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2026年04月15日

「ポールの道」#1060「BEAT THE BEATLES」
#109「ONE YEAR」「SOME YEARS」

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1967年に解散したゾンビーズですが、解散後の1968年にCBSからリリースした2作目のアルバム「ODESSEY & ORACLE」からシングル・カットした「TIME OF THE SEASON」が、全米3位の大ヒットとなりました。CBSは既に解散していたゾンビーズを再結成する様にロッド・アージェントに要請したものの、ロッド・アージェントは新バンド「アージェント」を計画していて、クリス・ホワイトは裏方として「アージェント」に楽曲を提供する事となっていました。この時からロッド・アージェントとクリス・ホワイトは、どちらか片方が書いた曲も「アージェント/ホワイト」作として発表してゆく事にもなっていました。ギタリストのポール・アトキンソンとドラマーのヒュー・グランディー、そしてリード・ヴォーカルのコリン・ブランストーンは1967年末でゾンビーズから脱退していて、コリン・ブランストーンに至っては音楽では食えないからと云う経済的で深刻な理由で、保険会社に就職していました。ところが、シングル「TIME OF THE SEASON」の大ヒットによって、元ゾンビーズのメンバーたちの人生は再び大きく変わってしまったのです。新バンド「アージェント」結成に動いていたロッド・アージェントとクリス・ホワイトは、CBSの再結成要請を断る代わりに、幻の3作目のアルバム「R.I.P.」を制作する事となったのですけれど、先行シングル「IMAGINE THE SWAN」と「IF IT DON'T WORK OUT」の2作がヒットしなかったので、アルバム「R.I.P.」はお蔵入りとなって、1969年にはアージェントを結成して、1970年にデビュー・アルバム「ARGENT」をリリースしました。クリス・ホワイトは、前述の通りソングライターとしてロッド・アージェントと組んで、二人で音楽出版社「ネクサス」を設立して、共同作業をしてゆきます。ロッド・アージェントとクリス・ホワイトに関して云えば、ゾンビーズ解散後も音楽業界に残ったわけで、劇的な変化があったわけではありません。

問題は、既に音楽業界に見切りをつけて一般企業の会社員になっていたコリン・ブランストーンです。ゾンビーズの声であったコリン・ブランストーンの元には、シングル「TIME OF THE SEASON」の大ヒットによって、再び音楽業界から誘いの手が差し伸べられたのです。それで、変名「ニール・マッカーサー」として、ゾンビーズのカバー(云ってみればセルフ・カバー)「SHE'S NOT THERE」で1969年に再デビューして、その変名で3作のシングルをリリースしています。1970年になって、コリン・ブランストーンは本名に戻して、アージェントと同じエピックと契約しました。コンピレーション・アルバム「TIME OF THE ZOMBIES」がエピックからリリースされたのは、アージェントもコリン・ブランストーンも当時はエピックに在籍していたからでしょう。コリン・ブランストーンは、1年間かけてソロ・デビュー・アルバム「ONE YEAR」を完成させて、1971年11月にエピックからリリースしました。内容は、A面が、1「SHE LOVES THE WAY THEY LOVE HER」、2「MISTY ROSES」、3「SMOKEY DAY」、4「CAROLINE GOODBYE」、5「THROUGH YOU ARE FAR AWAY」で、B面が、1「MAY WON'T YOU WARM MY BED」、2「HER SONG」、3「I CAN'T LIVE WITHOUT YOU」、4「LET ME COME CLOSER TO YOU」、5「SAY YOU DON'T MIND」の、全10曲入りです。CDには、11「I HOPE I DIDN'T SAY TOO MUCH LAST NIGHT」、12「MARY WON'T YOU WARM MY BED」の2曲のシングル・モノラル・ヴァージョンを加えた全12曲入りです。このアルバムのプロデュースは、ロッド・アージェントとクリス・ホワイトが共同で行っていて、つまり、ゾンビーズのメンバーだった3人が再集結して制作されています。特にA面の、1「SHE LOVES THE WAY THEY LOVE HER」と、3「SMOKEY DAY」の2曲は、ゾンビーズの幻の3作目のアルバム「R.I.P.」用の楽曲でした。

この2曲は、ゾンビーズ・ヴァージョンではロッド・アージェントが歌っていて、そちらも悪くはないものの、やはりコリン・ブランストーンが歌った方がしっくりきます。結果的にゾンビーズ・ヴァージョンは当時にはお蔵入りしたので、先に世に出たのはコリン・ブランストーンによるヴァージョンとなっています。アージェント/ホワイトは、他にも「HER SONG」を提供していて、コリン・ブランストーンの自作曲も4曲(「CAROLINE GOODBYE」、「THROUGH YOU ARE FAR AWAY」、「I CAN'T LIVE WITHOUT YOU」、「LET ME COME CLOSER TO YOU)あります。この年にウイングスに加入したデニー・レインのカバー「SAY YOU DON'T MIND」は、全英15位まで上がるヒットとなりました。その後はヒット作に恵まれていませんが、最初のエピックからの3作から選曲したベスト・アルバム「SOME YEARS IT'S THE TIME OF COLIN BLUNSTONE」が1995年にソニーからリリースされました。内容は、1「SHE LOVES THE WAY THEY LOVE HER」、2「MISTY ROSES」、3「CAROLINE GOODBYE」、4「THROUGH YOU ARE FAR AWAY」、5「MARY WON'T YOU WARM MY BED」、6「LET ME COME CLOSER TO YOU」、7「SAY YOU DON'T MIND」、8「I DON'T BELIEVE IN MIRACLE」、9「HOW WRONG CAN ONE MAN BE」、10「ANDORRA」、11「HOW COULD WE DARE TO BE WRONG」、12「WONDERFUL」、13「BEGINNING」、14「KEEP THE CURTAINS CLOSED TODAY」、15「YOU WHO ARE LONELY」、16「IT'S MAGICAL」、17「THIS IS YOUR CAPTAIN CALLING」の、全17曲入りです。その後、ゾンビーズは1990年のアルバム「THE RETURN OF THE ZOMBIES」と、ほぼ同内容のアルバム「NEW WORLD」で一時的に再結成(コリン・ブランストーン、クリス・ホワイト、ヒュー・グランディーの3人に、ポール・アトキンソンがゲスト)して、2004年の新作アルバム「AS FAR AS I CAN SEEK」で本格的に再結成(ロッド・アージェント、コリン・ブランストーン、クリス・ホワイトの3人が中心)して、クリス・ホワイトとロッド・アージェントはツアーからは撤退して、現在はコリン・ブランストーンを中心にしてツアー活動中です。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:07| FAB4 | 更新情報をチェックする