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2025年07月31日

「ポールの道」#805「THE BEATLES BLACK VOX」
#114「THE GET BACK JOURNALS」PART 3

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ビートルズが、1969年1月に行った「THE GET BACK SESSIONS」の音源を収録した、CD8枚組のブートレグ「THE GET BACK JOURNALS」から、今回はCD5とCD6を紹介します。CD5は、1「COMMONWEALTH」、2「GET OFF WHITE POWER」、3「HONEY HUSH」、4「FOR YOU BLUE」、5「LET IT BE」、6「MEDLEY:RAMBLIN' WOMAN / I THREW IT ALL AWAY / MAMA YOU BEEN ON MY MIND」、7「LET IT BE」と、1〜7は、1969年1月9日(木曜日)のトゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサル音源のつづきです。オリジナルの未発表曲は、1「COMMONWEALTH」と、2「GET OFF WHITE POWER」、更にジョージ・ハリスンが歌う「RAMBLIN' WOMAN」は、ジョージ作なのかボブ・ディランの未発表曲なのか分かっていません。メドレーでその後にディランのカヴァー「I THREW IT ALL AWAY」と「MAMA YOU BEEN ON MY MIND」を歌っているのと、1968年にジョージがディランと「I'D HAVE YOU ANYTIME」を共作(ジョージが1970年リリースのソロ・アルバム「ALL THINGS MUST PASS」のA面1曲目に収録)しているので、共作かもしれません。つづいて、8「TWO OF US」、9「HI HEEL SNEAKERS」、10「GET BACK」、11「GET BACK」と、8〜11は、1969年1月10日(金曜日)のトゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサル音源です。ジョージ・ハリスンは、この1月10日の途中で脱退していて、この後のトゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサルにはジョージは参加していません。映画「LET IT BE」や、ドキュメンタリー映画「GET BACK」でも取り上げられている「TWO OF US」でのポール・マッカートニーとジョージ・ハリスンの口論は、実は1月10日ではなく、1月6日に起こったわけで、ジョージはその後4日間耐えていたものの、遂に爆発したのです。

つづいて、12「INSTRUMENTAL」が、1969年1月13日(月曜日)のトゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサル音源です。ジョージが脱退したから2日間休んだのではなくて、単に土日だったから休んだだけです。13「LADY JANE」、14「JAZZ PIANO SONG」、15「PIANO INSTRUMENTAL」、16「WOMAN」、17「THE BACK SEAT OF MY CAR」、18「IT'S JUST FOR YOU」、19「TEA FOR TWO」、20「CHOPSTICKS」、21「WHOLE LOTTA SHAKIN' GOIN' ON」、22「A VISIT FROM PETER SELLERS」と、13〜22は1969年1月14日(火曜日)のトゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサル音源です。このパートはほとんどがポールによるピアノの弾き語りで、14「JAZZ PIANO SONG」は映画「LET IT BE」に使われたポールとリンゴによるピアノの連弾です。オリジナルの未発表曲は、18「IT'S JUST FOR YOU(「SONG OF LOVE」とも云う)」ですが、ポール&リンダ・マッカートニーの1971年リリースのアルバム「RAM」の最後に収録する事となる、17「THE BACK SEAT OF MY CAR」が、この「THE GET BACK SESSIONS」の段階で出来ていた事が分かります。ポールが変名でピーター&ゴードンに書いた、16「WOMAN」の弾き語りも珍しい音源です。ポールは他の3人よりも早くトゥイッケナム・フィルム・スタジオに行って、マイケル・リンゼイ=ホッグ監督やエンジニアのグリン・ジョンズにピアノでの弾き語りを披露していたので、こうして音源が遺っているのです。映画「LET IT BE」で観る事が出来るポールとリンゴによるピアノの連弾「JAZZ PIANO SONG」は、ジョージが脱退中に演奏していたわけで、映画「LET IT BE」は時系列を無視した編集がされています。ポールとジョージの口論も描かれてはいますが、ジョンが上手く収めた様に編集されているので、まさかその後にジョージが脱退したとは思えない様になっています。

一番顕著なのは、1969年1月30日(木曜日)の「ルーフトップ」を最後に持って来ていて、翌日である1月31日(金曜日)のアップル・スタジオでのレコーディング・セッション音源(「TWO OF US」、「THE LONG AND WINDING ROAD」、「LET IT BE」)をその前に移動させているところです。その分、1時間半弱の映画ながら、ビートルズによる演奏はしっかりと完奏している曲が多いのです。ピーター・ジャクソン監督によるドキュメンタリー映画「GET BACK」では、基本的には時系列に沿った構成になっていますが、演奏を細切れにしちゃったところは不満です。まあ、同じ様な構成だったならば、わざわざ50年以上も経ってから同じ素材を使って8時間近いドキュメンタリー映画を制作する意味がなかったわけですけれどね。それにしたって、楽曲を楽しむにはドキュメンタリー映画「GET BACK」は適していません。22「A VISIT FROM PETER SELLERS」は、曲ではなく、俳優のピーター・セラーズが訪問したときの音源です。ジョンが小噺を話すと、全員が爆笑する楽し気な会話ですけれど、えっとですね、コレがジョージ脱退中の音源だと知ると、何だか恐ろしくなってしまいます。と云うCD4は、全22トラック入りです。CD5は、1「MADMAN」、2「MEAN MR. MUSTARD / MADMAN」、3「WATCHING RAINBOWS」、4「INSTRUMENTAL JAM」、5「TAKE THIS HAMMER」、6「JOHNNY B. GOOD」の、1〜6は1969年1月14日(火曜日)のトゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサル音源のつづきです。オリジナルの未発表曲は、1「MADMAN」と、3「WATCHING RAINBOWS」で、どちらもジョンが書いた曲です。ジョージがいないので、ジョンがヴォーカル&エレクトリック・ピアノ、ポールがエレクトリック・ギター、リンゴがドラムスの、3ピース編成です。「WATCHING RAINBOWS」は、ビートルズの未発表曲の中でも特に好きな曲なので、正式にレコーディングして欲しかったです。但し、この「WATCHING RAINBOWS」は「I'VE GOT A FEELING」に発展したとも云えます。

ここまでがトゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサル音源で、つづいて、7「I SHALL BE RELEASED」、8「INSTRUMENTAL JAM」、9「I'VE GOT A FEELING」、10「NEWS REPORT / I'VE GOT MY BLUE FINGER」、11「EVERY NIGHT」、12「DIG A PONY」、13「WATCH YOUR STEP」、14「NEW ORLEANS」、15「MADMAN」、16「DIG A PONY」、17「HI HEEL SNEAKERS」、18「MILK COW BLUES」、19「LITTLE QUEENIE」、20「WHEN IRISH EYES ARE SMILING」、21「QUEEN OF THE HOP」、22「ALL I WANT IS YOU」、23「MEDLEY:ROLL OVER BEETHOVEN / HULLY GULLY / GOOD ROCKIN' TONIGHT」、24「MEDLEY:FORTY DAYS / INSTRUMENTAL JAM」、25「TOO BAD ABOUT SORROWS」で、7〜25は、1969年1月21日(火曜日)のアップル・スタジオでのレコーディング・セッション音源です。トゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサルは、1969年1月16日(木曜日)も行われていますが、それはポールがひとりでやった様です。そして、3日間休んだだけで、1969年1月20日から1月31日まで、1月30日のアップル・ビルの屋上でのゲリラ・ライヴ・レコーディング・セッションも含めて、12日間ぶっ通しで本番のレコーディング・セッションを行っています。この1月21日の段階では、まだビリー・プレストンは参加していません。1月20日にジョージが復帰して、顔合わせ程度に行った後に、1月21日から本格的なレコーディング・セッションが始まっていて、1月22日の途中からビリー・プレストンが招かれています。この7〜25は、1月22日(水曜日)のレコーディング・セッションと書かれていましたが、曲目から考えると1月21日(火曜日)でしょう。いよいよアップル・スタジオでのレコーディング・セッション音源が登場しますが、音は悪いし、ビートルズの演奏もまだやる気が感じられません。ポールの「EVERY NIGHT」は、1970年リリースのソロ・アルバム「McCARTNEY」に収録されて、ジョンの「ALL I WANT IS YOU」は「DIG A PONY」とは別の未発表曲です。(つづく)

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする