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2026年03月13日

「ポールの道」#1030「BEAT THE BEATLES」
#079「PLAYBACK : THE BRIAN WILSON ANTHOLOGY」

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ブライアン・ウィルソンは、1988年に初のソロ・アルバム「BRIAN WILSON」をリリースしてから、2015年のソロ・アルバム「NO PIER PRESSURE」まで、スタジオ・ソロ・アルバムを10作、ライヴ・アルバムを2作と、ソロ・アルバムだけで12作もリリースしています。それで、2017年9月22日には、ソロ・アルバムだけからの選曲でベスト・アルバム「PLAYBACK:THE BRIAN WILSON ANTHOLOGY」をライノからリリースしています。内容は、1「LOVE AND MERCY」、2「SURF'S UP」、3「HEROES AND VILLAINS」、4「MELT AWAY」、5「LET IT SHINE」、6「SOME SWEET DAY」、7「RIO GRANDE」、8「CRY」、9「LAY DOWN BURDEN」、10「THE FIRST TIME」、11「THIS ISN'T LOVE」、12「SOUL SEARCHIN'」、13「GETTIN' IN OVER MY HEAD」、14「THE LIKE IN I LOVE YOU」、15「MIDNIGHT’S ANOTHER DAY」、16「COLORS OF THE WIND」、17「ONE KIND OF LOVE」、18「RUN JAMES RUN」の、全18曲入りです。1「LOVE AND MERCY」、4「MELT AWAY」、5「LET IT SHINE」、7「RIO GRANDE」の4曲は、1988年のアルバム「BRIAN WILSON」からで、2「SURF'S UP」、3「HEROES AND VILLAINS」の2曲は、2004年のアルバム「BRIAN WILSON PRESENTS SMiLE」からで、8「CRY」、9「LAY DOWN BURDEN」の2曲は、1998年のアルバム「IMAGINATION」からで、10「THE FIRST TIME」、11「THIS ISN'T LOVE」の2曲は、2000年のライヴ・アルバム「LIVE AT THE ROXY THEATRE」からで、12「SOUL SEARCHIN'」、13「GETTIN' IN OVER MY HEAD」の2曲は、2004年のアルバム「GETTIN' IN OVER MY HEAD」からで、14「THE LIKE IN I LOVE YOU」は、2010年のアルバム「BRIAN WILSON REIMAGINES GERSHWIN」からで、15「MIDNIGHT’S ANOTHER DAY」は、2008年のアルバム「THAT LUCKY OLD SUN」からで、16「COLORS OF THE WIND」は、2011年のアルバム「IN THE KEY OF DISNEY」からで、17「ONE KIND OF LOVE」は、2015年のアルバム「NO PIER PRESSURE」からとなっています。

以上18曲中16曲が既発曲で、6「SOME SWEET DAY」は、1987年から2008年にかけて断続的に行われたブライアン・ウィルソンとアンディ・ペイリーとのセッションから、18「RUN JAMES RUN」は、2015年のアルバム「NO PIER PRESSURE」でのセッションからの、未発表2曲が加わっています。1995年のセルフ・カバー・アルバム「I JUST WASN'T MADE FOR THESE TIMES」と、2002年のライヴ・アルバム「BRIAN WILSON PRESENTS PET SOUNDS LIVE」と、2005年のクリスマス・アルバム「WHAT I REALLY WANT FOR CHRISTMAS」の3作からは選曲されていませんし、ブライアン・ウィルソンがこの時期に関わったビーチ・ボーイズの、1989年のアルバム「STILL CRUISIN'」、1996年のアルバム「STARS AND STRIPES VOL. 1」、2012年のアルバム「THAT'S WHY GOD MADE THE RADIO」、2013年のライヴ・アルバム「THE BEACH BOYS LIVE THE 50TH ANNIVERSARY TOUR」の4作からも選曲されていませんし、1995年のブライアン・ウィルソンとヴァン・ダイク・パークスの共同名義のアルバム「ORANGE CRATE ART」からも選曲されていません。つまり、ソロ・アルバムからだけで、しかも「SMiLE」を除けば、ビーチ・ボーイズのカバー作品は一切選曲されていませんし、「SMiLE」に関しても2004年にブライアン・ウィルソンがソロで完成させているわけで、要するに「ビーチ・ボーイズ」の看板を掲げずとも全18曲入りのベスト・アルバムをリリースする事が、ブライアン・ウィルソンには可能だったのです。その結果が、このベスト・アルバム「PLAYBACK:THE BRIAN WILSON ANTHOLOGY」となったのです。それだけ1988年から2015年の間にブライアン・ウィルソンは精力的に活動していたわけでして、コレがですね、当時のマイク・ラヴとブルース・ジョンストンのビーチ・ボーイズでは、その期間の楽曲だけでのベスト・アルバムなんて出来っこないのですよ。

だってね、その間のビーチ・ボーイズの新作アルバムは、1989年のアルバム「STILL CRUISIN'」と、1992年のアルバム「SUMMER IN PARADICE」と、1996年のアルバム「STARS AND STRIPES VOL. 1」と、2012年のアルバム「THAT'S WHY GOD MADE THE RADIO」と、2013年のライヴ・アルバム「THE BEACH BOYS LIVE THE 50TH ANNIVERSARY TOUR」しかないのですよ。他はみんな発掘音源ばかりだし、確かに1997年の箱「THE PET SOUNDS SESSIONS」や2011年の箱「THE SMILE SESSIONS」は凄いけれど、それらは、つまりは「ブライアン・ウィルソンがスゴイ!」と云う証明なのです。その間の新作アルバムでブライアン・ウィルソンが関わっていないのは1992年のアルバム「SUMMER IN PARADICE」しかないわけで、それも全世界で数千枚しか売れていない黒歴史なのです。1988年から2015年の間にビーチ・ボーイズで売れたのは、1988年のシングル「KOKOMO」と、2003年のベスト・アルバム「SOUND OF SUMMER:THE VERY BEST OF THE BEACH BOYS」と、2012年のアルバム「THAT'S WHY GOD MADE THE RADIO」だけで、つまりはマイク・ラヴの貢献度が高いのは「KOKOMO」だけなんですよ。ベスト・アルバムも、2012年の再集結アルバムも、ブライアン・ウィルソンが居たからこそ売れたわけで、おそらくマイク・ラヴはソレを我々一介のファンなんかよりも骨の髄から知っているのに、再集結ツアーが終わった途端にブライアン・ウィルソンたちを解雇してしまったのです。何故ならば、世界で一番「ブライアン・ウィルソンは天才だ!」と信じて疑わないのは、他ならぬマイク・ラヴなのです。きっと、このブライアン・ウィルソンのソロだけで構成されたベスト・アルバムをマイク・ラヴが聴いたなら「やっぱり、ブライアン・ウィルソンは天才だろ?良い事を教えてやろう、こいつは俺の従兄弟で、ガキの頃から知っているんだぜ」と云うでしょう。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする