
時代は前後しますが、1990年5月25日にゲイリー・アッシャーが肺がんの為に51歳で亡くなりました。1998年2月6日にカール・ウィルソンが亡くなったのも、肺がんで51歳でした。ゲイリー・アッシャーはブライアン・ウィルソンの盟友で、ビーチ・ボーイズの1960年代前半の楽曲である「409」や「LONELY SEA」や「IN MY ROOM」などをブライアン・ウィルソンと共作していて、ビーチ・ボーイズが1964年にアルバム「SHUT DOWN VOLUME 2」をリリースするキッカケとなったコンピレーション・アルバム「SHUT DOWN」をプロデュースしていました。ビーチ・ボーイズ以外でも、1960年代前半にはホンデルスやサーファリーズなどを、1960年代後半にはバーズやチャド&ジェレミーやサジタリアスやピーナッツ・バター・コンスピラシーなどをプロデュースしていて、1977年のブルース・ジョンストンのソロ・アルバム「GOING PUBLIC」もプロデュースしています。盟友であるブライアン・ウィルソンの復活にも手を貸していて、1986年にブライアン・ウィルソンとゲイリー・アッシャーでレコーディング・セッションを行っていますが、トンデモ精神科医だったユージン・ランディとの確執で降板しています。それでも共作したブライアン・ウィルソンのソロ名義での1987年の「LET'S GO TO HEAVEN IN MY CAR」は映画「ポリス・アカデミー4」のサントラ盤でリリースされていて、同年のビーチ・ボーイズとファット・ボーイズの共演作「WIPE OUT」もプロデュースしています。ブライアン・ウィルソンとの友情は続いていて、ゲイリー・アッシャーが亡くなる前にお見舞いに行ったブライアン・ウィルソンは、ポータブル・プレイヤーでロネッツの「BE MY BABY」を何度も繰り返し流して励ましたとも云われています。そんなブライアン・ウィルソンとの関係が深いゲイリー・アッシャーが、1970年1月にキャピトル・スタジオでオーケストラを率いてレコーディングしたアルバムが「A SYMPHONIC SALUTE TO A GREAT AMERICAN SONG WRITER BRIAN WILSON」です。
このアルバム「A SYMPHONIC SALUTE TO A GREAT AMERICAN SONG WRITER BRIAN WILSON」は、1970年1月にレコーディングされていたものの、リリースを見送られています。発表されたのは2001年2月10日になってからで、それも日本でソフト・ロックの未発表音源を数多くリリースしている「ティ・ワイ・オー・ミュージック」と云うレーベルからとなっています。内容は、1「MARKER」、2「CAROLINE, NO」、3「YOU STILL BELIEVE IN ME」、4「BUSY DOIN' NOTHING」、5「PET SOUNDS」、6「MEDLEY:FALL BREAKS AND BACK TO WINTER / GOOD VIBRATIONS / HEROES AND VILLAINS」、7「THE WARMTH OF THE SUN」、8「GOD ONLY KNOWS」、9「PLEASE LET ME WONDER」、10「FRIENDS」、11「IN MY ROOM」の、全11曲入りです。この内、1「MARKER」はカウントで、他の10曲は全てがブライアン・ウィルソンが共作を含めて書いた曲のオーケストラによるインストゥルメンタル・カバーとなっています。2「CAROLINE, NO」、3「YOU STILL BELIEVE IN ME」、5「PET SOUNDS」、8「GOD ONLY KNOWS」の4曲は1966年のアルバム「PET SOUNDS」から、4「BUSY DOIN' NOTHING」、10「FRIENDS」の2曲は1968年のアルバム「FRIENDS」から、6「MEDLEY:FALL BREAKS AND BACK TO WINTER / GOOD VIBRATIONS / HEROES AND VILLAINS」は1967年のアルバム「SMILEY SMILE」から、7「THE WARMTH OF THE SUN」は1964年のアルバム「SHUT DOWN VOLUME 2」から、9「PLEASE LET ME WONDER」は1965年のアルバム「THE BEACH BOYS TODAY!」から、そして、10「IN MY ROOM」は1963年のアルバム「SURFER GIRL」からとなっていて、ブライアン・ウィルソンが書いた楽曲を、ゲイリー・アッシャーがアレンジしてオーケストラで演奏しているアルバムです。
インストゥルメンタルなので、一応は共作者として、トニー・アッシャーや、マイク・ラヴや、ヴァン・ダイク・パークスや、ゲイリー・アッシャー本人の名前も載ってはいますが、ブライアン・ウィルソンとカール・ウィルソンとデニス・ウィルソンとアル・ジャーディンの共作である「FRIENDS」以外は、作曲したのはブライアン・ウィルソンです。ブライアン・ウィルソン作品を美しいストリングス・アレンジでカバーしているアルバムで、レコーディングされたのは1970年なので、ビーチ・ボーイズの1963年から1968年までのアルバムから選曲されています。このレコードがお蔵入りしたのは、1960年代後半にゲイリー・アッシャーがカート・ベッチャーやキース・オルセンと立ち上げた「トゥギャザー・レコード」が上手くいかなくなってしまった為でしょう。ゲイリー・アッシャーがアレンジして指揮したオーケストラ・アルバムとしての完成度は高く、もっとも多く選曲されているアルバム「PET SOUNDS」は勿論の事、「THE WARMTH OF THE SUN」や「PLEASE LET ME WONDER」や「IN MY ROOM」と云った美しい楽曲が多く、夢見心地になる素敵なインストゥルメンタル・カバー・アルバムです。アルバム「SMILEY SMILE」からの3曲をメドレーにした「MEDLEY:FALL BREAKS AND BACK TO WINTER / GOOD VIBRATIONS / HEROES AND VILLAINS」は、幻のアルバム「SMiLE」を幻視させられます。とは云え、レコーディングされてから30年以上も経って、亡くなってからでも10年以上も経って、日本で初リリースされたアルバムなので、コマーシャルではない、と米国では判断されていたのでしょう。これは云わばラウンジ・ミュージックだし、宣伝文句の様にもうひとつの「PET SOUNDS」なんて過剰に持ち上げる心算はありませんけれど、良いアルバムなので、見つけたら買って聴いてみて下さい。前回も云った通り、ビーチ・ボーイズ関連のCDはすぐに廃盤になっちゃうのですけれど、現在ならば配信でも聴けると思います。
(小島イコ)
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