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2009年11月14日

「REMEMBER 〜4人はアイドル〜」
#001:真実が欲しい

WINK ALBUM COLLECTION 1988-2000 アルバム全曲集



アイドル歌謡史に於けるビートルズからの影響は、ビートルズが日本デビューを果たした1964年から始まって居ます。当時の流行だった「ヒッパレ」の流れで、其れまでのアメリカン・ポップス同様に「日本語に翻訳したカヴァー歌謡曲」として其れは出現します。


スリーファンキーズと東京ビートルズの競作だった「抱きしめたい」の日本語盤や、キューピッツによる「シー・ラブズ・ユー」、ほり☆まさゆきの怪作「アイ・フィール・ファイン」等々、初期ビートルズの日本語カヴァーの頓珍漢な出来映えは現在でも大いなる破壊力を保ち続けて居りますが、そんな勘違いから脱却を試みたのは「グループサウンズ」でした。然し乍ら「GS」の先駆者と讃えられいち早くビートルズ・カヴァーをレコーディングした「スパイダース」の音楽的な要だった「かまやつひろし」や、「GS」以前から自作自演でのバンド活動を行い、しかも「反ロカビリー」を明確に表明して居た「加山雄三」等は、ビートルズよりも年長者で在り、加山が大いに語る通りに「絶対に俺の方がジョン・レノンなんかよりも先にエルヴィスを聴いてたし、多重録音だって俺が先」だったのです。


1964年にビートルズが全米制覇を果たす一年も前に、坂本九の「スキヤキ」はタイトルこそ改題されたものの「日本語の侭で全米制覇を成し遂げて居た」のです。ビートルズの「抱きしめたい」と同時期に全米首位を獲得したのが「イパネマの娘」だった事実からも「なんでもあり」な全米チャート気質が伺えます。其の後の戦略次第では、坂本九やゲッツ・ジルベルトにもチャンスは在ったのかもしれません。されど、彼等にはブライアン・エプスタインが居なかった。九ちゃんの全米第二弾シングル「チャイナ・ナイト」はスマッシュ・ヒットにはなりますが、オリエンタリズムを過剰に強調した「全米仕様路線」は大失敗に終ります。普通に「見上げてごらん夜の星を」でも発売すれば好かったのかもしれません。何にせよ、ビートルズ以後の日本歌謡史を同時代的に牽引した先駆者は「ビートルズよりも年長で、彼等をナメテいた」様です。エルヴィスが「WHAT IS BEETLES ?」と云った如く、「ビートルズ?何じゃそりゃ」だったのでしょう。


話がストラングルホールドしましたが、常にリアルタイムで歌謡曲はビートルズからの影響を受け続けます。其れはカヴァーとしてだけでは無く、オリジナルとされる楽曲にも顕著に現れ、2009年の現在でも終らないのです。其れどころか、最早「ネタに詰まったらビートリー!」的な絶対的な保障付きの逃げ道にすらなって居ます。


直接的には全くビートルズからの影響を受けて居ないと思える此のサイトの主役「片瀬那奈」ですら、残念乍ら彼等の影響から逃れる事は不可能でした。例えば片瀬のシングルで多様された「両A面」と云う発想や、其の音楽を喧伝するのに大いに貢献した「プロモーション・ヴィデオ」、更には「多重録音によって歌唱を加工して創ったテレパシー・ヴォイス」、そして「シンセ等の電気式の導入と管弦楽の融合」等は、全てビートルズが始めた事です。片瀬那奈が「三回声を重ねてテレパシー・ヴォイス完成!」と試行錯誤して編み出した手法は、ジョン・レノンが「マイクに後ろ向きに立って歌う」とか「寝乍ら歌う」とか「フランジャーで疑似ダブルトラックにしてくれ!」とか「回転数を変えて声を変えてくれ!」とか「アンプに喉から直接繋ぐってのはどーよ?俺の喉に差し込みプラグを埋め込む手術をしろっ!」とか常軌を逸した「声の加工(信じ難い事実ですが、ジョン・レノンは自分の声が嫌いで別の声にして録音する事に執着したのだそうです)」が在りき!なのです。


「和製カイリー」と称される片瀬ですが、其の「本家カイリー」が現在では「パーロフォン・レーベル」から作品を発表して居る事実は、余り知られて居ない様です。「パーロフォン」は、ビートルズがアップルを設立(1968年)するまでの作品を発表したレーベルで、彼等の偉業を讃え「永久封印」されたも同然の金看板です。英国のEMIに所属するアーティストでビートルズ以後は「QUEEN」が後期に「パーロフォン」を冠された位しか例の無い事だと思われます。カイリーは言わば「英国EMIが認めたザ・ビートルズの後継者」なのです。


そんなカイリーがユーロのアイドルだった時代に其のカヴァーで国民的アイドルとなったのが「WINK」です。数多在るビートルズ関連カヴァー歌謡曲の中でも「怪作ベスト10」にランクインしそうな作品が其の「WINK」によるジョン・レノンの名曲「OH MY LOVE」の日本語カヴァーでしょう。門倉聡サンによる美しい弦楽アレンジをバックに蚊が鳴く様なユニゾンで歌われる其れは、ホラー映画の挿入歌を思わせる程に不気味です。暗闇から、長い黒髪で大きなサングラスを掛け大きな口で笑い乍ら黒装束の魔女(特にモデルはいません)が現れそうな「聴いてはいけない音源」のひとつだと思います。「何故?しょーことさっちんがレノン?」と20年前に頭を抱えた疑問は、おそらく永遠に解けないでしょう。同時期に宮沢りえはボウイとレノンが共作した「FAME」を、在ろう事か「GAME」と改題し日本語カヴァーして居りました。其れは「紅白歌合戦」でも「バスタブでリップシンクロ中継」で公開されたので覚えて居る片も居られるでしょうが、まさか其の楽曲が「ジョン・レノンとデイヴィッド・ボウイとカーロス・アロマーが創った」なんて知らなかったと思います。其れは只、単なる「歌謡曲」として存在し、消えました。正に「天国の階段はない〜!」と前衛劇風に叫びたい程の「ロック幻想の敗北」でした。


多くの「ビートルズ本」が、2009年リマスターに合わせて発売されました。其れ等には、資料的価値の高い名著の改訂版等も含まれ、こんな機会だからこそ実現したであろう有意義な作品も確かに在ります。其れにしたって、出し過ぎだろ?改訂版と銘打つなら好いけど、過去の著作の焼き直しで新作と称し「二度売りどころか、何度売りしてんのよさ?おまいはキャピトルか?」と断罪したくもなる阿呆(実名を出すと宣伝になるので書かないよ〜ん)まで湧いて来たわけですが、歌謡曲とビートルズって話が薄いんですよ。松崎しげるのビートルズ・メドレーの話なんか何処にも書いてないじゃん。夏木マリの「サムシング」にすら言及してないじゃん。東京ビートルズとか小山ルミは語っても、「レッツゴー・ヤング」で「ヘイ・ジュード」をピアノを弾きつつ熱唱した都倉俊一(ちなみにギターは野口五郎で、太鼓は西城秀樹)は語られないんじゃイカンのよさ。歪んだビートルズ史が、今、在る。アノ時、確かに僕らはクラスで一人か二人のマイノリティーだった。こんなにビートルズが日本でも受け入れられる未来なんて想像出来なかった。沢山の「2009年版ビートルズ本」を読んで、1971年のレノンとおんなじ事を云うしかないのです。こんなのは「嘘」だ。あたくしは、真実が欲しい。



(小島藺子/鳴海ルナ)


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2009年11月24日

「REMEMBER 〜4人はアイドル〜」
#002:IT'S ALL TOO MUCH

It’s all too much It’s all too much(初回生産限定盤)(DVD付)


鳴海:えっと、今回は対談形式で行きます。イコ姐さんが台本を書いてくれたので、読むだけなんすけど、、、

イコ:いきなりネタバレしてんじゃないわよ、鳴海。さっさとお始めなさい!ノッテ来たら台本は無視しても好いからさ。ガツンとアドリブかまして頂戴!

鳴海:はい、えっと、ウチからでしたっけ?あっ。ホントだ。え〜、あ〜、だ、誰とは云いませんが、歌謡曲では THE BEATLES の曲名をそのまんま借用して自作曲に付けちゃうって事が結構在りますよね。例えば「A DAY IN THE LIFE」とか「IT'S ONLY LOVE」とか「TOMORROW NEVER KNOWS」とか「LADY MADONNA」とか「IT'S ALL TOO MUCH」とか色々と在って「おっ、ビートルズじゃん!」とか割と好意的に受け止めるんですけど、流石に「LET IT BE」なんて曲名は赤ら様過ぎて「とほほ、、、」と思いましたよ。ケホケホ、、、

イコ:かつて萩原健太氏が「『ビーチ・ボーイズ』ってドラマの主題歌が『フォーエヴァー』って、ふざけんなっ!」と怒り狂ったけど、一般人には余り伝わらない話だったナ。彼は「ビーチ・ボーイズってバンドが存在するし、彼等には『FOREVER』って名曲も在るわけだから」と怒ったわけよ。そして其れがどれだけ厚顔無恥な所業なのかを説明するのに「これは例えば『ビートルズ』ってドラマの主題歌が『LET IT BE』だという事とおんなじ」と続けたのよさ。其れなら一般人にも理解出来るけど、「LET IT BE」まで出てしまったわけよ。「マジで?そんなの昔から在るコトノハなんだから、偶然じゃん!」等とトボケる事は不可能なの。「LET IT BE」って云ったら、そりゃビートルズの曲名でしょう。音楽を生業にして居て知らないとは云えないし、「IT'S ALL TOO MUCH」なんてマイナーな曲名を引っぱって来たらもう確信犯ですし、「TOMORROW NEVER KNOWS」なる「英文法を無視したリンゴ・スターの造語」なんかをパクったら「200%真っ黒」です。

鳴海:はっ、あ、ウチの番っすか?う〜んと、じ、自分の好きな作品のタイトルを自作に拝借したいって気持ちは、創造者には付き物で映画や小説や漫画などにもビートルズはパクられて居るっす、じゃない、居ますね。其れは、やはり彼等のコピーライティング能力が優れて居るからでしょう。其れはアルバムのタイトルだけを見ても明確です。「A HARD DAY'S NIGHT」とか「RUBBER SOUL」と云った「造語」のセンスも抜群ですが、既成のコトノハに過ぎない「HELP !」とか「REVOLVER」とか「ABBEY ROAD」、更にはソロ作品の寄せ集めの様な芳醇な二枚組で在る通称「ホワイト・アルバム」に冠された「THE BEATLES」には唸らされます。えっと、姐さん此れって棒読みになってないっすか?真面目な話ってウチ苦手なんすよ。

イコ:(無視して)でもさ、ビートルズも先達から大いに影響を受けてタイトルの拝借もして居るのよ。ポール・マッカートニーが「僕らは20世紀最大の盗作集団さ」と語った様に、創造の為になりふり構わぬ大いなるパクリを堂々と敢行したわけさ。ジョージ作の「SOMETHING」が歌詞の冒頭までも当時アップルに所属して居た新人ジェームズ・テーラーの「SOMETHING IN THE WAY SHE MOVES」と云う楽曲からの引用で在る事は有名でしょ?他にも「CRY BABY CRY」とか「P.S. I LOVE YOU」とか「GOLDEN SLUMBERS」とかモロパク題名も多いのよ。ジョン・レノンの再起作で遺作になった「ダブル・ファンタジー」の冒頭を飾り先行シングルでもあった「(Just Like)STARTING OVER」は、「STARTING OVER」と云う楽曲が既に在るのでジョンが照れて(Just Like)を付け足したのよさ。

鳴海:へぇ〜、流石はイコ姐さん。大好きなビートルズでも盗用は暴くんっすね。今回も勉強になったっす。

イコ:鳴海、皆まで聴け!ゴホン!されど、右から左に引用するのとビートルズの其れは決定的に違います。「YESTERDAY」も「LET IT BE」も予め存在した何の変哲も無いコトノハなのです。彼等は、其れに別の意味を持たせました。日本人にとっては「イエスタデイ」は「昨日」では無く「ビートルズの曲名」になったのです。そして「HELP !」は「助けて!」では無く「4人はアイドル」になってしまったのです。確かに映画「HELP !」はアイドル映画でしたから「4人はアイドル」で正解なのですが、行間が全く読めなくなってしまいました。でも其れこそが日本のビートルズです。そもそも「抱きしめたい」で始まったのですから、屈折しまくるのですよ。しかし「IT'S ALL TOO MUCH」って同名異曲を2009年に聴くとは思わなかったナァ。ジョージが生きてたなら、ベリンダの時みたいにスライドギターで客演したかもね。

鳴海:イコ姐さん、何だか難しくって分んないっすよ。台本以外のアドリブなんて出ないっすよ。ウチ、お莫迦なんで、、、

イコ:う〜む、やっぱ、対談は未亜たん相手じゃなきゃダメか。

鳴海:はい、ウチもそう思います。


(小島藺子/鳴海ルナ)


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2010年02月22日

「師匠、今度は此の手で来たか」

オムニバス1~大瀧詠一ファーストアルバムカバー集(1980~2010)~


☆最近のナイアガラ・ニュース☆

初音ミク、大瀧詠一を歌う(BARKS 2/21)


大瀧師匠は「9年」と「0年」には「何拾周年盤」を出せませんので、今年はどーすんの?と思って居りました。てか、去年は何を出したのかいナ?秋頃に出た女性シンガーがカヴァーした「ロンバケ」が其れだったのかな。師匠も「散歩しない?」とお約束のひと声参加をして居て、なかなか好いカヴァー企画でした。

其れで味を占めたのか、今度は「ファースト」のカヴァー盤ですよ。「321」のナイアガラ記念日に出るし、ジャケットもまんまなので此れからは此れで食う気か?そー云えば「ロンバケ」カヴァーのジャケットもそのまんまでした。「オムニバス1」って事は他のアルバムもやる気マンマンじゃん。「20周年盤」の次に「30周年盤」をやった時にも思ったけど、大瀧詠一、恐るべし!リサイクルで一生やってくんですね。古典落語の世界だな。まぁ、ビートルズもおんなじ事をして、しかも売れて居るわけですが。

コジマユの参加が光りますが、記事タイトルに在る様に「初音ミク」のサンプリング・ヴォイスの片も参加しているみたいです。実はようつべに「初音ミク」が歌う片瀬那奈の「Shine」がうpされていたので、先日聴いてみました。「Shine」は人気が在るみたいで、他にも変わった楽器で演奏したものもありました。興味の在る片は「片瀬那奈 Shine」で検索してみてネ☆(と、いつの間にか「必殺カタセ固め」に持っていくあたくしであった。)


(小島藺子)


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2010年04月01日

「ヴォイス・ハンサム」

French Kiss Three Hearts


え〜とですね、やっぱ、「タマンねぇ!」(及川クン声で)

ロバート・ウェルチ様の声は最高です。1970年代後期に、日本でも彼はブレイクしました。来日公演も在ったはずです。でも、パリス時代から彼を日本で押しまくって居た、敢えて名は伏せますが「某・ロケノン社長:渋谷陽一」サンが「逢ってみたら、僕のイメージと違った」とか云っちゃってですね、挙げ句に「最早、彼の音楽は時代に乗り遅れてる」とか書いちゃってですね、ボロ雑巾の様に捨てたのですよっ。確かに世界的には無名だった「PARIS」を日本で極地的にメジャーにしたのは渋谷サンの功績でしたけど、其れって単に「ツェッペリンに似てる」って理由だったんじゃまいか?だって、本人も明かして居るけど、マック時代のウェルチ様の事なんか「洋楽評論家」で「洋楽雑誌の代表」なのに知らなかったんだもの。

ま、そんな大昔の事はええのよさ。でもね、兎に角、日本で「ボブ」と云えば「ディラン」では無く「ウェルチ」って時が確かに在ったの。そして、其の頃のあたくしは10代だったのだよ。彼のブレイク後に所謂ひとつの「J-POP」ってのが生まれてしまうのです。其れは我が師匠である大瀧サマがやらかした「A LONG VACATION」を基点にすると思われます。当時に流行して居た「AOR」の日本語翻訳と捉えられそうな「ロンバケ」ですが、コアな「ナイアガラー」なら師匠の積み重ねたオールディーズや歌謡曲、そして何より「ROCK」魂を感じるでしょう。だってさ、「ロンバケ」って構成が THE BEATLES の「サージェント・ペパーズ〜」と同じなんだもん。しかも、根底に流れるメロディーは「キャロル・キング」姐御の「其のまんま」ですからね。

でもさ、あたくしは思うんだよ。アノ頃、寺尾サンと大瀧師匠の「鼻唄」に包まれて居た頃をね。アレって「ボブ・ウェルチ」のマネだったんじゃまいか?とさ。確かに「1981年の寺尾サンも大瀧師匠もAOR」だ。でも、特に大瀧師匠に云えるのは根底に在る音楽なのよさ。

ま、今ではみんな揃って「百円コーナー」に並んで居るのだから、好いのよね。凄いナァ。アノ頃に、昼飯を我慢したりして買ったレコが「百円」って、、、嗚呼、もう有難いのか悔しいのか分りませんです。

で、ウェルチ様の声を「ヴォイス・ハンサム」と名付けたのは漫画家の森脇真末味サンです。代表作の「おんなのこ物語」で事実上の主役だった敵役の仲尾クンがバンドで歌う場面が在るのです。「やあ」って云っていきなり歌い出すんだけど、其の「やあ」って前振りがカッコいいのよさ。で「アノ声は誰かモデルが居るのですか?」って問い合わせが殺到して、森脇サンが「アレは声はボブ・ウェルチです。ヴォイス・ハンサムだから」って云ったのよさ。でさ、あたくしは其の「やあ」ってフレーズを頂いたんです。

そんな素敵な音楽が、壱枚「百円」になっちゃったよ〜ん!嗚呼、、、


(小島藺子)



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2010年04月03日

「はなれないわ〜♪」

ゴールデン☆ベスト 麻丘めぐみ Abbey Road [12 inch Analog]


三日連続で「下町レコ」に出向いてしまいました。いえ、もう昨日の「KISS」でお腹いっぱいだったのだけど、レコードを買い出すと♪どうにもとまらない♪になるわけで、かと云って「神保町とかまで出掛ける気も無いナァ」って日常ですので、近くにレコード店が在るってのは便利ですよっ。

あたくしは片瀬クンのイベントでも無い限りは、基本的に地元を自転車で回るって生活をしてます。隅田川の向こうに行くのは「大冒険」なのです。一ヶ月位電車に乗らないなんてのが「当たり前田のゴンタ顔(対ニールセン戦)」ってなわけでして、本日もぶらりと隣の仙堀公園に桜を見に出たのです。ジャージ姿で行ったわけですけど、土曜日だし桜が満開で大賑わいだったわけだよ。凄い人ごみで、まあ、其の構成員のひとりになってしまったあたくしは「失敗したかしら?」と思ったのでした。

其の時「おいおい、呑気に花見をしてるくらいなら、レコでも買えよ。ほら、其処で茶髪のおねえちゃんが売ってるビールは五百円もするんだぞ。百円レコなら五麻衣じゃん!さあ、すぐに部屋に戻って着替えて、下町レコへ GO ! GO ! GO ! GOES ON !! なのよさっ」と悪魔の囁きが在りまして、あたくしは踵を返して自宅へ戻り、ジーンズに履き替えてまっしぐらに「下町レコ」へゆきましたとさ。

果たして、別に欲しいレコが在るわけでも無いのです。でもね、何も無ければ「THE BEATLES」の安レコでも買えばええわけ。ビーレコなら何枚在っても好いのですからね。其れで「ま、今日は『ABBEY ROAD』のユニオンジャック帯盤でも買うか」と思ったのですけど、一緒に「麻丘めぐみ スーパー・デラックス」も買ってしまいました。

めぐみちゃんのデビュウ曲「芽ばえ」を、あたくしはずっとカヴァーさせてもらって居るのです。筒美サンの曲も好きなのですが、何と云いましても千家サンの詩が好きなのです。一体、コノコは何をしてきたのかしら?と穏やかでは無い妄想を膨らませる「エロ杉」な歌詞だと思います。以前も下町レコでシングル盤を購入したのだけど、「麻丘めぐみ スーパー・デラックス」のジャケットが好くって(何だか片瀬クンに似てるってゆーか、ハッキリ云うとお母様に似てるのです)、つまり「ジャケ買い」したのです。等と講釈をたれて居りますが「麻丘めぐみ スーパー・デラックス」の値段はたったの「360円」でした、、、

部屋に帰って「麻丘めぐみ スーパー・デラックス」のA面(全曲、筒美京平作品!)を聴いたら、有名な「わたしの彼は左きき」あたりで「おいおい、何だよ、此のベース主導のアレンジはっ!」と耳を峙ててしまったのでした。リード・ベースじゃん。あたくしは今でこそ「ウクレレ奏者」ですが、元々はベーシストなのです。こんな風にベースで引っぱられる演奏を聴けば萌えますよっ。そんでもってだ、めぐみちゃんの歌唱が「完璧ではない」ってのが凄いんです。絶対にわざと此のテイクを残したって思えるのですよ。つまり、声が上ずったり掠れたりフラットする部分が在るのですけど、其処が「可愛い」し、ハッキリ云えば「エロイ!」のよさ。♪わたしの、あたしの、かれは♪って二度目を「わたし」から「あたし」に意図的に変えてる辺りも素晴らしいですよっ。やっぱ、歌謡曲って面白いです。

偶然にも「ABBEY ROAD」もポール・マッカートニー様のリード・ベースが堪能出来る名盤です。ゆえに、ごく自然に「麻丘めぐみちゃん」から「ビートルズ」へと聴き繋げられました。確かに、ジョン・レノンが歌う通り「世界は丸い」のです。


(小島藺子)


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2010年04月24日

「そして僕はレコードを買う」

大瀧詠一 Song Book I-大瀧詠一作品集Vol.1(1980-1998)-


新聞のテレビ欄に「大瀧詠一」の文字を見つけて、思わず録画予約したのはテレビ東京の「ミューズの晩餐」です。内容は鈴木雅之さんが大いに師匠を語ると云うモノで、コアなナイアガラーにとっても満足出来る良質な番組だったと思います。

今年(2010年)のナイアガラ記念日(3/21)には、以前に記事にした「大瀧詠一(通称・ファースト)」の新録カヴァー盤の他にも「大瀧詠一 Song Book I」の増補改訂盤や新たなカヴァー集、更にはアノ「TATSURO FROM NIAGARA」の改訂盤までも出しやがったわけで、一見、「おいおい、1970年代の狂想コロムビア時代の再来かっ!!」と思わせるのですが、勿論の事ですが「師匠の新録は欠片も無いっ!」ので御座居ます。正に「仙人」の道を突き進むばかりなのだ。

然し乍ら、大瀧師匠こそが「我が師」と思う輩は、五万節の様に存在します。何故なら、日本の大衆音楽界に於いて「眞の芸術家」と云えるのは「大瀧詠一」しかいないからなのです。今でこそ寡作を超えた世捨て人の様に新作を頑なに発表しなくなった師匠ですが、かつて、鬼の様にアイドルさながらに新作を連発していた時代が在りました。其れが例え契約上で仕方無くやった事でも、師匠が世に出した作品は時を超えて遺ったのです。

ジョン・レノンやジョージ・ハリスンだって隠居したのですよ。名作なんて生涯で壱枚創れれば大成功なのよさ。ずっと創作しちゃってるポール・マッカートニーが「変」なのです。音楽みたいなもんは、古いものの方が好いのだ。師匠はオールディーズになりたかったのでしょう。確かに今や大瀧作品は「古典」です。鈴木サンが熱唱した「Tシャツに口紅」を聴いて、なんとも云えない感動に包まれました。本当に、好い曲だ。でも、僕は発表された当時には、此の曲の素晴らしさが理解出来ませんでした。歳を重ねて、恐るべき名曲だと思ったのです。

本当に欲しい音楽や、絶対に失ってはいけない音楽は、もう既にすぐ近くに在る。其れでも、僕は新しいレコードを買います。但し、其れは決して「2010年に創られた音楽」ではありません。未だ聴いたことがない音楽が「新曲」なんです。そして、最もステキな新曲は、何度も繰り返し聴かずにいられない音楽です。だから僕らは其れを、ずっとそばに置いて居るのでしょう。


(小島藺子)


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2010年09月11日

「虹を渡ってきた男」

ガチョーン伝説


“ガチョ〜ン”の谷啓さんが死去、78歳(デイリー 9/11)

谷啓さんがお亡くなりになりました。悲しいです。御冥福をお祈り致します。


(小島藺子/姫川未亜/鳴海ルナ)



【追記】9/12

クレイジーキャッツとは幼少時代に「シャボン玉ホリデー」で出逢いましたが、レコードを買える様になった頃には音源が廃盤になっていて、大瀧師匠が「Go!Go!ナイアガラ」で何度も特集を組み其れをエアチェックして楽曲を聴いておりました。そんな時に大瀧師匠の発案で復刻シングルが発売されまして、2セット10枚で六千円は当時としては高額な買い物だったものの即買いし、鬼の様に聴きまくり仲間内にもカセットに編集して配りまくって極地的な大クレイジー・ブームが巻き起こったものです。

谷さんはキーが高いので、合唱する曲だと1オクターブ高い声で歌っているのが、只それだけで面白いんですよ。ソロの「愛してタムレ」とか「あんた誰?」なども愉快痛快で、「ガチョン侍」の様なホラ話や、「正しいガチョンのやり方」なんて企画も大好きです。植木屋の「スーダラ節」が「分っちゃいるけどやめられない」と物事の摂理を説いていますが、谷さんの「ガチョン」も万物をつかみ取ると云う哲学的なギャグでありまして、勿論、トロンボーン奏者としての音楽的な実力も兼ね備えた素晴らしい喜劇人です。

クレイジーの音楽は、あたくしにとっては「THE BEATLES」と同等の影響を受けた聖典と云えます。植木屋が逝った時もショックでしたけど、谷さんも植木屋と同じく「死なない人」だと思っておりましたので、突然の訃報には驚きました。改めて、慎んで御冥福をお祈り致します。「ビロ〜ン!」や「ムヒョ〜!」も忘れません。


(小島藺子)


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2010年12月05日

「MUSIC JAPAN」でコジマユ!

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あたくしの源氏名で在る「小島藺子」の「小島」は、「コジマユ」こと「小島麻由美」さんからショートケーキしました。自分の名前にしてしまう程に敬愛する音楽家なのですが、今年(2010年)にオリジナル・アルバムとしては4年振りに発表された「BLUE RONDO」は、未だに購入どころか試聴すらしていません。実演へも、かつては足繁く通っていたのですけど、たぶん2006年7月1日の九段下以来は行ってないと思います。

其の2006年7月1日に、片瀬那奈ちゃんが映画「デスノート」の完結篇に出演される事がサプライズ公表された舞台挨拶が池袋であったのです。全くの未告知だったとは云え、片瀬クンを差し置いてあたくしはコジマユを観てしまったっ。其の罪悪感が、あたくしをコジマユを始めとする多くのメンゴから離れさせたのです。

「片瀬クンを追うには、全てを賭けなければならん!」

例えば、本日と先週には今や地上波唯一のプロレス中継である「ワールドプロレスリング」が放映されたのですけど、裏番組の「月刊サッカーアース」に片瀬那奈ちゃんが出演したわけです。毎週録画予約している「ワールドプロレスリング」が「重複してるよっ」と哀願するのを、あたくしはアッサリと振り切り「サッカー那奈ちゃん」を選びました。片瀬クンは「別格」なのだ。他の全てを失っても、片瀬那奈ちゃんだけは追い続けなければ、あたくしの自我が崩壊するのです。

そんなストイックな「カタセ道」を選んだあたくしではありますが、コジマユが「MJ」に出演!との情報には大いにトキメキました。普通なら「ちびまる子ちゃん」と「サザエさん」を何となく流している(でも、其れは其れで日曜夕方の心地いい時間でもあるのです)のに、迷わず「MJ」を録画しつつ視聴しました。此の番組は、色々と話題になっていて観たかったのだけど、あたくし的には「ちびまる子ちゃん」と「サザエさん」の方が上だったのだ。でもですね、コジマユとムーンライダーズ!が出演となれば話は別なのだ。

映画版「ゲゲゲの女房」の主題歌「ゲゲゲの女房のうた」を披露されました。コジマユ、健在。慶一さんも、かつて(もう四半世紀前)鈴木さえ子さんの実演でお目に掛かったけど、カッコいいナァ。てか、やっぱコジマユですね。地上波に出演するのは那奈年振りなのですけど、其れは致し方ないでしょう。だって、此の人は「本物の芸術家」なんだもん。危険が危な過ぎて、お茶の間に流しちゃマズイですよ。此れは「BLUE RONDO」を明日買わなきゃイカン!でしょ。

あたくしは、視聴後に速攻で「BLUE RONDO LIVE !」を注文しました。公式サイト通販限定って、正しいと思います。星村麻衣ちゃんの音楽は、万人にオススメします。でも、愛しのコジマユの音楽は、僕たち「コジマユマニア」だけで独占します。こんなトンデモな音楽が広まったら、世界は変わるよ。コジマユは、本物だ。あぶないよ。


(小島藺子)


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2011年04月21日

「スーちゃん!」

キャンディーズ1676日


元キャンディーズ田中好子さん亡くなる(デイリー 4/21)

今さっき「報道ステーション」で知りました。ショックです。キャンディーズは、僕が生まれて初めて「ファンクラブ」に入会したアイドルです。おそらく、中学生の時にキャンディーズに夢中になっていなかったなら、現在片瀬那奈ちゃんを追ってもいないと思います。

余りにも突然の訃報に、言葉もありません。ご冥福をお祈りいたします。


(小島藺子/姫川未亜)


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2011年04月28日

「ありがとう、スーちゃん」

GOLDEN☆BEST キャンディーズ コンプリート・シングルコレクション


TBS 19:00〜20:54

本日(4/28)TBSで、19時から約二時間たっぷりと「キャンディーズ全18シングル曲」や「ファイナル・カーニバル」の映像が「スーちゃん追悼番組」として放送される模様です。いえ、二時間と云わず、在るだけ放送して頂きたい!TBSは持ってますよ。民放では一番持っているはずです。ま、本当にごまんと持ってるのは日本放送協会サマですけど、ちゃんとまとめて番組にしましたからね。此の番組には、大いに期待しておりますよ。

そして、録画した番組を観ています。やっぱりTBSは持ってましたね。そして、当然の事なのですが、僕は放送された映像をリアルタイムで全部観ていました。当時は「ランちゃん派、スーちゃん派、ミキちゃん派」って一応宣言しなきゃならないムードだったので、僕は「ランちゃん派」って云ってましたけど、本当は三人とも大好きでした。キャンディーズのファンなんです。きっと、みんなそうなんでしょう。

「年下の男の子」よりも「内気なあいつ」、「春一番」よりも「夏が来た!」が好きでした。アルバムの「夏が来た!」はムーンライダーズの面々が全面的にバックを務めていて、其処から僕は日本のロックへ傾倒したんです。ミキちゃんがソウル・ファンだったので、スティーヴィーとかカヴァーしててモータウンを知ったのです。ビートルズは好きだったけど、彼女たちが(おそらくエミルー・ハリスの影響で)カヴァーした曲を聴いて「ビートルズ・カヴァー」の探求を始めたんです。ロックに目覚めたのに「キャンディーズが好き」って事で、当時はロック好きな仲間には「所詮はミーハーじゃん」と莫迦にされていました。

其れは、30年以上経った今でも変わりません。「結局、君は片瀬那奈ちゃん絶対主義者で、ロックとかソウルとかの人ではないね」と云われます。ええ、其の通りだ。僕にとって、みんながアイドルですからね。ビートルズもキャンディーズも那奈ちゃんも、すべて僕の偉大なるアイドルです。僕は、単なる「アイドル大好き」な輩なのだ。其れよりも、現在こうして片瀬那奈ちゃんを追っている原点がキャンディーズだった事実を、まざまざと思い知らされました。33年前の喪失感は、おそらく生涯で初めての事だったのでしょう。

アノ頃の僕は、中学生から高校生って時期で何にも出来なかったと思います。「ファイナル・カーニバル」はテケツが取れず、其れでも上京して後楽園球場の外で聴いた子供でした。でも「もう二度とこんな中途半端な追っかけはしたくない」とは思ったよ。だから、僕は片瀬那奈ちゃんを命懸けで追っています。スーちゃん、ありがとう。僕は、これからも真摯に那奈ちゃんを応援します。こうしてキャンディーズが映像として遺され、ふたたび観れるのは本当に有難いです。当時はヴィデオも高価だったので、僕は音声だけをラジカセで録音していました。でも、今はこうしてネットで記録を遺せます。出来る限りの事をやらなければいけないと、改めて思いました。もう一度、ありがとう、スーちゃん!いやさ、キャンディーズ!!


(姫川未亜)


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2013年12月11日

「ター坊先生!!行きます!!!」

SONGS 30th Anniversary Edition



大貫妙子 40周年記念ライブのゲストとして 細野晴臣、鈴木茂が参加!


大貫妙子は、シュガーベイブ結成により音楽活動をスタートさせて今年で40年を迎えました。12月18日にトリビュート盤『大貫妙子トリビュート・アルバム -Tribute to Taeko Onuki-』がリリースされ、来年3月28日にはアニバーサリーイヤーの最後を自らのライブで締めくくるコンサートを開催します。近年のライブやレコーディングを支えてきたミュージシャン達が一堂に会し、そのキャリアを彩ってきた珠玉の名曲を歌います。

参加ミュージシャンは、五十音順に、小倉博和(g)、鈴木正人(b)、沼澤尚(ds)、フェビアン・レザ・パネ(pf)、林立夫(ds)、森俊之(key)の6名。

このコンサートのゲストに、細野晴臣、鈴木茂両氏を迎えることが決定しました!

ソロデビューアルバム『グレイスカイズ』(1976)を、ティン・パン・アレーと制作した大貫妙子の原点が蘇ります。サンライズオンラインでは、12月21日(土)の一般発売に先駆けて、12月11日(水)12:00〜12月18日(水)23:00まで先行受付が決定!一日限りのプレミアムライブをぜひお見逃しなく!!

(以上、サンライズオンライン様からのメールより引用)



御本尊様・・・申し訳ございません!!!

此れは・・・行かなかったら・・・

「栗」は「人間失格」です!!!!!!!

テケツ、GET!しちゃいました。

2014年3月28日(金)だけは・・・、

「ター坊ファン」として生きさせて下さい!!

あたくしは、那奈ちゃんに出逢うまで・・・

1975年から1997年まで、22年間・・・、

大貫先生を、ひたすら追ったのです。

22年ですよっ。何十回とお逢いして・・・、

生涯、忘れられない教えを受けた

「弟子」なんですまんねん。

記念日くらい、行かなきゃダメざんしょ?


アノですね・・・マジで・・・

「多羅尾伴内」師匠のサインを、

あたしゃ、持ってんだってばさ。

ねえ?信じてなかったのん。


ター坊に、細野さんに、茂って・・・!!!

コレ行かなきゃ、マジ、割腹しなきゃならん。


「日々是カタセ」にならなきゃ、

ずっと追っかけていたのよさ。


「かたちん」許してねんねんころりんこ☆

イジワルしても「龍」なり「翔」なりに託すもんね。


大貫妙子先生!覚悟されてお待ち下さいねん。

其の日だけは「TACO、M、BLUE」と、

GET BACK ! して、

サービスするからさ☆



「THANX 4 NANA KATASE & MY LOVELY FRIENDS !」 小島藺子/姫川未亜


LION HEART THANX 4 TSUCHIDA KUN = MY LOVE「downtown records」


「なったせかんどたいむ」っすよ、ツッチー☆



Grey Skies SUNSHOWER

MIGNONNE


ROMANTIQUE AVENTURE

Cliche SIGNIFIE

カイエ コパン(紙ジャケット仕様)

スライス・オブ・ライフ(紙ジャケット仕様)

プリッシマ(紙ジャケット仕様) ニュー・ムーン

ピュア・ドロップス

DRAWING

NEW BEST 大貫妙子 大貫妙子 ライブラリー

カイエ [DVD] Comin’Soon 私の暮らしかた

music & me MOTHER3+

LUCY 東京日和(サントラ)

ATTRACTION(アトラクシオン)


ベッドアンドブレックファスト Queen's Fellows: yuming 30th anniversary cover album UTAU(2枚組)

散文散歩

ライオンは寝ている

大和なでしこ整体読本

GOLDEN☆BEST 大貫妙子~The BEST 80’s Director’s Edition~

TAEKO ONUKI WORKS 1983-2011  CM / TV Music Collection



おいおい・・・いっぱいありすぎて、貼り切れないじゃまいかっ。


ま、ホントの「通」は「ター坊」じゃなくって・・・、

「ボータ」って呼ぶんだよん☆




「ダイスキだよ!ター坊!!・・・悪い?」







小島藺子/姫川未亜)



空想格闘メタフィクション

「千秋万歳」序章 其の四


MY WINDY GIRL !!

I STILL LOVE YA ☆


HEY EVERYBODY OUT THERE !

ON 2013・12・17


SINCE 2013・11・7



FROM NO IMAGE INC. TO EVERY*** WITH LOVE



posted by 栗 at 19:53| ONDO | 更新情報をチェックする

2013年12月28日

「12・27までのだみーちゃん」

大貫妙子トリビュートアルバム - Tribute to Taeko Onuki- (2枚組ALBUM)





大貫妙子 40 周年記念ライブのゲストとして細野晴臣、
鈴木茂が参加!


「THANX 4 NANA KATASE & MY LOVELY FRIENDS !」 小島藺子/姫川未亜








小島藺子/姫川未亜)



空想格闘メタフィクション

「千秋万歳」序章 其の四


LET ME ROLL IT !

HEY EVERYBODY OUT THERE !


ON 2013・12・17


SINCE 2013・11・7



FROM NO IMAGE INC. TO EVERY*** WITH LOVE






あっ。間違った・・・・・・・。



なんちゃって☆



もう、暫くは「砂町」に篭らせて頂きます。

もう、疲れました。


恩返ししてんのに・・・。


やってられません。



もう、降参です。2014・1・5

くらいまでなら、山篭りしても平気でしょう。


ま、其の辺をブラブラするかもしれませんけど、

砂町だけで充分過ぎます。


「砂町」は、銀河系でイチバン!!!!!!!

です。



「ええ、喜んで、町内会に入らせて頂きます!!!」

まずは、其処から、修行し直します!!!!!!!


御本尊様!!!「栗」は、生涯、砂町に居ます!!!



なんなりと、お申し付け下さいませっ!!!


あたくしは、貴方様の為なら、死ねます!!!!!!!


呼ばれましたなら、行きます!!!


もっと、もっと、もっと、強くなってやる!!!!!


貴方様を、ひとりぼっちでも守れる様に、鍛え直します!!!!!


那奈理名様に誓います・・・。




ありがとう!!!!!!!





miamia.757.png





(くりぼう)




posted by 栗 at 03:09| ONDO | 更新情報をチェックする

2013年12月31日

「ナイアガラ 嗚呼ナイアガラ  ナイアガラ・・・」

nana.812.png


ナイアガラ・カレンダー 30th Anniversary Edition




All About Niagara 1973‐1979+α




【LPサイズジャケット絵柄カレンダーなし】NIAGARA CD BOOK I




ナイアガラ [DVD]




Philles Album Collection




クレイジー・キャッツ ベストコレクション




小林旭 ベスト 昔の名前で出ています 北帰行 赤いトラクター 2MK-032




Live at the Troubadour




Elvis Presley 2014 Calendar: The Wertheimer Collection




ゴールデン☆ベスト 坂本九[スペシャル・プライス]




美空ひばりベスト 1949~1963 (白盤)




Niagara Moon 30th Anniversary Edition




NIAGARA CALENDAR




YES、I AM CRYING !!!





「師匠、夭折!!!」の為、


新年の御挨拶は御遠慮下さる様に、


宜しくお願い申し上げ奉ります。


オスっ!!!!!!!


(「NO IMAGE」)



(ハイドレンジア・64アんBlue・「栗」=「未亜/イコ」=「小島藺子/姫川未亜」)



GOOD BYE ☆☆☆☆☆☆☆ ・・・

1948 − 2013 ・・・


so 1960 me next

all right x ∞ ・・・。



posted by 栗 at 23:59| ONDO | 更新情報をチェックする

2023年01月01日

「謹賀新年」



皆様、明けましておめでとうございます。那奈ちゃんが昨年(2022年)にロコンドに就職して、ロコンド社員と芸能活動の二足の草鞋を履く事となりました。しかしながら、現状ではロコンドでのお仕事が中心で、女優などの芸能活動は開店休業状態としか思えません。其れで、再放送の事ばかりになるのも何ですので、今年は大昔にやっていて隠しカテゴリだった「ONDO」を復活させようかと思っております。大滝師匠の作品がメインとなるでしょうが、何せ師匠が亡くなって10年となったにも関わらず毎年新譜が出ている現状ですので、そちらに対しては辛口になると思います。

(小島イコ/姫川未亜)

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2023年01月14日

「ナイアガラ考」#01「Best Always」



大瀧詠一師匠は、2013年12月30日に亡くなりました。そして、其の後には毎年と云ってもよい程に新作が発売されております。2014年3月21日に出た「EACH TIME」30周年記念盤が最初ですが、其れはリマスター作業などを師匠が自ら行って完了していたので、師匠が関わらなくなったのは2014年12月3日発売のベスト盤「Best Always」からです。出た当時はオールキャリアからの選曲で2枚組に初回盤のみボーナスで3枚目の純カラオケが付いていて、なかなか良い出来だと思ったものですが、其の後の暴走気味なリリースを考えると問題は既に此処から始まっていたと云えます。最大の問題は、マニア向けなのかライトなファン向けなのか初心者向けなのか、対象が全く分からない滅茶苦茶な選曲である事です。

そもそも師匠はありきたりなベスト盤を出す事を生前は拒んでいて、ライヴ音源やセルフカヴァーによる「DEBUT」や、曲の頭にインストを加えた「B-EACH TIME L-ONG」や、後半がインストの「SNOW TIME」と云った変則的な技を使った準ベスト盤しか発表していません。其処でコレなんですけれど、確かに多くのシングル・ヴァージョンを含むものの、まずもって統一したリマスターを師匠自らが行えないわけで、バラバラなのです。師匠は生前に「幸せな結末」を「EACH TIME」に組み入れようと試みて、音が違い過ぎて断念したと語っております。商品としても多くの一般的な方々は2枚目の「ロンバケ」以降しか知らないわけでして、1枚目を聴いて「何じゃこりゃ」と困惑してしまうでしょう。コレでも割と「ロンバケ」以降のメロディアス路線に近い選曲であるにも関わらずです。

シングル・ヴァージョンを多く含むとは云え、其の全てを収録したわけでもなく、はっぴいえんど時代の「12月の雨の日」なんか逆に浮きまくっていて、こんなんじゃ収録しない方が良かったとも思えてしまいます。最大の売りである「夢で逢えたら」の師匠自らが歌ったヴァージョンは感涙ものだったものの、此の後に延々と続いている「墓場荒らし」の発端となったわけで、兎も角、コレ以降の乱発されている師匠名義のアルバムの酷さは増してゆく一方なのです。ナイアガラについて書いてゆく上で何処から始めようか迷いましたが、師匠が亡くなってからとしようと思ったのは、悪口ばかりになるから先に書いてしまおうって事です。「ロンバケ」以降が好きならば、大人しくオリジナル盤だけ買えば良いわけで、「ロンバケ」こと「A LONG VACATION」と「NIAGARA TRIANGLE Vol.2」と「EACH TIME」の3枚しかないんですからね。「幸せな結末」も聴きたい方には「EIICHI OHTAKI Song Book I -大瀧詠一 作品集 Vol.1 (1980-1998)- 」がオススメです。

(小島イコ)

posted by 栗 at 18:07| ONDO | 更新情報をチェックする

2023年01月15日

「ナイアガラ考」#02「NIAGARA CD BOOK U」



さて、ベスト盤「Best Always」に続いて発売されたのが2015年3月21日発売の12枚組の「NIAGARA CD BOOK U」です。内容は、1「A LONG VACATION SINGLE VOX」、2「SING ALONG VACATION」、3「NIAGARA TRIANGLE Vol.2」、4「NIAGARA SONG BOOK」、5「NIAGARA CM Special Vol.2」、6「EACH TIME」、7「NIAGARA SONG BOOK 2」、8「B-EACH TIME L-ONG」、9「SNOW TIME」、10「Complete EACH TIME SINGLE VOX」、11「NIAGARA FALL STARS '81 Remix Special」、12「Niagara Rarities Special (NIAGARA RARE MASTER SERIES Vol.6) 」でして、1980年代以降の音源を集めた、ひとことで云うと完全なるマニア向けの商品です。大瀧詠一師匠は生前に1970年代の音源を集めた「NIAGARA CD BOOK T」を発売しているので、其の続編なのですが、コレがまた厄介な代物となっております。

まず「NIAGARA CD BOOK T」が発売当時のカタチでの収録となっていたのに対して、こちらでは肝心な「ロンバケ」こと「A LONG VACATION」が収録されておりません。其の代わりに「A LONG VACATION SINGLE VOX」なるモノが入っているのですが、コレが「ロンバケ」をシングル5枚に10曲入れると云う企画倒れに終わったモノを1枚のCDに入れちゃったモノなのです。曲順が違っていてMIX違いなどはほとんど無いからと云う理由で本家「ロンバケ」を外してしまうのは、どうなんでしょう。其れから「NIAGARA CM Special Vol.2」は初CD化ですけれど、主要なCM曲は既発で聴けますし、「EACH TIME」は初出通りで最後が違うだけだし、「Complete EACH TIME SINGLE VOX」は其の発展形で2曲加えてMIX違いこそあれど同じ曲が入っているだけだし、「SING ALONG VACATION」や「SONG BOOK」はインストだし、「B-EACH TIME L-ONG」と「SNOW TIME」も準ベスト盤なのでインストが頭に入っていたりするものの同じ曲が入っているだけなのです。

其処で期待されたのは11枚目と12枚目だったわけですが、「NIAGARA FALL STARS '81 Remix Special」はタイトル通りで3枚あった1970年代の音源集から1981年にリミックスした曲だけを集めたモノで、「Niagara Rarities Special (NIAGARA RARE MASTER SERIES Vol.6) 」は1980年代以降のレアトラック集なのだけれど既発のボーナストラックで聴ける曲が多かったりして、本当にマニア向けならばもっとあるだろうと文句を云われるのは当然の中途半端な選曲なのです。つまり、其れは「今後も色々と小出しにしますよ」と云っている様なもんで、事実、其れが現在までつづくよどこまでも状態なのです。こんな高価な箱まで買うマニア向けとしては、決定的に何かが違うのは、其処に「大瀧詠一師匠がいない」事なのです。「Best Always」と此の箱を両方買うと応募出来て300枚限定のアナログ盤には「夢で逢えたら」のストリングスだけをバックに師匠が歌うヴァージョンが収録されていて、其れは後に一般でも入手可能になるのですが、其処で行われたのは師匠が不在でのリミックスに他ならないわけでして、其れはやっちゃいけないんじゃないかなと思わざるを得ません。

(小島イコ)

posted by 栗 at 13:05| ONDO | 更新情報をチェックする

2023年01月16日

「ナイアガラ考」#03「NIAGARA MOON -40th Anniversary Edition-」



2015年7月29日に発売された「NIAGARA MOON」40周年記念盤ですが、コレがまたまた厄介なブツとなっております。「NIAGARA MOON」はナイアガラ・レーベルとなって最初の大瀧詠一師匠によるアルバムでありましてですね、はっぴいえんどでは松本隆の詩を歌わされていたと語った師匠による「脱・はっぴいえんど」とも云える日本語ロックの金字塔と云える大傑作で、師匠自身もベストはファーストの「大瀧詠一」と「ロンバケ」とコレの3枚と語っておりました。アナログ盤時代に1975年と1976年と1981年(単独盤&VOX盤)と3種類、CDでも1986年(単独盤&BOOK盤)と1995年(廉価盤)と2005年(30周年記念盤)と2011年(CD BOOK盤)と4種類と何度も発売されて来ました。そして1995年の廉価盤と2005年の30周年記念盤にはそれぞれ本編の後に多くのボーナストラックが収録されていて、しかもそれらは全く別の内容ではありました。しかしながら、本編に関しては一度もリミックスされなかったのです。

ところが、此の40周年記念盤は2枚組CDと2枚組LPでそれぞれ内容が異なっており、一般的に買われるであろうCDには、なな、なんと、本編が収録されていないのです。その代わりにCDの1枚目には師匠が1995年に実はリミックスしてお蔵入りにした音源を、1975年当時に想定していたと云われる曲順で収録しています。コレって何となく聞くと納得させられるものの、1975年当時にはリミックスなんかしていないわけでして、2015年の師匠不在で勝手に作ってしまったモノなのです。リミックスは1995年に師匠が歌入れをやり直した曲も入っているわけで、其れを1975年の完成前に構想した曲順で並べ替えるなんて、師匠が生きていたらやったであろうか分かりませんし、そもそもリミックスしてみたら上手くいかなくてボツにした代物なんですよ。2枚目にはライヴ音源や仮歌が入っていて、まあ、マニア向けなんですよ。初めて「NIAGARA MOON」を聴く人々に、コレを聴かせるって、そりゃないでしょう。ジャケットはどの盤も表は同じなんですから、新しい盤の方が市場には多く出るので、実に危険がアブナイ事になっております。

そして、アナログ2枚組LPなんですけれど、こっちにはオリジナルが1枚目で2枚目に1995年リミックスを1975年の初期段階での曲順に並べてCDの1枚目と同じと見せかけて、実はちょっと違うモノが収録されていて、付属のブックレットの内容もCDとLPでは違うのです。まあ、マニアは両方共に買うだろうって、なかなか姑息な手段でして、其れは此の後にもつづくよどこまでもまっしぐらなのです。確かに師匠は生前も何種類もの別ヴァージョンを発売してはいたものの、ボツにした1995年のリミックスを1975年にボツにした曲順で出すなんて酷いモノは発表しておりません。其れをですね、よりによって自身も認める大傑作の「NIAGARA MOON」でやらかされたんじゃ、もう本当に草葉の陰で泣くのを通り越して爆笑しているでしょう。しかし、此の「NIAGARA MOON」40周年記念盤は、まだまだ序の口だったと、すぐに思い知らされるのです。例えばCDの2枚目に入っているライヴ音源なんか「NIAGARA MOON」関連曲のみにしているので、当然ながら他にもあるわけで、ラフミックスなんてもんも、そりゃあ沢山あるわけで、リミックスなんか始めたら無限に作れちゃうわけで、まあ、兎も角、初めてCDで「NIAGARA MOON」を聴くならば、此のCDを買ってはイカンのです。

(小島イコ)

posted by 栗 at 22:37| ONDO | 更新情報をチェックする

2023年01月17日

「ナイアガラ考」#04「SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-」



ナイアガラ・レーベルを立ち上げた大瀧詠一師匠は、最初に自作の「NIAGARA MOON」ではなく、SUGAR BABEの「SONGS」を発表して、其れがPOP路線だったので「NIAGARA MOON」はドライなノベルティ路線に振り切ったモノとしました。しかしながら、最初のレコード会社だったエレックは2枚出したらすぐに倒産して、師匠はレーベルに何組かミュージシャンが揃っているから平気だろうと考えて、コロムビアと年間4枚3年で12枚のアルバムを出す契約をしたものの、あっと云う間にタツローやター坊や銀次たちがいなくなってしまいまして、ほとんどひとりで其の契約を守らなくてはならない地獄のナイアガラ1期時代に突入するのです。そんなこんなで此のレコードもアナログで3種類出ていて、CDでは1986年の大胆なリミックス盤と、1994年のオリジナル・マスターからのリマスター盤(ボーナストラック7曲)と、2005年の大瀧師匠による30周年記念リマスター盤(ボーナストラック9曲)と、2011年の「CD BOOK T」でのオリジナル通りの別のリマスター盤があって、此の40周年盤となったわけです。

此の2015年8月5日に発売された40周年記念盤は、CD2枚組とLP2枚組の2種類があって、先に云っておくとアナログ盤はオリジナルの2015年リマスターを音質の問題から2枚組にしたモノです。CDは1枚目が2015年リマスターで2枚目が2015年リミックスで、それぞれに其れまでとは違うボーナストラックが合計15曲も入っています。ここまでのナイアガラ商品については滅茶苦茶な悪口しか書いておりませんが、此れに関しましては初心者には一寸敷居が高いとは思うものの、良く出来ていると思います。何せリマスターもリミックスもオリジナル盤でも実質的にはプロデュースしているタツロー本人が担当していて、当事者だったター坊も「よくできました」と好意的な感想をタツローに伝えているのですから、大滝師匠不在で何だかモヤモヤする様なもんを聴かされて来たのとは根本的に違っているのです。タツロー自身も1994年盤も2005年30周年記念盤も気に入っていて、またリマスターなんて必要ないと思ったものの、大瀧さんが生きていたら40周年記念盤も考えていただろうな、とやってみたらなかなかどうして良いモノになったと語っております。

但し、前述の通り「初心者向けではない」と思われるのは、同じ本編をリマスターとリミックスで両方収録しているわけで、ボーナストラックもライヴ音源やカラオケが中心で、ほとんど本編にも収録されている曲なので、同じ曲を何度も聴かされるわけですよ。タツローは此れで最後のCDになるかもしれないとの思いから、あるものは全部入れてしまおうと、マニアならお馴染みで何度かラジオで流した仙台電力ホールでのカセット音源まで収録しているので、初心者がコレを聴いたら「音、悪いんじゃね」と困惑するでしょう。更に2枚組で3千円弱の一見良心的な価格設定も「だったら、1枚だけバラ売りで、千円位で出せるんじゃね」となるわけで、まあ、やっぱりマニア向けなんですよね。となるとですね、入れられるもんは全部入れたってタツローの話も些か怪しくなってしまうのは、例えばライヴでは20分以上も演奏していた「SUGAR」とか未発表音源がまだまだあるわけですよ。気が付けばもう50周年が2年後に迫って来ているので、まさか「SONGS VOX」とか考えていないでしょうね。ところで、本編の最後の「SUGAR」で暴走する布谷文夫に「そんなんアリかよ」と師匠がつぶやく声が、リマスターにはあってリミックスではカットされているのは、何故なのでしょう。

(小島イコ)

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2023年01月18日

「ナイアガラ考」#05「DEBUT AGAIN」



ベスト盤を出して、CD BOOK第2弾も出して、何だかよく分からないリミックス盤の「NIAGARA MOON」40周年記念盤を出して、さて、次はどうするのかと思ったら2016年3月21日に出たのが「DEBUT AGAIN」です。此れは大瀧詠一師匠が他の人の為に書いた提供曲を師匠が自らセルフカヴァーしたと称した10曲をまとめたモノでありましてですね、初回盤にはもう1枚オマケで1997年に録音された「ナイアガラ・リハビリ・セッション」から洋楽のカヴァーが収録されています。オマケは完全なるマニア向けで、師匠が生きていたならば発表しなかったでしょう。しかしながら本編の10曲に関しても、生前に発売していたのは森進一さんに提供した「冬のリビエラ」を英語詞にした「夏のリビエラ -Summer Night in Riviera-」のみで、他にはライヴで1回だけ歌った松田聖子ちゃんの「風立ちぬ」と薬師丸ひろ子さんの「探偵物語」と「すこしだけやさしく」だけで、それらは発売はしておりません。例外的にキョンキョンの「怪盗ルビイ」はデュエット版が発売されていましたが、其れはガイドヴォーカルを使ったモノでした。

そんなこんなで確かに師匠が歌った提供曲と云うのは興味深いものの、発売を前提として録音されたモノではないわけです。正に「墓場荒らし」であって、師匠が生きていたらまず出していないと思われる音源と断じる事が出来ます。聖子ちゃんの「風立ちぬ」なんか「2度と歌わない」と云って披露したわけだし、薬師丸ひろ子さんの2曲も其の心算だったはずだし、キョンキョンと渡辺満里奈さんとなると女性のキーで歌われていて明らかにガイドヴォーカル音源です。全編の10曲中の半分以上の6曲が女性歌手に書いた作品なんですから、こんなもんは師匠が云っていた通り「そんなものはない」のですよ。そりゃあ提供曲にはデモ音源はあるのは当然だけれども、それらは師匠がセルフカヴァーしたわけではなくて、制作途中段階で録音されたモノにすぎないのであって、あくまでも完成品ではないのです。最もおかしな事になっているのは最後に入っている「夢で逢えたら」のストリングスだけをバックに師匠が歌う抽選300枚限定シングルに収録されていたモノなんですけれど、コレってやっぱり師匠不在でリミックスしちゃったと考えるのが普通でしょう。何せ生前には、通常のヴァージョンすら親族以外には存在を知らせていなかったセルフカヴァーなんですから、わざわざストリングスと歌だけ抜き出したモノまで作っておいたなんて俄かに信じられません。

こう云う風に書いていると「お前さんは、大滝師匠が生きていた時代の音源しか認めないのか」と云われそうですが、ズバリ云って「その通り」でございます。此のCDに収録されたほとんどの音源は、繰り返しになりますが生前に師匠が「そんなものはない」のひとことで片づけてしまったわけで、つまりは「あるけれど発表は出来ない」音源なのです。どうもソニーは毎年3月21日には何かしら大滝詠一作品を発売しなければならない決まりでもあるかの様に、死後は毎年何かを出してくるわけですが、もうどうにも止まらない状態となって「出して良いモノと出してはいけないモノ」の区別がつかなくなっている様に思えてなりません。もしもマニア向けにサービスしている気になっているとしたならば、これらの「セルフカヴァーもどき」は「CD BOOK U」にレアトラックとして収録すべきだったでしょう。其れを「音源を整理していたら、こんなもんも出て来ました」なんぞとすぐに分かるウソをぶちかまして小出しにしていくのは、そろそろやめた方が師匠の音楽を愛しているのなら賢明な事だと思えてなりません。しかしながら、今年の3月21日にもアナログのファーストとノベルティ路線の編集盤CDの発売が決定しておりますし、来年は間違いなく「EACH TIME VOX」を出すだろうし、何だかなあ。

(小島イコ)

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2023年01月19日

「ナイアガラ考」#06「NIAGARA 45RPM VOX」



ベスト盤、箱、未発表リミックス、セルフカヴァーと称したデモ音源と来ましたので、もう何でもアリ状態となった2017年3月21日に出たのが、コロムビア時代のシングル盤を復刻した「NIAGARA 45RPM VOX」です。9枚のシングル盤(プロモ盤も含む)と、それらを1枚に収録したCDの10枚組で、オリジナルで揃えたならば数十万円もする代物でしょう。事実、プロモ盤1枚だけでも20万円するそうです。其れを2万円位で手に入ると考えたならば、安い買い物とも云えそうですが、限定盤だし、どこまでいってもマニア向けですし、復刻盤はあくまでも復刻盤なのです。そして、マニア向けとするならば全シングル盤を収録しなければいけないと思われるのに、SUGAR BABEの「DOWN TOWN」と、シリア・ポールの「夢で逢えたら」が未収録となっております。「DOWN TOWN」に関しては、コレの2年前の2015年に「SONGS」40周年記念盤を発売した際にCDとLPを両方購入した抽選特典で復刻盤シングルを400枚限定でプレゼントしておりますし、同じナイアガラ・レーベルとは云えレコード会社が違うので色々とあるのでしょう。問題は「夢で逢えたら」で、其のシングルはプロモ盤も含めて翌年の2018年に「夢で逢えたらVOX」が出て、そちらに収録されるのです。

大瀧詠一師匠が歌っているシングル・ヴァージョンは、ベスト盤の「Best Always」に全て収録するのが筋だったと思いますし、後出しで出すのであれば此のセットの10枚目であるCDはバラ売りすべきだったでしょう。些か中途半端な復刻盤を出しても、オリジナルの価格は益々高騰するばかりだし、此のセット自体も限定盤なので値上がりしております。何故これらのコロムビア時代の暗黒ナイアガラ1期の作品が貴重盤として値上がりしているかと云うとですね、ズバリ云って、当時は全く売れなかったからモノ自体が市場に出回っていないし、持っているナイアガラーの方々は滅多に手放さないからなのです。まあ、此のセットの内容に関しては師匠が悪戦苦闘した時代の正式音源なのですから、悪いわけがありませんし、前述の通り約2万円の価格も其れほど高いとは云えないとは思います。何故単なるシングル盤を血眼になってナイアガラーさん達が追い求めるのかと云いますとですね、別にジャケットが欲しいわけではなく、音源がアルバムとは別ミックスだったりするからなのです。先を急ぐと翌2018年の「夢で逢えたらVOX」は、其の後に続くナイアガラの箱への助走だったのでしょう。此のセットに関しては余り悪口も云えないので、この位にしておきます。そして、あたくしは大瀧師匠を敬愛しておりますが、所謂ひとつの「ナイアガラー」ではありません。

(小島イコ)

posted by 栗 at 22:00| ONDO | 更新情報をチェックする