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2025年05月09日

「ポールの道」#723「THE BEATLES BLACK VOX」
#032「ANOTHER TRACKS OF WITH THE BEATLES!」

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前回では些か内容がブートレグ寄りになってきましたが、この「THE BEATLES BLACK VOX」は、別にブートレグを積極的にオススメする連載ではありません。ビートルズのレコーディング・セッションの流れを紹介するのが主旨であって、なるべくブートレグにはいかず、パイレート盤を中心にしてゆく心算です。今回は、いよいよ1963年11月22日(モノラル、ステレオ)に英国パーロフォンからリリースされた、ビートルズの2作目のアルバム「WITH THE BEATLES」へとお話が進みます。ビートルズのデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」には、既発シングルの「LOVE ME DO / P.S. I LOVE YOU」と「PLEASE PLEASE ME / ASK ME WHY」の4曲も収録された全14曲入りでしたが、この2作目のアルバム「WITH THE BEATLES」には、当時の既発シングルだった「FROM ME TO YOU / THANK YOU GIRL」と「SHE LOVES YOU / I'LL GET YOU」と、アルバムの直後にリリースされたシングル「I WANT TO HOLD YOUR HAND / THIS BOY」の6曲は収録されていません。アルバム「WITH THE BEATLES」は、米国キャピトル盤のアルバム「MEET THE BEATLES!」や、日本盤のアルバム「ビートルズ!」の元になったアルバムで、米国盤や日本盤にはそれらのシングル曲も収録されているのですけれど、英国オリジナルでは全14曲がピカピカの新曲だったのです。そして、その全14曲からは、英国ではシングル・カットもされていません。

アルバム「WITH THE BEATLES」は、それまで全英チャートで30週連続で首位!だったアルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」を自らの手で2位に引きずり落として初登場首位!となり、21週連続で首位!となりました。その勢いで翌1964年には全米制覇して、つまりは全世界制覇となるのです。そんなアルバム「WITH THE BEATLES」の様々なミックス違いを楽しめるのが、パイレート盤では定評がある「SWEET ZAPPLE」から出ていた「ANOTHER TRACKS OF WITH THE BEATLES!」です。あたくしが持っているのは改訂盤で「NEW EDITION」となっております。CD2枚組で、まず、CD1が、1「IT WON'T BE LONG」、2「ALL I'VE GOT TO DO」、3「ALL MY LOVING」、4「DON'T BOTHER ME」、5「LITTLE CHILD」、6「TILL THERE WAS YOU」、7「PLEASE MISTER POSTMAN」、8「ROLL OVER BEETHOVEN」、9「HOLD ME TIGHT」、10「YOU'VE REALLY GOT A HOLD ON ME」、11「I WANNA BE YOUR MAN」、12「DEVIL IN HER HEART」、13「NOT A SECOND TIME」、14「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」と、アルバム「WITH THE BEATLES」全14曲の英国盤ステレオ・ミックスが収録されています。旧CDはモノラルだったので、こちらではステレオで入っているわけですが、サー・ジョージ・マーティンが、当時はモノラル・ミックスにチカラを入れていて、ステレオ・ミックスはいい加減だったと云うだけの事はあります。

アルバム「WITH THE BEATLES」の英国オリジナル・ステレオ・ミックスは、所謂ひとつの「左右泣き別れミックス」で、1曲を除いて、片方が演奏で片方がヴォーカルに振り分けてあるだけなのです。ところが、何故か最後の「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」の1曲だけはジョンのヴォーカルがセンターで、演奏も左右に分けられている気合が入ったステレオ・ミックスになっています。サー・ジョージ・マーティンが自分でピアノを弾いているから特別にそうしたわけでもなく(他の曲でもピアノを弾いている)、おそらく、全曲をそう云うちゃんとしたステレオ・ミックスにしようと考えていたけれど、時間がないから泣き別れで出しちゃったんでしょうなあ、知らんけど。そして、この後が「SWEET ZAPPLE」の腕の見せ所で、15「IT WON'T BE LONG」は米国キャピトル盤「MEET THE BEATLES!」のモノラル・ミックスで、ステレオ・ミックスをモノラルにしただけのインチキ・ミックスです。16「ALL MY LOVING」は、もうすっかりお馴染みのイントロ・ハイハット・ステレオ・ミックスで、17「ALL MY LOVING」はオーストラリア盤のセンター寄りステレオ・ミックスです。18「LITTLE CHILD」は米国キャピトル盤「MEET THE BEATLES!」のインチキ・モノラル・ミックスで、19「TILL THERE WAS YOU」もオーストラリア盤のセンター寄りステレオ・ミックスですが、この辺の各国盤ステレオ・ミックスが、サー・ジョージ・マーティン曰く「どこの誰がやったのかも知らない」なのでしょうか。

20「PLEASE MISTER POSTMAN」は、米国キャピトル盤「THE BEATLES’ SECOND ALBUM」のセンター寄りでリバーブがかかったステレオ・ミックスで、21「PLEASE MISTER POSTMAN」はソレの日本盤からなのですが、テープ・スピードを間違えて遅くなっている「SLOW DOWN MIX」と名前だけはカッコイイけどトホホな音源です。22「ROLL OVER BEETHOVEN」は米国キャピトル盤「THE BEATLES' SECOND ALBUM」のセンター寄りでリバーブがかかったステレオ・ミックスで、23「ROLL OVER BEETHOVEN」はオーストラリア盤のセンター寄りステレオ・ミックスです。24「HOLD ME TIGHT」もオーストラリア盤のセンター寄りステレオ・ミックスで、25「HOLD ME TIGHT」は米国キャピトル盤「MEET THE BEATLES!」のインチキ・モノラル・ミックスです。26「YOU'VE REALLY GOT A HOLD ON ME」は米国キャピトル盤「THE BEATLES' SECOND ALBUM」のセンター寄りでリバーブがかかったステレオ・ミックスで、27「YOU'VE REALLY GOT A HOLD ON ME」は米国キャピトル盤「THE BEATLES' SECOND ALBUM」のインチキ・モノラル・ミックスです。28「DEVIL IN HER HEART」は米国キャピトル盤「THE BEATLES' SECOND ALBUM」のセンター寄りでリバーブがかかったステレオ・ミックスで、29「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」は米国キャピトル盤「THE BEATLES' SECOND ALBUM」のインチキ・モノラル・ミックスで、30「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」は米国キャピトル盤「THE BEATLES' SECOND ALBUM」のセンター寄りでリバーブがかかったステレオ・ミックスで、全30曲入りです。

CD2は、同時期のシングルから、1「FROM ME TO YOU」はイントロにハーモニカが入っていないステレオ・ミックスで、2「FROM ME TO YOU」はイントロにハーモニカが入らずセンター寄りになっているオーストラリア盤ステレオ・ミックスです。3「THANK YOU GIRL」は、米国キャピトル盤「THE BEATLES' SECOND ALBUM」のインチキ・モノラル・ミックスで、4「THANK YOU GIRL」は米国キャピトル盤「THE BEATLES' SECOND ALBUM」のハーモニカが異なるステレオ・ミックスです。5「SHE LOVES YOU」は疑似ステレオ・ミックスで、6「SHE LOVES YOU」はドイツ盤の「A COLLECTION OF BEATLES OLDIES」の疑似ステレオ・ミックスで、7「SHE LOVES YOU」は英国盤「A COLLECTION OF BEATLES OLDIES」の疑似ステレオ・ミックスです。ジェフ・エメリックが、モノラル・ミックスしかないのを、苦心してトライした涙ぐましい記録ですが、現在ではデミックスによって見事なステレオになっています。そう云えば、SUGAR BABEのライヴ音源も、デミックスしたら綺麗になりそうですけれど、タツローはそう云う事はやりたくないんでしょうなあ。8「I'LL GET YOU」は、米国キャピトル盤「THE BEATLES' SECOND ALBUM」の疑似ステレオ・ミックスです。9「I WANT TO HOLD YOUR HAND」は、米国キャピトル盤「MEET THE BEATLES!」の疑似ステレオ・ミックスで、10「I WANT TO HOLD YOUR HAND」はオーストラリア盤の別ステレオ・ミックスで、結構オーストラリアでも勝手に別ミックスをやらかしていた様です。12「THIS BOY」は、米国キャピトル盤「MEET THE BEATLES!」の疑似ステレオ・ミックスです。

13「I WANNA BE YOUR MAN」と、14「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」と、15「ROLL OVER BEETHOVEN」の3曲は、1976年の編集盤「ROCK'N'ROLL MUSIC」の米国キャピトル盤でサー・ジョージ・マーティンがノーギャラでやったステレオ・リミックスで、16「THIS BOY」は1977年の編集盤「LOVE SONGS」の英国盤での別疑似ステレオ・ミックスです。17「I WANNA BE YOUR MAN」は、米国キャピトル盤「MEET THE BEATLES!」でのインチキ・モノラル・ミックスです。18「I WANT TO HOLD YOUR HAND」と、19「THIS BOY」は、米国盤仕様の「MEET THE BEATLES!」の日本盤での、またも出ました「SLOW DOWN MIX」で、20「I'LL GET YOU」と、21「SHE LOVES YOU」も、米国盤仕様「THE BEATLES' SECOND ALBUM」の日本盤でのテープ・スピードを遅くしてしまった痛恨の「SLOW DOWN MIX」です。22「THIS BOY」は、真正ステレオ・ミックスです。その後は、23「FROM ME TO YOU」、24「FROM ME TO YOU」、25「THANK YOU GIRL」、26「THANK YOU GIRL」、27「SHE LOVES YOU」、28「SHE LOVES YOU」、29「THIS BOY」、30「ONE AFTER 909」、31「ONE AFTER 909」、32「ONE AFTER 909」、のミックス違い音源が収録されていて、全32曲入りで、合計62曲入りです。ソースはほとんど全てが公式盤音源なので、パイレート盤ですが、よくぞ集めたと思える労作です。基本的にミックス違い音源なので、レコーディング・セッション音源とは違って、同じ曲は2回か3回しかつづかないので、こっちの方が聴き易いとは思います。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする