
ローリング・ストーンズの英国オリジナル・アルバムは、1作目の「THE ROLLING STONES」が1964年4月17日に、2作目のアルバム「THE ROLLING STONES No.2」が1965年1月15日に、3作目のアルバム「OUT OF OUR HEADS」が1965年9月24日に、それぞれデッカからリリースされています。英国でのオリジナル・アルバムには、基本的にはシングル曲やEPの曲は収録されておらず、初期の大ヒット曲「(I CAN'T GET NO)SATISFACTION」ですら、英国のオリジナル・アルバムには収録されていません。それは、ビートルズにも云えて、1963年の大ヒット曲「FROM ME TO YOU」も、「SHE LOVES YOU」も、「I WANT TO HOLD YOUR HAND」も、1964年の大ヒット曲「I FEEL FINE」も、1965年の大ヒット曲「DAY TRIPPER」も、「WE CAN WORK IT OUT」も、英国オリジナル・アルバムには収録されていません。更に云えば、1964年のEP「LONG TALL SALLY」に収録された4曲(「LONG TALL SALLY」、「I CALL YOUR NAME」、「SLOW DOWN」、「MATCHBOX」)も、シングルB面だった「THANK YOU GIRL」、「I'LL GET YOU」、「THIS BOY」、「SHE'S A WOMAN」、「YES IT IS」、「I'M DOWN」と云った曲も、オリジナル・アルバムには収録されていません。逆に、オリジナル・アルバムにも収録されたシングル曲の方が少ないのです。ビートルズの英国オリジナル・アルバムは12作ありますが、その内の5作(「WITH THE BEATLES」、「BEATLES FOR SALE」、「RUBBER SOUL」、「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、「THE BEATLES」)にはシングル曲が収録されておらず、アルバム「LET IT BE」に関しては「GET BACK」と「LET IT BE」が収録されていますが、シングルとアルバムでは別ミックスなので、つまり半数の6作にはシングル曲が収録されていません。簡単に云えば、CD2枚組の編集アルバム「PAST MASTERS」に収録された全35曲と米国編集アルバム「MAGICAL MYSTERY TOUR」全11曲中10曲の合計45曲は、英国オリジナル・アルバムには収録されていません。しかし、米国ではシングルを中心として勝手に編集盤が出ていて、それはローリング・ストーンズでも同じです。いや、まだビートルズの米国編集アルバムが愛らしく感じられる程に、ローリング・ストーンズの米国編集アルバムは無茶苦茶な選曲になっているとさえ思えます。
米国ロンドンは、1965年12月3日にローリング・ストーンズの米国では5作目の編集アルバム「DECEMBER'S CHILDREN(AND EVERYBODY'S)」をリリースしました。この時点で英国オリジナル・アルバムは「OUT OF OUR HEADS」までの3作しかリリースされていなかったのに、米国では5作目となっていて、しかも、ジャケット写真は英国オリジナル・アルバム「OUT OF OUR HEADS」と同じなのです。内容は、A面が、1「SHE SAID YEAH」、2「TALKIN' ’BOUT YOU」、3「YOU BETTER MOVE ON」、4「LOOK WHAT YOU'VE DONE」、5「THE SINGER NOT THE SONG」、6「ROUTE 66」で、B面が、1「GET OFF OF MY CLOUD」、2「I'M FREE」、3「AS TEARS GO BY」、4「GOTTA GET AWAY」、5「BLUE TURNS TO GREY」、6「I'M MOVING ON」の、全12曲入りです。コレはですね、先ずは英国オリジナル・アルバム「OUT OF OUR HEADS」から先出しさせた6曲を既に米国編集アルバム「OUT OF OUR HEADS」に収録してしまったので、残りの6曲の内から4曲(「SHE SAID YEAH」、「GOTTA GET AWAY」、「TALKIN' ’BOUT YOU」、「I'M FREE」)を持ってきています。英国オリジナル・アルバム「OUT OF OUR HEADS」の残り2曲(「HEART OF STONE」、「OH BABY(WE GOT A GOOD THING GOIN')」は、3作目の米国編集アルバム「THE ROLLING STONES, NOW!」に収録済みでした。それでは8曲も足りないので、なんと、英国でのみリリースされていた1964年のEP「THE ROLLING STONES」から1曲(「YOU BETTER MOVE ON」)を紛れ込ませ、英国のみの1965年のライヴEP「GOT LIVE IF YOU WANT IT!」から2曲(「ROUTE 66」、「I'M MOVING ON」)をそれぞれAB面の最後に持ってきて、当時のヒット・シングルの英国盤AB面の2曲(「GET OFF OF MY CLOUD」、「THE SINGER NOT THE SONG」、米国盤シングルB面は「I'M FREE」)、更にこの編集アルバムで初収録された3曲(「LOOK WHAT YOU'VE DONE」、「AS TEARS GO BY」、「BLUE TURNS TO GREY」)を加えています。CDで聴くと、ライヴ・ヴァージョンの浮き捲り度が凄過ぎます。1965年9月のRCAでのレコーディング曲が多いものの、1963年や1964年の曲や、1965年のライヴ音源まで入れて、「AS TEARS GO BY」は1965年10月に追加レコーディングまでしています。この米国編集アルバム「DECEMBER'S CHILDREN(AND EVERYBODY'S)」は全米4位止まりで、ファンも無茶苦茶な選曲だと察知していたのでしょう。
ジャガー=リチャーズ作が5曲(「THE SINGER NOT THE SONG」、「GET OFF OF MY CLOUD」、「I'M FREE」、「GOTTA GET AWAY」、「BLUE TURNS TO GREY」)で、ジャガー=リチャーズにプロデューサーのアンドリュー・ルーグ・オールダムが加わった3人の共作が1曲(「AS TEARS GO BY」)で、残りの6曲はカバーです。シングル曲も入れたので、オリジナル曲がカバー曲と同数になっていますが、「AS TEARS GO BY」は1964年にマリアンヌ・フェイスフルに提供した曲のセルフ・カバーです。アンドリュー・ルーグ・オールダムが、ミック・ジャガーとキース・リチャーズを曲が出来るまでキッチンに閉じ込めて、二人が初めて書いたのがこの「AS TEARS GO BY」だと云われています。このセルフ・カバーは、ミック・ジャガーのヴォーカルと、キース・リチャーズの12弦アコースティック・ギターだけの演奏に、マイク・リーンダー編曲の弦楽四重奏を加えていて、誰が聴いてもビートルズの「YESTERDAY」のマネだと思うでしょう。確かに曲は1964年に出来ていましたが、曲が似ているのではなくて、1965年10月26日のセルフ・カバー「AS TEARS GO BY」での編曲が、1965年6月14日録音で8月6日リリースの「YESTERDAY」と同じなんですから、ジョン・レノン曰く「ローリング・ストーンズは、ビートルズのマネばかりしている」なのです。ちなみに、マイク・リーンダーは後にビートルズの「SHE'S LEAVING HOME」のストリングス・アレンジも担当していますが、サー・ジョージ・マーティンがシラ・ブラックのレコーディングで不在だったので、ポール・マッカートニーが待ちきれずにマイク・リーンダーに編曲させてしまい、サー・ジョージ・マーティンは亡くなるまで事あるごとにその件を蒸し返して恨んでいました。「GET OFF OF MY CLOUD」(全英首位!・全米首位!)や「AS TEARS GO BY」(米国独自シングル、全米6位、英国ではシングル「19TH NERVOUS BREAKDOWN」B面)などは英国オリジナル・アルバムには収録されていませんけれど、1966年のベスト・アルバム「BIG HITS(HIGH TIDE AND GREEN GRASS)」には収録されています。この「DECEMBER'S CHILDREN(AND EVERYBODY'S)」の滅茶苦茶な選曲は、ビートルズの1966年の米国編集アルバム「YESTERDAY AND TODAY」も腰を抜かす程に酷いですなあ。
(小島イコ)
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