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2025年08月01日

「ポールの道」#806「THE BEATLES BLACK VOX」
#115「THE GET BACK JOURNALS」PART 4

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ビートルズが1969年1月に行った「THE GET BACK SESSIONS」の音源を集めた、CD8枚組のブートレグ「THE GET BACK JOURNALS」は、「VIGOTONE」から1993年にリリースされました。この「THE GET BACK SESSIONS」は、1969年1月2日(木曜日)から1月3日(金曜日)、1月6日(月曜日)から1月10日(金曜日)までと、1月13日(月曜日)と1月14日(火曜日)、1月16日(木曜日)の10日間の平日に、映画用のトゥイッケナム・フィルム・スタジオでリハーサルを行い、1月20日(月曜日)から1月29日(火曜日)までと、1月31日(金曜日)にアップル・スタジオで土日返上で11日間の本番のレコーディング・セッションを行い、終盤の1月30日(木曜日)には伝説のアップル・ビルの屋上でのゲリラ・ライヴ・レコーディング・セッションを行っています。リハーサルとレコーディング・セッションを合わせると、22日間にも及ぶのですけれど、普通ならば前半のトゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサル音源は遺されていなかったでしょう。それが遺ってしまったのは、最初はテレビ特番で、後に映画となった「ビートルズが新作をリハーサルしてレコーディングして、最後には1966年以来のライヴを行う」と云う企画があって、リハーサル段階から始終カメラを回して映像と音源を収録していたからです。故に、その遺された音源と映像は膨大で、1970年にリリースされたフィル・スペクターがプロデュースしたアルバム「LET IT BE」や、それ以前にグリン・ジョンズがまとめてビートルズに却下されたアルバム「GET BACK」や、1970年公開の映画「LET IT BE」80分は無論の事で、2021年に公開されたドキュメンタリー映画「GET BACK」7時間47分ですら、全体のほんの一部しか取り上げられてはいません。

現在ではCD83枚+1枚のブートレグ「THE COMPLETE GET BACK SESSIONS」が出ていて、その音源集は全部で97時間44分7秒もあります。それは演奏だけではなく、会話なども含めてなのですけれど、ドキュメンタリー映画「GET BACK」ですらたったの7時間47分なわけで、じゃあ、残りの90時間は何なんだ、と云う事になります。公式盤としては、今後は2021年リリースの箱「LET IT BE」(リハーサルとレコーディング・セッションはたったのCD2枚)や、ドキュメンタリー映画「GET BACK」以上の音源や映像は出て来ないでしょう。となるとですね、こう云う「THE GET BACK SESSIONS」のブートレグが駆逐される事もないでしょう。さて、今回はブートレグ「THE GET BACK JOURNALS」のCD7とCD8を紹介します。まず、CD7は、1「DIG A PONY」、2「YOU GOT THE MESSAGE」、3「I'M READY」、4「DIG A PONY / PAPA'S GOT A BRAND NEW BAG / SHOUT! / WILLIAM SMITH BOOGIE」、5「YOU'RE GOT ME THINKING」、6「I'VE GOT A FEELING」、7「SHE CAME IN THROUGH THE BATHROOM WINDOW」、8「DON'T LET ME DOWN」、9「I'VE GOT A FEELING」と、1〜9は1969年1月22日(水曜日)のアップル・スタジオでのレコーディング・セッション音源です。オリジナルの未発表曲は、2「YOU GOT THE MESSAGE」と、4の後半の「WILLIAM SMITH BOOGIE」です。この1月22日のセッションの途中から、ビリー・プレストンがキーボード奏者として参加しています。昔から、ビリー・プレストンを連れて来たのはジョージ・ハリスンだと云われていたのですけれど、ドキュメンタリー映画「GET BACK」を観ると、少し違う様に思えます。

ビリー・プレストンはテレビ番組に出演する為に英国に来ていて、旧知の仲であるビートルズの面々に自分から挨拶に行ったところ、ジョン・レノンがビリー・プレストンに「オーバーダビングなしのレコーディング・セッションをしているから、キーボード奏者として参加して欲しい」と口説いて参加させています。ビリー・プレストンが来る前の段階から、キーボード奏者の必要性を感じて議論していて、ジョンとポールは「REVOLUTION」に参加したニッキー・ホプキンスの名前を出しているところで、ジョージがレイ・チャールズのバックで演奏していたビリー・プレストンを絶賛していて推薦する場面があるので、ジョージが連れて来たと云う話になったのではないでしょうか。つづいて、10「OCTOPUS'S GARDEN」、11「GET BACK / REACH OUT, I'LL BE THERE」、12「I'VE GOT A FEELING」、13「HELP!」、14「PLEASE PLEASE ME」と、10〜14は1969年1月23日(木曜日)のアップル・スタジオでのレコーディング・セッション音源です。つづいて、15「ROCK AND ROLL CIRCUS DIALOGUE / GET BACK /(I CAN'T GET NO)SATISFACTION」、16「INSTRUMENTAL JAM」、17「GET BACK」、18「SOLDIER OF LOVE」、19「MEDLEY:CATHY'S CLOWN / SOLDIER OF LOVE / WHERE HAVE YOU BEEN」、20「WHAT'D I SAY / LOVE IS A SWINGIN' THING」、21「CHILD OF NATURE」、22「TWO OF US」、23「TEDDY BOY」の、全23曲入りで、15〜23は、1969年1月24日(金曜日)のアップル・スタジオでのレコーディング・セッション音源です。19のメドレーで歌われているエヴァリー・ブラザーズの「CATHY'S CLOWN」は「I SHOULD HAVE KNOWN BETTER(恋する二人)」の元ネタで、途中までのコード進行が全く同じなんですけれど、それは大瀧師匠に教えてもらいました。その大瀧師匠も、マン&ワイル作の「WHERE HAVE YOU BEEN」のサビを「恋するカレン」に引用しています。

CD8は、1「TEDDY BOY / BALLS TO YOUR PARTNER / ACH DU LIEBER AUGUSTIN」、2「TWO OF US」、3「POLYTHENE PAM」、4「TWO OF US」、5「MAGGIE MAE」、6「TEDDY BOY」、7「TWO OF US」、8「HER MAJESTY」、9「THERE YOU ARE EDDIE」、10「EVERY NIGHT / PILLOW FOR YOUR HEAD」、11「HOT AS SUN」、12「TWO OF US / HELLO GOODBYE」、13「DIGGIN' MY POTATOES / ROCK ISLAND LINE」、14「SINGIN' THE BLUES / KNEE DEEP IN THE BLUES」、15「DIG IT」、16「GET BACK」、17「BAD BOY」、18「SWEET LITTLE SIXTEEN / AROUND AROUND」、19「ALMOST GROWN」、20「SCHOOL DAYS」、21「POSTCARD DIALOGUE」、22「ALL ALONG THE WATCHTOWER」と、1〜21は1969年1月24日(金曜日)のアップル・スタジオでのレコーディング・セッション音源です。ボブ・ディランのカヴァー22「ALL ALONG THE WATCHTOWER」は、おそらく1969年1月3日(金曜日)のトゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサル音源で、最後の23「GET BACK」は、1969年1月27日(月曜日)のアップル・スタジオでのレコーディング・セッション音源です。CD8は全23曲入りで、CD8枚で全200曲入りです。200曲と云っても、鼻歌程度とかフレーズを少し弾くだけとかの音源もあります。1「TEDDY BOY」と、11「HOT AS SUN」は、1970年リリースのポールのソロ・アルバム「McCARTNEY」に収録されます。オリジナルの未発表曲は、1の途中の「BALLS TO YOUR PARTNER」と、9「THERE YOU ARE EDDIE」と、10の後半の「PILLOW FOR YOUR HEAD」です。この「THE GET BACK JOURNALS」は、CD8枚中CD6の途中までがトゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサル音源で、結構かったるい演奏がつづきます。

尚、1995年にリリースされたCD8枚組の続編「THE GET BACK JOURNALS U」は、8枚全てがトゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサル音源(1969年1月3日、6日、7日、8日、9日、10日、13日、14日、16日)です。付録として「THE GET BACK SESSIONS」の研究本である「DRUG, DIVORCE AND A SLIPPING IMAGE」が付いていて、それを元にしてビートルズが演奏した順番に並べているのが「THE GET BACK JOURNALS」と「THE GET BACK JOURNALS U」なのです。その後に、CD38作76枚の「DAY BY DAY」や、CD81枚組の「A/B ROAD」や、CD83枚組+1枚の「THE COMPLETE GET BACK SESSIONS」などが出ていて、それらはカメラ用のロール音源をあるだけ順番に1969年1月2日(木曜日)から1月31日(金曜日)まで収録していて、音質も向上しているので、もはや「THE GET BACK JOURNALS」と「THE GET BACK JOURNALS U」の役目は既に終わっていると思われますが、1990年代前半にここまで「THE GET BACK SESSIONS」音源をまとめて、しかも演奏部分だけを演奏順に収録したブートレグは他にはありませんでした。フィルム・ケース入り(紙製もあり)の外観からして、只者ではない雰囲気で、「THE GET BACK JOURNALS」には写真集付きで、「THE GET BACK JOURNALS U」には研究本付きと云うのも良かったのですけれど、続編の「THE GET BACK JOURNALS U」はCD8枚中、半分の4枚が聴けなくなるエラー盤でした。そこで、名誉挽回の為なのか「VIGOTONE」は、2000年にはCD17枚組の「TIRTY DAYS」をリリースするのです。それに関しては、次回から2枚ずつ紹介していきます。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする