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2026年05月08日

「ポールの道」#1082「BEAT THE BEATLES」
#131「THROUGH THE PAST, DARKLY(BIG HITS VOL.2)」US

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1969年9月12日に、ローリング・ストーンズは2作目のベスト・アルバム「THROUGH THE PAST, DARKLY(BIG HITS VOL.2)」を、英国デッカと米国ロンドンから同時にリリースしました。このベスト・アルバム「THROUGH THE PAST, DARKLY(BIG HITS VOL.2)」は、またしても英国盤と米国盤では収録曲が違っています。前回に紹介した英国盤の内容は、A面が、1「JUMPIN' JACK FLASH」、2「MOTHER'S LITTLE HELPER」、3「2000 LIGHT YEARS FROM HOME」、4「LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER」、5「YOU BETTER MOVE ON」、6「WE LOVE YOU」で、B面が、1「STREET FIGHTING MAN」、2「SHE'S A RAINBOW」、3「RUBY TUESDAY」、4「DANDELION」、5「SITTIN' ON A FENCE」、6「HONKY TONK WOMEN」の、全12曲入りで、英国でのアルバム未収録シングル曲が6曲(「JUMPIN' JACK FLASH」、「LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER」、「WE LOVE YOU」、「RUBY TUESDAY」、「DANDELION」、「HONKY TONK WOMEN」)の半数もあって、更に英国ではEPのみに収録されていた「YOU BETTER MOVE ON」と、英国では未発表だった「SITTIN' ON A FENCE」を加えれば、8曲がこのベスト・アルバムで初めてアルバムに収録されました。つまり、それまでの英国オリジナル・アルバムに収録されていたのは、たったの4曲(「MOTHER'S LITTLE HELPER」、「2000 LIGHT YEARS FROM HOME」、「SHE'S A RAINBOW」、「STREET FIGHTING MAN」)のみで、「MOTHER'S LITTLE HELPER」はアルバム「AFTERMATH」から、「2000 LIGHT YEARS FROM HOME」と「SHE'S A RAINBOW」の2曲はアルバム「THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST」から、「STREET FIGHTING MAN」はアルバム「BEGGARS BANQUET」からとなっています。正に、ベスト・アルバムとはかくあるべし、と云える選曲でした。ところが、米国盤では平気で収録曲を変えてしまったのです。

米国盤のベスト・アルバム「THROUGH THE PAST, DARKLY(BIG HITS VOL.2)」の内容は、A面が、1「PAINT IT BLACK」、2「RUBY TUESDAY」、3「SHE'S A RAINBOW」、4「JUMPIN' JACK FLASH」、5「MOTHER'S LITTLE HELPER」、6「LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER」で、B面が、1「HONKY TONK WOMEN」、2「DANDELION」、3「2000 LIGHT YEARS FROM HOME」、4「HAVE YOU SEEN YOUR MOTHER, BABY, STANDING IN THE SHADOW?」、5「STREET FIGHTING MAN」の、全11曲入りです。まずもって、英国盤よりも1曲少ない全11曲にしているところからして、やり方がセコイのですけれど、一応は米国でのシングル曲を集めているわけです。が、しかし、このベスト・アルバムでしか聴けないアルバム未収録曲は「DANDELION」と「JUMPIN' JACK FLASH」と「HONKY TONK WOMEN」の3曲のみです。他の8曲もシングル曲ではあるものの、米国では水増しアルバムでシングル曲も平気でアルバムに入れていたので、「PAINT IT BLACK」は米国編集アルバム「AFTERMATH」に、「LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER」と「RUBY TUESDAY」は米国編集アルバム「BETWEEN THE BUTTONS」と米国編集アルバム「FLOWERS」に、「MOTHER'S LITTLE HELPER」と「HAVE YOU SEEN YOUR MOTHER, BABY, STANDING IN THE SHADOW?」は米国編集アルバム「FLOWERS」に、それぞれ収録済みで、特に「LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER」と「RUBY TUESDAY」は米国編集アルバム「BETWEEN THE BUTTONS」と米国編集アルバム「FLOWERS」でダブっていて、シングルも出していたので、このベスト・アルバムでは4度売りだったのです。そして、米国ロンドンは1967年のアルバム「THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST」からは英国デッカ・オリジナル・アルバムと同内容になってしまったので、水増しアルバムは出せなくなっていて、「DANDELION」と「JUMPIN' JACK FLASH」と「HONKY TONK WOMEN」を入れたのは、云ってみればこのベスト・アルバム自体が水増しアルバムの様なものだったのです。それでも、全米2位まで上がっています。

更に、米国盤はシングル集ではあるものの、「SHE'S A RAINBOW」と「2000 LIGHT YEARS FROM HOME」と「STREET FIGHTING MAN」は、英国ではリリース当時にはシングル・カットされていません。米国ロンドンは、独自の水増しアルバムをリリース出来なくなったので、今度は勝手にアルバム「THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST」やアルバム「BEGGARS BANQUET」から独自に水増しシングル・カットしていたのです。英国盤ベスト・アルバム「THROUGH THE PAST, DARKLY(BIG HITS VOL.2)」全12曲入りと、米国盤ベスト・アルバム「THROUGH THE PAST, DARKLY(BIG HITS VOL.2)」全11曲入りは、タイトルが同じだし、ジャケット写真も同じですけれど、内容は雲泥の差があります。両方でダブっているのは9曲(「JUMPIN' JACK FLASH」、「MOTHER'S LITTLE HELPER」、「2000 LIGHT YEARS FROM HOME」、「LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER」、「STREET FIGHTING MAN」、「SHE'S A RAINBOW」、「RUBY TUESDAY」、「DANDELION」、「HONKY TONK WOMEN」)ですが、英国盤ではほとんどがアルバム未収録シングル曲だったのに、米国ではほとんどがアルバムで既発曲だったわけです。更に、英国盤には収録されていた「WE LOVE YOU」(ジョン・レノンとポール・マッカートニーが参加)が、米国盤には収録されていません。「LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER」と「RUBY TUESDAY」を4度売りする位ならば、「WE LOVE YOU」を収録するべきでしょう。幾ら米国ではA面にした「DANDELION」(全米14位)の方がB面にした「WE LOVE YOU」(全米50位)より売れたとはいえ、英国盤の両A面曲の片面しか入れないなんて、もう訳が分かりませんなあ。これがビートルズだったならば、「PENNY LANE」を入れて「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」を入れていないベスト・アルバム「1」みたいなヘッポコリン選曲ですよ。それから、米国盤には「PAINT IT BLACK」と「HAVE YOU SEEN YOUR MOTHER, BABY, STANDING IN THE SHADOW?」が収録されていますが、英国盤には収録されていません。これはですね、1966年リリースの英国盤のベスト・アルバム「BIG HITS(HIGH TIDE AND GREEN GRASS)」に既に収録していたからです。そっちも英国盤は全14曲入りなのに、米国盤は全12曲入りでした。米国ロンドンは、どこまでいってもセコイですなあ。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする