE」から3曲(「SCHOOLDAYS」、「THE HARD WAY」、「NO MORE LOOKING BACK」)で、こちらはアルバム・ヴァージョンをそのまんま収録している上に、前作ベスト・アルバム「THE KINKS' GREATEST:CELLULOID HEROES」と2曲(「CELLULOID HEROES」と「(A)FACE IN THE CROWD」)がダブっています。1976年にはまだレイ・デイヴィスとキンクスの意見が通ったけれど、1980年にはとっくにアリスタに移籍していて路線を変更して成功していたので、こちらの二番煎じのベスト・アルバム「SECOND TIME AROUND」はRCAが勝手にリリースしたのでしょう。腕時計のアップのジャケットも、やる気のなさが現れています。このベスト・アルバム2作を加えると、キンクスのRCAでのアルバムは8作で丁度LP10枚になったので、契約上からリリースされたとも考えられます。こちらは、全米177位となっています。
さて、ベスト・アルバム「THE KINKS' GREATEST:CELLULOID HEROES」は、2001年に曲数を増やして選曲と曲順を変えてCD化されています。内容は、1「20TH CENTURY MAN」、2「COMPLICATED LIFE」、3「MUSWELL HILLBILLIES」、4「ALCOHOL」、5「CELLULOID HEROES」、6「HERE COMES YET ANOTHER DAY」、7「SWEET LADY GENEVIEVE」、8「ONE OF THE SURVIVORS」、9「SITTING IN THE MIDDAY SUN」、10「HE'S EVIL」、11「MIRROR OF LOVE」、12「ARTIFICAL MAN」、13「EVERYBODY'S A STAR(STARMAKER)」、14「(A)FACE IN THE CROWD」、15「YOU CAN'T STOP THE MUSIC」、16「I'M IN DISGRACE」、17「THE HARD WAY」、18「NO MORE LOOKING BACK」の、全18曲入りです。1〜3が1971年のアルバム「MUSWELL HILLBILLIES」から、4〜6が1972年のアルバム「EVERYBODY'S IN SHOW-BIZ」から、7〜9が1973年のアルバム「PRESERVATION ACT 1」から、10〜12が1974年のアルバム「PRESERVATION ACT 2」から、13〜15が1975年のアルバム「THE KINKS PRESENT A SOAP OPERA」から、16〜18が1975年のアルバム「THE KINKS PRESENT SCHOOLBOYS IN DISGRACE」からと、RCA時代の全てのアルバムから各3曲ずつ選曲されているものの、残念ながら全てがアルバム・ヴァージョンに差し替えられています。個人的にはアナログ盤のベスト・アルバム「THE KINKS' GREATEST:CELLULOID HEROES」は数少なく入手出来たキンクスのRCA時代のレコードで、コンセプト・アルバムとして各アルバムを聴く前に、このベスト・アルバムでそれぞれの楽曲を単体で聴いていたので、愛着があるレコードです。
そこで、パイレート盤「THE KINKS' GREATEST」の登場です。内容は、1「EVERYBODY'S A STAR(STARMAKER)」、2「HERE COMES YET ANOTHER DAY」、3「HOLIDAY」、4「MUSWELL HILLBILLIES」、5「20TH CENTURY MAN」、6「ONE OF THE SURVIVORS」、7「ALCOHOL」、8「SKIN AND BONE」、9「(A)FACE IN THE CROWD」と、9曲のアナログ盤時代のライヴ音源やリミックスや短縮ヴァージョンが聴けます。その後にはボーナス・トラックとして、10「PEOPLE TAKE PICTURES OF EACH OTHER」別エンディング・モノラル・ミックス、11「APEMAN」デンマーク盤・シングル・ヴァージョン、12「SCRAPHEAP CITY」米国盤シングル・ヴァージョン、13「MIRROR OF LOVE」米国盤シングル・ヴァージョン、14「YOU REALLY GOT ME / ALL DAY AND ALL OF THE NIGHT」メドレー編集版、15「LOLA」チェリー・コーラ・ヴァージョン、16「ARTFICAL LIGHT」英国盤シングル・ヴァージョン、17「MASSIVE REDUCTIONS」英国盤シングル・ヴァージョン、18「LOW BUDGET」12インチ・ヴァージョン、19「(WISH I COULD FLY LIKE)SUPERMAN」12インチ・ヴァージョン、と10曲のレア音源が収録されています。それで、何故か本編がアナログ盤全12曲ではなくて、「SITTING IN MY HOTEL」、「CELLULOID HEROES」、「SITTING IN THE MIDDAY SUN」の3曲がハブにされているのです。「CELLULOID HEROES」以外の2曲は別ミックスだったので、収録して欲しかったところですし、このパイレート盤のジャケットはベスト・アルバム「THE KINKS' GREATEST:CELLULOID HEROES」をそのまんま流用しているので、タイトル曲である「CELLULOID HEROES」が収録されていないと云う頓珍漢な事になっています。
(小島イコ)
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