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2026年04月11日

「ポールの道」#1056「BEAT THE BEATLES」
#105「THE ZOMBIES THE DECCA STEREO ANTHOLOGY」

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ゾンビーズは、最初にバンドを結成して解散するまでの期間(1962年〜1967年)には、アルバムを2作しかリリースしていません。しかも、バンドが活動していた期間には、1965年リリースのアルバム「BEGIN HERE」しかリリースしておらず、2作目のアルバム「ODESSEY & ORACLE」が1968年にリリースされた時には、既にバンドは解散していました。ゾンビーズはデッカ時代にアルバム「BEGIN HERE」以外にも、EP盤やシングルをリリースしていて、米国で全米6位まで上がった「TELL HER NO」や、日本ではカーナビーツが日本語でカバーしてヒットさせた「I LOVE YOU(好きさ好きさ好きさ)」と云った曲は、英国オリジナル・アルバムには収録されていません。米国では「TELL HER NO」が流石に収録されて、別選曲のアルバム「THE ZOMBIES」としてリリースされました。現在では、以前に紹介した2CDのコンピレーション・アルバム「BEGIN HERE THE COMPLETE DECCA MONO RECORDINGS 1964-1967」があってですね、CD1にはアルバム「BEGIN HERE」全14曲のモノラル・ミックスが、CD2にはデッカ時代の全てのシングルとEPでリリースされたアルバム未収録全22曲がモノラル・ミックスで収録されているので、楽曲単位としてはそれでデッカ時代の全36曲を聴く事が出来ます。しかしながら、そのコンピレーション・アルバム「BEGIN HERE THE COMPLETE DECCA MONO RECORDINGS 1964-1967」は、タイトル通りに全てがモノラル・ミックスで収録されているので、ステレオ・ミックスを聴く事は出来ません。そもそも、現役のデッカ時代にはゾンビーズはモノラル・ミックスを制作していたものの、ステレオ・ミックスは作っておらず、1970年代になってからレコード会社によって勝手にステレオ・ミックスが作られていて、それらがCD化されていました。デッカ時代のオリジナル・モノラル・ミックスは、4トラックにレコーディングされた後に何らかの音を加えてモノラル・ミックスされていますが、捏造したステレオ・ミックスでは4トラック・テープのみを使用していたので、ミックス違いが生まれてしまったのです。

そうした状況を打ち破ったのは、1997年に「Big Beat」からリリースされた4CDの箱「ZOMBIE HEAVEN」でした。その箱のCD1で、初めてアルバム「BEGIN HERE」やシングル曲の多くがオリジナル・モノラル・ミックスで初CD化されていました。「Big Beat」からは続けてアルバム「BEGIN HERE」とアルバム「ODESSEY & ORACLE」の拡張盤と、シングル集がリリースされていて、それらの後に2002年にリリースされたのが、2CDのコンピレーション・アルバム「THE ZOMBIES THE DECCA STEREO ANTHOLOGY」です。このコンピレーション・アルバムには、1964年から1966年にかけてゾンビーズがデッカでレコーディングした楽曲の全てが、新たなステレオ・ミックスで収録されています。前述の通り、このコンピレーション・アルバムがリリースされた2002年よりも前に出ていたデッカ時代の楽曲のステレオ・ミックスは、レコード会社が勝手にやらかした音源だったので、ミックス違いと云えば聞こえが良いものの、所詮は紛い物でした。それを、新たにオリジナル・モノラル・ミックスに極力忠実にステレオ化していて、それを実現する為に、オリジナル・ゾンビーズのドラマーだったヒュー・グランディーが、リリース当時にオーバーダビングした通りに新たにドラムスを叩き直していたりします。そうして完成させたので、云ってみれば「新・ステレオ・リミックス」なのですけれど、以前の紛い物の「インチキ・ステレオ・ミックス」よりはよっぽどいいです。内容は、CD1が、1「IT'S ALRIGHT WITH ME」、2「SHE'S NOT THERE」、3「YOU MAKE ME FEEL GOOD」、4「SUMMERTIME」、5「WOMAN」、6「LEAVE ME BE」、7「KIND OF GIRL」、8「SOMETIMES」、9「I'M GOING HOME」、10「ROAD RUNNER」、11「STICKS AND STONES」、12「WALKING IN THE SUN」、13「I DON'T WANT TO KNOW」、14「TELL HER NO」、15「WHAT MORE CAN I DO」、16「I REMEMBER WHEN I LOVE HER」、17「I WANT YOU BACK AGAIN」、18「CAN'T NOBODY LOVE YOU」、19「THE WAY I FEEL INSIDE」、20「I GOT MY MOJO WORKING」、21「YOU'VE REALLY GOT A HOLD ON ME / BRING IT ON HOME TO ME」、22「I CAN'T MAKE UP MY MIND」、23「WORK'N'PLAY」、24「I WANT YOU BACK AGAIN」の、全24曲入りです。

CD2は、1「SHE'S COMING HOME」、2「I MUST MOVE」、3「JUST OUT OF REACH」、4「REMEMBER YOU」、5「NOTHING’S CHANGED」、6「I'LL KEEP TRYING」、7「DON'T GO AWAY」、8「WHENEVER YOU'RE READY」、9「HOW WE WERE BEFORE」、10「I LOVE YOU」、11「IF IT DON'T WORK OUT」、12「I KNOW SHE WILL」、13「DON'T CRY FOR ME」、14「REMEMBER YOU」、15「IS THIS THE DREAM」、16「INDICATION」、17「I'LL CALL YOU MINE」、18「GOTTA GET A HOLD OF MYSELF」、19「SHE DOES EVERYTHING FOR ME」、20「GOIN' OUT OF MY HEAD」、21「LEAVE ME BE」、22「WORK'N'PLAY」、23「JUST OUT OF REACH」、24「WHENEVER YOU'RE READY」の、全24曲入りで、合計48曲入りです。コレがあれば、ゾンビーズのデッカ時代の全ての楽曲を真正ステレオ・ミックスで聴けますので、同じく2CDの「BEGIN HERE THE COMPLETE DECCA MONO RECORDINGS 1964-1967」全36曲入りと合わせれば、デッカ時代のモノラル・ミックスとステレオ・ミックスは全て聴けるわけで、先ずは他のコンピレーション・アルバムは無視しても良いでしょう。それに加えて、アルバム「ODESSEY & ORACLE」の2CD盤(モノラル・ミックス&ステレオ・ミックスの両方が聴ける)も揃えれば、その三つでゾンビーズの全ての音源は聴けます。が、しかし、ゾンビーズには幻のアルバム「R.I.P.」もありますので、完全制覇するには他にも色々と集めなければなりません。前述の箱「ZOMBIE HEAVEN」で一気に揃える手もありますが、それだとモノラル・ミックスかステレオ・ミックスのどちらかしか聴けません。再結成後のアルバムも持っていますけれど、やはり、ゾンビーズと云えば1960年代で一度は終わったバンドですので、オリジナル・アルバムは2作だけだし、他はシングルやEPで、そっちも大抵はアルバムのボーナス・トラックで聴けます。となるとですね、割と簡単に集める事が可能なのかと云うと、そうは問屋が卸さないわけですなあ。このコンピレーション・アルバム「THE ZOMBIES THE DECCA STEREO ANTHOLOGY」は必携盤ではありますし、「I WANT YOU BACK AGAIN」や「REMEMBER YOU」の様に別ヴァージョンがある曲は両方共入れています。「LEAVE ME BE」はバッキング・トラック・ヴァージョンも入っていますが、もうコレは大瀧師匠の「雨のウェンズデイ」のカラオケ状態です。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする