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2025年09月16日

「ポールの道」#852「THE BEATLES BLACK VOX」
#161「THE BEATLES 1962-1966」AGAIN

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ビートルズは、1960年代の現役時代の1966年12月10日に、英国パーロフォンから活動期間中では唯一のベスト・アルバム「A COLLECTION OF BEATLES' OLDIES」をリリースしました。このベスト・アルバムは、1966年8月5日に英国パーロフォンからリリースされた英国オリジナルでは7作目のアルバム「REVOLVER」の次のアルバム(色々あって「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」となる)をクリスマス商戦に間に合う様に制作する事が出来なかったので、ベスト・アルバムを出してお茶を濁したわけです。しかしながら、内容は、A面が、1「SHE LOVES YOU」、2「FROM ME TO YOU」、3「WE CAN WORK IT OUT」、4「HELP!」、5「MICHELLE」、6「YESTERDAY」、7「I FEEL FINE」、8「YELLOW SUBMARINE」で、B面が、1「CAN'T BUY ME LOVE」、2「BAD BOY」、3「DAY TRIPPER」、4「A HARD DAY'S NIGHT」、5「TICKET TO RIDE」、6「PAPERBACK WRITER」、7「ELEANOR RIGBY」、8「I WANT TO HOLD YOUR HAND」の、全16曲入りのお徳用盤で、「SHE LOVES YOU」、「FROM ME TO YOU」、「WE CAN WORK IT OUT」、「I FEEL FINE」、「DAY TRIPPER」、「PAPERBACK WRITER」、「I WANT TO HOLD YOUR HAND」の7曲は英国アルバムには初収録で、「BAD BOY」は英国では未発表曲でした。つまり、全16曲中半数の8曲が英国では初めてアルバムに収録されて、「SHE LOVES YOU」以外はステレオ・ミックスされていたのです。ところが、シングル曲も全て水増し編集アルバムに収録していた米国キャピトルでは、「BAD BOY」すら先出しさせてアルバム「BEATLES �Y」に収録済みだったので、このベスト・アルバムはリリースされていません。そして、時は流れてビートルズが解散状態となった1973年1月に、米国で「AΩ」と云うLP4枚組全59曲入りの、ビートルズのオールタイム・ベスト・アルバムのブートレグが発売されて売れました。

それはイカンとなって、米国キャピトル主導で、公式盤のビートルズのオールタイム・ベスト・アルバムである「THE BEATLES 1962-1966(赤盤)」と「THE BEATLES 1967-1970(青盤)」が、1973年4月2日(米国)・4月19日(英国)に、それぞれ2枚組2セットでリリースされたのです。このベスト・アルバムは、ジョージ・ハリスンが選曲した事になっていたのですけれど、実は、アラン・クレインの指示でアップル・レコードのアメリカ地区責任者アラン・ステックラーが選曲を担当しています。ところが、アラン・クレインがビートルズとの契約更新を拒否されて、アップルをクビになったので、ジョージ・ハリスンが選曲したと云う宣伝をされたのです。今回はアルバム「THE BEATLES 1962-1966(赤盤)」を紹介します。内容は、A面が、1「LOVE ME DO」、2「PLEASE PLEASE ME」、3「FROM ME TO YOU」、4「SHE LOVES YOU」、5「I WANT TO HOLD YOUR HAND」、6「ALL MY LOVING」、7「CAN'T BUY ME LOVE」で、B面が、1「A HARD DAY'S NIGHT」、2「AND I LOVE HER」、3「EIGHT DAY'S A WEEK」、4「I FEEL FINE」、5「TICKET TO RIDE」、6「YESTERDAY」で、C面が、1「HELP!」、2「YOU’VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY」、3「WE CAN WORK IT OUT」、4「DAY TRIPPER」、5「DRIVE MY CAR」、6「NORWEGIAN WOOD(THIS BIRD HAS FLOWN)」で、D面が、1「NOWHERE MAN」、2「MICHELLE」、3「IN MY LIFE」、4「GIRL」、5「PAPERBACK WRITER」、6「ELEANOR RIGBY」、7「YELLOW SUBMARINE」の、全26曲入りです。こちらの選曲は、ほとんどがシングル・ヒット曲を並べているのですけれど、何故か1965年のアルバム「RUBBER SOUL」から6曲も選ばれています。

その割には、1966年のアルバム「REVOLVER」からはシングル・カットされた「ELEANOR RIGBY」と「YELLOW SUBMARINE」の2曲だけと云うバランスの悪さも目立っていて、もしもジョージが選曲していたならば、「TAXMAN」辺りは選曲していたでしょう。何せ、こちらのオリジナルの「赤盤」には、ジョージが書いた曲もジョージが歌った曲も、1曲も選ばれていないのです。最後がリンゴが歌う「YELLOW SUBMARINE」と云うところも、ズッコケます。それでですね、この「赤盤」が出てしまったので、ベスト・アルバム「A COLLECTION OF BEATLES' OLDIES」の全16曲中、「BAD BOY」以外の15曲が「赤盤」でも聴ける様になってしまったのです。それで、ベスト・アルバム「A COLLECTION OF BEATLES' OLDIES」の役目は終わってしまったので、CD化もされていないどころか、ビートルズのカタログから抹消されてしまったのです。他にも、1976年の編集盤「ROCK'N'ROLL MUSIC」や、1977年の編集盤「LOVE SONGS」とか、なかった事にされているアルバムは沢山あります。それは、1987年から1988年にかけて、ビートルズが初CD化された時にですね、CD化されたアルバムのみが本物であって、他はなかった事にされたのです。ビートルズは初CD化された時に、初期の4作(「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」、「WITH THE BEATLES」、「A HARD DAY'S NIGHT」、「BEATLES FOR SALE」)がモノラル・ミックスで、その後の2作(「HELP!」、「RUBBER SOUL」)がサー・ジョージ・マーティンによるステレオ・リミックスで、その後のアルバム(「REVOLVER」、「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、「MAGICAL MYSTERY TOUR」、「THE BEATLES」、「YELLOW SUBMARINE」、「ABBEY ROAD」、「LET IT BE」)はステレオ・ミックスで、アルバム未収録曲集「PAST MASTERS」は基本的にはステレオ・ミックスで、全世界統一規格化されたのです。

ビートルズは1968年のアルバム「THE BEATLES」まではモノラル・ミックスとステレオ・ミックスを別々に行っていて、シングルは1969年の「GET BACK / DON'T LET ME DOWN」までは基本的にはモノラル・ミックスでした。それが、片方しか聴けない事となったわけで、当然の如く公式盤の逆ミックス盤がブートレグとなってしまったのです。そんな全世界統一規格化を破ったのが、実はこの「赤盤」(と「青盤」)の初CD化だったのです。ビートルズのアルバムの初CD化から5年以上も経った1993年9月20日に、ベスト・アルバム「THE BEATLES 1962-1966(赤盤)」と「THE BEATLES 1967-1970(青盤)」が初CD化されていて、「ALL MY LOVING」と「CAN'T BUY ME LOVE」と「A HARD DAY'S NIGHT」と「AND I LOVE HER」と「EIGHT DAYS A WEEK」の5曲は初ステレオCD化で、アナログ盤ではステレオだった「PLEASE PLEASE ME」と「FROM ME TO YOU」と、疑似ステレオだった「LOVE ME DO」と「SHE LOVES YOU」はモノラルになっています。更に云えば、アナログ盤時代の「赤盤」と「青盤」は、英米でそれぞれ所有しているマスターを使用していたので、例えば米国キャピトル盤の「HELP!」には「なんちゃってジェームズ・ボンドのテーマ」が前奏として入っていました。それらは全てCD化で全世界統一規格化されたものの、こうして「赤盤」の初CD化では別ミックスが収録される事ともなっています。2009年9月9日にはビートルズのステレオとモノラルがリマスターされたので、その音源を使った「赤盤」と「青盤」が2010年10月18日にリリースされました。2度目のCD化でしたけれど、昔から「赤盤」は全部で60分位しかないので、CDなら1枚に収録出来るだろう、と文句を云われていました。そうしたファンの不満が、2023年の拡大盤へと繋がったのでしょう。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする