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2011年01月16日

「タイガーマスクはプロレスラーなんだよ」

子殺し 猪木と新日本プロレスの10年戦争


本日(1/16)に放送された「ワールドプロレスリング」は、「1・4東京ドーム」からだったのですけど、何故かまたしても「永田さんvsみのる」ではなく「真壁vs田中」と「内藤vsジェフ・ハーディー」でした。「永田さんvsみのる」は、ようやく次週(1/23)に放映されるみたいです。

本当なら来週は、前日(1/22)の後楽園ホール大会を流して欲しいトコなのだ。でもですね、現在の新日はオフでして、1/26からシリーズが始まる(1/22と23の後楽園ホールはジュニアの大会)って流れなわけで、其処でのビッグマッチは1/30の「小島vs真壁」なのです。必然的に放送出来るのは翌週(2/6)になってしまいますので、1/30分のストックが必要なわけだ。

でもですね、折角土曜日の深夜(正確には日曜日)に地上波唯一の放送枠を持っているのですから、土曜日の試合を撮って出し位はしなきゃイカンでしょう。プロレスは試合結果が全てではありませんが、矢張り結果を知らずに観た方が面白いに決まっています。放送が一週間も二週間も先では、知りたくなくとも結果は分かってしまうのですよ。

ところで、最近は毎日「お相撲さん」に遭遇する日々を送っているのですが、本当に両国も「ニギニギ」しなくなっちゃったのですね。初場所が行われているってのに、全然盛り上がってません。三日目のテケツが五千枚も売れ残った(両国国技館のキャパから考えて、半分は空席)って話はマジですよ。毎日目の当たりにするお相撲さん達は、デカくて強そうなのですけど、だからって人気には繋がらないのです。

プロレスやお相撲が衰退したのは、所謂ひとつの「ガチ」を売りにした総合格闘技でプロレスラーや元・お相撲さんが惨敗し続けたって事にも原因があったのでしょう。然し乍ら、今や其の総合格闘技とかK-1とかも堕ちてしまった。日本のプロレスの源流は、お相撲です。プロレスが成功したのは、決して「親殺し」をしなかったからなのだ。「ガチ」を謳った総合やK-1は、平気で其の源流を蔑ろにしてのし上がろうとしました。

かつてアントニオ猪木は云った。「プロレスで一番大切な事は、対戦相手との信頼関係だ」と。どんな暴露本よりも、猪木の此の発言は重い。完全にカミングアウトしてんじゃん。其れなのに、僕らは猪木に熱狂したのです。アントニオ猪木は、本物のプロレスラーでした。佐山は「嫌々、虎の仮面をつけて飛んだり跳ねたりしてた」と云ったけど、格好良かったんだよ。もう、あたくしはアノ頃の様な感動をプロレスから受ける事はないのでしょうか。プロレスの世界には、もう伊達直人は現れないのでありましょうか。そんなことは、断じて無い!


(小島藺子)


posted by 栗 at 14:28| KINASAI | 更新情報をチェックする

「やっぱり、お前かっ!」

C (宝島SUGOI文庫 A み 3-1)


片瀬那奈ちゃんを語るサイトで「プロレス」ネタ連発ってのも如何なものか?なのですが、もう少しお付き合い下さい。

あたくしはプロレスを年間50興行くらい生観戦していた時代(1992年〜1998年)に「おいおい、こんなもん観てらんねーよ」と中座した事が壱度だけあります。其れはパンクラスの後楽園ホール興行でして、お目当てはメインの「鈴木みのる」だったのです。当時の彼は現在の「マヨネーズ和えチキン好き」なお腹がポッコリした体型ではなく、正に「猪木の後継者は、みのるだ」と思わせる「ハイブリット・レスラー(死語)」でした。

其の全盛期のみのるがメインで出る後楽園となれば、其の前に行われた今は亡き「無我」の興行(@恵比寿)との昼夜ダブルヘッダーも厭わず駆けつけたわけです。「無我」の興行も満足がゆくものでしたけど、其の日のメインは「鈴木みのる」でした。

ところが、休息時間に松葉杖をついた痛々しい姿のみのるが登場し、怪我による欠場の挨拶をしたのだ。メインが吹っ飛んじゃったわけで、あたくしと友人は「ふざくんな!」とばかりに中座し会場を後にしたのです。でもですね、其れは不慮の事故だったから致し方ない事なんです。

あたくしが観たプロレス興行で最も不満なのは、以前も書いた通り「1985年12月12日の宮城県スポーツセンターに於ける新日」なのだ。其の日は「IWGPタッグ・リーグ優勝決定戦」が行われたのです。ブロディ&スヌーカ組が首位で、猪木&坂口組と藤波&木村組が同点二位って星取りで、猪木組と藤波組が決勝進出戦を演じた後でブロディ組と決勝戦って流れになっていたのです。

でも、仙台にブロディは来なかった。其の内幕は、主に「ミスター高橋」によって暴露されて来ました。曰く「元々、藤波組の優勝とのブックに最後まで納得しなかったブロディが切れた」とか「折角、オレ様が坂口の脚をダメにして欠場ってアングルを無視して坂口が出るって云ってんのは何なんだ?とブロディが切れた」とか、よーするにブロディが悪いって話になってるんですよ。

だけど、そーゆーのを上手くまとめるのがピーターの役目だったんじゃねーの?ピーターはプロレス本を書き続ける事でしか生計を立てられないのでドドンガドン!と沢山本を出しています。そーするとですね、より詳細な記述に走らざるをえなくなりますね。一昨年(2009年)に上梓された『新日本プロレス伝説「完全解明」』(宝島社)あたりになりますと、件のブロディ「ボイコット」事件に関してもより詳しく書かれています。

其処で問題となるのは「偶然、猪木さんがひとつ遅れた外人レスラーと同じ新幹線に乗り合わせていたので、私は藤波のドラゴン・スープレックスで寝てくださいと打診した」なんてゆー「ファンタジー」や「メルヘン」が入ったピーターの自惚れ全開節ではないのだ。ピーターは、ブロディに新幹線が発車する前に「坂口は出ます」って云っちゃったと書いているのよさ。

何だ、そりゃ?そんなことを云ったら、ブロディが怒り狂うって分かってるじゃん。よーするに、高橋のボケが余計なことを云わずに仙台までブロディを連れてくれば好かったってだけじゃん。どー考えたって、外人担当のピーターが痛恨のミスを犯しましたって話を、自分でカミングアウトしてるわけじゃん。其れなのに、エラソーに「藤波が猪木さんをフォールする演出を提言したのは自分なのだ」なんて続けるんだから、笑止千万だぞ。

そーか、そーだったのか、あたくしがブロディに逢えなかったのは、おまいのせいだったんだな。何が「ファンからの不満は出なかった」だよ。アノ日、会場に居たあたくしは忘れないぞ。会場のファンは殺気立っていたよ。「地方だからって、なめんな!」「ブロディを出せ!金返せ!」って暴動寸前だったぞ。ピーター、いい加減な事ばっか書いてんじゃねーよ。


(小島藺子)


posted by 栗 at 17:40| KINASAI | 更新情報をチェックする

2011年01月18日

「ピーター、勝ち逃げは許さんぞ」

プロレス至近距離の真実―レフェリーだけが知っている表と裏 (講談社プラスアルファ文庫)


「ピーター」って云うと「池畑慎之介さん」の芸名だと思われる片が多いでしょうけど、プロレスを語る時には「ピーター=ミスター高橋」ってのが基本です。彼は、昨年お亡くなりになった「鬼軍曹・山本小鉄」の幼馴染で、小鉄の勧誘で創立間もない時期(1972年)に新日本プロレスに「レフェリー兼外人担当」として入団し、以後、1998年まで四半世紀に渡って新日のプロレスを二万試合以上も裁いたのでした。かつての新日黄金時代には、TV中継でも「メイン・レフェリー」と云えば彼だったので、古くからの「プロレス者」ばかりか、世間一般的にもかなり有名なレフェリーでした。

そんなピーターが2001年に上梓した「流血の魔術 最強の演技 全てのプロレスはショーである(講談社)」は、所謂ひとつの「プロレスのカラクリ」を近しい関係者が暴露したとしてベストセラー(プロレス本としては異例の20万部)となりましてですね、いたいけなファンは衝撃を受け、プロレス業界及びプロレス関連マスコミは黙殺し、当時の「総合格闘技ブーム=ガチこそはすべて幻想」も相まって「プロレス衰退を招いた」なんぞと云われました。

然し乍ら、バカ真面目にプロレスを観て居る「プロレス者」にとっては「其の仕組み」は「底が丸見えの底なし沼(I 編集長声で)」でありましたし、別にピーターが初めて其の内幕を明かしたわけでもなかったのです。元々、バルト本や村松本で「プロレス=演劇」論は古くから語られておりましたし、トルコ本や佐山本などの「レスラーからのカミングアウト」もとっくの昔からあったのです。ゆえに、ピーター本が出たからプロレスが衰退したなんてのは嘘なのだ。問題は、別にプロレスなんか好きでもない連中までもがピーター本を読んでしまった事でしょう。「な〜んだ、やっぱりプロレスなんて八百長じゃん!だって、実際に裁いていた高橋が明かしてるぞ」てなもんですよ。

あたくしが当時に初めて読んだ時に衝撃を受けたのは、ほとんどが「ケツ決め」だなんて事では無く「猪木さんは、対アリ戦と、対ペールワン戦で、ガチをやった」って部分でした。ピーターは更に「猪木さんは、本当に強かった」とも書いていた。幼馴染の小鉄からまで「リングの魂を金に換えた奴を友人とは思わない!」と絶縁されたピーターですが、彼なりの「リングの魂」は持っていると思えました。

アレから早10年、プロレスは衰退したものの未だ残っています。当時にイケイケだった総合やK-1は一過性のブームで終わってしまいました。今や、国技と云われるお相撲さえも風前の灯です。ピーターは、今でもかつての昔話を切り売りするしかない状況ですが、其れは根本的に何かが違うと思うのです。

あたくしも、ピーター本に限らず「プロレス(及び格闘技全般)の暴露本」は数多く読んで来ました。でも、其れって「海賊盤を聴く」って行為と限りなく近い「コアな悦楽」なのだ。どんなに裏話を明かされても、完成された作品には敵わないし、其れが揺らぐどころかより深く愛することになるのです。ジョン・レノンやジョージ・ハリスンは、もう何にも云えません。プロレスラーも昨今多くが鬼籍に入ってしまったけれど、生きている方々でも、例えば猪木は「どーってことねーや」だし、藤波なんかピーターに無茶苦茶云われてますけど反論なんかしません。其れは「同じ土俵には上がれませんよ」って事なのよさ。

ピーターは「辞めた人」なのです。もう関係ないから、いい加減な事を書けちゃえるのだよ。ブロディに関する文章なんて、本当に非道過ぎるぞ。ブロディにはもう反論する事は出来ないんだぞ。ピーターの本を読むと、矢鱈と「アノ名場面を提案したのは私だ」みたいな記述が多いのです。手柄は全部おまいかよっ。でもね、そもそも「そんなカラクリを墓場まで持ってゆく」と決めた方々には反論する術がないのだよ。反論したら「はいはい、ピーターが大前提としているカラクリってのは本当ですよ」って認める事になっちゃうんだもん。絶対に負けないね、ピーター。でも、其れって楽しいの?幼馴染で恩人の小鉄に見放されてまでやるべき事だったの?

「僕には分からないよ。(カヲルくん声で)」


(小島藺子)


posted by 栗 at 01:21| KINASAI | 更新情報をチェックする

2011年08月15日

「そしてプロレスが残った」

そして3人が残った(紙ジャケット仕様)


気が付けば、半年以上もプロレスの記事を書いていませんでした。いえ「片瀬クンよ、プロレスラーになってはくれないか(出典:ナンシー関師匠)」とか「凄いナァ、やっぱり(出典:山本小鉄)」とか「元ネタがプロレス」ってフレーズは日常的に使用しておりますし、此処の構造も大きくプロレスから影響を受けているのですよ。別にプロレスから離れたわけではなく、一応「ワールドプロレスリング」は毎週録画して視聴していますし、「東スポ」やネットで最近のプロレス界事情もチェックしてはいるんですけどね。8/27(土)には「東スポ」主催の「夢のオールスター戦」と、アントニオ猪木が対抗してぶつける「INOKI GENOME」(何だかんだ云って、東スポはこっちもチャッカリと後援)がありますから、気分も盛り上がって来るかと思ったのだけど、う〜む。

昨日(8/14)に今年の「G1」が終わりました。優勝は中邑で、まぁ其れは予想通りだったのだけど、決勝の相手が内藤だったのね。いえ、此のカード自体が「底が丸見え」の展開で進行した大会だったのだよ。別に結果論で云っているわけではなく、よっぽど昨日の大会前に「決勝は中邑と内藤で、中邑が悲願の初優勝」と書こうかと思いました。でも、そんなの少しプロレスに詳しい片なら誰でも分かるシナリオです。以前は二つのブロックの第一位と第二位の計四名で準決勝から決勝へとの流れだったのですけど、最近は両ブロック首位同士がいきなり決勝との仕組みに変わりました。其れで、決勝当日までリーグ戦があり、誰が決勝に出てくるのか分からない演出になっています。

今回も、当日のリーグ戦が終了しなければ決勝進出者がさっぱり分からない絶妙の星勘定に調整しまくりました。Aブロックは、永田さん、帝王、矢野、真壁、内藤と五人が「10点」で、タナが「12点」で、タナは内藤と直接対決で永田さん、帝王、真壁の相手は明らかな格下です。Bブロックは、後藤、MVP、コジ、みのる、中邑と五人仲良く「12点」で並び、後藤、MVPは格下相手でコジは病み上がりの天山が相手、みのると中邑は直接対決と云うお膳立てでした。ところがですね、試合順がAブロック五試合をやって、Bブロック四試合をやって、ジュニアタッグのタイトル戦を挟んで決勝って全11試合の流れなのです。リーグ戦に関しては開幕前から発表されていたわけでして、なのに其の九試合全てに前述の「当日の結果が出なければ分からない」はずの「決勝進出可能な選手」が絡んでいたのです。何じゃ、そりゃ?

