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2026年03月14日

「ポールの道」#1031「BEAT THE BEATLES」
#080「THE BEACH BOYS WITH THE ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRA」

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1997年リリースの箱「THE PET SOUNDS SESSIONS」や、2011年の箱「THE SMILE SESSIONS」をキャピトルからリリースして好評を得たビーチ・ボーイズは、2012年に再集結して新作アルバム「THAT'S WHY GOD MADE THE RADIO」をリリースして、再集結ツアーを行った後に、再び分裂しました。但し、以前は「マイク・ラヴとブルース・ジョンストンのビーチ・ボーイズ」と「アル・ジャーディン・ファミリー&フレンズ」と「ブライアン・ウィルソン・バンド」の3分裂だったのが、「マイク・ラヴとブルース・ジョンストンのビーチ・ボーイズ」と「ブライアン・ウィルソン・バンドにアル・ジャーディンとデイヴィッド・マークスとブロンディ・チャップリンとリッキー・ファターが参加」と云う2分裂になっていて、つまりは「ビーチ・ボーイズ」を名乗っている方はマイク・ラヴとブルース・ジョンストンの二人しか正式メンバーがいないのに、「ブライアン・ウィルソン・バンド」にはブライアン・ウィルソンとアル・ジャーディンとデイヴィッド・マークスとブロンディ・チャップリンとリッキー・ファターと5人も「ビーチ・ボーイズ」だったメンバーがいると云う逆転現象となったのです。ブライアン・ウィルソンは新作アルバムをリリースしていましたが、ビーチ・ボーイズは発掘音源集ばかりリリースする様になっていて、特に再集結ツアーが終わって2013年にライヴ・アルバム「THE BEACH BOYS LIVE THE 50TH ANNIVERSARY TOUR」をリリースした後には、毎年の様に過去のアルバムの拡張盤や未発表ライヴ音源をリリースする様になりました。それらは、ブートレグ対策で著作権を守る為でもあったのですけれど、それだけビーチ・ボーイズには未発表音源が多くある証明にもなっていました。

そんな過去の音源集でお腹がいっぱい状態だった2018年6月8日に、ビーチ・ボーイズは新作アルバム「THE BEACH BOYS WITH THE ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRA」をキャピトルからリリースしたのです。2012年のアルバム「THAT'S WHY GOD MADE THE RADIO」が33作目で、2013年のライヴ・アルバム「THE BEACH BOYS LIVE THE 50TH ANNIVERSARY TOUR」が34作目だとすると、この「THE BEACH BOYS WITH THE ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRA」は35作目の新作アルバムと云う事になります。が、しかし、このアルバム「THE BEACH BOYS WITH THE ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRA」は、過去のビーチ・ボーイズの楽曲にオーケストラをオーバーダビングしたアルバムなのです。しかも、ビーチ・ボーイズの音源は既発曲をそのまんま流用していて、それにオーケストラを加えたリミックス・アルバムなのです。アルバム「THE BEACH BOYS WITH THE ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRA」の内容は、1「CALIFORNIA SUITE」、2「CALIFORNIA GIRLS」、3「WOULDN'T IT BE NICE」、4「FUN, FUN, FUN」、5「DON'T WORRY BABY」、6「GOD ONLY KNOWS」、7「SLOOP JOHN B.」、8「HEROES AND VILLAINS」、9「DISNEY GIRLS」、10「HERE TODAY」、11「IN MY ROOM」、12「KOKOMO」、13「THE WARMTH OF THE SUN」、14「DARLIN'」、15「HELP ME, RHONDA」、16「YOU STILL BELIEVE IN ME」、17「GOOD VIBRATIONS」の、全17曲入りです。1「CALIFORNIA SUITE」はこのアルバムの為にサリー・ハーバートが書いた前奏曲で、他の16曲は過去のビーチ・ボーイズの楽曲にロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団によるオーケストラ演奏をオーバーダビングしています。

2「CALIFORNIA GIRLS」、15「HELP ME, RHONDA」の2曲は1965年のアルバム「SUMMER DAYS(AND SUMMER NIGHTS!!)」から、3「WOULDN'T IT BE NICE」、6「GOD ONLY KNOWS」、7「SLOOP JOHN B.」、10「HERE TODAY」、16「YOU STILL BELIEVE IN ME」の5曲は1966年のアルバム「PET SOUNDS」から、4「FUN, FUN, FUN」、5「DON'T WORRY BABY」、13「THE WARMTH OF THE SUN」の3曲は1964年のアルバム「SHUT DOWN VOLUME 2」から、8「HEROES AND VILLAINS」、17「GOOD VIBRATIONS」の2曲は1967年のアルバム「SMILEY SMILE」から、9「DISNEY GIRLS」は1971年のアルバム「SURF'S UP」から、11「IN MY ROOM」は1963年のアルバム「SURFER GIRL」から、12「KOKOMO」は1988年のシングルで1989年のアルバム「STILL CRUISIN'」から、14「DARLIN'」は1967年のアルバム「WILD HONEY」からとなっていて、ニック・パトリックとドン・リードマンがプロデュースしています。この二人は同じ手法で、ロイ・オービソンやエルヴィス・プレスリーの楽曲にオーケストラをリミックスしたアルバムも手掛けています。だったらこれもキャピトルが勝手にやらかしたリミックス・アルバムなのかと云うと、そうではなくて、このリミックス・アルバム「THE BEACH BOYS WITH THE ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRA」の為に、ブライアン・ウィルソン、マイク・ラヴ、アル・ジャーディン、ブルース・ジョンストン、デイヴィッド・マークスの5人が、2012年の再集結ツアー以来の共演を2018年7月30日にプロモーションの為に行っているのです。ビルボード・クラシカル・クロスオーバー・アルバムとトップ・クラシカル・アルバム・チャートで首位!となった、このアルバム「THE BEACH BOYS WITH THE ROYAL PHILHARMONIC ORCHESTRA」は公式なビーチ・ボーイズの作品なのですけれど、オーバーダビングしたオーケストラが邪魔でしかないダメダメ盤です。コレがブライアン・ウィルソンにとって「ビーチ・ボーイズの最後のアルバム」じゃあ、ションボリですよ。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする