「千秋万歳」序章のつづきの西暦 2025年 西豪寺スタジアム
未亜:銀河系777億人の片瀬那奈ちゃんファンの皆さん、こんばんは!熱戦がつづくMZGプロレスリング旗揚げ第2戦の模様を、実況は姫川未亜、解説はお馴染みの小島イコさんで、ここ西豪寺スタジアムからお送りしております!小島さん!スゴイ熱気ですね!
イコ:やはり、MZGが独立して初のプロレスリング・エレナとの対抗戦ですからねえ。それぞれの団体のファンも熱く燃えて、カッカしていますね。先程の「柏木礼奈くん、小野未来くん」組 VS 「姫様、藤田千秋くん」組は、試合内容も良かったので、盛り上がりましたね。
未亜:休憩を挟んで、対抗戦第2弾は「西豪寺エレナ様 VS 平山まどか先生」ですが、見どころはどこでしょう!
イコ:KNKGP3の準々決勝で、西豪寺エレナ様は平山まどか先生に破れると云うポカをやっているんですよ。とは云え、37分50秒もかけて、西豪寺エレナ様がオーバー・ザ・トップロープで負けると云う展開でした。しかしながら、今回はそうはいかないでしょうなあ。KNKGP3では大会を盛り上げる為に西豪寺エレナ様が自ら寝たわけで、今回は敵地に乗り込んで来たのですから、マジ・モードの西豪寺エレナ様が観れそうです。
未亜:さあ、休憩も終わって、いよいよ選手入場です!青コーナーから平山まどか先生、赤コーナーから西豪寺エレナ様が入ってまいりました!内山理名レフェリーによるボディ・チェックを受けて、両者クリーンに握手して、ゴングが打ち鳴らされました!おっと、西豪寺エレナ様が握った手を離さずに強引に平山まどか先生を引き寄せて、ジェットコースターサドンデス!一発で決まった!17秒、西豪寺エレナ様が平山まどか先生をテクニカルノックアウトの秒殺で叩き潰しました!コレには超満員のお客さんも騒然となっております!
イコ:正に格の違いを見せつけた試合でしたね。平山まどか先生は何もさせてもらえなかった。コレが、西豪寺エレナ様の実力ですよ。
未亜:平山まどか先生は、口から泡を吹いて失神しております!担架に乗せられて退場です!西豪寺エレナ様、恐るべし!
イコ:西豪寺エレナ様は、全く平山まどか先生を相手にしていないファイト一発!でキメてしまいましたね。KNKGP3での対戦は、西豪寺エレナ様が敢えて平山まどか先生に合わせて、ジョブをやったから敗退したとの説を裏付ける様な圧勝でした。プロレスとしては失格ですけれど、下手に相手の技を受けたりしないで秒殺したのは、西豪寺エレナ様なりのMZGに対する敬意もあるのでしょう。対抗戦と云うのはですね、こうしたギスギスした闘いなんですよ。
未亜:この結果、MZGとプロレスリング・エレナの対抗戦は、プロレスリング・エレナの2戦2勝と云う結果となりましたね!
イコ:初の対抗戦での2タテは重要ですよ。そうする為にプロレスリング・エレナは、西豪寺エレナ様、柏木礼奈くん、小野未来くんと、トップ3でやって来たわけです。本来ならば、MZGも美月うららくん、大久保千秋くん、高瀬リコくんと云ったメンバーで迎え撃たなければ勝負にならなかったんですよ。初戦の印象は、長くファンの心に残りますからね。例えば、新日本プロレスとUWFインターの対抗戦は、初戦の武藤がドラゴンスクリューからの足四の字固めで勝った「武藤VS高田」が今でも語り草となっていますけれど、リターン・マッチで高田が勝った試合は人々の記憶から消えているわけですよ。
未亜:こうなりますと、今度はMZGがプロレスリング・エレナに逆上陸して借りを返さなければなりませんね!
イコ:そうですね、次のメインエベントの勝者が、西豪寺エレナ様とお互いのベルトを賭けた統一戦を行うのは決定でしょうなあ。このままでは、MZGがプロレスリング・エレナよりも下だと思われてしまいますよ。
未亜:さあ、その注目のメインエベントは、MZGプロレスリング旗揚げ大会と同じ「大久保千秋 VS 美月うらら社長」です!前回は60分フルタイムで引き分けとなりましたが、58分間の「見えないプロレス」が賛否両論で話題になったカードです!
イコ:この二人ならば、試合内容は絶対保障付きですし、「見えないプロレス」も封印するでしょうから、期待出来ますね。このカードは、MZGが純血で提供できる最高の試合であり、切り札ですからねえ。
未亜:両選手の入場から「Shine」斉唱、そしてタイトルマッチ宣言が行われました!この試合は60分3本勝負で、新設されたMZGプロレスリング・シングル王座が賭けられます!結局、大久保千秋が保持していたプロレスリング・エレナのPWEシングル王座は一旦は封印される事になったんですね!
イコ:ええ、PWE暫定王者として西豪寺エレナ様がいますから、ゆくゆくは統一戦との流れとなりますけれど、先程も申しました通り、次回のプロレスリング・エレナのビッグ・マッチで行われる事が決定したと云っていいでしょう。
未亜:どちらが勝っても、西豪寺エレナ様は前回も今回も観戦しているわけですから、じっくりと大久保千秋と美月うらら社長の戦い方を研究出来るわけですね!
イコ:西豪寺エレナ様は実力に胡坐をかかず、大変研究熱心なんですよ。新しい技の開発にも日々精進している、プロレスラーの鑑の様な存在なんですよ。
未亜:小島さん、褒め殺しですか!
イコ:いえいえ、滅相もない。あたくしは昔から「西豪寺エレナ様・命」ですよ。そうでなければ、プロレスリング・エレナのプロデューサーなんてやっていませんよ。
未亜:さあ、いよいよ決戦のゴングが打ち鳴らされました!ジリッジリッと両選手が歩を詰めて、ガッチリと手四つに組んだ!おっと、美月うらら社長がそのまま飛んで、大久保千秋のバックを取ってクロスロードスープレックス!大久保千秋が受け身を取って、逆にクロスロードスープレックスからダルマ式ジャーマン!美月うらら社長も受け身を取って、タイガースープレックス!スープレックスの競演で幕を開けました!
イコ:実に目まぐるしい攻防ですが、美月うららくんと大久保千秋くんは、アノ動きを前回の様に3倍速でやれるんですよ。この辺の動きは、前回の「見えないプロレス」をスロー再生した様な、所謂ひとつの種明かしですなあ。
未亜:おっと、今度は美月うらら社長がスーパーフリークからクラッシュバスター!前回はこのクラッシュバスターで3カウントを初めて聞いた大久保千秋ですが、今回は2.9で肩を上げた!そして、大久保千秋がスキャッターブレインからシアーハートアタック!更にジェットコースターサドンデス!次々に必殺技を大久保千秋が繰り出した!
イコ:繰り返しますが、リング上の二人はコレを3倍速でやれるんです。
未亜:大技の百貨店の様な試合展開に、目が離せません!しかし、お互いによく3カウントを取られずに戦えますね!
イコ:負ける気ならば、もう決まっていますけれど、今回は完全決着を両者共に望んでいますからね。西豪寺エレナ様も観戦中ですから、何か新しい技を出して決めるのかもしれません。大久保千秋くんも美月うららくんも同じ轍は踏まないので、クラッシュバスターやスキャッターブレインですら一撃必殺とは云えないんですよ。ソレが「3強のプロレス」なのです。
未亜:小島さんのご指摘通り、ここで大久保千秋が何やら新しい技の体勢に入った!スパイダーパニックで全身を背後から極めて、そのままジャンプしてガメラの如く回転して、うつ伏せ状態で叩き落す荒技だ!コレは効いたぞ!カウント10!美月うらら社長、立てません!1本目は11分7秒で、大久保千秋が取りました!小島さん、今の技は何ですか!?
イコ:スパイダーパニックブレイカーと云う、新しい技です。大久保千秋くんと美月うららくんの共同開発のオリジナルで、相手が全く受け身を取れず全身を強打する極めて危険な技です。今のはうつ伏せでしたが、フロントスパイダーパニックブレイカーと云う仰向けにしたより危険なヴァージョンもあると、両選手から聞きました。