其の結果、大物が格下にコロコロと負け続けるシナリオが忠実に進行されました。いえ、消化試合よりはいいのかもしれませんが、全九試合が全て決勝進出に関わるって余りにも出来すぎています。挙句に、事前に発表されていた試合順が素晴らしく、Aブロックの最後が「タナvs内藤」で、Bブロックの最後が「中邑vsみのる」なんだもん。こんなのどー考えたって「其の四人から決勝進出者が出る」って事じゃん。事実上の「準決勝」ではありませんか。今年の「G1」は全20選手も参加させたから、それぞれの星勘定も大変だったのでしょうけど、12選手も「10点超え」ってさぁ。「内藤開幕三連敗、絶望!」とか見え見え過ぎだし、独走態勢だったタナが終盤で二連敗し「星勘定では内藤と同点だけど直接対決で負けたから予選落ち」って、どーゆー接待なのよさ。そもそも、土曜深夜(正確には日曜日)に放送された「ワールドプロレスリング」で、中邑がテンコジに爆勝する二試合とか、タナが帝王に勝った試合とか、内藤が矢野に勝った試合とか流してるんだからさ。決勝前の放送なのに「予告し捲くり」じゃまいか。

ん?プロレスは結果じゃないって?そりゃそーだ。内容が大事ですよ。でもね、内藤の売り出しも結構ですけど、テレ朝のアナも「天才!天才!!」って喚いて喧しいぞ。どんだけプロレス界には「天才」が居るのよさ。決勝の相手が内藤なんだからさ、云っちゃ悪いけど「中邑クンは、勝って当たり前ですからねぇ(桜井康雄声で)」じゃん。でもさぁ、また膝なんざんしょ。「ボマイェ」って名前も「トホホ」だよ。単なる「膝蹴り」ではありませんか。ま、太陽の天才児が優勝して「愛してま〜す!」とかぬかすよりは好かったです。てか、本日の「東スポ」の一面が「たけし局部ねんざ」って、何だよ。中邑の優勝記事は裏かいナ。「中邑じゃ売れんナ、やっぱ客員編集長の世相メッタ斬りだろ」ですか。てな感じで文句ばっか云いたくなるから、プロレス記事を書かなくなったんですよ。ま、思いっ切り書いてしまったわけだが。


(小島藺子)


posted by 栗 at 15:58| KINASAI | 更新情報をチェックする

2011年08月28日

「ALL TOGETHER ALONE」

ハース・フロム・アース


昨日(2011年8月27日)に、東日本大震災復興支援として、二つの大きなプロレス興行が開催されました。其れは、「東スポ」主催でメジャー三団体が結集した武道館での「ALL TOGETHER」と、アントニオ猪木が主催し、ちゃっかり「東スポ」も後援した両国での「INOKI GENOME」です。どちらも「震災支援」との名のもとに、所謂ひとつの「オールスター戦」とも云える贅沢な布陣でした。32年前に「東スポ」主催で「夢のオールスター戦」が行われて以来の、団体の垣根を越えた大会と謳われた「ALL TOGETHER」ですが、御馴染みの「猪木」がハブにされ「だったらオレは両国でやるっ」と同日大会を発表!一時は「すわっ!猪木と東スポ、絶縁かっ」とのアングルで進みましたが、正に「底が丸見え」で御座いました。

「INOKI GENOME」は「ニコ生」で生放送されたので、あたくしも中盤の「猪木パフォーマンス」からは観ました。キムケンに介錯役をさせながら白装束で切腹した猪木は「ちゃんと斬れ!そんなんじゃ死ねね〜だろ。え〜、木村が下手なので死ねませんでした(今や議員なのに、間抜けな役を演じさせられたキムケンが哀れなり)」なんぞとヌカし、勝手に馬場さんの代役と決めた「チェ・ホンマン」を呼び込み、伝説の「夢のオールスター戦」を再現しようとします。「タイガー・ジェット・シン」がたっぷりと盛り上げて入場するも、「アブドーラ・ザ・ブッチャー」はニタニタ笑ってラフな私服姿でリング下に居ます。「今日は震災支援だから、仲良くしよう」みたいな事を云って猪木と握手したブッチャーは、其の侭リング下に猪木を引きずり落とし襲い掛かります。すぐさま「怒りの鉄拳制裁」でブッチャーを粉砕した猪木に、当然の如くシンが挑むものの、矢張り「完全なる反則」である「ナックルパート」の連打でやられてしまいました。観客は大喜びでしたけど、何にも出来なかった「チェ・ホンマン」の立場って何だ?

全試合がシングルマッチで行われた「INOKI GENOME」は、観戦した後半だけでの感想ですけど、なかなか面白かったです。蝶野はやはり上手いと思ったし、メインの藤田は「大丈夫なのか?」と心配していたけど、ちゃんと観客の前でやれる状態に戻していました。小川は弟子を相手で余裕たっぷりの復帰戦でしたが、明らかに「橋本戦」を思い起こさせるムーブを多用し「小川、強し!」を再び印象付けるパフォーマンスでした。別にプロレスなんかやらなくとも充分に安泰なのでしょうけど、ようやく「やる気」が出たのかもしれません。バンナやアーツなど「K1難民」の受け皿にもなっていて、今回もセミとメインにはバンナとアーツが出て勝ったわけですが、猪木としては「してやったり!」でしょう。「INOKI GENOME」で行われたのは、「異種格闘技戦」と云う名でかつて猪木が創造した「プロレス」でした。元々、総合やK1の源流は猪木の「異種格闘技戦」だったのですが、結局は本家に呑みこまれてしまったと思えます。大会の最後も、当然乍ら猪木の「ダァーッ!」で大団円で御座いました。

一方「ALL TOGETHER」は、日付が変わった本日(8/28)テレビ朝日「ワールドプロレスリング」と日本テレビの特番で放送されました。どちらも深夜で、日テレは午前4時からの放送でしたが、放送されただけでも好かったんじゃまいか。同じ素材を使った二番組は、結論から云えば日テレの圧勝でしたね。と申しますのも、「ワールドプロレスリング」で放送されたのはセミとメインのダイジェスト版のみで、日テレでは其の二試合も含め四試合を放送したわけで、尺の長さだけでも圧倒しています。日テレならではの「かつての外人大物レスラー」のコメントが入る演出も好かったです。こちらの大会は総勢82名ものレスラーが出場し、全てがタッグマッチやバトルロイヤルと云う「お祭り」です。「INOKI GENOME」には、まだ「勝負論」が成り立ったものの、「ALL TOGETHER」は正しく「ショーとしてのプロレス」を見せ付ける興行だったと思います。

アングルも在るとは云え、こうした記念すべき大会に猪木が居ないのは変です。でも、猪木は両国で独自の興行をやらかしました。そして、武道館には馬場が居たのです。セミでの武藤と小橋によるムーンサルトの競演とか、メインでのKENSOが裏切り孤立無援になった時に三大チャンピオンが必殺技を三連発!とか、おいおい、こりゃもう大昔の全日じゃん。いえ、まぁ、あたくしはこーゆープロレスも好きですけどね。正にお得意の技のお披露目会で、観客も其れを望んでいるわけです。でも、其処には「猪木イズム」の欠片もないよ。個人的には、「INOKI GENOME」のリングアナがケロだった事や「ALL TOGETHER」のメインを京平が裁いた事とか、色々と気になった点も多いですし、未だ両大会とも全てを観たわけではありませんので、迂闊に結論は出せません。でも、率直な感想は「馬場・猪木の遺恨は続く」です。


(小島藺子)


posted by 栗 at 17:23| KINASAI | 更新情報をチェックする

2011年09月06日

「ロッキーは階段を駆け上がるのだ」

「ロッキー」30周年記念エディション


テレビ東京が、先週の月曜日から本日まで真昼間に「ロッキー・シリーズ 一挙放送!」なるトンデモ番組を放送しやがったので、全六作を録画してしまいました。挙句に、一作目と二作目はそれぞれ「30分」くらいカットされていたので、オリジナルをレンタルしてしまったじゃまいか。こーゆーのは、ドドンガドン!とやって頂きたい。かつて新春に一日中「猿の惑星」を全作ぶっ通しで流しやがった快挙を、あたくしは生涯忘れません。

1976年に公開された「ロッキー」は、アカデミー賞を受賞した名作です。脚本を書き主演したシルベスター・スタローンは、長い不遇時代を経て一躍大スターとなったのです。確かに、最初の「ロッキー」は良く出来ています。テレビドラマ並みの低予算で撮影されたらしいのですが、クライマックスの試合までの展開が実に好い。ボクシング映画なのだけど、実際にロッキーが試合をする場面は多くなく、ゆえに、溜めに溜めてアポロと対戦し「エイドリア〜ン!」が効くのです。

其れで終われば伝説になったのですが、大ヒットしちゃったのでシリーズ化されました。アポロと再戦しチャンピオンになる「ロッキー2」、常勝チャンプとなり贅沢三昧で若手に惨敗しマネジャーのミッキーも死んでボロボロになったものの、ライバルだったアポロの手助けで再起し再びチャンピオンに返り咲く「ロッキー3」、其の盟友アポロをソ連のサイボーグ・ボクサーに殺されて、復讐に燃え敵地ロシアで勝利する「ロッキー4」、遂に引退してマネジャーに活路を見出すものの、育てた若造に裏切られストリート・ファイトで打ち負かす「ロッキー5」と来て、やっと終わったと思ったら「ロッキー5」からでも16年後、「ロッキー」からは30年後に蘇り、還暦なのに現役世界チャンピオンと互角に戦うファンタジー「ロッキー・ザ・ファイナル」と続いたのでした。

シリーズ化される映画は大抵は「どんどん腐ってゆく」のですけど、此の「ロッキー」ほど第一作目の名声に自ら泥を塗り捲った作品はないかもしれません。でも、あたくしはこーゆーシリーズ化されて堕ちてゆく作品が大好きなのです。個人的には、ホーガンとミスターTが大活躍する「ロッキー3」なんかツボですし、興行的には最も成功した「ロッキー4」のスットコドッコイ振りも笑えます。スタローンも「ロッキー4」まではイケイケドンドン状態で莫迦丸出しになってゆきますが、流石に「ロッキー5」では原点回帰を試み大失敗!それじゃ終われないと長年脚本を描き直し続けて、何とか「ロッキー・ザ・ファイナル」で決着をつけました。毎回のお約束で「階段を駆け上がる場面」も好いですね。完全なる「持ちネタ」です。

改めて全作を観ると、矢張り最初の「ロッキー」は名作で、他は大したことない凡作ばかりとも云えます。特に「ロッキー4」は酷いですね。丸っきり「MTV」じゃまいか。此れが最も受けたんじゃ、スタローンもマトモな映画なんか撮らなくなりますよ。30年に渡って活躍した「ロッキー」は、最早「ボクサー」ではなく「プロレスラー」です。「ロッキー5」や「ロッキー・ザ・ファイナル」を観る時、あたくしは「晩年の猪木」や今でも現役を続ける「藤波、長州、天龍、佐山」などを重ねてしまいました。そして「ロッキー・ザ・ファイナル」のクライマックスでは泣けちゃうわけですよ。ファンタジーでもいいじゃん。元々、最初から「ロッキー」は夢見るファンタジー映画です。


(小島藺子)


posted by 栗 at 23:14| KINASAI | 更新情報をチェックする

2011年09月07日

「ゴジラはマウントパンチを打ち捲くる」

地球攻撃命令        ゴジラ対ガイガン [DVD]


「ロッキー」シリーズで第一作目が好かったのは「なかなか、ロッキーがボクシングをしない」と云う展開で、其処に至るまでのドラマを丹念に描いていたからでしょう。そりゃ、最後には拳闘してもらわなきゃ困りますけど、次作からは毎回いきなりだナァと前作の拳闘ハイライトから始まるので、初っ端で結構「お腹一杯」になります。メインエベントが最初に来たんじゃ、些か面白くないのだ。

昔の「昭和ゴジラ映画」を観ると、ゴジラがなかなか出て来ません。ほとんどの作品を子供の時に映画館で観ていたのですけど、当然ゴジラが観たくて足を運んだはずなのに、よくこんな内容で納得していたと思える程にゴジラは出て来ないのです。アンヌが出てたから耐えていたのかしらん、と今では思う「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」では、キングギドラとガイガンと云う「最強タッグ」と対戦するゴジラと舎弟のアンギラスが描かれますが、彼らが相対するのは映画が始まって「58分後」です。一時間半弱の映画で、三分の二が経ってようやく世紀のタッグマッチのゴングが鳴るのです。

破壊の限りを尽くすキングギドラとガイガンを尻目に、一時間近くゴジラとアンギラスは何をやっているのかと云いますと、怪獣島から太平洋をひたすら泳いでいるのでした。途中でゴジラはアンギラスに「急げよっ」なんぞとダメ出しし乍ら、結構呑気に日本へ向かいます。やっと現れたかと思えば、20分くらいキングギドラとガイガンにボロクソにやられ捲くります。アンギラスは「あっ。」と云う間に粉砕され、二対一となったゴジラはやられたい放題です。

然し!ボコボコにされたゴジラは突然に復活し、うっかり蘇っていたアンギラスとの絶妙なタッグワークで僅か五分余りでキングギドラとガイガンを倒してしまいます。ゴジラがガイガンに放ったマウントパンチの連打や、キングギドラにアンギラスが連発するヒップアタック!そして、ゴジラがキングギドラの三本の首を束ねてトドメを刺す垂直落下式ブレーンバスター二連発!!など、1972年当時には全く一般的ではなかった「プロレス技」のオンパレードで御座います。焦らした挙句に後半は怪獣四匹が大活躍する展開で「怪獣プロレス映画」と揶揄されましたが、いえいえ、トンデモないです。もうプロレスの20年以上先を行ってました。


(小島藺子)


posted by 栗 at 22:50| KINASAI | 更新情報をチェックする

2011年09月13日

「タラちゃんは脚フェチなのだ」

オリジナル・サウンドトラック デス・プルーフ in グラインドハウス


あたくしは「B級映画」が好きで、何で好きなのかと考えたら其れは「プロレス」や「ゴジラ」と同じ愉しさを与えてくれるからだと思うのです。「世界のキタノ」が昨年公開した「アウトレイジ」を観たら、何故か「タランティーノ監督作品」を観直したくなりまして、此処数日間で立て続けに「レザボア・ドッグス」「パルプ・フィクション」「ジャッキー・ブラウン」「キル・ビル」「デス・プルーフ in グラインドハウス」「イングロリアス・バスターズ」などを観捲くりました。タラちゃんは好きなので、大抵の作品はDVDで持っているのだ。

其れで、やっぱタランティーノって「B級映画」ばっか撮っているのだナァと思いました。タケちゃんの「アウトレイジ」も紛れもない「B級娯楽作品」ですけど、一寸「芸術」を気取ったり、つまんないギャグを入れるのが「今いち」ですね。其れと、もうタケちゃんは役者で出るのは辞めた方が好いのではないのかしらん。自分の映画なのに科白が覚束無い部分があるし、カメオ出演なら兎も角「アウトレイジ」では主役と云える役柄ですから、並み居る名優に食われ捲くって居て些か残念でした。タラちゃんもよく自作に出しゃばりますけど、普通に脇役で遊んでいるので余裕があります。

最近のDVDは日本語吹き替えにも切り替えられるので、今回は大抵を吹き替え版にして鑑賞したのです。「キル・ビル」の最初のヤツだけは吹き替えだとつまらなくなるので、字幕で観ましたけど。そしたら「デス・プルーフ in グラインドハウス」で無茶苦茶なカースタントをやらかす「ゾーイ」の声を唐沢潤さんが演じていました。唐沢潤さんは「キル・ビル」の主役ユマ・サーマンの吹き替えもやってらっしゃるのですけど、実に「憎いキャスティング」と思わされましたね。御存知の片も多いでしょうが、「ゾーイ」を演じたゾーイ・ベルは本物の「スタント・ウーマン」で、「キル・ビル」でユマのスタントを担当しているのですよ。タラちゃんの映画は、そんなキャスティングなどの細かい部分でも愉しめるので好きです。

「デス・プルーフ in グラインドハウス」は、近年のタラちゃん作品では最高傑作だと思います。少なくとも「キル・ビル」よりは面白いですよ。「テキサス州オースティン」編でのクライマックスでジャングル・ジュリアが車から脚を出していて「予想通りの展開」になるトコなんて、実に「分かってらっしゃる」と大爆笑してしまいます。「イングロリアス・バスターズ」も好いのですけど「長げぇ」し、吹き替えじゃ「訳分からん」のだ。タラちゃんの映画はテレビでは滅多に放送されませんから、映画館やDVDで楽しみましょう。


(小島藺子)


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2011年09月18日

「完全なる崩壊」

新日本プロレス「崩壊」の真相 (宝島社文庫)


片瀬那奈ちゃんが大暴れした「シューイチ」を観た後で、深夜に録画していた「ワールドプロレスリング」を観て絶句しました。最近は「G1」と「ALL TOGETHER」を流しているわけで、今回も「G1」から「中邑VSみのる」ってのは別にいいんですけど、メインがアナウンサーって何だ?おいおい、新しいシリーズも始まっているのに、何ゆえ試合を流さずにこんな茶番を大フューチャーしやがるのですかっ。此れは「プロレス中継」ではなかったのかしらん。

今や「風前の灯」どころか、とっくの昔から「オワコン」と認定されている「プロレス」ですが、何ゆえそんな事になったのかが決して「ピーター本」のせいでは無いと分かります。現在、深夜とは云え唯一地上波放送されている「ワールドプロレスリング」の貴重な「30分」の半分以上が「ど素人のアナウンサーとプロレスラーの猿芝居」って、プロレス者は勿論のこと、視聴者全てを完全に舐め切った愚行としか云えません。

あたくしは、よく「片瀬クン、プロレスラーになってはくれないか」と書きます。其れは、かつて師匠・ナンシー関さんが「瀬戸朝香は、プロレスラーになってくれないだろうか」と書いた事に由来しています。然しですね、瀬戸さんも片瀬クンも安易にプロレスはやっていませんよ。もしも大したトレーニングもせずに片瀬クンが格闘技界へ挑んだなら、アニキの如く粉砕されるでしょう。ゆえに、永田さんやへっぽこアナウンサーが「芝居」の世界に冗談でも踏み込んではならないのです。マジで「ふざくんな!」ですよ。

わざわざ深夜午前二時半頃にチャンネルを合わせた誰が、こんな下らないモンを望むでしょう。新日もテレ朝も、かつての「ギブUPまで待てない!!」や数々の暴動事件から全く何にも学んでいないのかっ。親会社がゲーム会社だから「携帯ゲーム」の宣伝を番組の半分以上も使ってやらかしたとしか思えません。酷い、酷過ぎる。新日及びプロレスの衰退が猪木のせいだなんて、こんな事をやらかしたら絶対に云えません。かつて「アレッサンドロ・デル・ピエロ特集」を30分全部やらかした時よりも、最低な事をやってしまったな。正に「新日崩壊」と云うしかありません。いや、テレ朝が莫迦杉なのだ。嗚呼、小鉄が草葉の陰で泣いているぞ。ホント、もーダメかもしれんな。


(小島藺子)


posted by 栗 at 13:36| KINASAI | 更新情報をチェックする

2011年09月21日

「君は東京ドームに行った事がないのかい?」

見るまえに跳べ (新潮文庫)


後楽園ホールで初めてプロレス観戦をしたのは1992年8月15日で、全日本女子プロレスの「豊田VS山田」の敗者髪切りマッチがメインエベントの興行でした。当日券を求めて後楽園ホールへ行き何とか自由席を確保したのですけど、同日は昼夜興行で「WAR」も行われる事になっていて、北側の良席が残っていたのでうっかり購入してしまったのです。其れで、後楽園観戦デビューでいきなりだナァと「全女」と「WAR」の梯子を敢行したのでした。

当時の「全女」は対抗戦ブーム前夜のイケイケ状態で、観客も超満員札止めでした。あたくしは自由席なので後楽園ホールの汚い階段に並び南側最後列の後ろの柵越し一番前で立ち見出来たのですが、後で考えればバルコニーに行くべきでした。何せ初めての後楽園ホールだったので、其の辺の旨味は未だ理解していなかったのです。其れでも後楽園ホールは最後列でも充分にリングサイドと云える狭い会場ですから、充分に試合は楽しめました。

夕方からの「WAR」は北側の指定席で、もうリングは間近です。天龍とカブキくらいしかお目当てのレスラーはいなかったけど、新間が猪木の「天龍戦受諾書」を持って現れると云う見せ場がありました。ま、そんな事よりもですね、天龍の親友である楽太郎師匠(現・円楽師匠)のお弟子さんが前振りで出て来て「今日は満員ですねぇ、1,200人くらい入っているそうです」とガチ発言をしたのが引っ掛かったのだよ。確かに、後楽園ホールの客席数は「1,403」なのだ。どんなに詰め込んでも「2,005」がマックスで、消防法の規定だと「1,600」くらいなのです。

同じ様に「東京ドーム」は「46,314人収容」でありましてですね、アリーナ(グラウンド)を開放したとしてもせいぜい「55,000人」と云われています。「東京ドーム」のグラウンド面積は「1万3千平米」ですから、其処には「一万人も収容出来ない」のです。其れで考えたのですけど「明治公園」の集会広場に、果たしてどれだけの人が入れるのでしょうかしらん。全体の面積は「5万7千3百9.34平米」と広大ですが、其の大部分は「東京体育館」などの施設です。実際に人が集まる「広場」は、たった「1万平米」でありましてですね、「東京ドーム」のグラウンド面積よりも狭いのだよ。

もしも其処に「四万人」入ってしまったなら、スタンドに四万那奈千くらい座席もある「東京ドーム」には「十万人」近く入ってしまうよね。アノ広場には、せいぜい「16,000人」しか入らないよ。しかも、立錐の余地も無い状態でね。それなのに「広場に四万人で、溢れた人も含めれば軽く六万人」って、おいおい、頭、大丈夫か?空撮で沢山人がいるってのを見て「四万」って思うのは分からんでもないけどさ。少なくとも、ドームのスタンドからアリーナ席を観た事があるのなら、アレで「四万」とか、ましてや「六万」なんて数は出て来ないぞ。いやぁ、世の中には「プロレスよりも酷い水増し」ってのもあるんだナァ。

そもそも何万人集めようが「実現不可能な妄言」を垂れ流して、お祭り騒ぎみたいに闊歩する事で、一体何が変わるのよさ。「脱原発」は、ほとんどの国民の総意だし、みんな代替エネルギーを確保して原発を失くす方向に向かっています。いきなり「全廃」とか云って、其の後はどーすんの?なーんも考えてないじゃん。そんなもんで世の中は変わらないって、未だ分からないのかしらん。其れとも、単に騒ぎたいだけか、何らかの利権とか在るんですか?フジテレビ・デモの方が、未だ分かり易くて好いですよ。

だってさ、少なくともフジテレビ・デモでは「組織で人を集めて、交通費を支給もしくはバスツアーとか組んで、挙句に日当まで出した」なんて噺は聞こえてこないもんね。全体の六割以上とも云われている「召集された方々」の交通費や日当って、一体どこから出てるのかしらん。そんな巨額なお金が在るなら、義捐金にしたら好いんじゃまいか。でも、どうしても「大規模なデモを実現させたかった理由」が在るわけざんしょ?其れは本当に「反原発」なのですか?あたくしは、ライトもレフトもどっちにも賛同はしませんよ。なんちゃら思想とかって、何だかおっかねぇナァ。オラ、関わりたくないだ。ノンポリと蔑んでもらって大いに結構です。あたくしは「跳ぶまえに見る」よ。


(小島藺子)


posted by 栗 at 22:48| KINASAI | 更新情報をチェックする

2011年10月11日

「片瀬那奈よ、大食いを救え!」

喰いしん坊 〔大喰い開眼篇〕 [DVD] 喰いしん坊!2~大喰い苦闘篇~ [DVD] 喰いしん坊!3 [DVD] 喰いしん坊!第4巻 [DVD]


改編期になると楽しみにしているのがテレビ東京の「元祖!大食い王決定戦」なのですが、今年(2011年)は1月の「全国縦断新女王発掘戦」を最後に放送されていません。東日本大震災の影響で4月に予定されていた放送を自粛し「無期限休止」となったわけですが、世の中には「大食い」よりも不謹慎な番組が沢山平気で垂れ流されているのです。何ゆえ「大食い」は何度も槍玉に挙げられるのでしょうかしらん。ただ単に「どれだけいっぱい食うか?」を競うだけで不謹慎とは如何なものか。でも、テレビは「食」に関してはデリケートです。其れで、一時期は他局でも競合番組やドラマなどまで在った「大食いブーム」も去り、踊らされた「フードファイター」の方々も色々と悲喜こもごもな人生を歩んでおられます。

リアルでガチな大食いは暫くテレビ桟敷では拝めないので、実写版の「喰いしん坊!」全四作DVDを先日「半額の日」にまとめて借りました。原作は御存知の通り、食い道楽マンガの巨匠・土山しげる先生の大傑作マンガです。現在も徹底的に「食」に拘った作品を発表し続けておられる土山先生ですが、近年では四年半の長期連載となり日本漫画家協会賞優秀賞も受賞された「喰いしん坊!」が、図抜けて面白いっ。其の面白さは、以前も書いた事ですが「主人公が只、食っているだけ」と云う話を、意味も無くドラマティックに描いている事でしょう。其処に展開されるのは、大食いによる「プロレス」です。そんな爆笑人気マンガでしたので、うっかり実写化されてしまいました。主役の大原満太郎は河相我聞、ライバルのハンター錠二には萩原流行と、有名俳優を起用し、一作目と二作目は劇場公開までされております。

其れで、肝心の内容なのですけど、コレがトンデモです。三作目と四作目は「Vシネマ」なのだけど、最初から「Vシネマ」のノリなのだ。主要キャストに我聞と流行と来ますが、他がもう目も当てられないキャスティングです。ほとんどが「お笑い系」や「現役のフードファイター(ジャイアント白田、ギャル曽根)」と云った「演技の素人」を配しています。丹下御前が岡崎二朗とマトモな役者なのに、対する遠山響子が野村沙知代ですよっ。殿下や大門、那奈代目くいしん坊・村野などの役者を脇で贅沢に使いながら、物語に大きく関わる役がヘッポコばかり。原作では重要な役だったトレーナーの犬丸を三瓶って、おいおい。と思ったら、実写版の犬丸は二作目までで存在自体が消えてしまいます。確かに、アノ棒読み大根演技では降ろされても仕方ないでしょう。また、淀川を二作目では大門正明が演じていて「おっ、此れは好い配役だ」と思わせたのに、三作目から変わってしまいます。しかも何故か淀川が二人組になって、仲良く科白を分け合うのでした。

2007年から2008年まで順調に四作も制作されたものの、物語の途中で終わってしまいます。そもそも四作も続けるとは思っていなかったのかもしれません。其れは、一作目に後の展開からも脚本に加えられたと思われる描写がある事からも伺えます。基本的には原作の流れに沿って進むものの「喰いワングランプリ」予選の途中辺りで疾走し、原作には無いエピソード(マジック坂田の噺からを大幅に改変)で終了。盛り上がって来た対決の行方は放り投げられ「未完」で御座居ます。おそらく、途中からはもっと続ける気も出て来た様で、鳥飼の過去を示唆する伏線なども張っております。でも、何だか分からないトコで打ち切りなのだ。其の鳥飼を演じる「ほっしゃん。」が、結構好い演技をしています。いえ、他が酷過ぎるわけだが。熊田を演じるのはジャイアント白田なのだけど、演技は無理(青葉菊子役のギャル曽根を見れば納得)と思ったのか、途中で「整形して別の顔になった」と強引な設定で別の役者に代わってしまうとか、眩暈がする様なスットコドッコイ実写版です。何もかも、行き当たりばったりな実写化だったのでしょう。

そんな中でマトモな役者である主役・我聞は、孤軍奮闘の演技を続けます。ラーメン店を経営していただけあって、食いっぷりもなかなかよろしい。もう一人の主役格である流行も頑張ってはいますが、どうせコスプレするなら髪は金髪に染めて欲しかったナァ。何故か「TFF」参人衆が、マジック坂田を救おうとした満太郎と対決し負けるのですが、どーゆーわけか「TFF」なのに関西弁だぞ。四作目に出てくる子役(マジック坂田の息子)が「男の子役なのに女の子が演じる」ってのは何だ?「空念」は猫ひろしでいいのか?そんでもって、「モーニング娘/後藤亜紀子」は「できちゃった結婚」の綾小路麗奈じゃまいか。う〜む、ダンダンダンと片瀬那奈ちゃんに近づいて参りました。続編を作る気があるのならば、片瀬那奈ちゃんもキャスティングしてはどーでしょう。我聞の満太郎は結構ハマっているから、中途半端なコスプレしか出来なかった流行を降ろしてですね、ハンター錠二を片瀬クンが演じるってのはどーだい。熊田が整形して別人になるんだから、ハンター錠二が性転換したってええじゃまいか。何なら、子役の女の子みたいに男装でもアリでしょう。もう、此の作品は「何でもアリ」ですよ。原作は多くの方々にオススメしますが、実写版はコアな片だけが愉しむべきブツでしょう。あたくしは、キライではありません。


(小島藺子)


posted by 栗 at 01:11| KINASAI | 更新情報をチェックする

2011年10月13日

「猪木の延髄斬りを受け回転する前田」

燃えろ!新日本プロレス 1号 プロレス、至近距離の真実―レフェリーだけが知っている表と裏


チェ・ホンマンが韓国の自分が経営するお店で女性客と揉めて、警察に事情聴取されたらしいです。女性客は「殴られた!」と主張しているのだけど、チェ・ホンマンは「手を出したのは反省しているが、女性が先に突っかかって来たから払いのけただけ」と暴行は完全否定しているそうです。でも、あんなにデカイ人が払いのけるってのは通常の其れとはかなり違うとも思われます。其処でチェ・ホンマンが「私は暴行なんかしていません。だって、私が拳固で殴ったとしたら、彼女はどうなっていたでしょう」と云ったみたいです。

此の件で思い出したのは、北尾が双羽黒と名乗ってお相撲さんだった時に廃業に追い込まれた事件です。解雇理由は色々と在ったのですけど「おかみさんを殴った」と云うのが注目されました。チャンコが不味いと北尾がキレて親方と大喧嘩になり、止めに入った後援会長を殴り、挙句におかみさんも殴って怪我をさせたと云われました。そもそも、チャンコの味で師弟が大喧嘩ってのが間抜けですが、其れに対して北尾は「俺がおかみさんを殴った?おいおい、そんな事をしてたら、おかみさんは死んでるよ」と云ってのけたのです。おそらく、北尾もチェ・ホンマンも「殴った」とは本気で思っていません。「一寸払いのけた」のでしょう。但し、やられた側は堪ったもんじゃないでしょうね。

さて、本日(10/13)に「燃えろ!新日本プロレス」が創刊されました。メインはDVDなので、其れだけ売ってくれた方が好いのですけど、色々と事情が在るのでしょう。創刊号は特別価格で「880円」と格安なので購入しました。全50巻で、新日本プロレスの名勝負をそれぞれ四試合で一時間半から二時間くらいの尺で収録したDVDが売りみたいです。創刊号は流石に力が入ったラインナップで「猪木VSホーガン」「猪木VS前田」「タイガーマスクVSダイナマイト・キッド」「ハンセンVSアンドレ」と美味しいカードがてんこ盛りです。全て既にDVD化されている試合ばかりですが、入場曲もオリジナルの放送通りになっています。

其れで観たのですけど、やっぱり面白いんだナァ、コレが。何度も繰り返し観た試合なのだけど、実に面白い。こんなもんを観ていたんだから、現在の「ワールドプロレスリング」がつまらないのは仕方ないと思います。猪木の一人芝居だと云われるホーガン戦は、それゆえなのかリアリティが在り過ぎます。失神した猪木を全員が本気で心配していて、特に加害者にされたホーガンの狼狽ぶりがマジです。勝ったのに全然嬉しそうじゃないし「俺、やっちまった、、、」と涙目になっています。そりゃそーだ。猪木が勝つシナリオだったのに、アクシデントで自分が勝ってしまった上に猪木は失神して動けないんだもん。こんなヘマをやらかしたら、もうプロレスラーとして生きてゆけません。当時まだ20代だったホーガンが受けた心の傷は大き過ぎるでしょう。

前田との試合では、当時新人アナだった「辻」が何度も「放送席のフルタチさん!」と呼び掛けるのにフルタチは完全に無視しまくると云う「もうひとつの師弟対決」も見どころでしょう。終盤に那奈回目位でようやく拾ってもらった辻はボロボロで、何を云っているのか分かりません。タイガーのデビュー戦では、リングサイドにユセフ・トルコと梶原一騎が居て「してやったり」とニヤニヤしています。そしてメインの「ハンセンVSアンドレ」が、矢張り素晴らしいですね。此の試合は実際にはセミファイナルで、当日のメインエベントは「猪木VS戸口」で、例の「ラッシャー木村、こんばんは事件」が在ったのです。でも、超ヘビー級の外人対決に完全に喰われてしまいました。兎に角、デカイ二人がぶつかり合うだけでも迫力満点なのだ。

試合は両者リングアウトとなった後に延長戦となる「二度美味しい」展開で、衝撃のエンディングを迎えます。在ろう事か、アンドレがハンセンに「掟破りの逆ラリアット」をぶちかまそうとすると、其れを止めるピーターことレフェリーのミスター高橋に激高したアンドレが完璧なジャイアント・ラリアットを決めるのでした。当然乍らアンドレの反則負けになるのですけど、問題はアンドレのラリアットをマトモに喰らったピーターですよ。其の衝撃度数は、どう観ても「ホーガンのアックスボンバーを喰らった猪木」よりも格段に上です。今回のDVDや冊子の表紙に載った写真で分かる様に、猪木は巧みにホーガンの斧爆弾を正面からではなく横向きで受けています。対して、ピーターは真正面からアンドレのラリアットをぶちこまれているのです。う〜む、ピーターも体を張ってますね。弐号以降は「1680円」と倍近い値段になってしまうので美味しいカードが収録されているのだけ買う心算ですが、創刊号はお買い得だと思います。


(小島藺子)


posted by 栗 at 12:26| KINASAI | 更新情報をチェックする

2011年10月14日

「マサ斎藤はカルピスが好き。でも、ちゃんと薄めて飲みます」

【闘魂ショップ×新日本プロレス★アントニオ猪木vsマサ斎藤】


最近の「BUBKA」ではプロレスラーのインタビューが載っていて、今月号はマサ斎藤でした。病気になってからなかなか表舞台に出て来なかったので「元気で何より」と思って読んだのだけど、相変わらず無茶苦茶な事を云い捲くっていて安心しました。マサ斎藤は小鉄の後に「ワールドプロレスリング」の解説を務めていたのですけど、唯我独尊の語り口が有名でした。以前も書いた様に、平気でマスクマンの正体を明かしたりするので関係者はハラハラものだったでしょう。其の辺を訊かれたマサは「俺は正体を知ってるけどさ、でも、夢を壊すから云わない」なんぞと嘯きますが「云ってましたよ、ライガーを山田とか」と突っ込まれると、

「そんなのみんな知ってるじゃん!」

と斬り捨てます。いや、確かに知ってるけどさ。大阪での猪木戦で海賊男が乱入した試合にも「アレはアクシデントで俺はその被害者よ」と呆気羅漢とネタバレしちゃうのだ。(ピーター本によると、あの時の海賊男はクロネコで段取りを忘れて間違えてマサ斎藤に手錠をかけてしまったらしい。)「日本人レスラーで変わっているのは俺だけ」とも断言しています。此れって、例えば「猪木は何をするか分からない」とかの幻想をひとことで粉砕してしまう重大証言なのですよ。

其れで噺は「猪木VSホーガン(1983年6月2日・蔵前国技館)」に戻すのですが、此の時の実況はフルタチで解説は桜井さんと小鉄です。三年越しの「IWGP構想」が決着する時ですので、小鉄の解説も熱が入り捲くっていてですね、ホーガンが猪木をバックドロップで投げると「あっ!今、オレが、、、あたしがアブナイって思ったんですよっ」等とコーフンを隠し切れません。そんな「解説を忘れて猪木を応援する小鉄イズム」が炸裂したのですから、悪夢の様な結末での狼狽ぶりは尋常では在りません。「救急車、呼ばなきゃダメですよ!」「動かさない方がいい!」と本気で心配し、挙句に「ちょっ、、、(おそらく、ちょっと待ってください、と御馴染みのフレーズを云おうとしたものの、其れどころではなかった)」と云って、解説を放棄してリングに駆け上がります。猪木の一大事に矢も盾もたまらずと云ったところでしょうが、リングに上がった小鉄は気が付くと上半身裸になっているのです。何やらホーガンに突っかかっていったりもして、完全にマジです。こんなにも真剣に自分を信じていた小鉄すらも、猪木はアッサリと騙したわけだ。そして、マサ斎藤に云わせると、そんな猪木ですら「全然、普通の人」なのだ。


(小島藺子)


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2011年10月26日

「あっちょんぶりけ」って何だ?とブラックジャックは訊いた。

手塚治虫の奇妙な資料


手塚治虫先生は、雑誌連載時を「原作」と呼び単行本化の際に描き直してしまう事が多かったのは有名なお話です。しかも、単行本が再版される時にも改変してしまい、多くの「別ヴァージョン」が存在します。其れも半端なモンではなく、例えば「ロック冒険記」では連載時に生き残ったはずの主人公ロックが単行本では死んでしまったり、「鉄腕アトム」で弟のコバルトが連載では死んだのに単行本では生き残ったりと、大胆過ぎる改変をやらかしていました。「奇子」のラストも連載時には生き埋めにされた中で奇子以外にも何人か生き残っていたのに、単行本では奇子以外全員死んでしまいます。

有名な「火の鳥」でも多くの改変があり、特に後半の「マンガ少年」や「野生時代」に連載された作品は、もう滅茶苦茶に変えられました。「望郷編」は連載時と違う展開のラストで単行本化されますが、再版の角川版ではノルヴァ(雌雄単体宇宙人)のエピソードが全て削除されたダイジェスト版に変貌しています。「乱世編」も同じ様に変わり、角川版では義経の最期が全く違うし、清盛と義経が猿と犬に転生する重要なエピソードなども削られています。そもそも此の「望郷編」と「乱世編」は「COM」で連載されたものの中断し、全く別の構想で描かれた経緯もありました。其れにしても文庫本にもなって広く読まれている角川版は酷いナァ。「マンガ少年」での「火の鳥」は駄作だと云われますが、其れはスットコドッコイなダイジェスト版である角川版の「望郷編」と「乱世編」のせいって部分もあると思います。ま、其れも手塚先生が改変しちゃったんだから仕方ない。

「生命編」のラストも連載と単行本では全く別ですが、最も違っているのは「火の鳥」の最後となってしまった「太陽編」かもしれません。過去と未来を行き来する構成の此の作品は、連載時と単行本で其の並べ方が全く違っています。ヒロインの名前まで別になっていたり、御茶ノ水博士が出て来なかったりと、もうやりたい放題の描き直しなのだ。「人間ども集まれ」の様に単行本と連載時を合わせて出版されたり(此の「人間ども集まれ」のラストも全く違うので驚かされます)、描き直しを検証した書籍も何冊も出版されています。手塚先生の描き直しに関して語ると延々と続いてしまいますが、興味の在る片は読み比べてビックリして下さいね。正に「あっちょんぶりけ」となるでしょう。

えっと、そんな偉大なる手塚先生ほど大した志ではないのですけど、此処も色々と日々ビミョーに書き直しています。いえ、正確に云えば、此処の場合は「書き足している」のです。本来、ブログとは日々の記録でしょうから、結構「一過性」のものと思われますが、此処は「片瀬那奈ちゃんの記録」です。あたくしが「片瀬那奈ちゃんを見ている」と云う事を書いているわけで、単なるファンですから公に出て来られた姿を「見たまんま」しか書けません。ゆえに、リアルタイムでは分からなかった事実などが判明した場合には、当該記事に付記せねばなりません。例えば、最近は結構「片瀬那奈ちゃんがテレビ番組で着ていた服」を知りたくて訪れる方々も多いのですけど、リアルタイムで実況状態で書いている時点ではブランド名まで分かりませんよ。後に追々と検証して「あっ。10月16日の「シューイチ」はグレースコンチネンタルの「ボーダーファーOP ピンク」で袖のファーを外していたんだ」とか分かるのだ。「マネ日記」は何故にそんなニーズに応えないのでありましょうかしらん。ま、探る方が「あたくしは面白い」んだけどね。

そんでもって、本日発売の「駅」ちゃん情報によると、片瀬那奈ちゃんはレギュラーに加えて「ありえへん∞世界(テレビ東京)11/8(火)19:00〜19:54」にゲスト出演される模様です。(【付記 11/8】駅ちゃんには珍しく誤報でした。)其れと、内山理名ちゃんが10/31(月)の「徹子の部屋(テレビ朝日)13:20〜13:55」に御出演されます。こちらは理名ちゃんの公式サイトでも告知されていますから確定ですが、片瀬クンが絡むかは不明です。あたくしは内山理名ちゃんが御出演されるので録画予約しましたけど、片瀬クン目当ての方々も如何でしょうかしらん。


(小島藺子)


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2011年11月26日

「大食い甲子園」を買ってしまいました。

大食い甲子園 1巻 (ニチブンコミックス) 大食い甲子園 6巻 (ニチブンコミックス)


コンビニ本で出るのを期待していたのですが、うっかり古本屋さんで全六巻が1,500円で売られていたので「大食い甲子園」を買って一気に読んでしまいましたよっ。土山しげる作品は「喰いしん坊!」でハマって以来貪る様に読んでいますが、矢張り「喰いしん坊!」が最も好きです。次に好きなのは「食キング」ですけど、「喰いしん坊!」の大食いをテーマにした世界観が図抜けて面白いっ。続けて連載された「ばくめし !」は再び料理人が主役だったので、イマイチと思えました。「極道めし」も悪くはないのですけど、「喰いしん坊!」の莫迦莫迦しさには及びません。そして、改めて大食いをテーマとして昨年(2010年)から今年(2011年)まで連載されたのが「大食い甲子園」なのです。

物語は「大食い」が競技として認められ、プロのフードファイターが多く存在するどころか「大食い甲子園」と云う高校生の全国大会まで長く続いている世界で展開します。主人公の盛山空太郎は、かつて「大食い甲子園」で優勝確実と云われた有望選手でしたが、在る事情で「賭け大食い」をしてしまい出場停止となった過去を持ちます。彼が「岡山県立桃太郎高校」の「大食い部」顧問となり、かつては「大食い甲子園」で優勝したものの現在では地区大会初戦敗退の弱小校となった「桃太郎高校」を再び「大食い甲子園」へ導くのでした。

前半は高校野球マンガのパロディの様な展開で、「大食い部」のメムバーが集まるストーリーが進みます。ところが、メムバーが揃った後半になって「いきなりだナァ」と「空界」が登場します。なな、なんと其れは「喰いしん坊!」の「空念」が成長し住職になった姿なのです。さあ、こうなったらもう止まりません。「桃太郎高校」のライバル校でダークホースとして勝ち上がってゆく「美作五輪学院」の監督は「ハンター錠二」だったのでしたっ。つまり、此の作品は、

「喰いしん坊!」から十余年を経た
未来世界を描いた「SF」だったのだっ。
ズガーン!なんじゃ、そりゃ?


今や「全日本フードファイター(AJFF)」の代表になったと思われる「大原満太郎」もチラリと登場し、「ハンター錠二」を幹部へ誘うものの「野にいる若い逸材を、、、あの時のお前の様に鍛えてみたい」と全く無名だった「五輪学院」の監督になっていたのでした。なんと云う強引な力技!コレはたまげたよ。

作品としては其の「ハンター錠二」が再び登場し、空太郎と「カツ丼勝負」をする辺りが最高のクライマックスとなり、其の後の「桃太郎 VS 五輪」での地区大会決勝よりもチカラが入り捲くっております。挙句に肝心の「大食い甲子園」出場の描写は一切ないと云う物凄い展開でラストを迎えます。もう、どー考えても土山先生は「ハンター錠二」をもういちど描きたくて「大食い甲子園」を執筆されたとしか思えませんよっ。「大原満太郎」ではなく「ハンター錠二」の其の後を描いたところが素晴らしい。面白さから云えば「喰いしん坊!」には劣るものの、連なった壮大な空想世界を描いた快作です。「喰いしん坊!」から「大食い甲子園」までのストーリーは謎が多く、まだまだ沢山のエピソードが描けるでしょう。其れにしても分からないのは、単行本全六巻すべてで表紙を飾る人物です。一体、彼は何者なのでしょう?


(小島藺子)



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