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2009年04月19日

「風車の理論」

昭和プロレス [DVD]


其れで、また呑み始めた。

ぼんやりザッピングをして「K-1」の途中から流して居たのだけど、あんまり面白くなかったナァ。印象に残ったのは紀香が相変わらずハイテンションだったこととか、魔裟斗が熱く「強い漢は優しくなれるんです。彼はワルだったけど、こんなにも優しく笑える様になった。格闘技はこーゆーもんだってことを、もっと世間に知って欲しい!」とええことを熱く語ったのに、実況アナが「此の放送席にも優しくて強い漢が居ますね、だから魔裟斗さんもひとりの女性(矢沢心ちゃん)だけじゃなく、沢山の女性を愛して下さい」などとトンデモ発言をしてたこと位だな。

てか、ほとんど画面を観て居なかったんだけどさ。「人生ドラマを絡める演出」は、どーにかなりませんかね。「元・不良」だから偉いのか?元々真面目にやってた奴が間抜けみたいじゃん。子沢山で生活が掛かって居るからって、そんなモチベーションはもうええよ。(【注】二年も前(2007年4月)に書いた記事なのに、状況は2009年4月の現在でも変わって無いどころか、より酷くなって居りますです。)

其の後に「IKKO」ちゃんが出てた。名前も似てるけど歳もほとんど一緒かよ。「どんだけ〜!」の使い方を学んだよ。正直「K−1」より面白かった。何だかナァ、、、

で、「シンボルず」に見入ってしまい、久しぶりに「NOAH」の時間まで起きてたんで「最近は、何やってんのかしら?」と思ったら「三沢vs佐野」だってさ。(【注】「NOAH」地上波中継も2009年3月で遂に打ち切られ、最早「ワールドプロレスリング(新日)」のみが地上波で毎週放映されるプロレスになりました。ナンダカンダ云って、新日は「シブトイ!」です。ま、今やってんのは全部「黄金時代の焼き直し」なんだけどね。)

「おい、今が2007年ってのは嘘なんだろ?ミサミサ。」

けれど、プロレスラーが「一番輝く」のは、30代後半から40代前半なんですよ。確かに30歳前後でピークは来る。猪木なら「アリ戦の頃」が、本人も認める「全盛期」だ。しかしながら、彼の名勝負は其の後により多く残されたのだ。

「落日の闘魂は観たくないっ!」とフルタチが絶叫した1980年代に、僕は猪木に熱狂した。シンやハンセンやアンドレやブロディ、そして自分の弟子たち(ドラちゃん、ホーガン、長州、組長、木戸さん、アキラ、闘魂三銃士、などなど)と闘い、無様な姿を晒しまくった猪木は、かっこよかった。(逆説的な「早川義夫」理論)

1986年2月6日に、藤原喜明と両国国技館でメインエベントを行った時には、心底感動した。だって、アノ藤原だぜ。「前座の鬼」と云われ、プロレス者の間でだけ有名な男だった。長州を襲撃させ「テロリスト」として全国区になるまで、彼の試合は、たった一回(愛すべきマードック戦)しかTVで放映されて居なかったのです。

海外遠征でも必ず帯同し、長年スパーリング・パートナーだった彼は、お世辞にもスター性が在るタイプではなかった。でも長い下積みを経験し実力は折り紙付きだった。現在では有名になった「サブミッション」を、最初に世間に知らしめたのは間違いなく彼だろう。

猪木は、なりふり構わず、藤原を叩き潰した。効いてないはずがない「アキレス腱固め」には「そっちじゃねー、こっちだ。きめる方向が逆だ」などと嘘八百を捲し立て、金的に蹴りを入れ、最後は明らかな首絞め(猪木がやると「チョーク・スリーパー」と云う立派な技になる)で落とした。挙げ句に、激高し乱入した前田のハイキックをマトモに喰らって魅せた。

前田の乱入は、ガチだった。つまり「演出では無かった」のだ。だが「猪木は蹴りを避ける事が可能だった」と、蹴ったアキラ自身が証言して居る。「猪木サンは俺が蹴った時に上に飛んだんだよ。だから顔面を狙ったのにアゴに入っちゃったんだよね。アレさ、猪木サンが受けてくれたんだよ。」と。

つまり、猪木は咄嗟に判断したのだよ。「前田の蹴りを避けるよりも、敢えて受けた方がお客さんは盛り上がるだろう。」と。だから「最小限の防御」をしたのです。10センチ程、猪木は其の場でジャンプして、顔面を狙ったアキラのハイキックをアゴで受けたのでした。すぎょい。実際に映像を検証しても、確かに「猪木は上に飛んで受けて居る」のです。猪木は大袈裟に倒れ、「新日」と「U」のセコンドが雪崩れ込み大乱闘に発展します。フルタチが興奮して「開戦ですねぇ〜っ!」と絶叫すれば、桜井サンも「此れまでは鬱憤が貯まってましたよ。今の前田クンのキックで、其の箍が外れましたねぇ」と素早く的確に解説します。小鉄は、当然、放送席から消えて「乱闘」の渦へと突進して居ます。

「全部、猪木の思惑通りじゃまいかっ!」

アノ頃の猪木の試合は、現在観ても充分に面白い。当時は眉を顰めてしまった「マシーン軍団」や「海賊男」ですら、楽しい。困ったもんだ。

ところで、あたしが愛するプロレスラーは「猪木」や「佐山」そして師匠「藤原」や「山ちゃん」とかの所謂ひとつの「昭和プロレス」の方々なのですけど、現役で好きなプロレスラーって、東京都江東区出身の「越中詩郎」と、同じく東京都江東区出身の「小島聡」なんですよ。ま、どちらも色濃く「昭和」の香りを遺し、共に「元・サラリーマン」って「苦労人で努力家」なんですけど、やっぱ「地元のレスラー」なわけで、どーしても理屈抜きに贔屓しちゃいますよね。「隅田川の向こう」の「下町」は「好い処」です。僕は生涯、此処で暮らすのでしょう。自宅も職場も此処ですから、那奈ちゃんのイベントでも無い限りは電車にすら乗らない「江東区の一部だけの日々」を送って居ます。

だって此処は「片瀬の街」だもの。(結局、落ちは其れかよ。)


(小島藺子)




初出「COPY CONTROL」2007-4-30



(REMIX by 小島藺子:2009-4-19)


posted by 栗 at 19:17| KINASAI | 更新情報をチェックする

2009年04月26日

「懐メロ」

Rock 'n' Roll バック・イン・ザ・USSR


「ワールドプロレスリング」は毎週録画して居るのだけれど、最近は壱回観たら消去しちゃってます。「アリ戦」の封印を30余年振りに解いた「特番」と、其の後に何回か「猪木の異種格闘技戦」を最後に放映して下さった部分とかはしっかり遺したけどね。

でも、30数年振りに「猪木 vs アリ」を観てしまって、最早「平成プロレス」なんて観ていられなくなっちゃったのも事実です。アレを未だに「世紀の凡戦」とか云える片とは、マトモな「格闘技談義」なんて出来ません。坂口や藤原が絶賛して居た通り、アレこそが「20世紀最大の名勝負」でしょう。

兎に角、猪木は凄かった。新日の黄金時代は素晴らしかった。現在の「新日」は、かつての、猪木が現役だった頃の「焼き直し」にしか見えない。全部、何もかも観た事が在るんです。先日の両国大会を最近は放映して居ますが、「タイガーマスク vs ブラック・タイガー」とかやってんだよね。佐山を観るよ。永田サンの「白目」だって、「猪木がアンドレからギブを取らせてもらった技」じゃん。大体「背中に女の怨念を背負った太陽の天才児」如きが「IWGP王者」って時点で「終わってる」ぞ。誰が観たって「ステロイド打ちまくり」の気持ち悪い不自然なマッチョ体型なんか観る位なら、学友だった「HG」でも観てた方がええよ。「後藤!絶対に穫れよっ!」

ま、其の「後藤が初戴冠!」するであろう「5・3 福岡」では、やっと「テンコジ」が還って来ます。「小島!頼んだぞっ」とは云え、ダンダンダンと「天山」の昨今の「情けなさ」が好きになって来た自分が居ます。天山って、本当に「心優しい好い人」なんですよ。バラエティー番組とか出ると分るじゃん。アレじゃトップは取れないんだよね。

外様の「小島聡」が一番の注目株ってのも「トホホ」でして、最近は天山欠場で半年近く出番が無かったから、遺したい試合も必然的に無くなりました。そんなあたくしが現役の新日の選手で好きなのは「真壁」と「矢野」です。何やら「仲間割れ」みたいだけど、其れだって「上田サンとヒロさんの仲間割れ」とかを思いっきり思い出させるわけですよ。

でもね、無理に新しい事をやって「つまんない塩試合」を流される位なら、現在の「昭和プロレス回帰路線」の方が好いです。つまり、現在の「新日」は、いやさ「プロレス界」は「カヴァー」をやって居るわけよ。

「カヴァー」は「オリジナル」を超えない。でも、稀に「超える」事も在るんです。現在のエース候補は、「神の子:中邑」「太陽の天才児:棚橋」、そして「後藤」みたいです。あたくしは「柴田」が好きだったんだけど、もう居ない。だったら「後藤」だな。でも、どいつもこいつも「絶対エース」になれそうも無いんですよ。

確かに「新日」の歴史で「絶対エース」だったのは「アントニオ猪木」だけです。其の後は「長州、藤波、前田」とか「闘魂三銃士」とか「群雄割拠」の「三国志」になった。で、現在まで「絶対エース」が不在の其の状況が続いて居るわけです。其れじゃダメなのよさ。やっぱ、「エースはひとりだけ」じゃなきゃ面白くないんですよ。「三国志」時代になってからだって、例えば「長州」はフライングを繰り返したし、「藤波」も「ワンマッチ興行」なんかやったし、「前田」はトンパチをやらかしまくって、「三銃士」だって「俺が、俺がっ!」って「マジでトップを狙ってますよっ」って気骨が伝わって来たのよさ。其れが「平成プロレス」になった頃から希薄になっちゃったんです。だってさ、盛り上がるのって「外様」の活躍ばっかだったじゃん。「小川」「藤田」「ケンスキー」「高山」「みのる」「サップ」「ジョシュ」とかが、「そのばしのぎのエース」として牽引したわけじゃん。ハッキリ云って、誰も居ないよ。中邑も棚橋も後藤も、無理だよ。

平成プロレスに告ぐ。頼むから、おまいら、もう俺に「猪木」や「佐山」のDVDを観るのを辞めさせてはくれないか?

ま、別にええんだけどね。

「プロレスなんてモンは、古いモノの方が好いんだよ」
(大瀧師匠声で)


(小島藺子)

posted by 栗 at 18:58| KINASAI | 更新情報をチェックする

2009年06月14日

「悼む」

PRO-WRESTLING NOAH 三沢光晴 [DVD]


地上波最後のプロレス中継となった「ワールドプロレスリング」を、普通なら余りにも深夜なので録画し翌日に観るのだけど、たまたま夜勤をやって居て、しかも通常より早い「午前1時55分」からの放送だから起きて観る事にした。始まった途端に、画面下に俄に信じ難いテロップが流れた。

「三沢が死んだ?何故だ?!」

最早「ベスト・オブ・スーパー・ジュニア」TV観戦どころでは無くなった。悪夢だ。アノ三沢が岩石落としを喰らった位で死ぬわけないじゃん!封印して居た地元へアクセスした「ノアだけは、本当にガチだった!」「三沢、ありがとーっ!!」等と追悼レスの嵐だった。マジなのか?ネット上のニュースでも「三沢、死す!」と書き立てて在った。「此の気持ちを理解出来る唯一の漢:アンテツ」に、深夜なのにメールした。眠れずに居たら、朝刊が届いた。一般紙なのに「三沢さん、試合で頭打ち死亡」と一面に載って居るじゃないか。コンビニへ走った。スポーツ紙全紙の一面に三沢が居た。

僕が11年前に、年間50興行も通って居たプロレス観戦をヤメたのは、本当は、猪木さんが引退したからじゃなかった。1997年、大好きだった尾崎魔弓が試合中にプラムを殺してしまったんだよ。其の直後に、友人と全日を生観戦した。完全に両腕を決められた状態で三沢が投げられ後頭部で受け身を取った瞬間に、友人が叫んだ。「三沢!もういいよ。もうヤメてくれ!!」友人は泣いて居た。観戦後、彼は云った。「イコさん、僕、もうプロレス生観戦をヤメます。もう見ていられない。」と。彼とは、其れまで五年以上も常に一緒に観戦して居た。関東は全会場、全団体を制覇し、一日に三興行を梯子したり、大阪まで逆密航したりもした。「いつか亜米利加へも一緒に行って、レッスルマニアを観ようぜ!」とまで誓って居た。彼は本当に生観戦をヤメてしまった。ひとりで暫く続けて居たのだけど、猪木さんが引退する事になって、僕もヤメてしまったのです。最後に生観戦したのは、1998年春のJWPの後楽園ホール大会だったと思います。もう尾崎はフリーになってたんじゃないかナァ。でも、逢いたかった。「頑張れよ!尾崎」って伝えたかったんだ。猪木さんの引退興行には、行かなかった。僕も「もう見ていられない」って気持ちになって居たんだと思う。(其れに「片瀬那奈」って云う新たなる希望が出現しちゃったからね。余りにもスムーズに「プロレス」→「カタセ」へと追っかけ熱が移行したのが「1998年」でした。)

僕らは「プロレス者」でした。バーリトゥードもK−1も、世間が大騒ぎする前から研究したけれど、やっぱりプロレスが好きだったんです。其の仕組みなんか、一般人よりもずっとよく解って居ました。生で観れば、分りますよ。其れに書籍も雑誌も新聞も映像作品も、鬼の様に研究したんです。其れでも、プロレスが好きなんですよ。

三沢の想い出なら、沢山在り過ぎる。僕にとっての最高の場面は、大好きな小川直也を子供扱いにした「ZERO ONE」でのタッグ戦です。「三沢、強し!」と思った。技が綺麗だった。受け身の天才だった。新団体を「ノア」と命名した志にも大きく感銘した。死んじゃいけないレスラーだった。悔しくて堪らない。此れでもプロレスは八百長なのか?三沢が死んだんだぜ。悲しくてやりきれないよ。だから、三沢、君に誓うよ。11年振りに、僕はプロレス会場に行くよ。また、始めるよ。此の侭じゃ、あんまりだ。こんな悲惨な結末で、俺が愛したプロレスを絶対に終らせない。

アキトシ!生きてくれ。お前のせいじゃない。合掌。


(小島藺子)



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2009年06月15日

「無念だ!」

理想主義者


「うるぐす」を録画しながら観て、チャーリー・ブラウンみたいに「ためいきばかり」になってしまった。

盟友:エッチューさんが語った様に「リングで死ぬ」なんて有り得ないレスラーが、三沢光晴だ。絶対に有り得ない事だって、僕らは信じて居たはずだ。生で彼の試合を一度でも見た事が在るのなら、誰もがそう思って居ただろう。徳光さんは解って居るよナァ。「プロレスは受け身の競技」と云い切った。「三沢はストロング派だ」と断言した。確かに人間的にも立派だったけれど、そうした「人間:三沢光晴」を讃えるエピソードよりもVTRを観て思わず云った「彼のレスリングは、素晴らしいね」に泣いた。徳サン、ありがとう。

三沢にとって、此の人生の結末は、幸せだったのだろうか?レスラーなら「リングで死ぬ」ってのは理想だろう。かつて、アントニオ猪木の売りは、正に其れだった。「こんなプロレスを続けたなら、なんちゃらかんちゃら」とファンを煽動し、実際に自作自演でホーガンに殺される演技を完璧に演じた。馬場サンは忸怩たる思いだった。「カンちゃんの芝居には付き合ってられんよ」と無視した。

でも、弟子の三沢は怒った。本気で「だったら、俺がやってやるっ!」と誓ったのだ。三沢の道は、馬場サンでは無く、猪木の其れと似て居た。全日の社長になったのに、独立してノアを旗揚げした。日プロを追い出されて新日を創った猪木よりも、三沢の選択の方がリスキーだ。安定した雇われ社長の座を自ら捨てて「理想」に向かったのだから。其れが「私利私欲」では無かった事を、僕ら「プロレス者」は知って居る。どんなに誹謗中傷されても、三沢は最後まで「プロレスは、真剣勝負だ。世間に認知させてみせる!」と闘った。そして、リングで死んだ。

「三沢殉職」の意味は、重過ぎる。漫画じゃないんだぜ。
「あしたのジョー」じゃないんだよ。なんて理不尽な世界なんだ。

一体、誰が三沢を殺したんだ?


(小島藺子)


posted by 栗 at 01:31| KINASAI | 更新情報をチェックする

2009年06月16日

「あふれる熱い涙」

船出―三沢光晴自伝


イコおねえちゃんが「東京スポーツ」をかってきたので、ぼくはビックリした。

もうずいぶんまえから、イコおねえちゃんは「東スポ」も「ニッカン」も「デイリー」もかわなくなっていたからです。まえはまいにちかっていたのだけど、となりのタバコやさんのオジサンがいなくなってからは、かうのをやめてしまっていた。たまにコンビニにいってイコおねえちゃんがスポーツしんぶんをかうのは、片瀬那奈ちゃんがのっているときだけなので「ははぁ〜ん、きょうの東スポには、片瀬那奈ちゃんがのっているんだな」とぼくはわかった。

でも、それはハズレでした。いちめんにコワイしゃしんがのっていて、ぼくはめをそむけました。イコおねえちゃんは「みさわぁ〜!なぜしんだぁーっ!!」とふるえながら「東スポ」をよんで、ないていた。DVDで「ゼロワン」というむかしのプロレスをながして、みはじめました。「はしもとーっ!みさわーっ!」とさけびながら、ごうきゅうして、いっぱいいっぱいむかしのプロレスをみていました。ぼくが「プロレスなんて、もうはやらないよ。ハッスルとかのほうがおもしろいじゃん!インリンさまとボノちゃんがみたいナァ。でなかったら、アメリカのおねえちゃんがでてくるWWEとかさ」とわけしりがおでいうと、イコおねえちゃんはキシンのひょうじょうで「たわけものっ!プロレスだけがガチなのよさっ!!み・さ・わ!み・さ・わ!み・さ・わ!み・さ・わ!〜」とくるったようにぜっきょうしました。

これはたたごとではないとサッチしたオリコウサンのぼくは、すばやくわだいをかえようと「東スポ」にめをはしらせるとミルコ・クロコップのしゃしんがのっていたので「イコおねえちゃん、やっぱりそうごうかくとうぎだよね?しんけんしょうぶっていうんでしょ?」としったかぶりをしていいました。つぎのしゅんかん「みさわのエルボー!」とさけびながらイコおねえちゃんのひじてつがぼくのあごをちょくげきし、ぼくはしっしんすんぜんになった。イコおねえちゃんは「ばかやろーっ、そーごーもけーわんもぜんぶヤヲにきまってんだろーがっ。ガチなのはプロレスだけなんだよっ。」とかんぜんにじょうきをいっしためつきで、じごくのそこからひびくようなひくいこえではきすて、しずかにわらいました。わらっているのに、イコおねえちゃんのめはなみだでいっぱいでした。とてもとてもかなしそうだった。

それで、ぼくは「ねえ、こんど、プロレスにつれていってくれますか?」とイヤイヤながらおねがいしました。イコおねえちゃんは、だまってうなずいた。そして、ずっと、むかしのプロレスをみつづけています。そしていった。「くりぼう、やっぱりコジマがみたいよね?」と。ぼくはよくわからないので、てきとーに「うん!」とこたえたら、イコおねえちゃんは「うんうん、コジはいいよね、コジってさプロレス・ゲームをやるときに、かならずミサワでたたかうんだよね、ただのファンじゃん!ぎゃはははは」などとじょうきげんでコアすぎるはなしをはじめたので、ぼくはねたふりをしています。


(くりぼう)



posted by 栗 at 00:10| KINASAI | 更新情報をチェックする

2009年08月22日

「いかすぜ!山ちゃん」

山崎一夫流自分でできる整体術


久しぶりに、録画した「ワールドプロレスリング(8/16放映)」での現在進行形の試合を消去せずに編集し、遺す事にしました。其れは愛知での「2009年 G1 公式戦:TAJIRI vs 太陽の天才児」戦です。現在の「IWGP王者」が(他に誰もいないからなのか)何故か「太陽の天才児」で在るが為、彼の試合がメインで放映される事が多く、「学生プロレス時代から彼を全く評価していない(特に、女性に対しての不遜な行動に大いなる不快感が在る)」あたくしは壱回観て「ツマンネ!」と「恰も彼がやり捨てた女の如く」消去してしまうのでした。女癖の悪さでは「太陽の天才児」と双璧な「野人・中西 学(「ランニング中にムラムラして近くにいたねえちゃんを!ってな噂」まで在る、性欲ならば「ピクル」並の「本物の野人」ですが、おんなじ『女好き』でも、あたくしはナカニシは嫌いではないのですよ。ま、ホントにソッチは「ピクル」だからさぁ、、、)」が己のパワーのみで何にも考えずに初戴冠した試合はとっても感動し、よっぽど遺そうかとも思ったのだけど、即座に「リターン・マッチ」が決まってシラケてしまいました。

「野人、三日天下かよ、、、」と幼稚園児でも予想可能な結末で、再び「太陽の天才児」がベルトを巻いてしまったのです。そして予定調和な「ノア・杉浦(好きなレスラーです)」との防衛戦に、アノ田尻いや TAJIRI がやって来ました。わざわざ北海道まで次の刺客が馳せ参じてリングサイドにいる時点で、「贔屓:杉浦の敗北は確定」です。もう、ドッ白けですよっ。かつて「WWE」から帰国する際には「ハッスル」「ノア」「新日」等を天秤に掛けて、結局「ハッスル」へ行ってしまった「TAJIRI」が、ようやく「新日」へ上がるって事になったから「ノコノコとやって来た」わけです。かなりの好条件で、菅林社長自ら「へこへこと頭を下げて来てもらった」と推測されます。TAJIRI も好きなレスラーのひとりで在るあたくしは、毒霧で「太陽の天才児(以後、長いので『タナ』と略します)」の下らないパフォーマンス(「御当地の皆さん、愛してま〜すっ!」ってアレ。あんな事やるのが「ストロング・スタイル」なんですかぁ?)をぶち壊した札幌での乱入には胸のすく思いだったのですが、其れでも遺そうとは思いませんでした。だって、只の乱入じゃん。乱入が「最高の見せ場」だったのですよ。杉浦の立場って、何だ?もう、新日は三沢の恩を忘れたのですか?てか当然の展開で TAJIRI の参加も発表された「G1」会見での「菅林・新日社長への毒霧がメインだった様に見えた」ぞ、何だかナァ。猪木が完全撤退しても尚「新日イズム」は健在でした。

今回の試合を何度も観る為に遺そうと思ったのは、勿論「TAJIRI」があらゆる面で完璧に「タナ」に勝ったからでも在ります。タナ、弱過ぎ。かつて「野獣:藤田」に問題外にされた頃よりも、下手すりゃ弱くなってんじゃまいか?でも、此の試合を永遠に遺したくなった理由は「山ちゃん乱入」に尽きます。入場し、花束を受け取った TAJIRI は、タナなんぞには見向きもせず、自己顕示欲旺盛過ぎる実況アナ(「TAJIRI は私を狙っていますっ!言論の自由を掛けて、覚悟を決めた私はっ、、、」なんぞと絶叫!「おまえは、莫迦か?」)をも完全に無視し、隣にいた「もの静かな解説者:山崎一夫」へ向けてドンズバで其れを投げつけたのです。実況アナは其れでも「おそらく私を狙ったと思うのですが、、、」なんぞと叫びますが、TAJIRI は確信犯的に山ちゃん目掛けて投げたのです。「U」の良心へ、堂々の「宣戦布告」です。「猪木からフォールを取った数少ない直系の弟子のひとり」で「初代タイガー:佐山の壱番弟子」でも在る「栄光の正統派新日イズムの権化:山ちゃん」の行動は早かった。実況アナを突き飛ばし、マッハの速度でリングへ駆け上がります。現役引退以来、観客の目前では初めて臨戦態勢でリングに足を踏み入れ、在ろう事か TAJIRI に対峙し牽制のキックまで披露したのでした。「山ちゃん、カッコイーっ!!」と思わずテレビ桟敷で興奮してしまいましたよっ。痛々しくも足を引きずり乍らも、山ちゃんの目は本気でした。

其の場は気を鎮め実況席へ戻り「もう今はね、タナハシに任せますよ」と静かに云い切った山ちゃんの目前で、無惨にも TAJIRI に敗れ去ったタナ。「女の敵めっ、ざまーみろっ!」と、心底、胸がスッとしましたよっ。最高ですよっ。TAJIRI は更にタナをおちょくり「ナゴヤのミナサン、愛してま〜すっ!げへへへ」とやらかし、激高しリングサイドに駆け上がった「新日・菅林社長」にまで再び「お約束の毒霧(菅林社長は素人だから、毒霧を受ける時に待ち構えて目をつぶっちゃうのよさ、、、アレはもう一寸リハーサルをやんないと失笑されちゃいますです。「ハッスル」でも観戦して、しっかりと学びましょうね☆)」を放ち、意気揚々と引き上げました。「TAJIRI ちゃん、サイコーっ!!」

正直に云って、何回見返しても冒頭の山ちゃん乱入がクライマックスで、其の後の試合は「オマケ」です。「丸っきりやる気の無いタナ」に、解説の柴田サンや金澤サンも「タナハシは波状攻撃をしないと、、、」とか「ええ、攻めが単発で続きませんね、此の辺で不用意に行かない方がいいですよっ(そのうちに毒霧が来ますよっ)」と敗北を前提にした苦言を呈する程です。真面目な山ちゃんは、かつての「小島 vs 天山」同様に、完全に呆れ返ってしまいました。山ちゃんは、「タナの負け」は当然乍ら知っていて、盛り上げる為に「前振りでの乱入」までやったのです。其れなのに「タナ」は「負け役」だから、完全に投げているんですよ。此れじゃお話にならないんです。大体、今時、あんなに下手くそな「ジュース」は無いだろ?試合序盤で TAJIRI に鉄柱に打ち付けられたタナが流血するわけですけど、思いっきり自分で額を切ってるトコがTV画面でもバッチリ映ってんじゃん。あんな無様な「ジュース」を地上波で流してええのか?出来ないなら、セコンドかレフェリーにやってもらえよ。こうした「負け試合」での「ジョブ」こそ、僕らは見ている。タナが物語的に此処で負ける事なんか分っているんだから、問題は「如何に負けるか?」なのよさ。

ハッキリ云えば、あたくしがプロレスラーを最も評価するのは、其の「負け方」なんですよ。どっちかが負けなきゃ下手すりゃいつまでも終んないんだし、基本的に其れは決まっているわけじゃん。だからって、かつての「全女」みたいにガチでピンフォール合戦なんかやらかされても困っちゃうのよさ。ガチってさ、退屈なんだもん。僕らは「アマレス」が観たいんじゃないのよさ。「プロレス」が好きで観に来てるのよさ。説得力充分の必殺技を敢えて受けて負けるレスラーの「負けの美学」を求めているのだよ。猪木の負け方なんて、いつもいつだって予想を超えてて、やっぱり凄かったぞ。猪木の凄さは「負け役」もいざとなったらやれた事なのよさ。しかも、負けても光るのは猪木だったのですよ。其れは「社長」だったから出来たんじゃないの。そんな猪木だから「社長」だったんですよ。藤原組長だって前座時代は負け続けたけど「フジワラは強いナァ」って思ったもんですよ。世代抗争時代に何故か「顔が老けているから」って理由で猪木側の「ナウ・リーダー」に入って本来なら同世代の当時「ニュウ・リーダー」の長州とシングルで闘い、リキ・ラリアットを真っ向から受けて場外に吹っ飛んで負けた時の組長は最高でした。本人も大満足してて「いやぁ、何やっても、地味な関節技とかの返しでも、お客さんが湧いて受けるんだから最高だよ。此の俺がメインで天下の長州力とやって、お客さんが喜んでくれて、レスラー冥利に尽きるね。社長(猪木)に感謝します。」と云いました。

そんな藤原が負けて土下座し、猪木も正座し、お互いに泣き崩れ抱き合った「最後のシングル戦」は、未だに涙無くしては観れません。藤原は、最後に猪木を泣かせて勝ったのです。どんなに頑張っても生涯、藤原は試合では猪木には勝てません。でも、師・猪木を泣かせたのです。猪木を泣かせ抱き合えるのは、藤原しかいなかった。観衆の面前で其れをやれるのは、藤原しかいなかったのです。そして、其れを藤原はやり遂げました。其れを見届け、更には佐山ことタイガーキングとの「切な過ぎる遅過ぎたシングル戦」をも生で観てしまって、ようやく現役の猪木と決別出来ました。ルスカ、ウイリー、ベイダー等とも再戦してくれて、更にはゴルドーとまでやらかしてくれたのです。あたくしは「ゴルドーの正拳」や「ベイダーの巨体による月面宙返り体落とし」を真っ正面から敢えて受けた「当時、五十路のアントニオ猪木」を観て、もう充分過ぎました。「もう分ったよっ!猪木」と叫びたかった。だから、最後の引退興行には行かなかったんです。「この上、小川もしくはドン・フライと闘って、何になるんだ?」って事です。確かに、猪木なら魅せてしまう。実際、TV観戦した引退興行は、最後の挨拶を完璧に暗記しちゃっている程に感動しました。ま、其の後も御存知の通り「猪木」は大活躍中ですけどね、、、おやおや、ついつい「猪木信者」だった本性が出てしまいますたね、げへへへへ(TAJIRI声で)

山ちゃんも「Uインター時代」は高田を守立てる「ナンバー2」って立場から、オブライトや北尾、そして当時は無名だった高山にまで負けて魅せた。だから「猪木、高田 vs 藤原、山崎」と云う奇想天外なタッグ・マッチを観る為に1996年の終わりに、わざわざ大阪へ行ったんだ。其の時、タッグで三本勝負とは云え、山崎一夫はハイキック一発でアントニオ猪木からフォールを奪ったのです。僕らは歓喜し「山ちゃーんっ!!」と絶叫した。「U系」で猪木からフォールを奪ったのは、佐山でも前田でも藤原でも木戸でも無く、ましてや「泣き虫:高田」で在るわけもなく(ヒクソンに高田が惨敗した時に、猪木は「プロレス界で一番弱い奴が出てしまった」と吐き捨てました)、其れは「山崎一夫だけ」です。此れは「歴史的な事実」なのだよ。別に、三本勝負を盛り上げる為に猪木組が一回は負けなければならないのなら、高田がやられれば済んだ。藤原のサブミッションでギブすりゃええだけの噺です。いや、山ちゃんが蹴り倒したかったのは高田の方だったはずです。なのに、猪木は敢えて「山ちゃんのキックで負けた」のです。アノ猪木が、其の道を選択したのです。己の冠イベント「突然卍固め」で、「山崎一夫のキックでなら、俺は負けるよ。こんな美味しい役を高田には渡さんぞ。お客さんも其れを最高に喜んでくれるはずだ」と考え「山崎一夫を認めた」のですよ。此れは、物凄い事なのです。そんな創始者・猪木の惨敗を観て来た「昭和プロレス者」には「現在の新日なら、真壁にこそベルトを!」と思えてなりません。ま、とりあえず「タナ以外なら誰でもええ」や。なんならかつてのライバル「HG」でも好いよ。たぶん「HG」の方が強いもん。

今後の物語としては「タナの復讐劇」なのでしょうが、「ワールドプロレスリング」のスタッフも解っているのではないでしょうか。完全に山ちゃんが主役のオープニングが、其れを示唆していました。短い30分の中継で「山ちゃん乱入場面だけが冒頭と本編でリピートされた」のです。こんな展開になったら、僕らが観たいのは「山ちゃん vs TAJIRI」です。かつてのライバルで盟友だった「高田総統」だって「エスペランサー」してたじゃん。確かに、山ちゃんは身体を壊して引退した。整体医院も解説業もコーチとしても順調で、無理して現役復帰なんてしなくたっていいんだ。でも、TAJIRI に向かって行った山ちゃんを見たら、僕らは期待しちゃうんだよ。もう、カラダは治ったんじゃまいか?いや、かつての様に闘える状態で無い事は分っています。でもさ、気迫だけで充分やれるんじゃないの?「ハッスル」なら、やれそうじゃん。血が騒いじゃったんじゃないの?本音は「タナハシ如きには任せて置けないっ!」だからこそ、上がっちゃったんでしょ?ねえ、ねえ、リングに入っちゃったんだからさぁ。未だやれるよ、山ちゃん。(ま、「ハッスル」も最早ハッスル出来なくなったから、TAJIRIも来たわけだが、、、)


PS.そしてあたくしの願いが叶って、真壁が表紙を飾った「週プロ」を、何年か振りに即買いしました。今夜のTVは必見ですね。むふふふふ(猪木声で)


(小島藺子)



posted by 栗 at 16:45| KINASAI | 更新情報をチェックする

2009年09月12日

「本物は猪木だ!」

花が咲こうと咲くまいと生きていることが花なんだ


片瀬イベント連発だっ!THE BEATLES リマスター祭りだっ!!と我が世の春な日々ですが、
元気でつかぁーっ!!!

え〜、先週と今週の二週に渡ってですね、「アメトーク」を録画したわけなんですけど、仕切った「神様」ことケンコバは偉いし、ラビちゃんの馬場さんは相変わらず似てたし、有田は本物の「プロレス者」だけど、、、ユリオカ超特Qのドラちゃん、似てたナァ。
そっくりだ。

でも、壱番面白かったのは「本物のアントニオ猪木」でした。今は亡き「週刊ファイト」で毎回亜米利加に帰る猪木の成田会見をそのまんま書き起こして居たんですけどね、何を話して居るのかサッパリ分んないんですよ。全然、インタビュアーの話なんか聴いてないんだもん。其れで自分で勝手に話してんだけど、話がドンドン違ってっちゃって、最後には「まあ、俺に訊かれても困るわけですよ」とか云い出すわけだ。

橋本が小川に惨敗した時、アナウンサーが何故か主役の橋本を蔑ろにして「猪木が泣いていますっ!」と絶叫し(ま、辻なんだけど、彼は長州が猪木に勝った試合でも同じ様に「猪木が泣いて居るっ!」と絶叫し、長州をポカ〜ンとさせ乍ら、後にチャッカリと「長州本」を出したりしたのよさ、、、)、インタビューで「猪木さんも泣かれて居たのですが、アノ涙の意味は?」と訊いたら、猪木曰く。

「まあ、何ですか、橋本が闘魂伝承と云うガウンを着てですね、其れはひとつの俺に対するメッセージなんでしょうけど、まあ、俺も此の歳になってね、一所懸命やってるし、まあ、みんな一所懸命やってる中で、橋本が闘いに踏み切ってくれたと言うかね、まあ、ひとつは、涙が出てしまいました。」

あの、すみませんけど、誰か通訳してくれませんか?


(小島藺子)


posted by 栗 at 16:56| KINASAI | 更新情報をチェックする

2009年12月31日

「哀しい知らせ」

お父さんのバックドロップ (集英社文庫)


「殺人医師」スティーブ・ウィリアムスさん死去(スポニチ 12/31)


癌に侵される前、もう10年以上前に戸田で三沢からバックドロップで勝った試合を観た。いや、ウィリアムスの試合は他にも沢山観たけど、全盛期の三沢を完璧に叩きのめした其の試合の印象が強烈です。当時、壱番好きな外国人レスラーでした。

慎んで御冥福をお祈り致します。


(小島藺子/鳴海ルナ/姫川未亜)



posted by 栗 at 13:17| KINASAI | 更新情報をチェックする

2010年04月04日

「スーパースター」

D&B トゥゲザー


深夜に放送されて居る「ワールドプロレスリング」を、あたくしは健気に今でも毎週録画して居ます。大抵は壱回観て消してしまうのだけど、今回は大好きな真壁が主役扱いだったので、残そうかナァなんて思って観てたわけですが、結局は真壁が準優勝で終っちゃうお話だったので消しました。

其れと云うのも、矢張り「アントニオ猪木」って稀代のスーパースターを、リアルタイムで観てしまったからなのでしょう。敵わないんですよ、猪木には。猪木が凄いのは、長嶋が凄いのとおんなじですからね。(何度か書きましたが、猪木と長嶋の誕生日は同じです)

先程、ナイナイの特番をやってて、ノムさんが長嶋を語るって辺りで「録画しときゃ好かった」と思ったのですが、「そー云えば、片瀬クン絡み(「TRICK」)でテレ朝をチェックしてたら、猪木を観た気がするナァ」と思い出して途中から録画したのです。

果たして「落ち」は猪木でした。岡村サンと猪木が「伝説のアリ戦」を実況解説ってスペシャルな企画でして、素晴らしかったです。だってさ、猪木は「出落ち」なんだもん。出て来ただけで笑えるんですよ。凄いパワーです。片瀬クンとおんなじですよっ。

猪木が面白過ぎる(アマゾン川に、いきなり飛び込むって早くも伝説化している映像も出ました)ので、弟子たちは大変ですよね。真壁が「監獄固め」を決めた場面には、大いに感動したあたくしですが、本家で元祖が健在なんだもの、、、

しかし「アリ戦」の評価が、こうして一般社会的にも認められる時代が来るなんて、1976年のあたくし(当時15才)は想像出来ませんでした。ハッキリ云いますけど、あたくしが観て来た格闘技戦(当然、最近の総合やK-1とかも含めて)で「おいおい、此れってガチじゃん!」と心底思ったのは「猪木 vs アリ」だけです。過去の自分に対して「イノキ、もっと突っ込めよ」と云ってのけた「2010年のアントニオ猪木」を観て、只只、呆れ返るしか在りませんでした。

「凄いナァ、やっぱり」(小鉄声で)


(小島藺子)


posted by 栗 at 21:31| KINASAI | 更新情報をチェックする

2010年07月07日

「ドルジ、大いに嗤う」

ドルジ―横綱・朝青龍の素顔


遂に、NHKが名古屋場所の生中継中止を発表しましたね。あたくしは、白鵬が「此の番付は貴重だね」と云い放ったのを見て、全く反省してないし危機感もないんじゃまいか?とは思いましたけど、こんな時だからこそ名古屋場所には期待しています。日本放送協会がダイジェストで逃げるなら、テレ東に生中継をしてもらいたいものですよ。サッカー中継だって、かつては東京12チャンネルでしかやってなかったじゃまいか。テレ東、やっちゃいなよ。

サッカーと云えば、東スポによれば長谷部選手とフジの本田アナが結婚目前らしいです。そんな情報を得ると、本田アナがドイツを推していたのも分り易いですね。片瀬クンが出てるからフジのサッカー番組を全部観ましたけど、カビラが「カタセさん、カタセさぁーん!」と喚きまくって、本田アナは全く目立たなかったんですよ。其れが最後の優勝予想で片瀬クンやツッチーがスペイン推しを理由付けて説明していたのに、いきなりだナァで何の理由付けもなく「あたしも、ドイツを応援していますっ!(ギラリン)」ですからね。余りにも唐突な自己主張に「何か在るな」と思わずにはおれませんでした。長谷部選手もフジにばっかゲスト出演していて、本当に分り易いですね。

お相撲さんに話を戻すと、今回の顛末をお相撲さんは「何で?」と思っているんじゃないのかしらん。先に挙げた白鵬の呑気なコメントに象徴される様に、何ら悪い事なんかやってないと思っているのでしょう。協会だって、天下の国技がこんな事態になるわけがないと高を括っていたと思われます。だって、竜虎の証言の様に「大昔からやってた」んだもん。「今更、何で?」って話なのですよ。元々、お相撲さんは何でも「ごっつぁんです!」なんですから、マトモな金銭感覚なんて無いでしょ。周りの大人がしっかりしてなきゃダメじゃん。ドルジを苛めて辞めさせた審議委員は、一体何をしていたのでしょうか。

「お相撲さんの事、もっとちゃんとみてあげて!」(杏子さん声で)

いたいけな貴乃花も、うっかり辞表なんか出しちゃってアタフタしてますけど、受理されてヤメちゃったら、ササキキちゃん初主演ドラマ「土俵ガール!」の監修はどーする気だったのでしょうか。大相撲界を揺るがす大事件が起きて居るのに、ニヤケてアイドルにお相撲指南してるんですから、呑気なもんですよ。「この夏、相撲がアツイ!」って、自分が火傷してたんじゃ洒落になんないっす。

あたくしは、何故、今この時に、ウブなお相撲さんが言い逃れの出来ない事で責められるのか?が気になります。「貴乃花を理事に推した連中が制裁された」との見方では、相撲界全体が危機に陥った説明にはなりませんね。本田アナがドイツを推したみたいに、絶対に「なるほどね」と思える理由があるはずですよ。あたくしは、其れが知りたいナァ。


(小島藺子)



posted by 栗 at 06:30| KINASAI | 更新情報をチェックする

2010年07月18日

「迷わず行ける迷宮」

アントニオ猪木全記録


ナンダカンダ云っても週に壱度の「ワールドプロレスリング」を録画視聴しているわけですが、今週はゴルフ中継で飛んじゃいました。あたくしが録画しているのは、片瀬クン関連番組以外では「ベストヒットUSA」と「ワールドプロレスリング」だけなのに、両方共ゴルフが録画されていて「しょぼ〜ん」ですよ。

其れで、DVDで大昔のプロレスを観ました。何度も観た試合ばかりなのですけど、此れが面白いのですよ。片瀬クンが推すからサッカー番組を沢山観ましたけど、日本戦のゴール・シーンとか「何度観ても好いですね」なんて云われても「もう、飽きた」としか思えませんでした。リアルタイムで観た時には「どっちが勝つのかしらん」と其れ也に興奮したのですけど、結果が分っている再放送とかダイジェストでは燃えられません。

