
衝撃の大傑作アルバム「JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND(ジョンの魂)」を、1970年12月11日にアップルからリリースしたジョン・レノンは、つづいて1971年3月12日(英国)・同年3月22日(米国)・同年4月5日(日本)に、シングル「POWER TO THE PEOPLE / OPEN YOUR BOX」をリリースしました。B面のヨーコさんの「OPEN YOUR BOX」は、米国では「猥褻だ」と発禁になって、「TOUCH ME」に変更されています。当時の「POWER TO THE PEOPLE」には、「人々に勇気を」と云う邦題が付けられています。現在では「フジロック・フェスティバル」の終演後に流れる「POWER TO THE PEOPLE」ですけれど、ジャケットでジョンとヨーコさんは、「叛」の文字の入ったヘルメットを被っていて、日本の新左翼学生運動「共産主義者同盟(ブント)」叛旗派のものです。1971年1月22日に、ジョンの自宅にあるアスコット・サウンド・スタジオでレコーディングされたメンバーは、ジョン・レノン(リード・ヴォーカル、エレクトリック・ギター、ピアノ)、クラウス・フォアマン(ベース)、ジム・ゴードン(ドラムス)、ビリー・プレストン(ピアノ、キーボード)、ボビー・キーズ(サクソフォン)、ロゼッタ・ハイタワー(バッキング・ボーカル)に、一般人44名のコーラスと足踏みが加えられていて、名義は「JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND」です。
プロデュースは、ジョンとヨーコさんとフィル・スペクターとなっていて、同じ面子だったアルバム「JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND(ジョンの魂)」よりは、ずっとフィル・スペクターらしい出来栄えになっています。この力強いメッセージ・ソングは、全英7位・全米11位となっていて、アルバム未収録曲でしたけれど、1975年のシングル集「SHAVED FISH」、1982年のベスト盤「THE JOHN LENNON COLLECTION」、1997年のベスト盤「LENNON LEGEND」、2000年のリミックス盤「JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND(ジョンの魂)」、2005年のベスト盤「WORKING CLASS HERO」、2006年のサントラ盤「THE U.S. VS JOHN LENNON」、2010年のベスト盤「POWER TO THE PEOPLE」、2010年の小箱ベスト盤「GIMME SOME TRUTH」、2010年の大箱全集「JOHN LENNON SIGNATURE BOX」、2020年のベスト盤「GIMME SOME TRUTH.」と云ったベスト盤には定番曲として収録されています。特に2010年のベスト盤ではタイトルにもなっているので、お馴染みの楽曲でしょう。2003年のDVD盤「LENNON LEGEND」や、2010年のベスト盤「POWER TO THE PEOPLE」のCD+DVDの2枚組では、プロモーション・ヴィデオも収録されています。中には、首を傾げる様な改悪PVも含んでいるのですけれどね。
そのPVなんですけれど、ジョンとヨーコさんがデモ行進に参加した様子が撮影されていて、そう云う反体制な行動が米国政府に睨まれる事となって、FBIに電話を盗聴されたり、遂には暗殺される結末ともなってしまうのです。映像盤の「LENNON LEGEND」と「POWER TO THE PEOPLE」には、これまで紹介してきた楽曲だと、「GIVE PEACE A CHANCE」、「COLD TURKEY」、「INSTANT KARMA!」、「MOTHER」、「WORKING CLASS HERO」、「LOVE」と云った楽曲のPVも収録されています。2枚のDVDを購入すれば、ほぼジョンのPVは揃いますし、20曲入りでボーナス映像満載の「LENNON LEGEND」があれば、15曲入りの「POWER TO THE PEOPLE」は要らないでしょうし、どちらか1枚で充分でしょう。ジョンが生前に発表したシングル集のベスト盤は、1975年の「SHAVED FISH」しかありません。それは、ジョンがEMIとの契約が切れるので、もう1枚の契約で「BETWEEN THE LINES」と云う新作を制作する予定が、ヨーコさんの妊娠で取り止めにして、自分のシングル集をリリースしようと調べたら、ほとんどのシングルが廃盤になっていたので愕然としてリリースしたのです。その上、この「POWER TO THE PEOPLE」は、マスター・テープが行方不明になっていて、仕方なく「SHAVED FISH」には盤起こしの10秒短い音源が収録されています。ジョンはこの事でEMIに不信感を抱いて、再契約には応じていません。
(小島イコ)
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