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2025年05月08日

「ポールの道」#722「THE BEATLES BLACK VOX」
#031「FROM ME TO YOU SESSIONS」

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ビートルズは、1963年3月22日(モノラル)・同年4月26日(ステレオ)に、英国パーロフォンからデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」をリリースしました。既発シングル4曲以外の10曲を、1963年2月11日の1日でスタジオ・ライヴ・レコーディングしてしまったインスタントなアルバムですけれど、ハンブルクでの箱バンで鍛えたビートルズの演奏能力は高く、レコード会社の期待以上に売れに売れ捲り、全英チャートで30週連続で首位!と云うウルトラ大ヒット作となりました。ところが、ビートルズのイケイケドンドンは止まらず、1963年3月5日には3作目のシングル「FROM ME TO YOU / THANK YOU GIRL」をレコーディングして、同年4月12日にリリースして、文句なしの全英首位!を獲得しました。何故、文句なしの首位!かと云うと、英国ではデビュー・シングルの「LOVE ME DO / P.S. I LOVE YOU」はマネジャーのブライアン・エプスタインが1万枚買って何とか全英17位となって、2作目のシングル「PLEASE PLEASE ME / ASK ME WHY」は大ヒットしたものの、首位!となったチャートと2位止まりだったチャートがあったので、英国と米国のどちらかで首位!となった曲でのベスト・アルバム「1」には「PLEASE PLEASE ME」が収録されていないのです。それなのに「LOVE ME DO」が入っているのは、1964年にビートルズが全米制覇を成し遂げた時に、ドサクサ紛れに「LOVE ME DO」も全米首位!になっちゃったからなのです。

さて、そんな文句なしの首位!となった英国では3作目のシングル「FROM ME TO YOU / THANK YOU GIRL」ですが、この曲がレコーディングされた1963年3月5日は、何と、レコーディング・セッション音源が遺されています。次の4作目のシングル「SHE LOVES YOU / I'LL GET YOU」は、英国でのシングルの売り上げ記録を塗り替えた特大ヒット曲なのですけれど、なな、なんと、モノラル・マスター以外のセッション音源が全て破棄されているのです。それを考えると、シングル「FROM ME TO YOU / THANK YOU GIRL」のレコーディング・セッション音源が遺っているのは奇跡的な事です。このセッション音源は、古くからブートレグで出回っていましたが、2013年の配信限定の音源集「THE BEATLES BOOTLEG RECORDINGS 1963」で一部が公式音源化されています。この音源に関しては、以前も取り上げているのですけれど、オススメのブートレグとしては、古いものでは「VIGOTONE」からの「MARCH 5, 1963」があって、内容は、1〜13「FROM ME TO YOU」、14〜25「THANK YOU GIRL」、26〜30「THE ONE AFTER 909」と、1963年3月5日の「FROM ME TO YOU SESSIONS」からステレオ音源で30トラックに加えて、オマケで1962年1月1日の「デッカ・オーディション」全15曲のモノラル音源を大サービスで加えた、全45トラック入りとなっております。古いブートレグなので、中古盤なら5百円前後で買えると思います。

ハーフオフィシャル盤では「ETERNAL GROOVES」から「FROM ME TO YOU SESSION」が出ていますけれど、ブートレグからのコピーだし、何故に、コレに限らずブートレグのコピー盤が、ジャケットにビートルズの写真を使って、ハーフオフィシャル盤として堂々と販売されているのかは「謎」です。ハーフオフィシャル盤はそれなりの値段なので、そこは開き直って新品が税込み千円ブートレグの「MOONCHILD RECORDS」からの「FROM ME TO YOU SESSIONS」でよろしいのではないでしょうか。コレも2019年に出ていて、内容は、1〜7「FROM ME TO YOU」、8〜20「THANK YOU GIRL」、21〜25「ONE AFTER 909」、26〜36「FROM ME TO YOU」、37〜39「THANK YOU GIRL」、40〜41「ONE AFTER 909」、の全41トラック入りで、つまり「FROM ME TO YOU」と「THANK YOU GIRL」と「ONE AFTER 909」の3曲しか収録されていません。1963年3月5日のレコーディング・セッション音源と編集作業音源まで、あるだけ全部入れているだけの、清々しいブートレグです。この音源も、やはりヴォーカルをセンターにしていて、新たにステレオ・リミックスしてあるので、以前のブートレグとは違っています。同じ曲を何度も演奏しているのが面白いのか、と云うと「至福の時」なのです。そもそも、そんな音源は聴いていられないよ、と云う方々にはオススメしません。前述の通り、2013年には公式で配信限定ながら3曲のレコーディング・セッション音源の一部は公式音源化されていて、それを踏まえて、出し惜しみせずにあるだけ入れたわけで、コレマタ、ブートレグとパイレート盤の狭間にある様なアルバムとなっております。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする