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2026年04月16日

「ポールの道」#1061「BEAT THE BEATLES」
#110「ROLLING STONE CLASSICS」

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この連載「BEAT THE BEATLES」も、ビーチ・ボーイズ編、ビーチ・ボーイズ外伝、ゾンビーズ編ときて、いよいよローリング・ストーンズ編となります。それで、ローリング・ストーンズ編の最初はですね、些か変化球で、コンピレーション・アルバム「ROLLING STONE CLASSICS」を取り上げます。このコンピレーション・アルバム「ROLLING STONE CLASSICS」は、1987年に日本の「Pヴァイン/ブルース・インターアクションズ」と云うレーベルからリリースされていて、以前に紹介したビートルズがカバーした楽曲を集めたコンピレーション・アルバム「THE BEATLE CLASSICS」(1989年リリース)と同じレーベルから出たハーフ・オフィシャル盤です。このレーベルからは、ビートルズ盤とローリング・ストーンズ盤の他にも、エリック・クラプトン盤なども出ていて、おそらく盤起こしのパイレート盤なのですけれど、ビートルズ盤もローリング・ストーンズ盤も、なかなか丁寧な仕事をしています。ビートルズ盤では、オリジナル盤が入手困難なドネイズの「DEVIL IN HIS HEART」や、ドクター・フィールグッド&ジ・インターズの「MISTER MOONLIGHT」なども含めた全30曲入りでした。ビートルズの場合は他にもカバー曲のオリジナルを集めたコンピレーション・アルバムは多数出ていますが、ビートルズよりもカバー曲が多いと思われるローリング・ストーンズの方は、それ程にはそのオリジナルを集めたコンピレーション・アルバムは出ていません。このコンピレーション・アルバム「ROLLING STONE CLASSICS」は、越谷政義さんが企画・構成で関わっているので、ローリング・ストーンズの専門家による凝った構成となっています。

内容は、1「COME ON」チャック・ベリー、2「I WANT TO BE LOVED」マディ・ウォーターズ、3「FORTUNE TELLER」ベニー・スペルマン、4「YOU BETTER MOVE ON」アーサー・アレキサンダー、5「I JUST WANT TO MAKE LOVE TO YOU」マディ・ウォーターズ、6「DOWN HOME GIRL」アルヴィン・ロビンソン、7「MONA」ボ・ディドリー、8「I'M A KING BEE」スリム・ハーボ、9「YOU CAN MAKE IT IF YOU TRY」ジーン・アリスン、10「AROUND AROUND」チャック・ベリー、11「CONFESSIN' THE BLUES」リトル・ウォルター、12「IT'S ALL OVER NOW」ヴァレンティノズ、13「THE RED ROOSTER」ハウリン・ウルフ、14「I'M ALRIGHT」ボ・ディドリー、15「TIME IS ON MY SIDE」アーマ・トーマス、16「DOWN THE ROAD A PIECE」エイモス・ミルバーン、17「SUSIE Q」デイル・ホーキンズ、18「PRODIGAL SON(THAT'S NO WAY TO GET ALONG)」ロバート・ウィルキンス、19「LOVE IN VAIN」ロバート・ジョンスン、20「LITTLE QUEENIE」チャック・ベリー、21「STOP BREAKING DOWN」ベイビー・ボーイ・ウォレン、22「BYE BYE JOHNNY」チャック・ベリー、23「MANNISH BOY」マディ・ウォーターズ、24「CRACKIN' UP」ボ・ディドリー、25「HARLEM SHUFFLE」ボブ・アンド・アール、26「ROLLIN' STONE」マディ・ウォーターズの、全26曲入りです。カバーのオリジナルまたはローリング・ストーンズが参考にしたであろうカバー・ヴァージョンが25曲に、最後はバンド名の元ネタであるマディ・ウォーターズの「ROLLIN' STONE」で〆ている、なかなか洒落た構成です。

例えば「TIME IS ON MY SIDE」などは、普通にローリング・ストーンズのオリジナルだと思われていたでしょうけれど、元々は1963年のカイ・ウィンディングがオリジナルで、新たな歌詞を付けてアーマ・トーマスが1964年6月にカバーしていて、そのカバー・ヴァージョンを参考にして1964年9月にローリング・ストーンズ盤が出ているので、ローリング・ストーンズはカバーのカバーをしていたわけですなあ。そう云った事実が分かる様に、選曲された全25曲(「ROLLIN' STONE」は除く)以外にも、このコンピレーション・アルバム「ROLLIN' STONE CLASSICS」がリリースされた1987年(1986年のアルバム「DIRTY WORK」)までに、ローリング・ストーンズがカバーした楽曲の「カバー曲完全リスト」がライナーノーツに掲載されているので便利です。しかも、そのリストにはオリジナルに加えてローリング・ストーンズが参考にしたであろうカバー・ヴァージョンも載っていて、前述の「TIME IS ON MY SIDE」の様な「カバーのカバー」に至った経緯も分かる様になっています。そのリスト「COMPLETE LIST OF THE TUNES THAT GOT STONED」を見ると、このコンピレーション・アルバム「ROLLING STONE CLASSICS」にはそれらの半分位しか収録されていないと分かるので、是非とも完全盤をリリースして欲しいと思って調べたら、「UNDER THE INFLUENCE」と云うCD3枚組全60曲入りが出ている様です。それでも物足りない場合には、チャック・ベリーやマディ・ウォーターズなどのアルバムへと向かうべきでしょう。ビートルズと違って、ローリング・ストーンズはメジャー・デビューした後も多くのカバー曲を演奏していたし、2016年にはカバー・アルバム「BLUE & LONESOME」をリリースしていたりもするので、カバー曲のオリジナル集をリリースするのにはピッタリなバンドではあります。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする