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2026年05月01日

「ポールの道」#1076「BEAT THE BEATLES」
#125「BETWEEN THE BUTTONS」UK

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ビートルズが、米国キャピトル編集アルバムに対して「いい加減にしてくれよ」と思ったのは、1965年12月リリースのアルバム「RUBBER SOUL」の辺りからでしょう。ビートルズの6作目のオリジナル・アルバム「RUBBER SOUL」は、1965年12月3日に英国パーロフォンから全14曲入りでリリースされていて、タイトルやジャケットもビートルズが決めています。ところが、同年12月6日に米国キャピトル編集アルバム「RUBBER SOUL」としてリリースされた方は、ジャケットもタイトルも英国オリジナル・アルバムと同じなのに、内容は英国盤「RUBBER SOUL」から4曲カットした10曲に、英国オリジナルでは前作で5作目のオリジナル・アルバム「HELP!」から2曲を持ってきていて、更にその2曲をA面とB面の最初に入れているのです。英国盤「RUBBER SOUL」にはシングル曲が1曲も収録されていませんが、米国では編集盤からカットした「NOWHERE MAN」と「WHAT GOES ON」をシングルで出しています。ちなみに、日本でも「ひとりぼっちのあいつ(NOWHERE MAN)」と「消えた恋(WHAT GOES ON)」としてシングル・カットされています。更に、米国キャピトルは1966年6月20日に編集アルバム「YESTERDAY AND TODAY」をリリースしていて、その内容は、英国盤「HELP!」から2曲と、英国盤「RUBBER SOUL」から4曲と、英国ではシングルのみだった「DAY TRIPPER / WE CAN WORK IT OUT」2曲と、英国では未だリリース前だった「REVOLVER」から3曲の、合計11曲入りと云う奇怪な代物でした。その編集アルバム「YESTERDAY AND TODAY」は初回回収盤が所謂ひとつの「ブッチャー・カバー」で、トンデモナイ価格でコレクターズ・アイテム化しましたが、ビートルズが米国キャピトルの出鱈目な選曲に異議申し立てする為にわざと醜悪なデザインにしたと云われています。更に驚かされるのは、1966年8月5日に英国では7作目のオリジナル・アルバムとして全14曲入りでリリースされたアルバム「REVOLVER」を、米国キャピトル編集盤ではタイトルもジャケットも同じなのに、編集盤「YESTERDAY AND TODAY」で先出しした3曲を抜いただけの全11曲入りでリリースされてしまった事です。

1960年代にはビートルズの後追いをしていたローリング・ストーンズの場合も、同じ様な展開となっています。ローリング・ストーンズには、1965年のアルバム「OUT OF OUR HEADS」と、1966年の「AFTERMATH」と云うアルバムがあって、どちらもタイトルは同じですが、英国デッカ・オリジナル・アルバムと米国ロンドン編集アルバムでは収録曲が違っていました。ローリング・ストーンズも、英国オリジナル・アルバムにはシングル曲を収録していないのですが、米国編集アルバムではシングル曲をメインにして、その分水増ししてアルバムを出していました。マネジャーでプロデューサーでもあったアンドリュー・ルーグ・オールダムがシングル曲を中心として仕切っていた頃には、それで問題はなかったのですけれど、やはりビートルズと同時期の1966年のアルバム「AFTERMATH」が、英国オリジナル・アルバムでは初めてジャガー=リチャーズによる全14曲がオリジナルでリリースされた辺りから、米国編集アルバムに対して疑問を抱く様になってきました。米国編集アルバム「AFTERMATH」は、英国オリジナル・アルバム「AFTERMATH」から4曲抜いた10曲に、シングル曲「PAINT IT BLACK」を加えた全11曲入りのスカスカ盤となっていて、ジャガー=リチャーズのオリジナル曲だけと云うコンセプトは守られているものの、3曲も少ないのですからローリング・ストーンズとしても不満だったでしょう。曲順も変更されているのですから、そろそろトータル・アルバムへと向かっていた時期に、スカスカ盤を出されたのでは困ったちゃんなのです。ジャガー=リチャーズにオリジナル曲を書かせたのはアンドリュー・ルーグ・オールダムですが、その自分が命じたジャガー=リチャーズに自我が芽生えてしまい、アンドリュー・ルーグ・オールダムの手に余る存在へと成長していたのです。そんな中で、1967年1月20日に英国デッカから5作目のオリジナル・アルバム「BETWEEN THE BUTTONS」がリリースされました。

この英国オリジナルでは5作目のアルバム「BETWEEN THE BUTTONS」は、同1967年2月10日に米国では7作目(ライヴ・アルバムも含めれば8作目)の編集アルバムとしてリリースされますが、タイトルもジャケットも英国盤と米国盤で同じです。それまでのローリング・ストーンズのアルバムは、タイトルが同じで別の収録曲と、ジャケットが同じで別のタイトルと別の収録曲はありましたが、タイトルもジャケットも同じなのに収録曲が違っているのは、このアルバム「BETWEEN THE BUTTONS」が最初で最後となります。英国オリジナル・アルバムでアンドリュー・ルーグ・オールダムがプロデュースしたのは、この5作目のアルバム「BETWEEN THE BUTTONS」が最後となりました。今回は英国オリジナル・アルバム「BETWEEN THE BUTTONS」を紹介しますが、内容は、A面が、1「YESTERDAY'S PAPERS」、2「MY OBSESSION」、3「BACK STREET GIRL」、4「CONNECTION」、5「SHE SMILED SWEETLY」、6「COOL, CALM & COLLECTED」で、B面が、1「ALL SOLD OUT」、2「PLEASE GO HOME」、3「WHO'S BEEN SLEEPING HERE?」、4「COMPLICATED」、5「MISS AMANDA JONES」、6「SOMETHING HAPPEND TO ME YESTERDAY」の、全12曲入りです。全曲がジャガー=リチャーズ作で、シングル曲は収録しておらず、明らかにトータル・アルバムを目指していたと分かります。それは、最初が「YESTERDAY'S PAPERS」で、最後が「SOMETHING HAPPEND TO ME YESTERDAY」となっている事からも明らかです。ミック・ジャガー(ヴォーカル)、キース・リチャーズ(ギター)、ビル・ワイマン(ベース)、チャーリー・ワッツ(ドラムス)、そして、ブライアン・ジョーンズの5人が基本形ですが、ブライアン・ジョーンズはギターだけではなく、前にも増して色んな楽器を担当していて、オルガン、マリンバ、リコーダー、テルミン、メロトロン、ピアノ、ダルシマー、バンジョー、ハーモニカ、と云った楽器を独自のやり方で弾いていて、やはり「楽器の天才」です。「COOL, CALM & COLLECTED」や「SOMETHING HAPPEND TO ME YESTERDAY」は、同時期のキンクスからの影響も感じられます。この英国5作目のオリジナル・アルバム「BETWEEN THE BUTTONS」は、全英3位まで上がっています。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする