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2025年10月28日

「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」(再)

必殺!!主題歌ベストセレクション~裏稼業の哀歌たち~ CD


BSテレ東 15:54〜17:56

片瀬那奈 AS 夏目理恵子

(撮影:2007年5月/京都、奈良ロケ)

「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」の、今年5回目の再放送です。那奈ちゃんが演じた夏目理恵子さんは、新人弁護士で、藤田まことさんが演じた猪狩弁護士と共に冤罪殺人事件の裁判に挑みます。奇跡の初舞台と云われた舞台「僕たちの好きだった革命」の直後に、京都と奈良でのロケで、おそらく撮影時期が被っていたドラマ「地獄の沙汰もヨメ次第」があったので、東京と関西を何往復もして撮影されています。ところで、藤田まことさんと云えば「必殺シリーズ」ですけれど、現在「必殺仕業人」と「新・必殺仕置人」と「必殺仕事人」と「必殺仕事人W」が絶賛再放送中です。シリーズ最高傑作である「新・必殺仕置人」は本日で終わりましたが、明日からは「必殺仕置屋稼業」が始まります。実は、この「法廷荒らし 弁護士 猪狩文助」も、「必殺仕事人W」と盛大にバッティングしています。毎日何人も斬り捲っている中村主水は、どれだけ人を斬れば気が済むのでしょうか。

本放送:2007年11月18日(BSジャパン)、2007年11月21日(テレビ東京)

(小島イコ/姫川未亜)

posted by 栗 at 17:56| ACTRESS | 更新情報をチェックする

2025年10月27日

「ポールの道」#893「THE BEATLES BLACK VOX」
#202「ROCK'N'ROLL MUSIC LIVE & RARE 1962-1966」PART 2

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ビートルズのライヴ音源をお手軽に入手出来る「REEL TO REEL」からのCD10枚組の小箱「ROCK'N'ROLL MUSIC LIVE & RARE 1962-1966」の、今回はCD5〜CD7の紹介です。この小箱のCD10枚は、実はCD1〜CD5の前半5枚は観客を前にしたライヴ音源ではなく、「デッカ・オーディション音源」や「ポリドール音源」や「レコーディング・セッション音源」や「BBC音源」などが収録されています。ソレは良いのですけれど、何故か「デッカ・オーディション」全15曲から10曲しか入れていなかったり、トニー・シェリダンとの「ポリドール音源」はビートルズがバック・バンドを務めた音源よりも、ビート・ブラザーズがバック・バンドを務めた音源を多く入れていたりします。ビートルズのCDなのに、ビートルズが演奏していない音源が入っているのはCD10枚組だからご愛嬌なのかもしれませんが、ソレがCD1なのは先行きが不安になってしまいます。しかし、CD2からは本物のビートルズによるレコーディング・セッション音源やBBC音源となっているので、まあいいか、となります。CD2とCD4とCD5が基本的にはBBC音源とキャバーン・クラブ音源で、CD3がレコーディング・セッション音源ですが、BBC音源に関してはCD11枚組の完全盤が他のブートレグで出ています。レコーディング・セッション音源に関してもデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」セッション音源と、シングル「FROM ME TO YOU」セッション音源と、セカンド・アルバム「WITH THE BEATLES」セッション音源が収録されているものの、それらはダイジェストであって、それぞれの完全盤が他のブートレグで出ています。故に、CD1〜CD5と半分の5枚のCDは、あくまでもダイジェスト版であって、完全盤は他のブートレグでどうぞ、と云う構成になっています。

CD5は、「POP GO THE BEATLES / DROP IN / ROYAL VARIETY PERFORMANCE / THE BEATLES COME TO TOWN / IT'S THE BEATLES / FROM US TO YOU / KARLAPLAN RADIO SUTUDIO, SWEDEN」で、1「THAT'S ALLRIGHT MAMA」、2「THERE'S A PLACE」、3「SHE LOVES YOU」、4「TWIST AND SHOUT」、5「SHE LOVES YOU」、6「TWIST AND SHOUT」、7「I SAW HER STANDING THERE」、8「LONG TALL SALLY」、9「FROM ME TO YOU」、10「SHE LOVES YOU」、11「TWIST AND SHOUT」、12「FROM ME TO YOU」、13「FROM ME TO YOU」、14「I SAW HER STANDING THERE」、15「ALL MY LOVING」、16「ROLL OVER BEETHOVEN」、17「BOYS」、18「I SAW HER STANDING THERE」、19「TIE ME KANGEROO DOWN, SPORT」、20「INTERVIEW With Michael Colly」、21「INTERVIEW - DATELINE LONDON」、22「SHE LOVES YOU」、23「TWIST AND SHOUT」の、全23トラックで全21曲入りです。1「THAT'S ALLRIGHT MAMA」と、2「THERE'S A PLACE」の2曲は、1963年7月16日放送の「POP GO THE BEATLES」からで、3「SHE LOVES YOU」と、4「TWIST AND SHOUT」の2曲は、1963年10月24日放送の「POP GO THE BEATLES」からで、5「SHE LOVES YOU」〜8「LONG TALL SALLY」の4曲は1963年10月30日の「DROP IN」からで、9「FROM ME TO YOU」は1963年11月4日の「ロイヤル・バラエティー・パフォーマンス」からで、10「SHE LOVES YOU」〜12「FROM ME TO YOU」の3曲は、1963年11月20日の「THE BEATLES COME TO TOWN」からで、13「FROM ME TO YOU」〜16「ROLL OVER BEETHOVEN」の4曲は、1963年12月7日の「IT'S THE BEATLES」からで、17「BOYS」〜19「TIE ME KANGEROO DOWN, SPORT」の3曲は、1963年12月26日放送の「FROM US TO YOU」からの音源です。20は1963年11月3日放送の、21は1963年12月10日放送のインタビュー音源で、22「SHE LOVES YOU」と、23「TWIST AND SHOUT」の2曲は、1963年10月24日のストックホルム公演からのライヴ音源です。

CD6は、「L'OLYMPIA THEATRE, PARIS / NME POLLWINNERS, WEMBLEY / FESITVAL HALL, MELBOURNE」で、いよいよ本格的に有観客ライヴ音源が登場します。1「FROM ME TO YOU」、2「I SAW HER STANDING THERE」、3「TWIST AND SHOUT」、4「FROM ME TO YOU」、5「LONG TALL SALLY」、6「SHE LOVES YOU」、7「YOU CAN'T DO THAT」、8「TWIST AND SHOUT」、9「LONG TALL SALLY」、10「CAN'T BUY ME LOVE」、11「INTRO」、12「I SAW HER STANDING THERE」、13「YOU CAN'T DO THAT」、14「ALL MY LOVING」、15「SHE LOVES YOU」、16「TILL THERE WAS YOU」、17「ROLL OVER BEETHOVEN」、18「CAN'T BUY ME LOVE」、19「THIS BOY」、20「TWIST AND SHOUT」、21「INTRO」、22「I SAW HER STANDING THERE」、23「YOU CAN'T DO THAT」、24「ALL MY LOVING」、25「SHE LOVES YOU」、26「TILL THERE WAS YOU」、27「ROLL OVER BEETHOVEN」、28「CAN'T BUY ME LOVE」、29「THIS BOY」、30「TWIST AND SHOUT」、31「LONG TALL SALLY」の、全31トラックで全29曲入りです。1「FROM ME TO YOU」〜5「LONG TALL SALLY」の5曲は、1964年1月16日のパリ公演からのライヴ音源で、6「SHE LOVES YOU」〜10「CAN'T BUY ME LOVE」の5曲は、1964年4月26日のロンドン公演からのライヴ音源で、11「INTRO」〜20「TWIST AND SHOUT」の10トラック9曲は、1964年6月17日のメルボルン公演の昼の部からで、21「INTRO」〜31「LONG TALL SALLY」の11トラック10曲は、同日の夜公演からのライヴ音源です。パリ公演とロンドン公演はダイジェストで、メルボルン公演は昼の部は「LONG TALL SALLY」が欠けていますが、夜の部はフル・サイズでの収録です。この1964年6月17日のライヴは、ラジオ放送用にライヴ・レコーディングされていて、テレビ放送用にカメラで撮影もされていたので、ビートルズも気合が入った演奏をしていますし、音も悪くはないです。この日は病欠していたリンゴ・スターも復帰していて、リンゴの歌がないのは病み上がりだったからでしょう。

CD7は、「BLACKPOOL, NIGHT OUT / CONVENTION HALL, PHILADELPHIA / STATE FAIR COLISEUM, INDIANAPOLIS」で、1「A HARD DAY'S NIGHT」、2「THINGS WE SAID TODAY」、3「YOU CAN'T DO THAT」、4「IF I FELL」、5「LONG TALL SALLY」、6「INTRO」、7「TWIST AND SHOUT」、8「YOU CAN'T DO THAT」、9「ALL MY LOVING」、10「SHE LOVES YOU」、11「THINGS WE SAID TODAY」、12「ROLL OVER BEETHOVEN」、13「CAN'T BUY ME LOVE」、14「IF I FELL」、15「I WANT TO HOLD YOUR HAND」、16「BOYS」、17「A HARD DAY'S NIGHT」、18「LONG TALL SALLY」、19「INTRO」、20「TWIST AND SHOUT」、21「YOU CAN'T DO THAT」、22「ALL MY LOVING」、23「SHE LOVES YOU」、24「THINGS WE SAID TODAY」、25「ROLL OVER BEETHOVEN」、26「CAN'T BUY ME LOVE」、27「IF I FELL」、28「I WANT TO HOLD YOUR HAND」、29「BOYS」、30「A HARD DAY'S NIGHT」、31「LONG TALL SALLY」の、全31トラックで全29曲入りです。1「A HARD DAY'S NIGHT」〜5「LONG TALL SALLY」の5曲は、1964年7月19日のブラックプール公演からのライヴ音源で、6「INTRO」〜18「LONG TALL SALLY」の13トラック12曲は、1964年9月2日のフィラデルフィア公演からのライヴ音源で、19「INTRO」〜31「LONG TALL SALLY」の13トラック12曲は、1964年9月3日のインディアナポリス公演からのライヴ音源です。1964年9月2日のフィラデルフィア公演は、アナログ盤時代に最初に出たライヴ・ブートレグ「THE BEATLES IN CONCERT AT WHISKEY FLAT」の元になったと云われていて、元々ラジオ番組用にライヴ・レコーディングされていたので、音も悪くはありません。フィラデルフィア公演(完全収録)やインディアナポリス公演(最後の「LONG TALL SALLY」が途中で切れる)は、当時のビートルズが行っていた全12曲35分のパッケージ・ショーをほぼフル・サイズで収録していて、全米制覇を成し遂げた1964年のライヴなので、やる気マンマンの演奏が聴けます。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする

「都市伝説の女」第1話(再)で内山理名ちゃん

都市伝説の女 [Blu-ray]


テレ朝チャンネル2 7:00〜9:00(第1話〜第2話連続放送)

第1話「転落死…将門首塚の祟り!?」

内山理名 AS  関口千穂(第1話ゲスト)

「都市伝説の女」第1話の、今年なんと11回目の再放送です。理名ちゃんが演じた関口さんは、殺人事件の被害者の元カノで、犯人の婚約者です。序盤で、理名ちゃんが演じた関口さんが、長澤まさみちゃんが演じた主役の音無月子を、いきなりだなあ、とビンタするシーンがあって、そのビンタが真相解明の手掛かりとなる展開です。都市伝説に拘る破天荒な刑事・音無月子が事件を解決する1話完結のドラマで、本放送は「金曜ナイトドラマ」枠で、数字は平均で「9.7%」と深夜枠としては大ヒットしたので、翌年に続編も制作されています。

本放送:2012年4月13日(テレビ朝日)

(姫川未亜/小島イコ)

posted by 栗 at 07:00| RINA | 更新情報をチェックする

2025年10月26日

「ポールの道」#892「THE BEATLES BLACK VOX」
#201「ROCK'N'ROLL MUSIC LIVE & RARE 1962-1966」PART 1

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ビートルズのライヴ音源は、公式盤では1964年8月23日と1965年8月29日と同年8月30日に行われたロサンゼルスのハリウッド・ボウル3公演から、1977年5月20日にサー・ジョージ・マーティンとジェフ・エメリックによって編集されてリリースされたライヴ・アルバム「THE BEATLES AT THE HOLLYWOOD BOWL」全13曲入りを、2016年9月9日にジャイルズ・マーティンとサム・オケルが再編集してリリースされたライヴ・アルバム「THE BEATLES LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL」全17曲にした1作しかありません。他には、BBC音源として1994年11月30日にリリースされたスタジオ・ライヴ・アルバム「LIVE AT THE BBC」と、2013年11月11日にリリースされた続編のスタジオ・ライヴ・アルバム「ON AIR - LIVE AT THE BBC VOLUME 2」がありますが、ソレは観客を前にしたライヴ音源ではありません。観客を前にしたライヴ音源は、1995年11月21日にリリースされたアルバム「ANTHOLOGY 1」と、1996年3月18日にリリースされたアルバム「ANTHOLOGY 2」に一部が収録されています。つまり、ビートルズのフル・ライヴ・アルバムは、前述の「THE BEATLES LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL」1作しかなくて、ソレも3公演から良いとこ取りをしているのです。公式盤がそう来るのならば、ビートルズのライヴ音源はブートレグ業者にとっては美味しい素材となっていて、前回に紹介した「YELLOW DOG RECORDS」からのCD2枚組で4公演を収録したブートレグ「THE ULTIMATE LIVE COLLECTION VOLUME 1」など沢山のライヴ・ブートレグが出ています。しかしながら、公式盤のライヴ・アルバム「THE BEATLES LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL」があの程度の3トラック・レコーディングだったので、ブートレグになっている他のライヴ音源は音質は悪いものも多くて、オーディエンス録音の中には歓声が大きすぎて肝心なビートルズの演奏がほとんど聴こえないものまであります。

そこで、ビートルズのライヴ・ブートレグ入門として、以前にも触れた「REEL TO REEL」からリリースされたCD10枚組のハーフオフィシャル盤「ROCK'N'ROLL MUSIC LIVE & RARE 1962-1966」が便利です。CD10枚組で全260トラックで全251曲入りですが、普通にアマゾンなどでも扱っていて、CD10枚組なのに2千円余りで新品が買えます。ソレを今回はより詳しく、3回に分けて紹介していきます。まず、CD1は「DECCA DEMOS / TONY SHERIDEN / BEAT BROTHERS」で、1「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」、2「TILL THERE WAS YOU」、3「TO KNOW HER IS TO LOVE HER」、4「TAKE GOOD CARE OF MY BABY」、5「MEMPHIS TENNESSEE」、6「SURE TO FALL(IN LOVE WITH YOU)」、7「CRYING, WAITING, HOPING」、8「LOVE OF THE LOVED」、9「SEPTEMBER IN THE RAIN」、10「BESAME MUCHO」、11「MY BONNIE」、12「SKINNY MINNIE」、13「WHOLE LOTTA SHAKIN' GOIN' ON」、14「I KNOW BABY」、15「YOU ARE MY SUNSHINE」、16「READY TEDDY」、17「THE SAINTS」、18「HALLELUJAH, I LOVE HER SO」、19「LET'S TWIST AGAIN」、20「SWEET GEORGIA BROWN」、21「SWANEE RIVER」、22「TOP TEN TWIST」、23「MY BONNIE(GERMAN INTRO)」の、全23曲入りです。1「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」〜10「BESAME MUCHO」の10曲は、1962年1月1日の「デッカ・オーディション」音源です。この「デッカ・オーディション」では全15曲が演奏されていますが、何故か10曲だけ収録されています。11「MY BONNIE」〜23「MY BONNIE(GERMAN INTRO)」の13曲は、1961年6月にトニー・シェリダンのバック・バンドとして演奏した音源ですが、確実にビートルズが演奏しているのは、11&23「MY BONNIE」と、17「THE SAINTS」だけで、他は「ビート・ブラザーズ」の演奏です。20「SWEET GEORGIA BROWN」と、21「SWANEE RIVER」は、ビートルズが演奏したテイクもありますけれど、コレには何故かビート・ブラザーズのヴァージョンで収録されています。

CD2は、「TEENAGER’S TURN / HERE WE GO / CAVERN CLUB / FIRST RADIO INTERVIEW」で、1「DREAM BABY」、2「MEMPHIS TENNESSEE」、3「PLEASE MISTER POSTMAN」、4「ASK ME WHY」、5「BESAME MUCHO」、6「A PICTURE OF YOU」、7「WHAT'D I SAY(With Gene Vincent)」、8「SOME OTHER GUY」、9「SOME OTHER GUY」、10「KANSAS CITY」、11「RADIO INTERVIEW」、12「I SAW HER STANDING THERE」、13「ONE AFTER 909」、14「ONE AFTER 909」、15「CATWALK」、16「CATWALK」、17「LOVE ME DO」、18「P.S. I LOVE YOU」の、全18トラックで全17曲入りです。1「DREAM BABY」〜3「PLEASE MISTER POSTMAN」の3曲は、ビートルズが初めてBBCに登場した1962年3月7日放送の「TEENAGER’S TURN」からの、4「ASK ME WHY」〜6「A PICTURE OF YOU」の3曲は、1962年6月11日放送の「HERE WE GO」からのスタジオ・ライヴ音源です。7「WHAT'D I SAY(With Gene Vincent)」は1962年夏頃の、8「SOME OTHER GUY」は1962年8月22日の、9「SOME OTHER GUY」〜10「KANSAS CITY」の2曲は1962年9月5日の、それぞれキャバーン・クラブでのライヴ音源です。11「RADIO INTERVIEW」は1962年10月27日の初めてのラジオ・インタビュー音源で、12「I SAW HER STANDING THERE」〜16「CATWALK」の5曲は、1962年10月のキャバーン・クラブでのリハーサル音源で、17「LOVE ME DO」と、18「P.S. I LOVE YOU」の2曲は、1962年9月4日にレコーディングされたデビュー・シングル用のセッション音源で、どちらもリンゴ・スターがドラムスを叩いています。公式盤では「LOVE ME DO」はシングル初回盤だけリンゴ・ヴァージョンが使われて、その後は(「P.S. I LOVE YOU」は最初から)セッション・ドラマーのアンディ・ホワイトがドラムスを叩いたヴァージョンが使われています。

CD3は、「THE OUTTAKES」で、1〜5「THERE'S A PLACE」、6〜8「I SAW HER STANDING THERE」、9「THERE'S A PLACE」、10「I SAW HER STANDING THERE」、11〜13「MISERY」、14〜16「FROM ME TO YOU」、17〜19「THANK YOU GIRL」、20「FROM ME TO YOU」、21〜23「HOLD ME TIGHT」、24〜26「DON'T BOTHER ME」の、全26曲入りです。1「THERE'S A PLACE」〜13「MISERY」の13曲は、1963年2月11日に行われたデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」のレコーディング・セッション音源で、そのデビュー・アルバムは、既発シングル「LOVE ME DO / P.S. I LOVE YOU」と「PLEASE PLEASE ME / ASK ME WHY」以外の10曲を、たったの1日でレコーディングしています。このレコーディング・セッションは、完全盤がブートレグで出ています。14「FROM ME TO YOU」〜20「FROM ME TO YOU」の7曲は、1963年3月5日のシングル「FROM ME TO YOU / THANK YOU GIRL」のレコーディング・セッション音源で、このレコーディング・セッションも完全盤がブートレグで出ています。21「HOLD ME TIGHT」〜26「DON'T BOTHER ME」の6曲は、1963年9月12日のセカンド・アルバム「WITH THE BEATLES」のレコーディング・セッション音源です。よりによって、ポール・マッカートニーの駄作と、ジョージ・ハリスンの処女作で本人もなかった事にしたい曲が、こうしてブートレグとして遺ってしまったのですから、困ったちゃんなのです。ここまでの音源では、CD1の「デッカ・オーディション」音源も不完全ですし、トニー・シェリダン音源はビートルズが演奏していない曲が多過ぎるし、BBC音源も中途半端で、アウトテイクもダイジェスト版と云った感じです。

CD4は、「SIDE BY SIDE / SATURDAY CLUB / POP GO THE BEATLES / EASY BEAT」で、1「THANK YOU GIRL」、2「I SAW HER STANDING THERE」、3「BOYS」、4「LONG TALL SALLY」、5「TOO MUCH MONKEY BUSINESS」、6「BABY IT'S YOU」、7「LOVE ME DO」、8「MEMPHIS TENNESSEE」、9「THANK YOU GIRL」、10「FROM ME TO YOU」、11「TOO MUCH MONKEY BUSINESS」、12「BOYS」、13「I SAW HER STANDING THERE」、14「TWIST AND SHOUT」、15「I GOT TO FIND MY BABY」、16「MEMPHIS TENNESSEE」、17「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」、18「FROM ME TO YOU」、19「CAROL」、20「SHE LOVES YOU」、21「YOU REALLY GOT A HOLD ON ME」、22「I'LL GET YOU」、23「SHE LOVES YOU」、24「(THERE'S)A DEVIL IN HER HEART」、25「HONEY DON'T」、26「MISERY」、27「FROM ME TO YOU」、28「SHE LOVES YOU」、29「CRIMBLE MEDLEY」の、全29曲入りです。1「THANK YOU GIRL」は、1963年5月13日放送の「SIDE BY SIDE」からで、2「I SAW HER STANDING THERE」〜4「LONG TALL SALLY」の3曲は、1963年5月25日放送の「SATURDAY CLUB」からで、5「TOO MUCH MONKEY BUSINESS」〜7「LOVE ME DO」の3曲は、1963年6月11日放送の「POP GO THE BEATLES」からで、8「MEMPHIS TENNESSEE」は、1963年6月18日放送の「POP GO THE BEATLES」からで、9「THANK YOU GIRL」と、10「FROM ME TO YOU」の2曲は、1963年6月23日放送の「EASY BEAT」からで、11「TOO MUCH MONKEY BUSINESS」と、12「BOYS」の2曲は、1963年6月24日放送の「SIDE BY SIDE」からで、13「I SAW HER STANDING THERE」と、14「TWIST AND SHOUT」の2曲は、1963年6月25日放送の「POP GO THE BEATLES」からのスタジオ・ライヴ音源です。

15「I GOT TO FIND MY BABY」〜18「FROM ME TO YOU」の4曲は、1963年6月29日放送の「SATURDAY CLUB」からで、19「CAROL」は、1963年7月16日放送の「POP GO THE BEATLES」からで、20「SHE LOVES YOU」〜22「I'LL GET YOU」の3曲は、1963年8月13日放送の「POP GO THE BEATLES」からで、23「SHE LOVES YOU」と、24「(THERE'S)A DEVIL IN HER HEART」の2曲は、1963年8月20日放送の「POP GO THE BEATLES」からで、25「HONEY DON'T」は、1963年9月3日放送の「POP GO THE BEATLES」からで、26「MISERY」と、27「FROM ME TO YOU」は、1963年12月21日放送の「SATURDAY CLUB」からで、28「SHE LOVES YOU」と、29「CRIMBLE MEDLEY」の2曲は、1963年12月21日放送の「SATURDAY CLUB」からのスタジオ・ライヴ音源です。と云う事で、CD1からCD4までを駆け足で紹介してきましたけれど、先を急げば次のCD5も「BBC音源」なので、観客を前にしたライヴ音源が聴けるのはCD6からCD10の後半の5枚だけなのです。それで、このCD1からCD5までは「前座」みたいな感じで、うっかりなのかわざとなのか分かりませんが、「デッカ・オーディション」から5曲も減らしたのに、ビートルズの演奏ではない「ポリドール音源」を10曲も入れていたり、「アウトテイク」も「BBC音源」も中途半端なカタチで収録されていて、なかなかビートルズのライヴが始まらないのです。しかしながら、実際のビートルズのライヴも全11〜12曲35分のパッケージ・ショーだったわけで、トリのビートルズが登場するまでは他のバンドが延々と前座をやっていたのです。故に、こちらの前座は、ポリドール音源を除けばほぼビートルズなので、後半のCD6から始まるライヴへ向けた大いなる助走と捉えて宜しいのでしょう。

(小島イコ)

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2025年10月25日

「ポールの道」#891「THE BEATLES BLACK VOX」
#200「THE ULTIMATE LIVE COLLECTION VOLUME 1」

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ビートルズは現役時代に、ライヴ・アルバムをリリースしていません。その原因のひとつは、ビートルズが1962年にメジャー・デビューしてライヴ活動を行っていたのが1966年8月29日までで、その後はレコーディング・セッションに特化したバンドとなってしまったからです。つまり、1967年から1970年にかけては、ライヴ盤をリリースしたくても、そもそもライヴをやっていなかったので素材がなかったのです。その例外だったのが、1969年1月30日にアップル・ビルの屋上で行われた「ルーフトップ・コンサート」で、コンサートと云っても実際には予告なしで行われた「ゲリラ・ライヴ・レコーディング・セッション」でした。その音源からは、フィル・スペクターがプロデュースした1970年5月リリースのアルバム「LET IT BE」に、「DIG A PONY」と「I'VE GOT A FEELING」と「ONE AFTER 909」の3曲が、素材として収録されていますし、2022年に配信限定で全曲が公式で出ています。所謂ひとつの「青盤」時代でのライヴ音源には、他には1968年のシングル「HEY JUDE / REVOLUTION」のミュージック・ビデオがありますけれど、アレはレコード音源にヴォーカルを被せた音源です。しかしながら、ビートルズは元々がライヴ・バンドであってですね、メジャー・デビューする前から下積みでハンブルク時代には箱バンとして昼夜ぶっ通しでライヴ活動を行っていたのです。サー・ジョージ・マーティンは、ビートルズのデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」を、最初はキャバーン・クラブでのライヴ・レコーディングにしようと考えていた程に、デビュー時にはビートルズのライヴは完成されていました。そして、所謂ひとつの「赤盤」時代である1962年から1966年にかけては、ビートルズはライヴ活動もしていたのです。それらは全11〜12曲35分のパッケージ・ショーでしたが「ビートルズはライヴが下手」などとは云えない音源です。

何でもかんでもレコードにして水増しアルバムを量産していた米国キャピトルが、そんなビートルズのライヴを放って置くわけはなくて、1964年8月23日と、1965年8月29日と同年8月30日に、ハリウッドボウルでのビートルズのライヴを3トラックでレコーディングしています。サー・ジョージ・マーティンもその場に居たものの、米国キャピトル主導だったので、本人曰く「ただ現場に居ただけ」だったそうです。3回のショーは歓声が被って音も悪く、ビートルズが承諾しなかったので、幻の公式ライヴ音源となったのです。その音源からは、当時の公式盤では、1964年11月23日リリースの米国キャピトル編集ドキュメンタリー・アルバム「THE BEATLES' STORY」に、1964年8月23日の「TWIST AND SHOUT」のサワリが収録されただけでした。ところが、ライヴ・レコーディングから12年の時を経た1977年4月に、1962年12月にハンブルクのスター・クラブで家庭用の1マイクのテープレコーダーで録音したビートルズの音源を元にしたライヴ・アルバムが他社から公式盤としてリリースされてしまい、英国パーロフォンと米国キャピトルが本当の公式盤でソレに対抗する為に、サー・ジョージ・マーティンのプロデュースで、ジェフ・エメリックがエンジニアを務めて、ビートルズの唯一の公式ライヴ・アルバム「THE BEATLES AT THE HOLLYWOOD BOWL」が、1977年5月に英国パーロフォンと米国キャピトルからリリースされたのです。内容は、A面が、1「TWIST AND SHOUT」、2「SHE'S A WOMAN」、3「DIZZY MISS LIZZY」、4「TICKET TO RIDE」、5「CAN'T BUY ME LOVE」、6「THINGS WE SAID TODAY」、7「ROLL OVER BEETHOVEN」で、B面が、1「BOYS」、2「A HARD DAY'S NIGHT」、3「HELP!」、4「ALL MY LOVING」、5「SHE LOVES YOU」、6「LONG TALL SALLY」の、全13曲入りでした。

この内、「THINGS WE SAID TODAY」と「ROLL OVER BEETHOVEN」と「BOYS」と「ALL MY LOVING」と「SHE LOVES YOU」と「LONG TALL SALLY」の6曲が1964年8月23日のライヴ音源で、「TICKET TO RIDE」と「HELP!」の2曲が1965年8月29日のライヴ音源で、「TWIST AND SHOUT」と「SHE'S A WOMAN」と「CAN'T BUY ME LOVE」と「A HARD DAY'S NIGHT」の4曲が1965年8月30日のライヴ音源で、「DIZZY MISS LIZZY」は前半が1965年8月30日で、後半が同年8月29日のライヴ音源を繋いでいます。サー・ジョージ・マーティンによれば、ビートルズの演奏に関しては「DIZZY MISS LIZZY」を合体させた以外は、オーバーダビングなどは行っていないそうです。このアルバムは、全英首位!・全米2位と、レコーディングされてから12年も経ったにも関わらず大ヒットしています。CD時代となって、なかなかCD化されなかったのですけれど、2016年9月9日にジャイルズ・マーティンとサム・オケルがオリジナルの3トラック・テープまで遡ってリマスターだけではなくリミックスも行って、新たに「THE BEATLES LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL」としてアップルからリリースされました。アナログ盤の全13曲に加えて、ボーナス・トラックとして、14「YOU CAN'T DO THAT」、15「I WANT TO HOLD YOUR HAND」、16「EVERYBODY’S TRYING TO BE MY BABY」、17「BABY'S IN BLACK」の4曲が加わっています。「YOU CAN'T DO THAT」と「I WANT TO HOLD YOUR HAND」の2曲は、1964年8月23日のライヴ音源で、「EVERYBODY’S TRYING TO BE MY BABY」と「BABY'S IN BLACK」の2曲は、1965年8月30日のライヴ音源です。1965年8月29日のライヴ音源が極端に少ないのは、ライヴの最初の方でポール・マッカートニーのマイクがオフになっていて、「SHE'S A WOMAN」などがカラオケ状態になっているからです。この3回のライヴの完全盤ブートレグも何種類も出ているので、聴けば分かります。

さて、現役時代のビートルズのライヴ音源は、他にも公式レコーディングされていて、有名なのは前回も取り上げた「BBC音源」ですけれど、アレはラジオ番組用のスタジオ・ライヴです。そうではなく、実際のコンサートでの音源は、一部が公式盤アルバム「ANTHOLOGY 1」とアルバム「ANTHOLOGY 2」に収録されたので、聴く事が出来ます。今度リリースされる公式盤の箱「ANTHOLOGY」では、既発の1〜3をわざわざジャイルズ・マーティンにリマスターさせているそうなので、ライヴ音源だとリマスターの効果がより分かるかと密かに期待しています。前述のライヴ・アルバム「THE BEATLES LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL」は、1964年のショーと1965年のショーから良いとこ取りしているので、今回の箱「ANTHOLOGY」の曲目から考えても、アップルはビートルズのフル・ライヴ音源をリリースする気はないのでしょう。となると、ブートレグで聴くしかありませんわなあ。今回紹介するのは、今は亡き「YELLOW DOG RECORDS」から1993年にリリースされたCD2枚組のブートレグ「THE ULTIMATE LIVE COLLECTION VOLUME 1」です。内容は、CD1が、1「INTRODUCTION」、2「TWIST AND SHOUT」、3「YOU CAN'T DO THAT」、4「ALL MY LOVING」、5「SHE LOVES YOU」、6「THINGS WE SAID TODAY」、7「ROLL OVER BEETHOVEN」、8「CAN'T BUY ME LOVE」、9「IF I FELL」、10「I WANT TO HOLD YOUR HAND」、11「BOYS」、12「A HARD DAY'S NIGHT」、13「LONG TALL SALLY」、14「INTRODUCTION」、15「TWIST AND SHOUT」、16「SHE'S A WOMAN」、17「I FEEL FINE」、18「DIZZY MISS LIZZY」、19「TICKET TO RIDE」、20「EVERYBODY’S TRYING TO BE MY BABY」、21「CAN'T BUY ME LOVE」、22「BABY'S IN BLACK」、23「I WANNA BE YOUR MAN」、24「A HARD DAY'S NIGHT」、25「HELP!」、26「I'M DOWN」の、全26トラックで全24曲入りです。

1「INTRODUCTION」〜13「LONG TALL SALLY」は、1964年9月3日のインディアナポリス公演でのライヴ音源で、音は悪いしモノラルですけれども、聴けない程ではなく、ビートルズのフル・ライヴが楽しめます。が、しかし、最後の「LONG TALL SALLY」がいいところで途中で切れています。14「INTRODUCTION」〜26「I'M DOWN」は、1965年8月19日のサム・ヒューストン公演(昼の部)でのライヴ音源で、コレはガッツリとフル・ライヴが楽しめますが、やはりモノラルでテープ・スピードがかなり遅い感じもします。CD2は、1「TWIST AND SHOUT」、2「YOU CAN'T DO THAT」、3「ALL MY LOVING」、4「SHE LOVES YOU」、5「THINGS WE SAID TODAY」、6「ROLL OVER BEETHOVEN」、7「CAN'T BUY ME LOVE」、8「IF I FELL」、9「I WANT TO HOLD YOUR HAND」、10「BOYS」、11「A HARD DAY'S NIGHT」、12「LONG TALL SALLY」、13「INTRODUCTION」、14「TWIST AND SHOUT」、15「SHE'S A WOMAN」、16「I FEEL FINE」、17「DIZZY MISS LIZZY」、18「TICKET TO RIDE」、19「EVERYBODY’S TRYING TO BE MY BABY」、20「CAN'T BUY ME LOVE」、21「BABY'S IN BLACK」、22「I WANNA BE YOUR MAN」、23「A HARD DAY'S NIGHT」、24「HELP!」、25「I'M DOWN」の、全25トラックで全24曲入りで、合計51トラックで48曲入りです。1「TWIST AND SHOUT」〜12「LONG TALL SALLY」は、1964年9月2日のフィラデルフィア公演でのライヴ音源で、フル・ライヴが楽しめますし、コレはラジオがソースなので音もわりかし良く、古くからブートレグになっていた音源です。13「INTRODUCTION」〜25「I'M DOWN」は、1965年8月19日のヒューストン公演(夜の部)でのライヴ音源です。何故にCD1とCD2で時系列を無視した構成にしているのかは分かりません。全体的に「ビートルズはライヴもワイルドで良い」と思わせてくれますけれど、コレの「VOLUME 2」は出たのでしょうか。

(小島イコ)

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「十万分の一の偶然」(再)で内山理名ちゃん



テレ朝チャンネル2 22:00〜0:00

内山理名 AS 布川麻奈美

「十万分の一の偶然」の、今年4回目の再放送です。今は亡き田村正和さんが主人公のルポライターを演じて、冒頭で中谷美紀さんが演じた娘が交通事故で死んでしまいます。その事故現場を偶然に撮影し賞を取った高嶋政伸さんが演じたカメラマンに主人公は疑念を抱き、身分を偽って接近して追い詰めてゆきます。理名ちゃんが演じた麻奈美は、事故の唯一の生存者で目撃者でもある人物が入院した病院の看護師ですが、実はカメラマンの愛人で共犯者でもあり、目撃者も殺されてしまいます。理名ちゃんは、こうした悪役も上手いんですよね。果たして、主人公は娘の死の謎を解明できるのか、と云った内容です。主人公の娘の少女時代を、当時12歳だった久保田紗友ちゃんが演じているのも見どころのひとつです。成長した娘役の中谷美紀さんは、那奈ちゃんの3代目につづく、4代目「きれいなおねえさん」です。

本放送:2012年12月15日(テレビ朝日)

(姫川未亜/小島イコ)

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2025年10月24日

「ポールの道」#890「THE BEATLES BLACK VOX」
#199「THE BEATLES BBC SESSIONS 1963-1965」

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ビートルズに限った事ではありませんが、1960年代の英国のロック・バンドは、英国では唯一の全国ラジオだった「BBC」でスタジオ・ライヴを行っていました。ソレはレコードを買ってもらう為の宣伝で、レコードとは違うスタジオ・ライヴを一発録音で行って放送していて、バンド側にとっても「BBC」サイドとしても、ラジオで一回放送したら「ハイ、それまでヨ」になるはずの音源でした。ところが、そうしたラジオでの音源が、1990年代になって公式盤としてリリースされる様になったのです。BBCで放送された音源だったので、古くからブートレグになっていて、ビートルズのBBC音源はブートレグ「YELLOW MATTER CUSTARD」などが出ていました。「YELLOW MATTER CUSTARD」は、1967年のジョン・レノンが主導で書いたレノン=マッカートニー作品である「I AM THE WALRUS」の歌詞からの引用で、ビートルズがBBCでスタジオ・ライヴを行っていたのは1962年から1965年までなので、時系列は無茶苦茶ですけれど、ソレがブートレグと云うものです。1990年代初期には「GREAT DANE RECORDS」からCD9枚組の箱「THE COMPLETE BBC SESSIONS」と云うブートレグが出て、堂々と新聞広告を出したり、バラ売りのパチモン盤まで出ていました。そこで、公式としても黙っておられず、1994年11月30日にCD2枚組のアルバム「LIVE AT THE BBC」が、アップルからリリースされたのです。ところが、翌1995年11月21日に公式盤「ANTHOLOGY 1」をリリースした段階で、アップルはアルバム「LIVE AT BBC」を廃盤にすると云うトンデモ対応をしてしまったのです。それで、同内容のパチモン盤が出る事態となりました。アップルはブートレグ対策で公式盤を後手に回ってリリースするだけではなく、そうしたスットコドッコイな事をするからブートレグの餌食となっているのです。

それで、2001年にアルバム「LIVE AT BBC」を再発して、2013年11月11日にリマスターして、同時に続編のアルバム「‘ON AIR’ LIVE AT THE BBC VOL. 2」もアップルからリリースされました。更に著作権対策で、同年12月17日にアルバム「THE BEATLES BOOTLEG RECORDINGS 1963」を配信限定でリリースしています。配信限定なんてすると、それをそのまんまコピーしたパイレート盤が出てしまうのですけれど、アップルは著作権の期限しか気にしていないので、そう云うポカをよくやらかします。その配信音源は、同一テイクを重複して入れてしまうと云う信じられないミスまでしていました。しかしながら、ビートルズは実際にはBBCで全275テイク88曲もの音源を遺していたので、ブートレグでは前述の「GREAT DANE RECORDS」からCD9枚組の箱「THE COMPLETE BBC SESSIONS」とその不足盤を、「SECRET TRAX」からはCD10枚組の箱「THE ULTIMATE BBC SESSIONS 1962-1966」を、そして、以前に紹介した2013年に「sgt.」から、CD6枚組の「POP GO THE BEATLES COMPLETE BBC MASTERS VOL. 1」とCD5枚組の「FROM US TO YOU COMPLETE BBC MASTERS VOL. 2」の合計CD11枚組(「POP GO THE BEATLES COMPLETE BBC MASTERS VOL. 1」(上)「POP GO THE BEATLES COMPLETE BBC MASTERS VOL. 1」(下)「FROM US TO YOU COMPLETE BBC MASTERS VOL. 2」(上)「FROM US TO YOU COMPLETE BBC MASTERS VOL. 2」(下)参照)の全525トラックのブートレグが出ています。と云うわけで、既に「BBC音源」に関しては書いてきているのですけれど、今回紹介するのは珍品「THE BEATLES BBC SESSIONS 1963-1965」です。

コレはですね、公式盤の「LIVE AT BBC」や「‘ON AIR’ LIVE AT THE BBC VOL. 2」からコピーしたものではありません。箱入りのCD3枚組で、タイトルは「ザ・ビートルズ BBCセッション ’63〜’65」となっていて、「黄金期の幻のライヴを完全網羅!!」とか「アルバム未収録曲&インタビュー収録」などと書いてあります。内容は、CD1が、1「SHE LOVES YOU」、2「I SAW HER STANDING THERE」、3「PLEASE PLEASE ME」、4「FROM ME TO YOU」、5「ALL MY LOVING」、6「I WANT TO HOLD YOUR HAND」、7「FROM US TO YOU」、8「I WANNA BE YOUR MAN」、9「YOU CAN'T DO THAT」、10「CAN'T BUY ME LOVE」、11「I CALL YOUR NAME」、12「A HARD DAY'S NIGHT」、13「I SHOULD HAVE KNOWN BETTER」、14「I'M HAPPY JUST TO DANCE WITH YOU」、15「THINGS WE SAID TODAY」、16「I'M A LOSER」、17「I FEEL FINE」、18「THE NIGHT BEFORE」、19「SHE'S A WOMAN」、20「TICKET TO RIDE」の、全20曲入りで「51分3秒」です。CD2は、1「SIDE BY SIDE THEME」、2「A TAST OF HONEY」、3「THANK YOU GIRL」、4「BABY IT'S YOU」、5「TILL THERE WAS YOU」、6「SURE TO FALL(IN LOVE WITH YOU)」、7「I'LL BE ON MY WAY」、8「ANNA」、9「CHAINS」、10「P.S. I LOVE YOU」、11「SOLDER OF LOVE(LAY DOWN YOUR ARMS)」、12「DO YOU WANT TO KNOW A SECRET」、13「TO KNOW HER IS TO LOVE HER」、14「THE HONYMOON SONG」、15「THERE'S A PLACE」、16「ASK ME WHY」、17「(THERE'S A)DEVIL IN HER HEART」、18「HAPPY BIRTHDAY SATURDAY CLUB」、19「I'LL GET YOU」、20「AND I LOVE HER」の、全20曲入りで「45分22秒」です。

CD3は、1「TOO MUCH MONKEY BUSINESS」、2「YOUNG BLOOD」、3「A SHOT OF RHYTHM AND BLUES」、4「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」、5「BOYS」、6「TWIST AND SHOUT」、7「MENPHIS TENNESSEE」、8「ROLL OVER BEETHOVEN」、9「CAROL」、10「MATCHBOX」、11「PLEASE MISTER POSTMAN」、12「THE HIPPY HIPPY SHAKE」、13「I'M GONNA SIT RIGHT DOWN AND CRY(OVER YOU)」、14「KANSAS CITY / HEY, HEY, HEY, HEY」、15「LONG TALL SALLY」、16「YOU REALLY GOT A HOLD ON ME」、17「SLOW DOWN」、18「OOH! MY SOUL」、19「JONNY B. GOOD」、20「I'LL FOLLOW THE SUN」の、全20曲入りで「49分15秒」で、合計60曲入りで「145分40秒(2時間25分40秒)」です。全275テイク88曲もあるBBC音源から、たったの60テイクで「幻のライヴを完全網羅」と大きく出ておりますが、曲数だけでも足りない上に、テイク数を考えたらブートレグには太刀打ちできません。しかし、問題はそこにあるのではなくてですね、コレが日本の会社からハーフオフィシャル盤として出ていた事実なのです。つまりコレはブートレグではなく、パイレート盤なわけですけれど、元になっている音源はおそらく「GREAT DANE RECORDS」からの「THE COMPLETE BBC SESSIONS」なので、元がブートレグなのに「JASRAC」のシールを貼ったパチモンは日本ではハーフオフィシャル盤として売られていたわけですよ。このCD3枚組の箱は、他のパチモンも色々と出ているのですけれど、それらに共通しているのが「英語+日本語 歌詞カード付」です。一見、英語の詞と日本語訳が付いているのかと思うでしょうけれど、なんと、英語詞とそれをカタカナ表記した歌詞カードが付いていて、読んでいると目がチカチカするのです。

(小島イコ)

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「しゅんダイアリー就活チャンネル」【女優から会社員!?】「天職に出会えた。」片瀬那奈が語る“計算しないキャリア”の歩み方

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YouTube「しゅんダイアリー就活チャンネル」 19:00配信(40分3秒)

那奈ちゃんがお仕事の事などを、じっくりと語っています。芸能人から一般社会人に転身が成功したので、こうして取り上げられているのでしょう。幸せそうで、何よりです。

(小島イコ/姫川未亜)

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2025年10月23日

「ポールの道」#889「THE BEATLES BLACK VOX」
#198「ARRIVE WITHOUT TRAVELLING」

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ビートルズの未発表音源集は、1995年から1996年にかけて公式盤「ANTHOLOGY 1」と「ANTHOLOGY 2」と「ANTHOLOGY 3」として、それぞれCD2枚組(LP3枚組)としてアップルからリリースされています。その「ANTHOLOGY 1」から30周年となる今年(2025年)11月21日に「ANTHOLOGY」の箱がアップルからリリースされる事となりました。アルバム「ANTHOLOGY 1」と、アルバム「ANTHOLOGY 2」と、アルバム「ANTHOLOGY 3」は、新たにジャイルズ・マーティンがリマスターしていて、ソレに入らなかった未発表音源を、CD2枚組(LP3枚組)のアルバム「ANTHOLOGY 4」として加えた構成です。つまり「ANTHOLOGY」1〜3はリマスターはしているものの、30年前と同じで、新たに「ANTHOLOGY 4」を加えているので、年代順になっているのは「ANTHOLOGY」1〜3までで、新作は「ANTHOLOGY 4」だけなのです。ソレも、半分位は既に50周年記念の各アルバムの箱で既出音源なのだそうです。最初は箱だけCD8枚組(LP12枚組)でリリースすると発表して、しかも限定盤であるとファンを焦らせて、たっぶりと予約注文が済んだ1か月後に、アルバム「ANTHOLOGY 4」をバラ売りもすると発表しました。そんな姑息な手段を使うのは、アップルが自らビートルズの価値を貶めている事に、いつになったら気が付いてくれるのでしょうか。アルバム「ANTHOLOGY」の1〜3の3作は、配信限定ながら2011年に既にリマスターして発売しているので、今度は3度売りとなります。ソレ以前に、この「ANTHOLOGY」シリーズは、未発表音源と云えば格好が付くものの、その実態は単なるボツ音源集であってですね、簡単に云えば公式盤がブートレグのマネッコをしている「公式海賊盤」なのです。

ポール・マッカートニーは、1991年1月25日に収録した「MTV UNPLUGGED」でのライヴ音源を、1991年5月20日にライヴ・アルバム「UNPLUGGED: THE OFFICIAL BOOTLEG(公式海賊盤)」としてリリースしていますけれど、アレは新たに披露したアンプラグド・ライヴ音源であってですね、決してボツ音源集などではありません。「MTV UNPLUGGED」でのライヴ・アルバムは、その後色んなミュージシャンがリリースする様になりますが、ポールはその先駆けでした。ソレで、ポールは1993年には新作アルバム「OFF THE GROUND」と、ライヴ・アルバム「PAUL IS LIVE」と、匿名ユニット「THE FIREMAN」のデビュー・アルバム「STRAWBERRIES OCEANS SHIP FOREST」と、3作もアルバムを出して絶好調だったし、1995年から1996年にかけてのビートルズの「ANTHOLOGY」プロジェクトにも積極的に関わっていたのですけれど、同時進行でレコーディングしていた新作アルバムである「FLAMING PIE」は1997年5月までリリース出来なかったのです。バカなレコード会社に「今はビートルズで盛り上がっているんだから、ポールの新作なんて要らないんだよ」と発売を延期させられていたのですけれど、もしも「ANTHOLOGY」とポールの新作「FLAMING PIE」が同時期にリリースされていたならば、相乗効果でどちらも売れたでしょう。何せ「ANTHOLOGY」には新曲はヴァーチャル・ビートルズの「FREE AS A BIRD」と「REAL LOVE」しか入っていなかったのに、ポールの「FLAMING PIE」はタイトルからしてビートルズに由来していたし、内容もビートリーで、クライマックスの「BEAUTIFUL NIGHT」では、サー・ジョージ・マーティンによるオーケストラで、リンゴ・スターがドラムスとヴォーカルで参加していて、1990年代の現役のヴァーチャルではない「本物のビートルズ」が聴けるのです。

さて、今回は「JPGR」からリリースされた1CDのブートレグ「ARRIVE WITHOUT TRAVELLING」を紹介します。内容は、1「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、2「THAT MEANS A LOT」、3「I'M SO TIRED」、4「WE CAN WORK IT OUT」、5「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」、6「IT'S ALL TOO MUCH」、7「SHE'S A WOMAN」、8「BEING FOR THE BENEFIT OF MR KITE!」、9「WITHIN YOU WITHOUT YOU」、10「NORWEGIAN WOOD」、11「PENNY LANE」、12「I’M IN LOVE」、13「12 BAR ORIGINAL」、14「I FEEL FINE」、15「GOOD MORNING GOOD MORNING」、16「THE INNER LIGHT」、17「HOLD ME TIGHT」、18「A DAY IN THE LIFE」の、全18曲入りです。このアルバム「ARRIVE WITHOUT TRAVELLING」は、元々はもっと古いブートレグで、コレはソレのリマスター盤と云う触れ込みです。ブートレグにリマスターも何もない感じがしますけれど、ソレを公式盤でやらかしているのが、今度リリースされる箱の「ANTHOLOGY」なのです。1「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」と、5「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」と、8「BEING FOR THE BENEFIT OF MR KITE!」と、9「WITHIN YOU WITHOUT YOU」と、15「GOOD MORNING GOOD MORNING」と、18「A DAY IN THE LIFE」の6曲は、1992年に制作された公式映像作品「THE MAKING OF SGT. PEPPER」からのコピー音源です。サー・ジョージ・マーティンがアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」の音源を、実際に4トラック・テープを使って解説する場面があって、それから切り抜いた音源です。「THE MAKING OF SGT. PEPPER」は、2017年リリースの公式盤の箱「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」に入っているDVDとBDに丸ごと収録されたので、このブートレグの音源は音だけ聴けると云う価値しかありません。

2「THAT MEANS A LOT」は、1965年のアルバム「HELP!」のアウトテイクで、ポール・マッカートニー世紀の駄作ですが、ここでは特にそのセッション音源の中でも最悪な「Take 23,24」が収録されていて、ポール自身が「ダメだこりゃあ」と投げやりになっています。他の3人やスタッフの気持ちを考えると、泣けてきますよ。3「I'M SO TIRED」は、1968年のアルバム「THE BEATLES」に収録されたジョンが主導で書いたレノン=マッカートニー作品で、1968年10月15日の「Take 14」です。4「WE CAN WORK IT OUT」は、1965年のシングル曲で、レノン=マッカートニーの本当の合作ですが、この「Take 2」はヴォーカルがシングル・トラックです。6「IT'S ALL TOO MUCH」は、1967年にレコーディングされて1969年にリリースされたジョージ・ハリスン作品の、8分を越えるロング・ヴァージョンです。7「SHE'S A WOMAN」と、14「I FEEL FINE」の2曲は、1964年のシングルで、コレはどちらも1964年11月17日のラジオ番組「TOP GEAR」でのアウトテイクです。10「NORWEGIAN WOOD」は1965年のアルバム「RUBBER SOUL」のジョンが主導で書いたレノン=マッカートニー作のアウトテイクで、コレは「Take 2」です。11「PENNY LANE」はポールが主導で書いたレノン=マッカートニー作の1967年のシングルで、オーバーダビング・セッション音源です。12「I'M IN LOVE」は、1963年にジョンが主導で書いたレノン=マッカートニー作で、フォーモストに提供した名曲のジョンによるピアノ弾き語りデモ音源で、この音源は2013年に配信限定で公式リリースされています。13「12 BAR ORIGINAL」は、1965年のアルバム「RUBBER SOUL」のアウトテイクで、公式盤「ANTHOLOGY 2」には「2分54秒」に編集された音源が収録されていますが、コレは「Take 1」と「Take 2」を続けて収録していて、8分以上もあります。とは云え、インストゥルメンタル曲なので、あんまり嬉しくありませんなあ。

16「THE INNER LIGHT」は、1968年のジョージ作のシングルB面(A面はポールが主導で書いたレノン=マッカートニー作「LADY MADONNA」)ですが、これまたバッキング・トラックのみのインストゥルメンタルです。アルバムのタイトルである「ARRIVE WITHOUT TRAVELLING」は、この「THE INNER LIGHT」の歌詞から取ってきているのに、肝心の歌が入っていません。17「HOLD ME TIGHT」は、1963年のアルバム「WITH THE BEATLES」に収録されたポールが主導で書いたレノン=マッカートニー作のアウトテイクですけれど、コレがマタ、トンデモナイ駄作です。それの「Take 20」なのですが、この時点で20回も演奏しているわけですよ。ところが、もっと驚かされるのが、この「HOLD ME TIGHT」は実は1963年のデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」のたった1日で行ったレコーディング・セッションでも演奏していて、ボツになっているのです。それをリメイクしてですね、それでも「Take 20」の段階でコレって酷過ぎますよ。ポールの場合は、テイクを重れば重ねるだけ酷くなっている例のひとつで、アノ「YESTERDAY」なんか「Take 2」で、2回しか演奏していないんですよ。調子が良い時のポールは軽く歌ってドンドン完成テイクにしているわけで、ちなみに「YESTERDAY」をレコーディングした1965年6月14日には、他に「I'VE JUST SEEN A FACE(夢の人)」と「I'M DOWN」もレコーディングして完成させているのです。と云うか、ポールは1973年のウイングスのアルバム「RED ROSE SPEEDWAY」のメドレーで、同名異曲の「HOLD ME TIGHT」を書いているのですけれど、自分が書いた曲を忘れてしまったのでしょうか。このブートレグ「ARRIVE WITHOUT TRAVELLING」は、現在ではコレでしか聴けない音源はありませんし、曲順も滅茶苦茶ですけれど、昔のブートレグなんてもんはこう云うもんで、コレはまだ本物のビートルズの音源が使われているのでマシな方です。

(小島イコ)

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「税務調査官 窓際太郎の事件簿30」(再)で内山理名ちゃん

ウルトラマンタロウ COMPLETE DVD-BOX


BS-TBS 13:54〜15:55

文科省から極秘文書を持ち出したのは親友の息子だった!
そこに現れる謎の調査官。巨大競技場建設に隠された陰謀とは?!

内山理名 AS 木島華子

「税務調査官 窓際太郎の事件簿30」の、今年4回目の再放送で、今回は無料のBSでの放送です。理名ちゃんが演じた木島華子さんは、窓際太郎を調査しにやってきて、最初はダメ親父だと思っていたものの、徐々に窓際太郎を評価する様になります。そりゃあ、只のダメ親父だったならば、この時点で30回もつづいていないし、30回にもなって調査するって随分と呑気な話です。ところが、終盤で謎の調査官である華子さんは、窓際太郎の身代わりに刺されて入院して、責任を取って左遷されます。結構、踏んだり蹴ったりな役どころとなっておりますが、最後には元気で暮らしていると、窓際太郎へ手紙を送ります。出演者が、理名ちゃんも含めて「雲霧仁左衛門」と被っていて、向こうではみんな雲霧一党ですが、こちらでは敵と味方に分かれています。

本放送:2016年4月11日(TBS)

(姫川未亜/小島イコ)

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2025年10月22日

「ポールの道」#888「THE BEATLES BLACK VOX」
#197「BLUE」

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ビートルズのコンピレーション・アルバムは、アナログ盤時代には結構沢山リリースされていました。日本盤も、1964年リリースのデビュー・アルバム「ビートルズ!」と、同年リリースの2作目のアルバム「ビートルズ NO.2!」と、1965年リリースの5作目のアルバム「ビートルズ NO.5」は編集アルバムでした。米国キャピトル盤も、1964年リリースのデビュー・アルバム「MEET THE BEATLES!」と、同年リリースの2作目のアルバム「THE BEATLES' SECOND ALBUM」と、同年リリースの3作目のアルバム「SOMETHING NEW」と、同年リリースのドキュメンタリー・アルバム「THE BEATLES' STORY」と、同年リリースの4作目のアルバム「BEATLES ’65」と、1965年リリースの5作目のアルバム「THE EARLY BEATLES」と、同年リリースの6作目のアルバム「BEATLES Y」と、同年リリースのサントラ盤「HELP!」と、1966年リリースの8作目のアルバム「YESTERDAY AND TODAY」は編集アルバムですし、1965年リリースの7作目のアルバム「RUBBER SOUL」と、1966年リリースの9作目のアルバム「REVOLVER」もタイトルとジャケットは同じですが、内容は英国オリジナル盤とは違っています。更に、現在では公式盤CDのラインナップに入っている1967年リリースのアルバム「MAGICAL MYSTERY TOUR」も、元々は米国キャピトル編集アルバムでしたし、1970年リリースのアルバム「HEY JUDE」も米国キャピトル編集アルバムです。他の国でも独自の編集アルバムが、ビートルズの現役時代には勝手にリリースされていました。これらの内、米国キャピトル編集アルバムの8作(「MEET THE BEATLES!」、「THE BEATLES' SECOND ALBUM」、「SOMETHING NEW」、「BEATLES ’65」、「THE EARLY BEATLES」、「BEATLES Y」、「HELP!」、「RUBBER SOUL」)は、2004年と2006年に、米国ミックスのステレオとモノラルの「2in1」でCD化されています。

2009年9月9日のリマスター盤を経て、2014年には米国編集アルバム13作(ユナイテッド・アーティスツからのサントラ盤「A HARD DAY'S NIGHT」も含む)が、箱「THE U.S. ALBUMS」としてCD化されたものの、内容は2009年リマスター音源に差し替えてありました。同年には日本編集アルバム5作を収録した箱「THE JAPAN BOX」がリリースされましたが、コレマタ音源は2009年リマスターに差し替えてあります。ビートルズの解散後には、1973年にオールタイム・ベスト・アルバム「THE BEATLES 1962-1966(赤盤)」と「THE BEATLES 1967-1970(青盤)」が、1976年には編集アルバム「ROCK'N'ROLL MUSIC」が、1977年には編集アルバム「LOVE SONGS」が、1980年には編集アルバム「THE BEATLES BALLADS」が、同年にはLP8枚組の編集アルバム「THE BEATLES BOX」が、1982年には編集アルバム「REEL MUSIC」が、同年にはベスト・アルバム「20 GREATEST HITS」と云った感じで、色々な編集アルバムがリリースされたのですけれど、CD化されたのは「赤盤」と「青盤」だけで、他のアルバムはビートルズのカタログからは抹消されてしまいました。アルバム「ROCK'N'ROLL MUSIC」なんかは、「赤盤」と「青盤」とのダブリも最小限で、米国盤はサー・ジョージ・マーティンがステレオ・リミックスしているので、CD化しても良いと思います。それらは大抵はパイレート盤になっていて、探そうと思えば割と簡単に見つかるし、現在ではネットに転がっているので、お店で探す手間すらはぶけてしまいました。レコード店やCDショップや中古屋さんに行くと云うのはですね、その探している時間が楽しくて、帰り道に内容を想像しながらワクワクして、実際に聴く手前までの行程が、実は最もイイ感じだったりするので、ネットで検索してYouTubeで視聴するだけじゃあ、味気ないんですよ。

さて、今回は「JPGR」からリリースされた1CDのブートレグ「BLUE」を紹介します。コレはですね、沢山あるビートルズのコンピレーション・アルバムのひとつで、タイトルが「BLUE」なので、基本的には1967年から1970年までの「青盤」時代のアウトテイク集となっております。内容は、1「PENNY LANE」、2「NOT GUILTY」、3「12 BAR ORIGINAL」、4「OH, I NEED YOU」、5「WHAT'S THE NEW MARY JANE」、6「HEATHER」、7「SUZY PARKER」、8「WATCHING RAINBOWS」、9「TEDDY BOY」、10「GOODBYE」、11「MADMAN」、12「DIRTY OLD MAN」、13「ZERO IS JUST ANOTHER EVEN NUMBER」、14「I SHOULD LIKE TO LIVE UP A TREE」、15「I LOST MY LITTLE GIRL」、16「HOT AS SUN」、17「THE BUS」、18「COMMONWEALTH SONG / ENOCH POWELL」、19「SAVE THE LAST DANCE FOR ME」、20「CATCALL」、21「NO PAKISTAINS」、22「CARNIVAL OF LIGHT」、23「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」の、全23曲入りです。1「PENNY LANE」と、23「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は、1967年2月リリースのロック史上最強両A面シングル「STRAWBERRY FIELDS FOREVER / PENNY LANE」の別テイクで、ソレで全体をサンドウィッチして、何とか恰好を付けています。2「NOT GUILTY」は1968年のアルバム「THE BEATLES」のジョージ・ハリスン作のボツ音源ですが、かつては貴重音源でしたけれど、現在では耳タコです。3「12 BAR ORIGINAL」は、1965年のアルバム「RUBBER SOUL」のアウトテイクで、これだけは「赤盤」時代の曲なので、3曲目で早くもテーマが破城しています。4「OH, I NEED YOU」は、1969年のアルバム「ABBEY ROAD」のアウトテイクと云われているものの、ビートルズが演奏して歌っている曲ではありませんし、曲を書いてもいません。

そう云うインチキ音源は昔からあって、ブートレグ業者もわざと入れています。5「WHAT'S THE NEW MARY JANE」も1968年のアルバム「THE BEATLES」からのボツ音源で、ジョンが誰かのせいでバカになった耳タコ音源です。6「HEATHER」は1968年12月のポール・マッカートニーとドノヴァンによるセッション音源で、リンダ・イーストマンの娘であるヘザーを歌った曲です。翌1969年3月12日にポールはリンダと結婚するので、ヘザーはポールの娘になります。10「GOODBYE」は、ポールが1969年にメリー・ホプキンに書いた曲のデモ音源です。5「SUZY PARKER」〜9「TEDDY BOY」と、11「MADMAN」〜21「NO PAKISTAINS」は、1969年1月の「THE GET BACK SESSIONS」音源ですが、これらの何曲かが1969年5月にリリースされるはずだったと云われた幻のアルバム「HOT AS SUN」の収録曲です。しかし、そもそもアルバム「HOT AS SUN」などと云うアルバムが制作された事実はないので、テキトーに「THE GET BACK SESSIONS」音源から持って来ただけです。問題は、22「CARNIVAL OF LIGHT」で、コレはですね、1967年にポールが制作したレコード化されていない前衛音楽で、ポールは1996年リリースの公式盤「ANTHOLOGY 2」に収録したかったものの、ジョージとリンゴとジョンの代理人であるヨーコさんに反対されて未収録になっています。ソレが、遂に聴けるのか、と期待して聴いたら、真っ赤な偽物で、「REVOLUTION 9」をサンプリングして、単調なリズムが繰り返される「どこの誰が作ったのか分からないヘッポコちゃん」でした。「CARNIVAL OF LIGHT」は1967年なのに、1968年の「REVOLUTION 9」が聴こえるんじゃ時系列が間違っていて、インチキ音源を作るなら、もう少しやりようがあるでしょう。ポールの方が先に前衛音楽を手掛けていたと云う事実が重要なので、曲自体には期待してはいないのですけれど、こんな捏造テイクを入れちゃうのはブートレグとは云え、ファンをバカにしていますよ。

(小島イコ)

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2025年10月21日

「ポールの道」#887「THE BEATLES BLACK VOX」
#196「IT'S ALL IN THE MIND Y'KNOW」

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ビートルズの音源は、1987年から1988年にかけての初CD化の際に、全世界統一規格化されました。それはダンダンダンとなし崩しにされていくのですけれど、2009年9月9日のリマスター盤の登場でステレオ・ミックスとモノラル・ミックスが再び全世界統一規格化されています。ソレも、2015年のベスト・アルバム「1」のリミックス盤の登場から、今度はリミックス音源として塗り替えられていく様です。かつては各国盤で勝手に編集アルバムを出していたりもするのですけれど、ビートルズの歴史から黒歴史として完全に抹消されているのが、1982年リリースのシングル「THE BEATLES' MOVIE MEDLEY」とアルバム「REEL MUSIC」です。事の発端は、まだ世界がジョン・レノンの射殺事件から立ち直っていなかった1981年6月20日に、オランダ人ユニット「スターズ・オン45」による「STARS ON 45(ショッキング・ビートルズ)」と云うシングルが全米首位!となったところから始まりました。コレは、ディスコ・ビートに乗せてビートルズの楽曲をメドレーにしたもので、リード・ヴォーカルがジョンになかなか似せています。最初はショッキング・ブルーの「VENUS」とアーチーズの「SUGAR SUGAR」が続き、ソノ後にビートルズの「NO REPLY」〜「I'LL BE BACK」〜「DRIVE MY CAR」〜「A HARD DAY'S NIGHT」〜「DO YOU WANT TO KNOW A SECRET」〜「WE CAN WORK IT OUT」〜「I SHOULD HAVE KNOWN BETTER」〜「NOWHERE MAN」〜「YOU'RE GOING TO LOSE THAT GIRL」と9曲がメドレーで演奏されている4分51秒で、メドレーになっている曲もなかなか渋い選曲でした。ソレで、このシングルの大ヒットから「メドレー・ブーム」が巻き起こって、スターズ・オン45だけではなく、本物のビーチ・ボーイズの音源を繋いだメドレーなどもシングルでリリースされたのです。

ソレでですね、翌1982年3月22日(米国・キャピトル)、同年5月24日(英国・パーロフォン)に、元祖・ビートルズによるシングル「THE BEATLES' MOVIE MEDLEY」がリリースされたのです。内容は「MAGICAL MYSTERY TOUR」〜「ALL YOU NEED IS LOVE」〜「YOU'VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY」〜「I SHOULD HAVE KNOWN BETTER」〜「A HARD DAY'S NIGHT」〜「TICKET TO RIDE」〜「GET BACK」の映像作品で使われた7曲をメドレーにしていて、ミュージック・ビデオも制作されて、全英10位・全米12位とヒットしちゃったのです。B面にはジョン作でジョージが歌った「I'M HAPPY JUST TO DANCE WITH YOU」が収録されていて、英国では初めてのシングル・カットでした。ソレで調子に乗ったレコード会社は、1982年3月22日(米国・キャピトル)、同年3月29日(英国・パーロフォン)には、映像作品に使われた楽曲を集めた編集アルバム「REEL MUSIC」もリリースしちゃったのです。と云うか、アルバムが同時に出て、それからメドレーをシングルにしたのです。編集盤「REEL MUSIC」の内容は、A面が、1「A HARD DAY'S NIGHT」、2「I SHOULD HAVE KNOWN BETTER」、3「CAN'T BUY ME LOVE」、4「AND I LOVE HER」、5「HELP!」、6「YOU'VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY」、7「TICKET TO RIDE」、8「MAGICAL MYSTERY TOUR」で、B面が、1「I AM THE WALRUS」、2「YELLOW SUBMARINE」、3「ALL YOU NEED IS LOVE」、4「LET IT BE」、5「GET BACK」、6「THE LONG AND WINDING ROAD」の、全14曲入りです。「I SHOULD HAVE KNOWN BETTER」以外の13曲が「赤盤」と「青盤」とダブっている上に、肝心の「THE BEATLES' MOVIE MEDLEY」が入っていないトンデモ選曲ですが、全米19位まで上がっています。アルバム「REEL MUSIC」には、何曲か別ミックス音源が収録されていますが、曲としては他のCDで聴けるので、アルバムはCD化されておらず、シングル「THE BEATLES' MOVIE MEDLEY」は完全になかった事にされています。

そこを目ざとく突いたのが1CDのブートレグと云うよりもパイレート盤の「IT'S ALL IN THE MIND Y'KNOW」です。内容は、1「A HARD DAY'S NIGHT」、2「A HARD DAY'S NIGHT」、3「I SHOULD HAVE KNOWN BETTER」、4「YOU CAN'T DO THAT」、5「HELP!」、6「YOU'VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY」、7「TICKET TO RIDE」、8「MAGICAL MYSTERY TOUR」、9「THE FOOL ON THE HILL」、10「FLYING」、11「I AM THE WALRUS」、12「5 LITTLE DICKIE BIRDS」、13「THERE'S NO BUSINESS LIKE SHOW BUSINESS」、14「BLUE JAY WAY」、15「DEATH CAB FOR CUTIE」(THE BONZO DOG BAND)、16「YOUR MOTHER SHOULD KNOW」、17「YELLOW SUBMARINE」、18「HEY BULLDOG」、19「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」、20「IT'S ALL TOO MUCH」、21「ALL YOU NEED IS LOVE」、22「ALL TOGETHER NOW」、23「LET IT BE」、24「ONE AFTER 909」の、全24曲入りです。こちらにも肝心な「THE BEATLES' MOVIE MEDLEY」は未収録ですけれど、ソレは他のブートレグやパイレート盤で聴けます。1「A HARD DAY'S NIGHT」〜4「YOU CAN'T DO THAT」の4曲は、1964年公開のビートルズ初主演映画「A HARD DAY'S NIGHT」からで、1「A HARD DAY'S NIGHT」は予告編のステレオ・ミックス音源で、2「A HARD DAY'S NIGHT」と、4「YOU CAN'T DO THAT」は映像版「MAKING OF “A HARD DAY'S NIGHT”」からで、3「I SHOULD HAVE KNOWN BETTER」は前述の1982年リリースの編集アルバム「REEL MUSIC」からのステレオ・リミックスで、ジョン・レノンのハーモニカが途切れない様に編集してあって、この修正ステレオ・リミックスは公式盤ではアルバム「REEL MUSIC」でしか聴けません。

編集アルバム「REEL MUSIC」の目玉はその「I SHOULD HAVE KNOWN BETTER」で、他には「A HARD DAY'S NIGHT」と「TICKET TO RIDE」の真正ステレオ・ミックスと「I AM THE WALRUS」の英国盤ステレオ・ミックスが米国では初登場となっています。5「HELP!」〜7「TICKET TO RIDE」の3曲は、1965年公開の映画「HELP!」からで、5「HELP!」は予告編のステレオ・ミックス音源で、6「YOU'VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY」と、7「TICKET TO RIDE」は、1982年の編集アルバム「REEL MUSIC」からのステレオ・ミックスです。8「MAGICAL MYSTERY TOUR」〜16「YOUR MOTHER SHOULD KNOW」の9曲は、1967年公開のテレビ映画「MAGICAL MYSTERY TOUR」からで、これらは全てが映像ソフトからコピーしたステレオ・ミックスです。8「MAGICAL MYSTERY TOUR」、9「THE FOOL ON THE HILL」、10「FLYING」、11「I AM THE WALRUS」、14「BLUE JAY WAY」、16「YOUR MOTHER SHOULD KNOW」のレコードになった6曲は、全てがサントラ音源で公式ヴァージョンとは違っています。15「DEATH CAB FOR CUTIE」は、ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンドの演奏で、1967年リリースのアルバム「GORILLA」収録版音源とはヴァージョン違いです。ボンゾ・ドッグ・バンドには、奇才・ヴィヴィアン・スタンシャルと、後にラトルズを結成するニール・イネスと云う、「裏・レノン=マッカートニー」が在籍していました。他の曲はレコード化されておらず、サー・ジョージ・マーティンによる「ALL MY LOVING」のオーケストラ・ヴァージョンは収録されていません。16「YOUR MOTHER SHOULD KNOW」は映画のエンディングで白いタキシード姿でビートルズが階段を降りて来るだけと云うシュールな場面で使われていて、「MAGICAL MYSTERY TOUR」と「HELLO GOODBYE」とのメドレーです。

17「YELLOW SUBMARINE」〜22「ALL TOGETHER NOW」の6曲は、1968年公開のアニメ映画「YELLOW SUBMARINE」からで、17「YELLOW SUBMARINE」は予告編のステレオ・ミックス音源です。18「HEY BULLDOG」〜22「ALL TOGETHER NOW」は、映像ソフトからコピーしたステレオ・ミックス音源が中心で、18「HEY BULLDOG」の場面は米国では映画からカットされていました。19「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」はブートレグではお馴染みの最初をジェレミーが歌っているヴァージョンで、ジョージ・ハリスンの傑作・20「IT'S ALL TOO MUCH」は8分以上もあるロング・ヴァージョンで、21「ALL YOU NEED IS LOVE」は「OUR WORLD」ヴァージョンです。アニメをバカにしていたビートルズは、吹替も声優に任せて曲を提供しただけだったのですけれど、完成したアニメを観てその素晴らしさに考えを改めて、最後に実写で出演したのが、22「ALL TOGETHER NOW」です。曲が始まる前のビートルズによる小芝居も完全収録されています。23「LET IT BE」〜24「ONE AFTER 909」の2曲は、1970年公開の映画「LET IT BE」からで、23「LET IT BE」は予告編のステレオ・ミックス音源で、24「ONE AFTER 909」はインチキ・モノラル・ミックスです。公式盤の編集アルバム「REEL MUSIC」よりもずっと面白い音源集で、コレで「ALL MY LOVING」や「THE BEATLES' MOVIE MEDLEY」も入れてくれたら云う事なしでした。それらは他のブートレグで聴けますけれど、何だかそうやってわざと不完全にして、互助会みたいにしているのが、ブートレグ業者なのでしょうなあ。まあ、このパイレート盤も、映像ソフトからのコピーが中心なので、だったら映画を観ればいいじゃん、なんですけれどね。

(小島イコ)

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2025年10月20日

「ポールの道」#886「THE BEATLES BLACK VOX」
#195「ACETATES」

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前回に紹介したCD2枚組のブートレグ「PRIVATE RARITIES U」は、アセテート盤音源を多く収録していますが、そもそも「アセテート盤」とは何なのかと云いますとですね、レコードになる前にメンバーたちの試聴用や、スタッフがミックスや音圧などをチェックする為に、仮の段階で制作していたもので、試聴用なので強度はないのですけれども、完成形の前のラフミックス音源などを聴く事が出来ます。2025年の現在ならば、データで済むし、それ以前にはCDRに焼いていたのでしょうけれど、1960年代にはアセテート盤を制作するしかなかったのです。今回は、今は亡き「YELLOW DOG RECORDS」から2002年にリリースされた、2CDのブートレグ「ACETATES」を紹介します。その名もズバリ「ACETATES」なので、アセテート盤音源を集めた音源集ですが、実は「YELLOW DOG RECORDS」からはこれ以前にも1991年に1CDのブートレグ「ACETATES」をリリースしています。コレはその拡大盤となっていて、CD1がオリジナルの「ACETATES」に手を加えた音源で、CD2は新たに編集されています。内容は、CD1が、1「BAD TO ME」、2「ONE AND ONE IS TWO」、3「WALTZING MATHILDA」、4「12 BAR ORIGINAL」、5「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、6「A DAY IN THE LIFE」、7「MAGICAL MYSTERY TOUR」、8「THE FOOL ON THE HILL」、9「BLUE JAY WAY」、10「BLUE JAY WAY」、11「YOUR MOTHER SHOULD KNOW」、12「I AM THE WALRUS」、13「FLYING」、14「CHRISTMASTIME IS HERE AGAIN」、15「WHAT'S THE NEW MARY JANE?」、16「GOODBYE」、17「SOMETHING」、18「I ME MINE」、19「KENNY EVERETT」の、全19曲入り「76分27秒」です。

1「BAD TO ME」は、1963年5月にビリー・J・クレイマー・ウィズ・ザ・ダコタスに提供したジョン・レノンが主導で書いたレノン=マッカートニー作品で、ジョンがアコースティック・ギターの弾き語りを2回重ねて制作したデモ音源です。この「BAD TO ME」と、やはりジョンが主導で書いたレノン=マッカートニー作品でフォーモストに提供した「I’M IN LOVE」は名曲なので、ビートルズでも演奏して欲しかったですなあ。2「ONE AND ONE IS TWO」は、1964年5月8日にリリースされたザ・ストレンジャーズ・ウィズ・マイク・シャノンへの、ポールが主導で書いたレノン=マッカートニー作品で、ズバリ云って駄作です。タイトルからして「1と1で2」と云う小学生みたいな事を歌っていて、この当時にポールはピーター&ゴードンに「A WORLD WITHOUT LOVE(愛なき世界)」(1964年2月28日リリース)と云う傑作を書いているのに、この「ONE AND ONE IS TWO」との落差が凄いので、やはりポールは二人いるんじゃないでしょうか。3「WALTZING MATHILDA」は、1964年の録音で、ビートルズが喚いています。4「12 BAR ORIGINAL」は、1965年12月3日リリースのアルバム「RUBBER SOUL」のアウトテイクで、6分45秒の完全版です。5「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」と、6「A DAY IN THE LIFE」は、1967年6月1日リリースのアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」からで、両方共にまだブラスやオーケストラは入っていないビートルズによる演奏です。7「MAGICAL MYSTERY TOUR」〜13「FLYING」の7曲は、1967年11月27日リリースの米国キャピトル編集アルバム「MAGICAL MYSTERY TOUR」からで(英国では1967年12月8日に2枚組EPでリリース)、全てがオーケストラなどをオーバーダビングする前のラフミックス音源です。

ジョージ・ハリスン作の、9〜10「BLUE JAY WAY」が「3分30秒」と「4分2秒」の2テイクが入っていて、公式音源では「3分54秒」です。ジョンが主導で書いたレノン=マッカートニー作品の傑作「I AM THE WALRUS」は、コーラスやオーケストラが入っている公式音源とは印象がかなり違っています。インストゥルメンタル曲「FLYING」は「9分41秒」もあり、公式音源(「2分14秒」)の4倍以上もあります。14「CHRISTMASTIME IS HERE AGAIN」は、1967年の「クリスマス・レコード」収録曲で「5分53秒」もあって、15「WHAT'S THE NEW MARY JANE?」は、ジョンがバカになった1968年11月22日リリースのアルバム「THE BEATLES」のアウトテイクですが「2分29秒」の短縮ヴァージョンです。16「GOODBYE」は、1969年2月のポールが主導で書いたレノン=マッカートニー作品で、メリー・ホプキンへの提供曲のポールによるデモ音源です。17「SOMETHING」は、1969年2月25日にジョージ・ハリスンが自分のお誕生日にひとりでレコーディングしたデモ音源で、この曲は1969年1月の「THE GET BACK SESSIONS」で既に披露していたものの採用されず、1969年9月26日リリースのアルバム「ABBEY ROAD」に収録されています。ジョンがこの「SOMETHING」を気に入って「THE GET BACK SESSIONS」ではリード・ヴォーカルを担当した音源もあり、アルバム「ABBEY ROAD」からのシングル・カットもジョンが推して選ばれ大ヒットしました。18「I ME MINE」は、休暇中だったジョン以外の3人で1970年1月3日にレコーディングされた音源です。19「KENNY EVERETT」は「ケニー・エヴェレット・ショー」のジングルを制作している音源で、1968年の音源ですが「12分49秒」もあって、あんまり嬉しくはないです。

CD2は、1「A HARD DAY'S NIGHT」、2「AND I LOVE HER」、3「IF I FELL」、4「HELP!」、5「THE NIGHT BEFORE」、6「I NEED YOU」、7「TICKET TO RIDE」、8「YOU LIKE ME TOO MUCH」、9「YES IT IS」、10「YOU'VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY」、11「ANOTHER GIRL」、12「YOU'RE GOING TO LOSE THAT GIRL」、13「GET BACK」、14「TEDDY BOY」、15「TWO OF US」、16「DIG A PONY」、17「I'VE GOT A FEELING」、18「THE LONG AND WINDING ROAD」、19「LET IT BE」、20「DON'T LET ME DOWN」、21「FOR YOU BLUE」、22「GET BACK」、23「THE WALK」の、全23曲入り「70分47秒」で、合計42曲「147分14秒(2時間27分14秒)」です。1「A HARD DAY'S NIGHT」〜3「IF I FELL」の3曲は、1964年の初主演映画「A HARD DAY'S NIGHT」からで、4「HELP!」〜12「YOU'RE GOING TO LOSE THAT GIRL」の9曲は、1965年公開の映画「HELP!」からで、どちらも映画用のフィルム音声のアセテート盤音源です。13「GET BACK」〜23「THE WALK」の11曲は、1969年1月の「THE GET BACK SESSIONS」音源からグリン・ジョンズが1969年3月に最初にミックスしたアセテート盤音源で、アラン・クレインがアセテート盤を流出させて米国のラジオで放送されて大騒ぎとなりました。まだ未編集段階の音源ですけれど、グリン・ジョンズがガッツリとステレオ・ミックスした音源なので、映画用の音声ロールからモノラルで収録している数多の「THE GET BACK SESSIONS」音源とは違いますし、勿論、1969年5月28日にグリン・ジョンズが完成させてボツになった「GET BACK with Don't Let Me Down and 12 other songs」(2021年10月15日リリースの公式盤の箱「LET IT BE」に52年の時を越えて収録)とも違っています。ちなみに、ジョンはこの「GET BACK」音源のアセテート盤を、自分が流出させたかもしれないと云っていました。

(小島イコ)

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2025年10月19日

「ポールの道」#885「THE BEATLES BLACK VOX」
#194「PRIVATE RARITIES U」

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ビートルズには、どうやら未発表音源やミックス違いがあると分かったのは、1980年3月24日リリースの米国キャピトル編集アルバム「RARITIES」からでしょう。実は英国パーロフォンも同名の編集アルバムを1979年10月12日にリリースしているのですが、それは1978年12月2日リリースの箱「THE BEATLES COLLECTION」にオマケで付いていたレコードをバラ売りしたもので、アルバム未収録曲をまとめただけの内容でした。故に、本当に珍しかったのは「ACROSS THE UNIVERSE」のバード・ヴァージョンだけで、他はシングルB面曲を中心にしています。その箱「THE BEATLES COLLECTION」には、英国オリジナル・アルバム12作(「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」、「WITH THE BEATLES」、「A HARD DAY'S NIGHT」、「BEATLES FOR SALE」、「HELP!」、「RUBBER SOUL」、「REVOLVER」、「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、「THE BEATLES」、「YELLOW SUBMARINE」、「ABBEY ROAD」、「LET IT BE」)と「RARITIES」が収録されているのですけれど、それを買ってもビートルズの全213曲は揃いません。なんと、英国ベスト・アルバム「A COLLECTION OF BEATLES OLDIES」と、米国キャピトル編集アルバム「MAGICAL MYSTERY TOUR」と、同じく米国キャピトル編集アルバム「HEY JUDE」に収録された英国ではEPやシングルでリリースされた曲を集めた3作を加えないと、揃わない様になっています。2025年の現在では、2009年9月9日にリリースされたステレオ・ミックスの箱「THE BEATLES IN STEREO」(バラ売りもあり)と、モノラル・ミックスの箱「THE BEATLES IN MONO」を買えば、簡単に揃ってしまう全213曲ですが、大昔は集めるのが大変でした。

それで、英国盤の「RARITIES」に収録された曲のほとんどは、何でもかんでもアルバムに入れて水増しアルバムを乱発していた米国では珍しくはなかったので、米国盤の「RARITIES」をリリースしたわけです。こちらはリンゴがドラムスを叩いた「LOVE ME DO」や、エンディングが6回ある「AND I LOVE HER」や、新たに編集した「I AM THE WALRUS」や、トランペット・エンディングの「PENNY LANE」や、モノラル・ミックスの「HELTER SKELTER」と「DON'T PASS ME BY」と云った本当の珍品が収録されていました。日本では両方共にリリースしていて、英国編集アルバムが「レアリティーズ」で、米国編集アルバムが「レアリティーズ VOL.2」となっています。ブートレグの世界では、古くから「RARITIES」ものが出ていますが、今回は2013年にリリースされた「sgt.」からのCD2枚組のブートレグ「PRIVATE RARITIES U」を紹介します。「U」と云う事はですね、当然「T」もあるのですけれど、あたくしは「U」しか持っていません。ところが、この「U」は1962年から1969年までの音源を年代順に並べてあるので、こちらだけ聴いても大丈夫なのです。内容は、CD1が、1「SOME OTHER GUY」、2「SOME OTHER GUY」、3「KANSAS CITY / HEY HEY HEY HEY」、4「HELLO LITTLE GIRL」、5「HELLO LITTLE GIRL」、6「INTRODUCTION」、7「I SAW HER STANDING THERE」、8「FROM ME TO YOU」、9「MONEY(THAT'S WHAT I WANT)」、10「ROLL OVER BEETHOVEN」、11「YOU REALLY GOT A HOLD ON ME」、12「SHE LOVES YOU」、13「TWIST AND SHOUT」、14「THIS BOY」、15「LEAVE MY KITTEN ALONE」、16「I NEED YOUR LOVIN'」、17「HELP!」、18「THE NIGHT BEFORE」、19「YOU'VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY」、20「I NEED YOU」、21「ANOTHR GIRL」、22「YOU'RE GOING TO LOSE THAT GIRL」、23「YOU LIKE ME TOO MUCH」、24「WOMAN」、25「GIRL」、26「PENNY LANE」、27「PENNY LANE」、28「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、29「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」の、全29曲入りです。

1「SOME OTHER GUY」〜3「KANSAS CITY / HEY HEY HEY HEY」は、1962年9月5日のキャバーン・クラブでのライヴ音源で、メジャー・デビューの1か月前の演奏です。4〜5「HELLO LITTLE GIRL」はジョン・レノンが主導で書いたレノン=マッカートニー作品で、1963年7月24日のフォーモストによる演奏と、ジョンがレコーディング・セッションに参加した音源です。6「INTRODUCTION」〜13「TWIST AND SHOUT」の8曲は、1963年10月24日のスウェーデン公演のライヴ音源(コレを聴いたら「ビートルズはレコードは良いけれどライヴは下手」なんて口が裂けても云えない)で、この後の同年10月31日に英国に帰国した時に、偶然に空港でエド・サリヴァンが熱狂するビートルズ・ファンを目撃して「エド・サリヴァン・ショー」への出演が決定するのです。14「THIS BOY」は、1963年10月17日のレコーディング・セッション音源で、最後にポール・マッカートニーが歌詞を間違えてみんなでゲラゲラ笑っています。15「LEAVE MY KITTEN ALONE」は、1964年8月14日のレコーディング・セッション音源(「Take 5」)で、何故この曲がボツになったのか分かりません。16「I NEED YOUR LOVIN'」は、1964年4月16日のテレビ番組「READY STEADY GO!」でのアダム・フェイスが歌っている曲で、ジョン・レノンとジョージ・ハリスンがコーラスで参加しています。17「HELP!」〜23「YOU LIKE ME TOO MUCH」の6曲は、1965年の映画用のアセテート盤音源です。24「WOMAN」は、1966年12月1日のポールが主導で書いたレノン=マッカートニー作品で、ピーター&ゴードンへの提供曲のレコーディング・セッション音源で、ポールがドラムスで参加しています。25「GIRL」は1965年11月11日のレコーディング・セッション音源(「Take 2」)です。26〜27「PENNY LANE」は1967年1月9日と11日のオーバーダビング・セッション音源とモノラル・リミックス音源(トランペット・エンディング)で、28〜29「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は1967年のアセテート盤音源とキャピトル盤用のモノラル・ミックス音源です。

CD2は、1「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、2「A DAY IN THE LIFE」、3「MAGICAL MYSTERY TOUR」、4「I AM THE WALRUS」、5「BLUE JAY WAY」、6「YOUR MOTHER SHOULD KNOW」、7「ALL TOGETHER ON THE WIRELESS MACHINE」、8「THE INNER LIGHT」、9「YELLOW SUBMARINE」、10「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」、11「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、12「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、13「ALL TOGETHER NOW」、14「GOOD MORNING GOOD MORNING」、15「IT'S ALL TOO MUCH」、16「ALL YOU NEED IS LOVE」、17「RADIO PROMO」、18「SOUR MILK SEA」、19「S.T.LOUIS BLUES」、20「I'M SO TIRED」、21「NOWHERE MAN」、22「APPLE STUDIO TEST TAPE」、23「OLD BROWN SHOE」、24「ALL THINGS MUST PASS」、25「ROCK OF AGES」、26「SOMETHING」、27「LET IT BE」、28「A WORLD WITHOUT LOVE」の、全28曲入りで、合計57曲入りです。1「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」は1967年3月3日のレコーディング・セッションで、2「A DAY IN THE LIFE」は1967年2月22日のレコーディング・セッションで、どちらもアセテート盤のブラスやオーケストラをオーバーダビングする前の音源です。3「MAGICAL MYSTERY TOUR」は1967年5月3日のレコーディング・セッションで、4「I AM THE WALRUS」は1967年9月6日のレコーディング・セッションで、5「BLUE JAY WAY」は1967年9月7日のレコーディング・セッションで、6「YOUR MOTHER SHOULD KNOW」は1967年8月23日のレコーディング・セッションで、この4曲もアセテート盤音源です。7「ALL TOGETHER ON THE WIRELESS MACHINE」は、1967年11月25日のBBCラジオ番組「WHERE IT'S AT」での音源です。8「THE INNER LIGHT」は、1968年1月12日のインドのボンベイでのレコーディング・セッション音源で、インストゥルメンタルです。

9「YELLOW SUBMARINE」〜16「ALL YOU NEED IS LOVE」の8曲(11と14は効果音のみ)は、1968年公開のアニメ映画「YELLOW SUBMARINE」からの音源で、17「RADIO PROMO」は、そのアニメ映画「YELLOW SUBMARINE」のラジオでの宣伝です。18「SOUR MILK SEA」は1968年5月の「イーシャー・デモ」で、19「S.T.LOUIS BLUES」は1968年7月30日のリハーサル音源(別名「I HATE TO SEE」)です。20「I'M SO TIRED」は1968年のアセテート盤音源(「Take 14」)で、21「NOWHERE MAN」は1968年11月のタイニー・ティムによるウクレレ弾き語りでのカバー(1968年のクリスマス・レコードに収録)です。22「APPLE STUDIO TEST TAPE」〜27「LET IT BE」の6曲は、1969年のアップル・アセテート盤音源で、ボーナス・トラックの28「A WORLD WITHOUT LOVE」は、1964年のポールが主導で書いたレノン=マッカートニー作品で、ピーター&ゴードンの大ヒット曲ですが、コレはピーター・アッシャーが曲紹介をしているポールによるデモ音源です。このブートレグは「ANOTHER COLLECTION OF ACETATES AND DEMO RECORDINGS」となっているので、アセテート盤音源とデモ音源を中心に選曲しているのでしょう。有名な「BAD TO ME」などのデモ音源が入っていないのは「T」に収録済みで、こちらは云ってみれば余りものを集めているので、よりマニアックな選曲となったのでしょうなあ。ところで、今度公式リリースされる箱の「ANTHOLOGY」は、1〜3が1995年〜1996年盤をジャイルズ・マーティンがリマスターしていて、バラ売りもされる4が新たな(と云っても半分位は箱で既出音源)アウトテイク集なのですけれど、1〜3が年代順で、4が新たに加わったテイクを年代順にしていて、この構成は奇しくも「YELLOW DOG RECORDS」から35年も前にリリースされたブートレグの「UNSURPASSED MASTERS」全7巻に「UNSURPASSED DEMO」を加えた全8巻と同じで、CD8枚組と云うところまで同じなのです。そう考えると、なかなか困ったちゃんですなあ。

(小島イコ)

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2025年10月18日

「ポールの道」#884「THE BEATLES BLACK VOX」
#193「THE ED SULLIVAN SHOWS」

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1964年にビートルズが全米制覇を果たした要因のひとつとして、1964年2月9日に初出演した人気テレビ番組「エド・サリヴァン・ショー」への出演が挙げられます。エド・サリヴァンは、ビートルズが米国ではまだ何者でもなかった1963年10月31日に、ロンドンのヒースロー空港でスウェーデン公演から帰国したビートルズを出迎えたファンの熱狂ぶりを偶然に目撃して、すぐさまブライアン・エプスタインに出演交渉をしたのだそうです。ビートルズが初出演した1964年2月9日の「エド・サリヴァン・ショー」は、視聴率が「70%」だったと云われていて、その時間帯には犯罪者もテレビに釘付けだったので、犯罪件数が極端に減ったとまで云われています。米国キャピトルがようやく重い腰を上げてリリースしたシングル「I WANT TO HOLD YOUR HAND / I SAW HER STANDING THERE」(1963年12月26日リリース、1964年2月1日に全米首位!)と、アルバム「MEET THE BEATLES!」(1964年1月20日リリース、同年2月15日に全米首位!)が全米チャートを駆け上がっていた時に、タイミングもバッチリでテレビで動くビートルズが観れたわけで、その宣伝効果は計り知れません。それで、その「エド・サリヴァン・ショー」でのライヴ音源や映像は、公式盤や様々なブートレグに収録されています。今回は、そんな「エド・サリヴァン・ショー」での演奏を集めた1995年に今は亡き「YELLOW DOG RECORDS」からリリースされた1CDのブートレグ「THE ED SULLIVAN SHOW」を紹介します。

内容は、1「INTRO / ALL MY LOVING」、2「TILL THERE WAS YOU」、3「SHE LOVES YOU」、4「INTRO / I SAW HER STANDING THERE」、5「I WANT TO HOLD YOUR HAND / OUTRO」、6「SHE LOVES YOU」、7「THIS BOY」、8「ALL MY LOVING」、9「INTRO / I SAW HER STANDING THERE」、10「FROM ME TO YOU」、11「I WANT TO HOLD YOUR HAND / OUTRO」、12「INTRO / TWIST AND SHOUT」、13「PLEASE PLEASE ME」、14「I WANT TO HOLD YOUR HAND」、15「INTERVIEW / YOU CAN'T DO THAT」、16「INTRO / I FEEL FINE」、17「I'M DOWN」、18「ACT NATURALLY / SPEECH / INTRO」、19「TICKET TO RIDE」、20「YESTERDAY」、21「HELP! / OUTRO」、22「ED SULLIVAN SHOW WITHOUT RAIN / PAPERBACK WRITER」、23「SHE LOVES YOU」、24「THIS BOY」、25「ALL MY LOVING / INTRO」、26「I SAW HER STANDING THERE」、27「FROM ME TO YOU」、28「I WANT TO HOLD YOUR HAND / OUTRO」の、全28曲入りです。ビートルズによる演奏は、全て生演奏で生歌で、女の子が絶叫する中でこれだけの演奏をしているのですから、流石は下積み時代にハンブルクで箱バンをやっていただけはあります。よく「ビートルズはレコードは良いけれどライヴは下手」などと云う出鱈目を書く評論家がいましたけれど、本当に聴いているんでしょうか。そう云う評論家は「ローリング・ストーンズはライヴは良いけれどレコードはダメ」なんて出鱈目をつづけて書いているんですけれど、本当に聴いているんでしょうか。どちらも、レコードもライヴも良いと何故に云えないのでしょうか。

1「INTRO / ALL MY LOVING」〜5「I WANT TO HOLD YOUR HAND / OUTRO」は1964年2月9日の伝説の初登場回で、6「SHE LOVES YOU」〜11「I WANT TO HOLD YOUR HAND / OUTRO」は1964年2月16日の放送回用のリハーサル音源で、12「INTRO / TWIST AND SHOUT」〜14「I WANT TO HOLD YOUR HAND」は1964年2月23日の放送回です。つまり、ビートルズは初登場から3週連続で「エド・サリヴァン・ショー」に出演しています。当時の米国ではヴィー・ジェイから出ていた「FROM ME TO YOU」や、スワンから出ていた「SHE LOVES YOU」なども演奏しているので、この出演が米国キャピトル主導ではなく、エド・サリヴァンによって交渉されたと伺えます。15「INTERVIEW / YOU CAN'T DO THAT」は1964年5月24日放送回で、16「INTRO / I FEEL FINE」〜21「HELP! / OUTRO」は1965年9月12日の放送回で、22「ED SULLIVAN SHOW WITHOUT RAIN / PAPERBACK WRITER」は1966年の出演ですが、この時はミュージック・ビデオを放送しているのでコメントのみを収録しています。23「SHE LOVES YOU」〜28「I WANT TO HOLD YOUR HAND / OUTRO」は、1964年2月16日のマイアミでのライヴ音源で、同日の放送回です。ちなみに、このブートレグ「THE ED SULLIVAN SHOWS」は、1994年に「YELLOW DOG RECORDS」からリリースされたCD4枚組3セット全12枚組の箱「THE ULTIMATE COLLECTION」からのバラ売りです。元々がテレビ番組音源なので、モノラルですが音質は良いです。ビートルズのブートレグでのライヴ音源は、オーディエンス録音だと歓声が大き過ぎて演奏が全く聴こえない粗悪品もあったので、この辺から聴いてみて下さい。

(小島イコ)

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2025年10月17日

「ポールの道」#883「THE BEATLES BLACK VOX」
#192「COMPLETE ROCK BAND COLLECTION」

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2009年9月9日のビートルズのステレオ・ミックスとモノラル・ミックスのリマスター盤は大事件でしたが、同日にゲーム「ROCKBAND」も海外では発売されています。簡単に云えば、ビートルズと一緒に演奏して、レコーディングの歴史を辿れるゲームですけれど、ジャイルズ・マーティンがそのゲーム用にビートルズのマルチトラック音源を提供していて、ソレを元にした所謂ひとつの「ROCKBAND」リミックス音源がブートレグで出ています。前回に紹介したCD2枚組のブートレグ「JUST A ROCK BAND THAT'S ALL」は全48曲入りで、コレは最初にゲームで演奏出来た45曲を中心にまとめたものです。今回は、CD5枚組のブートレグ「COMPLETE ROCK BAND COLLECTION」を紹介します。内容は、CD1が、1「I SAW HER STANDING THERE」、2「BOYS」、3「DO YOU WANT TO KNOW A SECRET」、4「TWIST AND SHOUT」、5「I WANNA BE YOUR MAN」、6「I WANT TO HOLD YOUR HAND」、7「A HARD DAY'S NIGHT」、8「CAN'T BUY ME LOVE」、9「I FEEL FINE」、10「EIGHT DAYS A WEEK」、11「TICKET TO RIDE」、12「DAY TRIPPER」、13「DRIVE MY CAR」、14「I'M LOOKING THROUGH YOU」、15「IF I NEEDED SOMEONE」、16「PAPERBACK WRITER」、17「TAXMAN」、18「YELLOW SUBMARINE」、19「AND YOUR BIRD CAN SING」、20「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、21「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、22「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」、23「GETTING BETTER」、24「GOOD MORNING GOOD MORNING」、25「HELLO GOODBYE」、26「I AM THE WALRUS」、27「REVOLUTION」の、全27曲入りです。

CD2は、1「BACK IN THE U.S.S.R.」、2「DEAR PRUDENCE」、3「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」、4「BIRTHDAY」、5「HELTER SKELTER」、6「HEY BULLDOG」、7「DON'T LET ME DOWN」、8「COME TOGETHER」、9「SOMETHING」、10「OCTOPUS'S GARDEN」、11「I WANT YOU(SHE'S SO HEAVY)」、12「HERE COMES THE SUN」、13「THE END」、14「DIG A PONY」、15「I'VE GOT A FEELING」、16「I ME MINE」、17「GET BACK」、18「TOMORROW NEVER KNOWS - WITHIN YOU WITHOUT YOU」、19「ALL YOU NEED IS LOVE」、20「OH! DARLING」、21「STUDIO CHATS」の、全21曲入りで、ここまでの合計48曲入りは、前回に紹介したCD2枚組のブートレグ「JUST A ROCK BAND THAT'S ALL」と同じです。CD3は「RUBBER SOUL ROCK BAND」で、1「DRIVE MY CAR」、2「NORWEGIAN WOOD(THIS BIRD HAS FLOWN)」、3「YOU WON'T SEE ME」、4「NOWHERE MAN」、5「THINK FOR YOURSELF」、6「THE WORD」、7「MICHELLE」、8「WHAT GOSE ON」、9「GIRL」、10「I'M LOOKING THROUGH YOU」、11「IN MY LIFE」、12「WAIT」、13「IF I NEEDED SOMEONE」、14「RUN FOR YOUR LIFE」、15「DAY TRIPPER」、16「STUDIO TALK」、17「BEATLES TALKS RUBBER SOUL」、18「INTRODUCINGS AND INTERVIEWS」、19「NORWEGIAN WOOD」、20「IF I NEEDED SOMEONE」、21「INTERVIEWS」の、21トラック入りです。1「DRIVE MY CAR」〜14「RUN FOR YOUR LIFE」の14曲は1965年のアルバム「RUBBER SOUL」全曲の、15「DAY TRIPPER」は同日発売のシングルの「ROCKBAND」リミックス音源で、16〜21はボーナス・トラックでインタビューなどが収録されています。

CD4は「SGT. PEPPER'S ROCK BAND」で、1「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、2「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、3「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」、4「GETTING BETTER」、5「FIXING A HOLE」、6「SHE'S LEAVING HOME」、7「BEING FOR THE BENEFIT OF MR KITE!」、8「WITHIN YOU WITHOUT YOU」、9「WHEN I'M SIXTY-FOUR」、10「LOVELY RITA」、11「GOOD MORNING GOOD MORNING」、12「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND(REPRISE)」、13「A DAY IN THE LIFE」、14「INTRODUCINGS AND INTERVIEWS」、15「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、16「A DAY IN THE LIFE」、17「I AM THE WALRUS」、18「HELLO GOODBYE」の、全18トラック入りです。1「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」〜13「A DAY IN THE LIFE」の13曲は、1967年のアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」の全曲の「ROCKBAND」リミックスで、14「INTRODUCINGS AND INTERVIEWS」〜18「HELLO GOODBYE」はボーナス・トラックで、アルバム「RUBBER SOUL」のボーナス・トラック(18「INTRODUCINGS AND INTERVIEWS」〜21「INTERVIEWS」)とコレは、「09 09 09 RADIO SPECIAL」からの音源です。アルバム「RUBBER SOUL」の様に楽曲が単体で並んでいる場合には、曲の前にカウントやお喋りが入っていても平気ですけれど、アルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」の様にメドレー形式で曲が連なっているアルバムだと、流れが止められてしまうので、あたしゃカックンになります。

CD5は「ABBEY ROAD ROCK BAND」で、コレは以前にアルバム「ABBEY ROAD」のブートレグとして紹介しています。1「COME TOGETHER」、2「SOMETHING」、3「MAXWELL'S SILVER HAMMER」、4「OH! DARLING」、5「OCTOPUS'S GARDEN」、6「I WANT YOU(SHE'S SO HEAVY)」、7「HERE COMES THE SUN」、8「BECAUSE」、9「YOU NEVER GIVE ME YOUR MONEY」、10「SUN KING」、11「MEAN MR. MUSTARD」、12「POLYTHENE PAM」、13「SHE CAME IN THROUGH THE BATHROOM WINDOW」、14「GOLDEN SLUMBERS」、15「CARRY THAT WEIGHT」、16「THE END」、17「HER MAJESTY」、18「YOU NEVER GIVE ME YOUR MONEY」、19「SUN KING」、20「MEAN MR. MUSTARD」、21「POLYTHENE PAM」、22「SHE CAME IN THROUGH THE BATHROOM WINDOW」、23「GOLDEN SLUMBERS」、24「CARRY THAT WEIGHT」、25「THE END」、26「HER MAJESTY」、27「THE END」の、全27曲入りで、CD5枚合計で全114トラック入りです。1「COME TOGETHER」〜17「HER MAJESTY」の17曲は、1969年のアルバム「ABBEY ROAD」の全曲のカウント入り(どっかから持って来たジョンのカウント入りの「HER MAJESTY」も完奏ヴァージョン)の「ROCKBAND」リミックスですが、レコードだとB面のメドレーの一部がカウント入りで完奏する様になっています。それで、18「YOU NEVER GIVE ME YOUR MONEY」〜26「HER MAJESTY」まではメドレー形式での「ROCKBAND」リミックスになっていて、最後にダメ押しでカウント入りで単体の「THE END」が入っています。アルバム「ABBEY ROAD」のメドレーが解体された事で分かるのは、ジョンの曲が全くショボくはなく、単体としても充分に通用する出来栄えだと云う事実です。分かりましたか?レコスケくん。

(小島イコ)

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2025年10月16日

「ポールの道」#882「THE BEATLES BLACK VOX」
#191「JUST A ROCK BAND THAT'S ALL」

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2009年9月9日に、ビートルズのCDがリマスターされて新装盤としてアップルからリリースされました。1987年から1988年にかけての初CD化から、なな、なんと22年も経ってようやくリマスターされたので、それは「事件」であり、リリース当時はテレビ番組「タモリ俱楽部」で、旧CD化音源との聴き比べがされたりもしていました。初CD化(旧CD)音源は、1963年のアルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」と、アルバム「WITH THE BEATLES」と、1964年のアルバム「A HARD DAY'S NIGHT」と、アルバム「BEATLES FOR SALE」の4作は、サー・ジョージ・マーティンの意向でモノラル・ミックスで、1965年のアルバム「HELP!」と、アルバム「RUBBER SOUL」の2作は、サー・ジョージ・マーティンによるステレオ・リミックスで、1966年のアルバム「REVOLVER」と、1967年のアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」と、1967年の米国キャピトル編集アルバム「MAGICAL MYSTERY TOUR」と、1968年のアルバム「THE BEATLES」と、1969年のアルバム「YELLOW SUBMARINE」と、アルバム「ABBEY ROAD」と、1970年のアルバム「LET IT BE」はステレオ・ミックスで、アルバム未収録曲を集めた編集アルバム「PAST MASTERS」は基本的にはステレオ・ミックスで、全世界統一規格化されました。ところが、2009年リマスターでは全アルバムがステレオ・ミックス(「HELP!」と「RUBBER SOUL」はサー・ジョージ・マーティン・ステレオ・リミックス)となり、限定と云われていた箱「THE BEATLES IN MONO」ではモノラル・ミックスが存在する1968年のアルバム「THE BEATLES」まではモノラル・ミックスが収録されて、アルバム「HELP!」とアルバム「RUBBER SOUL」のモノラル盤にはオリジナル・ステレオ・ミックスも収録されていました。

つまり、2009年リマスターのステレオの箱とモノラルの箱を買えば、英国オリジナル盤のステレオ・ミックスとモノラル・ミックスのほとんど全てが簡単に手に入る事となったのです。それまでは20年以上もの間、旧CDで全世界統一規格化された逆のミックスのパイレート盤を出せば商売になっていたブートレグ業者としては、公式盤でそう云う事をやられてしまうと大いに困ったちゃんだったのですけれど、転んでもただでは起きないのもブートレグ業者です。2009年9月9日には、リマスター盤だけではなく、海外ではゲーム「ROCKBAND」が発売されていて、簡単に云えばビートルズと一緒に演奏が出来るゲームなのですけれど、そのゲームの為にジャイルズ・マーティンがマルチトラック音源を提供していて、ブートレグ業者はコレ幸いとばかりに「ROCKBAND」リミックスをリリースする様になったのです。そんな中から、今回はCD2枚組のブートレグ「JUST A ROCK BAND THAT'S ALL」を紹介します。内容は、CD1が、1「I SAW HER STANDING THERE」、2「BOYS」、3「DO YOU WANT TO KNOW A SECRET」、4「TWIST AND SHOUT」、5「I WANNA BE YOUR MAN」、6「I WANT TO HOLD YOUR HAND」、7「A HARD DAY'S NIGHT」、8「CAN'T BUY ME LOVE」、9「I FEEL FINE」、10「EIGHT DAYS A WEEK」、11「TICKET TO RIDE」、12「DAY TRIPPER」、13「DRIVE MY CAR」、14「I'M LOOKING THROUGH YOU」、15「IF I NEEDED SOMEONE」、16「PAPERBACK WRITER」、17「TAXMAN」、18「YELLOW SUBMARINE」、19「AND YOUR BIRD CAN SING」、20「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、21「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、22「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」、23「GETTING BETTER」、24「GOOD MORNING GOOD MORNING」、25「HELLO GOODBYE」、26「I AM THE WALRUS」、27「REVOLUTION」の、全27曲入りです。

これらの「ROCKBAND」リミックスの特徴は、ビートルズと一緒にプレイ出来るゲームなので、曲自体は公式盤と変わりません。じゃあ、何が違うのかと云いますとですね、イントロにジョン・レノンやポール・マッカートニーやジョージ・ハリスンによるカウントが入っていて、公式音源ではフェイドアウトする曲が、完奏されたりカットアウトされたりしているのです。しかし、リンゴ・スターはドラマーなのに持ち歌の「YELLOW SUBMARINE」などでもカウントを入れるのはジョン・レノンだったりして、可哀想になっちゃいます。前述の通り、楽曲の本編に関しては公式音源と基本的には同じなので、カウント入りでエンディングが違うだけなわけで、ソレを楽しめるかどうかで評価は違ってきますわなあ。中には「GOOD MORNING GOOD MORNING」みたいにエンディングでジョンとポールが喚いていたりもする、ブートレグらしい構成の曲もあります。CD2は、1「BACK IN THE U.S.S.R.」、2「DEAR PRUDENCE」、3「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」、4「BIRTHDAY」、5「HELTER SKELTER」、6「HEY BULLDOG」、7「DON'T LET ME DOWN」、8「COME TOGETHER」、9「SOMETHING」、10「OCTOPUS'S GARDEN」、11「I WANT YOU(SHE'S SO HEAVY)」、12「HERE COMES THE SUN」、13「THE END」、14「DIG A PONY」、15「I'VE GOT A FEELING」、16「I ME MINE」、17「GET BACK」、18「TOMORROW NEVER KNOWS - WITHIN YOU WITHOUT YOU」、19「ALL YOU NEED IS LOVE」、20「OH! DARLING」、21「STUDIO CHATS」の、全21曲入りで、合計48曲入りです。あくまでも楽曲単位での収録なので、「HERE COMES THE SUN」からいきなり途中のメドレーを飛ばして「THE END」になるなんて云うトンデモ選曲にもなっています。コレはですね、以前にも取り上げたアルバム「ABBEY ROAD」のみの「ROCKBAND」リミックス盤があるんですよ。最後の「STUDIO CHATS」は、ビートルズによるお喋りで曲ではありません。

最後の方に「TOMORROW NEVER KNOWS - WITHIN YOU WITHOUT YOU」が入っていて、コレは2006年のマッシュアップ盤「LOVE」の時に最初にジャイルズ・マーティンが制作した2曲を合体させた音源で、普通は「WITHIN YOU WITHOUT YOU / TOMORROW NEVER KNOWS」とクレジットされている曲です。その時にサー・ジョージ・マーティンとジャイルズ・マーティンはビートルズの様々な楽曲をマスター・テープまで遡ってマッシュアップしたのですが、おそらくその感覚でジャイルズ・マーティンは「ROCKBAND」リミックスも行っているのでしょう。マッシュアップ盤「LOVE」は、個人的には3回位聴いたら飽きてしまったのですけれど、そもそもシルク・ドゥ・ソレイユの公演用のサントラ盤なわけで、公演を観なければ評価のしようがない音源です。その点からすると、こちらの「ROCKBAND」リミックスは、楽曲自体がオリジナルの侭なので飽きがきません。コレは他にブートレグにも云える事なのですけれど、オリジナル音源を超える様な音源は、どんなに沢山ブートレグを聴いても出逢える事など滅多にありません。この「ROCKBAND」リミックスは、あくまでも楽曲自体はオリジナル音源なので、ソレにカウントを入れて、エンディングを変えているだけなのです。そして、そのカウントやエンディングは、本物のビートルズによる公式音源なのですから、出来栄えが悪くはなりようがないわけですなあ。故に、流石にマッシュアップ盤「LOVE」みたいに3回聴いて棚の中とはなりませんけれど、それでも結局は公式音源の方が良い感じだなあ、となるわけです。ゲーム「ROCKBAND」の功罪は、実はそのゲームの構造にあってですね、こうしてカウントやエンディングを変えた位なら良かったものの、それぞれのトラックを分解して「ヴァーチャル・ビートルズ」音源を作れる様にしてしまったところにあるのです。故に「ROCKBAND」とか「AI」とかジャケットに書いてあるブートレグには、細心の注意を払うべきでしょう。

(小島イコ)

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空想格闘メタフィクション

「千秋万歳」第2部第1章 COME AND GET IT

其の六 明日への誓い(上)



「第壱回・片瀬那奈・怪優グランプリ」のつづきの
「千秋万歳」序章のつづきの


西暦 2025年 西豪寺スタジアム


未亜:銀河系777億人の片瀬那奈ちゃんファンの皆さん、こんばんは!熱戦がつづくMZGプロレスリング旗揚げ第2戦の模様を、実況は姫川未亜、解説はお馴染みの小島イコさんで、ここ西豪寺スタジアムからお送りしております!小島さん!スゴイ熱気ですね!

イコ:やはり、MZGが独立して初のプロレスリング・エレナとの対抗戦ですからねえ。それぞれの団体のファンも熱く燃えて、カッカしていますね。先程の「柏木礼奈くん、小野未来くん」組 VS 「姫様、藤田千秋くん」組は、試合内容も良かったので、盛り上がりましたね。

未亜:休憩を挟んで、対抗戦第2弾は「西豪寺エレナ様 VS 平山まどか先生」ですが、見どころはどこでしょう!

イコ:KNKGP3の準々決勝で、西豪寺エレナ様は平山まどか先生に破れると云うポカをやっているんですよ。とは云え、37分50秒もかけて、西豪寺エレナ様がオーバー・ザ・トップロープで負けると云う展開でした。しかしながら、今回はそうはいかないでしょうなあ。KNKGP3では大会を盛り上げる為に西豪寺エレナ様が自ら寝たわけで、今回は敵地に乗り込んで来たのですから、マジ・モードの西豪寺エレナ様が観れそうです。

未亜:さあ、休憩も終わって、いよいよ選手入場です!青コーナーから平山まどか先生、赤コーナーから西豪寺エレナ様が入ってまいりました!内山理名レフェリーによるボディ・チェックを受けて、両者クリーンに握手して、ゴングが打ち鳴らされました!おっと、西豪寺エレナ様が握った手を離さずに強引に平山まどか先生を引き寄せて、ジェットコースターサドンデス!一発で決まった!17秒、西豪寺エレナ様が平山まどか先生をテクニカルノックアウトの秒殺で叩き潰しました!コレには超満員のお客さんも騒然となっております!

イコ:正に格の違いを見せつけた試合でしたね。平山まどか先生は何もさせてもらえなかった。コレが、西豪寺エレナ様の実力ですよ。

未亜:平山まどか先生は、口から泡を吹いて失神しております!担架に乗せられて退場です!西豪寺エレナ様、恐るべし!

イコ:西豪寺エレナ様は、全く平山まどか先生を相手にしていないファイト一発!でキメてしまいましたね。KNKGP3での対戦は、西豪寺エレナ様が敢えて平山まどか先生に合わせて、ジョブをやったから敗退したとの説を裏付ける様な圧勝でした。プロレスとしては失格ですけれど、下手に相手の技を受けたりしないで秒殺したのは、西豪寺エレナ様なりのMZGに対する敬意もあるのでしょう。対抗戦と云うのはですね、こうしたギスギスした闘いなんですよ。

未亜:この結果、MZGとプロレスリング・エレナの対抗戦は、プロレスリング・エレナの2戦2勝と云う結果となりましたね!

イコ:初の対抗戦での2タテは重要ですよ。そうする為にプロレスリング・エレナは、西豪寺エレナ様、柏木礼奈くん、小野未来くんと、トップ3でやって来たわけです。本来ならば、MZGも美月うららくん、大久保千秋くん、高瀬リコくんと云ったメンバーで迎え撃たなければ勝負にならなかったんですよ。初戦の印象は、長くファンの心に残りますからね。例えば、新日本プロレスとUWFインターの対抗戦は、初戦の武藤がドラゴンスクリューからの足四の字固めで勝った「武藤VS高田」が今でも語り草となっていますけれど、リターン・マッチで高田が勝った試合は人々の記憶から消えているわけですよ。

未亜:こうなりますと、今度はMZGがプロレスリング・エレナに逆上陸して借りを返さなければなりませんね!

イコ:そうですね、次のメインエベントの勝者が、西豪寺エレナ様とお互いのベルトを賭けた統一戦を行うのは決定でしょうなあ。このままでは、MZGがプロレスリング・エレナよりも下だと思われてしまいますよ。

未亜:さあ、その注目のメインエベントは、MZGプロレスリング旗揚げ大会と同じ「大久保千秋 VS 美月うらら社長」です!前回は60分フルタイムで引き分けとなりましたが、58分間の「見えないプロレス」が賛否両論で話題になったカードです!

イコ:この二人ならば、試合内容は絶対保障付きですし、「見えないプロレス」も封印するでしょうから、期待出来ますね。このカードは、MZGが純血で提供できる最高の試合であり、切り札ですからねえ。

未亜:両選手の入場から「Shine」斉唱、そしてタイトルマッチ宣言が行われました!この試合は60分3本勝負で、新設されたMZGプロレスリング・シングル王座が賭けられます!結局、大久保千秋が保持していたプロレスリング・エレナのPWEシングル王座は一旦は封印される事になったんですね!

イコ:ええ、PWE暫定王者として西豪寺エレナ様がいますから、ゆくゆくは統一戦との流れとなりますけれど、先程も申しました通り、次回のプロレスリング・エレナのビッグ・マッチで行われる事が決定したと云っていいでしょう。

未亜:どちらが勝っても、西豪寺エレナ様は前回も今回も観戦しているわけですから、じっくりと大久保千秋と美月うらら社長の戦い方を研究出来るわけですね!

イコ:西豪寺エレナ様は実力に胡坐をかかず、大変研究熱心なんですよ。新しい技の開発にも日々精進している、プロレスラーの鑑の様な存在なんですよ。

未亜:小島さん、褒め殺しですか!

イコ:いえいえ、滅相もない。あたくしは昔から「西豪寺エレナ様・命」ですよ。そうでなければ、プロレスリング・エレナのプロデューサーなんてやっていませんよ。

未亜:さあ、いよいよ決戦のゴングが打ち鳴らされました!ジリッジリッと両選手が歩を詰めて、ガッチリと手四つに組んだ!おっと、美月うらら社長がそのまま飛んで、大久保千秋のバックを取ってクロスロードスープレックス!大久保千秋が受け身を取って、逆にクロスロードスープレックスからダルマ式ジャーマン!美月うらら社長も受け身を取って、タイガースープレックス!スープレックスの競演で幕を開けました!

イコ:実に目まぐるしい攻防ですが、美月うららくんと大久保千秋くんは、アノ動きを前回の様に3倍速でやれるんですよ。この辺の動きは、前回の「見えないプロレス」をスロー再生した様な、所謂ひとつの種明かしですなあ。

未亜:おっと、今度は美月うらら社長がスーパーフリークからクラッシュバスター!前回はこのクラッシュバスターで3カウントを初めて聞いた大久保千秋ですが、今回は2.9で肩を上げた!そして、大久保千秋がスキャッターブレインからシアーハートアタック!更にジェットコースターサドンデス!次々に必殺技を大久保千秋が繰り出した!

イコ:繰り返しますが、リング上の二人はコレを3倍速でやれるんです。

未亜:大技の百貨店の様な試合展開に、目が離せません!しかし、お互いによく3カウントを取られずに戦えますね!

イコ:負ける気ならば、もう決まっていますけれど、今回は完全決着を両者共に望んでいますからね。西豪寺エレナ様も観戦中ですから、何か新しい技を出して決めるのかもしれません。大久保千秋くんも美月うららくんも同じ轍は踏まないので、クラッシュバスターやスキャッターブレインですら一撃必殺とは云えないんですよ。ソレが「3強のプロレス」なのです。

未亜:小島さんのご指摘通り、ここで大久保千秋が何やら新しい技の体勢に入った!スパイダーパニックで全身を背後から極めて、そのままジャンプしてガメラの如く回転して、うつ伏せ状態で叩き落す荒技だ!コレは効いたぞ!カウント10!美月うらら社長、立てません!1本目は11分7秒で、大久保千秋が取りました!小島さん、今の技は何ですか!?

イコ:スパイダーパニックブレイカーと云う、新しい技です。大久保千秋くんと美月うららくんの共同開発のオリジナルで、相手が全く受け身を取れず全身を強打する極めて危険な技です。今のはうつ伏せでしたが、フロントスパイダーパニックブレイカーと云う仰向けにしたより危険なヴァージョンもあると、両選手から聞きました。


以 下、明日への誓い(下)につづく

DEMO 2014−10−18
MIX 2025−10−16


(小島イコ/姫川未亜)


空想格闘メタフィクション


「千秋万歳」第2部第1章 
COME AND GET IT

其の六 明日への誓い(下)

DELIVERANCE !

HEY EVERYBODY 
GOT BACK !

ON 2025・11・X

SINCE 2013・11・7


DE IMAGEN NO INC. A CADA*** CON AMOR

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2025年10月15日

「ポールの道」#881「THE BEATLES BLACK VOX」
#190「CELLOPHANE FLOWERS」

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前回まで、ビートルズの4人のソロ活動からレア音源を集めたCD各2枚組全8枚組の「AFTER THE BEATLES ANTHOLOGY」を紹介しましたけれど、アップルが事実上閉鎖された1975年までのシングルを見ると、ジョン・レノンが全英トップ10ヒット4曲で、全米トップ10ヒット4曲(全米首位!が1曲)で、ポール・マッカートニーが全英トップ10ヒット7曲で、全米トップ10ヒット10曲(全米首位!が4曲)で、ジョージ・ハリスンが全英トップ10ヒット3曲(全英首位!1曲)で、全米トップ10ヒット3曲(全米首位!2曲)で、リンゴ・スターが全英トップ10ヒット4曲で、全米トップ10ヒット7曲(全米首位!2曲)と云う、俄かに信じ難い結果となっております。矢継ぎ早にシングルやアルバムを出し続けていたポールが最も多いのは兎も角として、リンゴがジョンやジョージよりもシングルでは勝っていたのが、1970年代前半でした。さて、今回は再びビートルズ時代に戻ってですね、2023年に「MOONCHILD RECORDS」からリリースされたCD2枚組のブートレグ「CELLOPHANE FLOWERS」を紹介します。内容は、CD1が、1「ONE AFTER 909」、2「CAN'T BUY ME LOVE」、3「EIGHT DAYS A WEEK」、4「THAT MEANS A LOT」、5「THIS BIRD HAS FLOWN」、6「I'M LOOKING THROUGH YOU」、7「TOMORROW NEVER KNOWS」、8「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、9「AND YOUR BIRD CAN SING」、10「TAXMAN」、11「I'M ONLY SLEEPING」、12「YELLOW SUBMARINE」、13「YELLOW SUBMARINE」、14「SHE SAID SHE SAID」、15「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、16「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、17「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、18「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、19「PENNY LANE」、20「IN THE LIFE OF...」、21「BEING FOR THE BENEFIT OF MR KITE!」、22「GOOD MORNING GOOD MORNING」、23「MAGICAL MYSTERY TOUR」、24「AERIAL TOUR INSTRUMENTAL」、25「AERIAL TOUR INSTRUMENTAL」、26「RED LADY TOO」、27「GOODBYE」の、全27曲入りです。

1「ONE AFTER 909」は1963年のボツ音源で、2「CAN'T BUY ME LOVE」は1964年のシングルとアルバム「A HARD DAY'S NIGHT」からの「Take 2」で、3「EIGHT DAYS A WEEK」は1964年のアルバム「BEATLES FOR SALE」からの「Take 5」で、4「THAT MEANS A LOT」は1965年のアルバム「HELP!」用のポールの駄作のボツ音源「Take 2」で、5「THIS BIRD HAS FLOWN」〜6「I'M LOOKING THROUGH YOU」は1965年のアルバム「RUBBER SOUL」からで、「THIS BIRD HAS FLOWN」は「Take 1」で、「I'M LOOKING THROUGH YOU」は「Take 1」です。7「TOMORROW NEVER KNOWS」〜14「SHE SAID SHE SAID」は1966年のアルバム「REVOLVER」からで、「TOMORROW NEVER KNOWS」は「Take 1」で、「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」は「Take 5」で、「AND YOUR BIRD CAN SING」は「Take 2」で、「TAXMAN」は「Take 11」で、「I'M ONLY SLEEPING」は「Take 1」で、「YELLOW SUBMARINE」はリンゴの語りと「Take 5」で、「SHE SAID SHE SAID」はデモ音源です。15「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」〜18「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は1967年のシングルで、二つのテイクを合体させたレコーディング過程が聴けます。19「PENNY LANE」は異なるテイクを編集した音源で、こう云う後出し「インチキ・ミックス」は困ったちゃんなのです。20「IN THE LIFE OF...」は「A DAY IN THE LIFE」の「Take 1」で、ジョンのアコースティック・ギターとポールのピアノだけの演奏で、まだ中間部のポールの歌は入っていません。21「BEING FOR THE BENEFIT OF MR KITE!」と、22「GOOD MORNING GOOD MORNING」の2曲は、1967年のアルバム「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」からですけれど、コレは効果音だけのテイクで余り嬉しくありません。23「MAGICAL MYSTERY TOUR」〜25「AERIAL TOUR INSTRUMENTAL」は、1967年のテレビ映画「MAGICAL MYSTERY TOUR」からで、「AERIAL TOUR INSTRUMENTAL」は「FLYING」です。26「RED LADY TOO」は1968年のジョージ・ハリスンによるサントラ盤「WONDERWALL MUSIC」からのモノラル・ミックスで、27「GOODBYE」は1969年にポールがメリー・ホプキンに書いた名曲のデモ音源です。

CD2は、1「ACROSS THE UNIVERSE」、2「LADY MADONNA」、3「CHILD OF NATURE」、4「CIRCLES」、5「JUNK」、6「REVOLUTION」、7「A BEGINNING」、8「SOUR MILK SEA」、9「GOOD NIGHT」、10「GOOD NIGHT」、11「CRY BABY CRY」、12「HELTER SKELTER」、13「HELTER SKELTER」、14「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」、15「NOT GUILTY」、16「STEP INSIDE LOVE」、17「GLASS ONION」、18「SHE CAME IN THROUGH THE BATHROOM WINDOW」、19「ISN'T IT A PITY」、20「SHE'S SO HEAVY」、21「ALL THINGS MUST PASS」、22「COME AND GET IT」、23「WHAT'S THE NEW MARY JANE」、24「MAGICAL MYSTERY TOUR REPRISE」の、全24曲入りで、合計51曲入りです。1「ACROSS THE UNIVERSE」は1968年のボツ音源で、後に公式リリースされたサー・ジョージ・マーティン版ともフィル・スペクター版とも違ってジョンの声が正常のスピードです。2「LADY MADONNA」は1968年のシングルで、コレも幾つかのテイクを編集していて、誠に遺憾に存じます。3「CHILD OF NATURE」〜5「JUNK」は1968年の「イーシャー・デモ」音源で、ジョンの「CHILD OF NATURE」は後に「JEALOUS GUY」となり1971年のアルバム「IMAGINE」に収録されて、ジョージの「CIRCLES」は1982年のアルバム「GONE TROPPO」に収録されて、ポールの「JUNK」は1970年のアルバム「McCARTNEY」に収録されます。1968年に「ACROSS THE UNIVERSE」や「HEY BULLDOG」や「CHILD OF NATURE」などを平気でボツにしたジョンには、底知れぬ凄みがあります。6「REVOLUTION」は「Take 20」と書いてあるのですけれど、コレは「Take 18」と「REVOLUTION 9」を合体させた「インチキ・ミックス」です。7「A BEGINNING」は、サー・ジョージ・マーティンがリンゴの「DON'T PASS ME BY」のイントロ用に書いてボツになり、1996年のアルバム「ANTHOLOGY 3」に収録した音源ですけれど、カントリー調の「DON'T PASS ME BY」とは全く合っていないのでボツになったのでしょう。この辺の、3「CHILD OF NATURE」〜17「GLASS ONION」は、1968年のアルバム「THE BEATLES」関連曲です。

8「SOUR MILK SEA」はジョージ・ハリスン作で、1968年にジョージ自身のプロデュースでアップルからジャッキー・ロマックスのシングルとしてリリースされた曲ですが、コレではなんと、エリック・クラプトンによるリード・ギターがうるさいジャッキー・ロマックス・ヴァージョンの演奏に「イーシャー・デモ」でのジョージによるリード・ヴォーカルを乗せた「インチキ・ミックス」音源になっています。9&10「GOOD NIGHT」は、コレマタ複数のテイクを編集した「インチキ・ミックス」です。11「CRY BABY CRY」は別テイクとなっていて、公式テイクよりもヘヴィな演奏となっています。12&13「HELTER SKELTER」もアウトテイクで、14「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」は、ジョージによるアコースティック・ギターの弾き語りです。15「NOT GUILTY」は「Take 102」で、それだけ演奏しても完成出来ずにボツとなり、1979年のアルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」でリメイクしてリリースしました。16「STEP INSIDE LOVE」はポールがシラ・ブラックに書いた佳曲で、「I WILL」のセッションで歌っている音源で、17「GLASS ONION」はモノラル・リミックス音源です。18「SHE CAME IN THROUGH THE BATHROOM WINDOW」と、19「ISN'T IT A PITY」の2曲は、1969年1月の「THE GET BACK SESSIONS」音源で、ポール作の「SHE CAME IN THROUGH THE BATHROOM WINDOW」は1969年のアルバム「ABBEY ROAD」の美味しいところに収録されましたが、ジョージ作の「ISN'T IT A PITY」はボツになって、悔しかったのか、ジョージは1970年のアルバム「ALL THINGS MUST PASS」に2ヴァージョン収録しています。1991年の来日公演での本編ラストも、意外にもこの曲でした。20「SHE'S SO HEAVY」は、1969年のアルバム「ABBEY ROAD」に収録された「I WANT YOU(SHE'S SO HEAVY)」です。

21「ALL THINGS MUST PASS」もジョージ作品でボツにされたので、ジョージはソロ・アルバムのタイトル曲にして大逆襲しました。1969年1月の「THE GET BACK SESSIONS」音源を聴くと、ジョージのソロ・アルバム「ALL THINGS MUST PASS」に収録される事になる楽曲が何曲も演奏されていて、この「ALL THINGS MUST PASS」に関してはビートルズとビリー・プレストンの5人で演奏するところまでは行っていますが、前述の「ISN'T IT A PITY」はビートルズではマトモに演奏すらしてもらえなかったのです。他にもジョージは、「OLD BROWN SHOE」や「FOR YOU BLUE」や「I ME MINE」や「SOMETHING」を書いていて、それらはビートルズとして公式リリースされています。しかし、この当時のジョージはソングライターとしてピークを迎えていて、他にも「THE ART OF DYING」や「LET IT DOWN」や「HEAR ME LORD」や「RAMBLING WOMAN」や「WINDOW WINDOW」と云った曲も既に書いていました。この「ALL THINGS MUST PASS」は、ジョージが1969年2月25日の26歳のお誕生日にひとりぼっちで多重録音したデモ音源で、ソレを知ると泣けてきますなあ。22「COME AND GET IT」は1969年のポールによる「ひとりバッドフィンガー」デモ音源で、同じひとりで多重録音したデモ音源でも、ジョージとポールとでは意味合いが全く違っています。この「COME AND GET IT」はポールが書いて、プロデュースして、ひとりでデモ音源を制作して、バッドフィンガーにその演奏をコピーさせたのですから、最早「パワハラ」ですけれど、それでも全英4位・全米7位とヒットさせちゃったのですから、文句も云えないのです。23「WHAT'S THE NEW MARY JANE」は1968年のアルバム「THE BEATLES」のジョンがバカになったボツ音源で、24「MAGICAL MYSTERY TOUR REPRISE」は映画の最後の部分です。今度リリースされる公式盤「ANTHOLOGY 4」も、内容はこうしたブートレグと大して変わらないだろうと、覚悟しておいた方がよろしいのでしょうなあ。

(小島イコ)

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2025年10月14日

「ポールの道」#880「THE BEATLES BLACK VOX」
#189「AFTER THE BEATLES ANTHOLOGY RINGO STARR」AGAIN

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1970年4月10日にポール・マッカートニーによる一方的な脱退宣言で、ビートルズは事実上解散しました。ポール・マッカートニーは1970年4月17日に、ほとんどの歌も楽器も全てをひとりでレコーディングした初のソロ・アルバム「McCARTNEY」をリリースしていて、ビートルズ脱退宣言はそのアルバムのマスコミ向けに広めたものでした。ジョン・レノンは、既に前年である1969年から「プラスティック・オノ・バンド」として活動していたし、1970年12月に至上の名作ソロ・アルバム「JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND(ジョンの魂)」をリリースしていて、ジョージ・ハリスンはそれまで書き溜めた曲がビートルズではなかなか取り上げてもらえなかったので、コレ幸いとソロ・アルバム「ALL THINGS MUST PASS」を1970年11月にLP3枚組でリリースして大ヒットさせました。そして、リンゴ・スターは、ジョンのアルバムでもジョージのアルバムでもドラムスを叩いています。ビートルズ時代の全213曲は、そのほとんどが「レノン=マッカートニー作品」であって、ジョンとポールが書いて歌っていました。ジョージも自作曲を書いているものの、採用されたのはたったの22曲で、それがソロ・アルバム「ALL THINGS MUST PASS」で爆発しています。ところが、リンゴはビートルズでの自作曲は「DON'T PASS ME BY」と「OCTOPUS'S GARDEN」の2曲だけで、歌っている曲を含めても11曲しかありません。ビートルズが解散しても、ジョンとポールとジョージはソロでもやっていく覚悟があったでしょうけれど、リンゴはビートルズのアルバムに1曲の人だったので、ドラマーと俳優でやっていこうかな、と考えていたのかもしれません。それで、2021年に「SUPERSTOCK」からリリースされたそれぞれCD2枚組の「AFTER THE BEATLES ANTHOLOGY」で、果たしてリンゴ編は成立するのか?と心配になってしまいます。

CD1は、1「SENTIMENTAL JOURNEY」、2「STORMY WEATHER」、3「BEAUCOUPS OF BLUES」、4「COOCHY COOCHY」、5「THE WISHING BOOK」、6「NASHVILLE JAM」、7「BAND OF STEEL」、8「WOMAN IN THE NIGHT」、9「NASHVILLE FREAKOUT」、10「IT DON'T COME EASY」、11「EARLY 1970」、12「BACK OFF BOOGALOO」、13「BLINDMAN」、14「I'M THE GREATEST」、15「PHOTOGRAPH」、16「HAVE YOU SEEN MY BABY(HOLD ON)」、17「SUNSHINE LIFE FOR ME(SAIL AWAY RAYMOND)」、18「YOU'RE SIXTEEN」、19「OH MY MY」、20「SIX O'CLOCK」、21「YOU AND ME(BABE)」の、全21曲入りです。1「SENTIMENTAL JOURNEY」は、1970年3月にリリースしたアルバム「SENTIMENTAL JOURNEY」のタイトル曲で、このアルバムはスタンダード曲をオーケストラをバックにリンゴが歌った企画モノで、サー・ジョージ・マーティンがプロデュースしていて、ポールやクインシー・ジョーンズやビー・ジーズのモーリス・ギブやオリヴァー・ネルソンやクラウス・フォアマンなどがアレンジしています。「SENTIMENTAL JOURNEY」のアレンジャーは、後にアルバム「RINGO」をプロデュースするリチャード・ペリーで、コレはミュージック・ビデオ音源です。2「STORMY WEATHER」〜9「NASHVILLE FREAKOUT」の8曲は、1970年9月リリースのアルバム「BEAUCOUPS OF BLUES」からで、シングルB面曲や未発表曲やアウトテイクを集めています。ビートルズが解散して、最初にソロ・アルバムをリリースしたのはリンゴと云う事にもなりますけれど、こちらはピート・ドレイク(ジョージのアルバム「ALL THINGS MUST PASS」にペダル・スティールで参加)のプロデュースで、たったの3日でレコーディングしたカントリーの企画モノです。

リンゴが本気を出したのは、10「IT DON'T COME EASY」と、11「EARLY 1970」の、1971年4月リリースのシングルからで、ジョージのプロデュースで(「IT DON'T COME EASY」は実はジョージとリンゴの共作)、全英4位・全米4位のヒット曲となっています。「IT DON'T COME EASY」はアセテート盤音源で、元ビートルズのその後を歌った「EARLY 1970」はシングル・ヴァージョンです。12「BACK OFF BOOGALOO」と、13「BLINDMAN」は、1972年3月リリースのシングルで、A面の「BACK OFF BOOGALOO」はジョージのプロデュースで、B面の「BLINDMAN」はリンゴが俳優として出演した同名映画の主題歌でリンゴとクラウス・フォアマンの共同プロデュースで、どちらもシングル・ヴァージョンです。「BACK OFF BOOGALOO」は全英2位・全米9位のヒット曲となっていて、どちらもリンゴの単独作となっているものの、「BACK OFF BOOGALOO」はジョージが手伝っているのでしょう。14「I'M THE GREATEST」〜21「YOU AND ME(BABE)」の8曲は、1973年10月リリースのリンゴの一世一代の傑作アルバム「RINGO」からの曲で、アルバム全10曲中8曲には元ビートルズのメンバーが関わっています。14「I'M THE GREATEST」はジョン作で、ジョン、ジョージ、リンゴに、クラウス・フォアマンとビリー・プレストンが加わった曲の別ミックス音源で、15「PHOTOGRAPH」はジョージとリンゴの共作で先行シングルで全英8位・全米首位!となった名曲のラフミックス音源で、16「HAVE YOU SEEN MY BABY(HOLD ON)」にはマーク・ボランが「T-REX」まんまのギターで参加しているラフミックス音源で、17「SUNSHINE LIFE FOR ME(SAIL AWAY RAYMOND)」はジョージ作でザ・バンドから4人が参加している曲の別ミックス音源です。

18「YOU'RE SIXTEEN」はジョニー・バーネットのカバーで、ポールがマウス・サックスで参加している曲のラフミックス音源で、2枚目のシングル・カットされて全英4位・全米首位!となっています。つまり、リンゴが2曲連続で全米首位!となったのです。19「OH MY MY」は米国で3枚目のシングル・カットされて、全米5位となった曲のラフミックス音源です。20「SIX O'CLOCK」はポール&リンダ作のラフミックス音源ですが、公式盤でのエンディングを迎えた後でアップテンポのコーダが始まりポールが主役になってしまうロング・ヴァージョンです。ポールはコレのお返しなのか、1997年5月リリースのアルバム「FLAMING PIE」に収録された名曲「BEAUTIFUL NIGHT」で同じ手法を使って、コーダ部分をリンゴに歌わせています。21「YOU AND ME(BABE)」はジョージとマル・エヴァンスの共作となっていて、短く編集されたヴァージョンですが、リンゴの感動的な語りは最後まで聴けます。CD2は、1「IT DON'T COME EASY」、2「DOWN AND OUT」、3「(IT'S ALL DOWN TO)GOODNIGHT VIENNA」、4「ONLY YOU(AND YOU ALONE)」、5「NO NO SONG」、6「SNOOKEROO」、7「SCOUSE THE MOUSE」、8「LIVING IN A PET SHOP」、9「SHE'S SO IN LOVE」、10「ON WAY LOVE AFFAIR」、11「DEAD GIVEAWAY」、12「PRIVATE PROPERTY」、13「WRACK MY BRAIN」、14「I CALL YOUR NAME」、15「WEIGHT OF THE WORLD」、16「LA DE DA」、17「DRIFT AWAY」、18「NEVER WITHOUT YOU」、19「IF IT'S LOVE」、20「HEY, WOULD YOU HOLD IT DOWN」、21「WISH I WAS A POWERPUFF GIRL」、22「BOYS」、23「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」、24「I WANNA BE YOUR MAN」の、全24曲入りで、合計45曲入りです。

1「IT DON'T COME EASY」は前述の1971年のシングル曲ですが、こちらはラフミックス音源です。2「DOWN AND OUT」はシングル「PHOTOGRAPH」のB面曲で、当時はアルバム未収録曲でしたがアルバム「RINGO」のCDに収録されている曲で、コレはアウトテイクです。3「(IT'S ALL DOWN TO)GOODNIGHT VIENNA」〜6「SNOOKEROO」の4曲は、1974年11月リリースのアルバム「GOODNIGHT VIENNA」からの曲で、「(IT'S ALL DOWN TO)GOODNIGHT VIENNA」はジョン作で、コレはアウトテイクです。問題は「ONLY YOU(AND YOU ALONE)」で、プラターズのカバーですが、コレはジョンが歌ったガイド・ヴォーカル音源です。つまり、リンゴはドラムスを叩いているだけなので、コレは「ジョン編」に入れるべきでしょう。5「NO NO SONG」は1975年にテレビ番組でリンゴが歌った音源で、6「SNOOKEROO」はエルトン・ジョンとバーニー・トーピンの書き下ろしで、シングル・ヴァージョンです。ここまでは、まだ法的にはビートルズが解散していなかった時の音源ですが、なな、なんと、全米トップ10ヒットが7曲もあって、その内の2曲は全米首位!なのです。シングル・ヒットだけを考えれば、ジョンよりもポールよりもジョージよりも、リンゴの方が圧倒的に勝っていたのが1970年代前半で、コレを「リンゴの狂い咲き時代」と云います。7「SCOUSE THE MOUSE」と、8「LIVING IN A PET SHOP」の2曲は、1977年12月リリースのアルバム「SCOUSE THE MOUSE」からで、このアルバムは童話をレコード化した企画モノで、リンゴは主人公のネズミのスカウス役になったので、7曲を歌っている内の2曲です。9「SHE'S SO IN LOVE」と、10「ON WAY LOVE AFFAIR」の2曲は、1978年の未発表曲で、アルバム「BAD BOY」の頃のアウトテイクでしょう。

11「DEAD GIVEAWAY」〜13「WRACK MY BRAIN」の3曲は、1981年10月リリースのアルバム「STOP AND SMELL THE ROSES」からの曲で、「DEAD GIVEAWAY」はリンゴとロン・ウッドの共作で、「PRIVATE PROPERTY」はポール作で、13「WRACK MY BRAIN」はジョージ作です。このアルバムにはジョンの参加も決まっていたのですが、永遠に叶わぬ事となりました。「PRIVATE PROPERTY」は「TUG OF WAR」と「PIPES OF PEACE」の頃のポール節全開の曲ですが、悪い方のポールが出ている駄作です。「WRACK MY BRAIN」も当時のジョージらしい変態パワーポップですが、だったらジョージが歌え、なのです。ジョージはコノ時に「ALL THOSE YEARS AGO」をリンゴに提供しようとしていたらしく、昔から全力で提供曲を書いてしまう人で、全く困ったもんですなあ。14「I CALL YOUR NAME」は1990年5月5日のジョン追悼コンサート用に演奏されたビートルズ・ナンバーで、バックはほとんどが「トラヴェリング・ウィルベリーズ」です。15「WEIGHT OF THE WORLD」は1992年5月リリースのアルバム「TIME TAKES TIME」からのラフミックス音源で、16「LA DE DA」と、17「DRIFT AWAY」の2曲は、1998年6月リリースのアルバム「VERTICAL MAN」からの別テイクで、「DRIFT AWAY」は公式音源よりもエアロスミスのスティーヴン・タイラーのヴォーカルが多いです。18「NEVER WITHOUT YOU」は2003年5月リリースのアルバム「RINGO RAMA」からのジョージへの追悼曲で、19「IF IT'S LOVE」は2008年1月リリースのアルバム「LIVERPOOL 8」からのシングル・ヴァージョンで、20「HEY, WOULD YOU HOLD IT DOWN」は2018年のロジャー・ミラーへの追悼カバー曲で、21「WISH I WAS A POWERPUFF GIRL」は2014年のアニメ用シングル・ヴァージョンで、22「BOYS」は2015年のグリーン・デイとの共演ライヴ音源です。

23「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」と、24「I WANNA BE YOUR MAN」の2曲は、2015年の「ロックの殿堂」でのポール・マッカートニーとの共演ライヴ音源です。いやはや、リンゴじゃCD2枚組のレア音源ベストなんて無理とか心配ご無用でした。とは云え、やはりリンゴのソロでの黄金時代は1971年から1974年までで、当時は前述の通り、ことシングル・ヒット曲だけならばリンゴが他の3人よりも沢山あったのです。故に、1975年11月にリリースされたリンゴのソロでのベスト・アルバム「BLAST FROM YOUR PAST」がレコード時代だから全10曲入りだったものの、ソロ時代の楽曲だけでリリースする事が出来たのです。何せ、そのベスト・アルバム「BLAST FROM YOUR PAST」全10曲中7曲は全米トップ10ヒットで、その内の2曲は全米首位!だったのですよ。「ビートルズが解散して最も得をした男」だったはずのジョージが、翌1976年11月リリースのベスト・アルバム「THE BEST OF GEORGE HARRISON」をEMIに勝手に選曲されて、全13曲中半数以上の7曲をビートルズ時代の曲にされると云う屈辱的な扱いだったのに比べれば、リンゴですらソロだけで出せたのに、と云われているのです。しかしながら、ジョージは確かにアルバム「ALL THINGS MUST PASS」で大爆発したものの、1970年から1975年までのアップル時代のシングルは米国では8枚しかリリースしておらず、全米トップ10ヒットは3曲(内2曲が全米首位!)だったわけで、シングル・ヒットの数ではリンゴに負けていたのです。いや、それよりも重要なのは、ビートルズが解散して、それまではレノン=マッカートニーの陰に隠れていたジョージとリンゴに出番が回って来たのが、1970年代前半でした。リンゴのベスト・アルバムは、他に1989年2月にアップルを離れてからの「STARR STRUCK: BEST OF RINGO STARR, VOL.2」がCDは全16曲入りで出ていて、2007年8月にはオールタイム・ベスト・アルバム「PHOTOGRAPH:BEST OF RINGO」全20曲入りが出ています。

(小島イコ)

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「NO IMAGE」


here is

mia/iko presents

「the diary of nana katase」

A/K/A/ 「COPY CONTROL」


Recording Produced by IKO KOJIMA

Engineer : MIA HIMEKAWA

All voices & instruments : MW-777
(MIA/IKO/TACO/LUNA)

All Songs arranged , written and compoced by

009:栗

(A/K/A/ mia/iko) except where indicated.


with a big help from

001:ANTETSU (from NANAchan OGAMITAI of NO IMAGE),
002:USHIO (from SHiNY ☆ BRADBURYS of NO IMAGE),
008:HITO-WOLF (from MEI-KYO-SHI-SUI),
& 100 = TACO (from Queen of NO IMAGE),


055:PIN (from NEW of NO IMAGE)&
033:KIRI (from SISTER of NO IMAGE),
・・・with their family・・・,


101:NANAMI NARUMI (from LITTLE SISTERS of NO IMAGE),
051:LUNA NARUMI (from LITTLE SISTERS of NO IMAGE),
0101010・・・,& so on:KOYUKI SISTERS #0-#2 with TVC-15,
& 「KOYUKI #3-#5」with TVC15-2!!,
m-G4-MIMI & W-7,W-10-nanaco#1-#3,

ukulele-MIDORI #1-#3 (from LITTLE SISTERS of NO IMAGE),
070 & 077:NEO FLOWER GIRLS (from &'S LITTLE SISTERS of NO IMAGE),
396:pirozhki (from MARQUEE MOON),
099;mayaya

R-157:rina-chan

000:mamma-mia A+C ! &

007:nana-chan


& EVERY***

AND ・・・「∞:my MOTHER = MIAMIA/IKO-CHAN !」



ALL FOR NANA KATASE from the bottom of my heart.

since 2004-8-8

(C) NO IMAGE INC. with LOVE ☆



YES, we're just only the " NANA chan's FAN " .

since 1981-11-7