プロレスってのは、予め結末が決まっているらしいのです。あたくしも子供の頃からマッチメイクを見て「あ、此れはこっちが勝つな」と予想して、十中八九的中します。かつて未だ全日時代に小橋と秋山がシングルで闘った試合を生観戦した時に、ま、当時は誰が考えても「小橋が勝つ」って消化試合みたいなもんだったのですけど、秋山ファンの男の子が大声で応援していて、始めは「アキヤマ!勝てるぞっ!!」とか威勢が良かったのですけど、30分一本勝負だったので20分過ぎたあたりで彼は「アキヤマ!あと10分、せめて引き分けっ!!」と絶叫して場内に失笑が起きたのです。試合は当然乍ら小橋が勝ちましたけど、あたくしは其の青年のピュアなハートは好きだな。

猪木と谷津がシングルで闘った試合を観たら、序盤から猪木は谷津を相手にせず反則パンチで場外に叩き落として置き乍ら、今度はなかなかリングに入らない谷津に怒り出したりと勝手気ままです。アリ戦の様に寝転んで挑発したり、谷津のスープレックスを受けまくったり、ほとんど一人で試合を作っています。中盤で谷津がアマレス仕込みのグラウンドで猪木をコントロールして、見栄えは悪いのですけど変型の卍固めの様な体勢で猪木を攻め込む場面があるのです。猪木はわざと耐えているのか、本当に外せないのか分りませんが、其の直後に所謂ひとつの猪木の「風車の理論」で、いきなりだナァと喧嘩殺法に転じた猪木が殴る蹴るの暴行で谷津をリング下に叩き落とします。

谷津はバッチリとカメラに映るトコで自分で額を切って、エプロンに上がると猪木は容赦なく谷津の額を鉄柱に打ち付けます。そこで解説の桜井サンが、おっとりとした口調で「谷津の額が切れたみたいですねぇ」と云うわけですよ。別に谷津は反則なんか全くやってなかったのですけど、猪木は額めがけて拳固で殴りまくります。実況のフルタチは「猪木の鉄拳制裁だっ!」と大興奮で、長州が乱入しようとするのも軽く受け流して「延髄斬り」を谷津に炸裂させるのですけど、右足で延髄、左足で額を蹴ると云うエグイ蹴りです。リング下で見守る当時の付き人「後藤達俊」の冷めた目線も好いですね。

此の試合は「正規軍vs維新軍 4対4 綱引きマッチ」って聞いただけではよく分んないカードでの出来事で、よーするにリング上にグチャグチャにされて隠された四本の綱を引いて対戦相手が決まるって試合です。ま、全部マッチメイクは決まってたんでしょう。「長州vs前田」と云うビッグマッチもあるのですけど、時は1983年ですのでアキラは健闘虚しく長州に負けちゃいます。でも、此れも何度観ても面白い試合なんですよ。試合序盤で桜井サンは「長州はね、勝って当たり前ですからね」と素晴らしい解説をぶちかまします。終盤で前田に少しだけ花を持たせた後は、バックドロップ→サソリ固め、自ら解いて、リキラリアット→サソリ固め、と長州がやりたい放題です。此の1983年に猪木も前田とIWGPリーグ戦でシングルを闘いましたけど、終盤で前田がラッシュするのを、猪木は長州よりもかなり多く受けて攻め込まれて魅せましたね。

さらに此の時は「ドラちゃんvsキラー・カーン」って美味しい試合もありました。全盛期の藤波の試合を観ると「相手を光らせるのが上手いナァ」と感心しますが、そんな藤波でも猪木との試合では逆に光らされてしまいました。ま、猪木は別格ですね。其れにしても「アルバトロス殺法」を仕掛ける為にトップロープに登ったキラー・カーンを「雪崩れ式ブレーンバスター」で逆に投げる時に、思いっきり藤波の背中を両手で支えているミスター高橋はヘボだナァ。

ピーターの大根役者振りは枚挙暇が無いのですけど、例の「長州顔面狙撃事件」もピーターが裁いているのよさ。前田が長州の顔面を背後から蹴った時に、ピーターは何をしていたのでしょう。久しぶりに観たら、長州が木戸にサソリ固めを掛けたのって自軍コーナーのすぐそばなのですよ。前田は、のんびりと反対側のコーナーから歩いて来るんです。普通ならレフェリーのピーターが止めますよね。ところが、何故かピーターは長州の顔を覗き込んでいて、全く前田が背後に来た事に気付いていません。そして前田が蹴った時に、ミスター高橋は顔を手で覆って逃げたのでした。完全なる職務怠慢です。


(小島藺子)


posted by 栗 at 14:08| KINASAI | 更新情報をチェックする

2010年07月19日

「解き明かせない解説」

ジャイアント馬場―王道十六文 (人間の記録)


DVDで観る「僕たちの好きだった革命」は、鴻上さんも語る様に実際の舞台の「20%」位しか伝えられません。然し乍ら、副音声での片瀬クンの解説が面白いので全く別の作品として楽しめます。片瀬クンは歌手時代にもほぼ全曲解説を自ら語っていて、そちらも自分を客観視した冷めた目線が優れものだと思います。

さて、此処から羽織を脱いでまたプロレスの話題に行くのですけど、ま、お好きな片だけ読んで頂戴。プロレスの解説は、プロレスマスコミ関係者が担当するのが通例で現在でも脈々と引き継がれています。そんな中で元レスラーの遠藤幸吉に滅茶苦茶な解説をやらせた猪木は、自分には絶対服従の鬼軍曹・山本小鉄を無理矢理引退させて解説者にしました。「もしも海外遠征で猪木さんがピストルで撃たれたなら、僕が盾になって守りますよ。当たり前の事です」とまで真顔で語る小鉄は、現役に未練を残し乍らも猪木の命令に従い引退し、レモンちゃんの通信教育で語りを学んで解説者になりました。

小鉄以降はレスラーや元レスラーが解説するのが受けて、現在でも山ちゃんが活躍しています。其れで、小鉄と山ちゃんの間に新日の解説を担当していたのがマサ斎藤です。レスラーは当然乍らプロレスの裏事情を知っていますので、如何に其れを隠し乍らレスラーならではの視点から語るのが魅力なのです。でも、米国生活が長かったからなのかマサさんにはそんなお約束は通用しません。

グレート・ムタを武藤、パワー・ウォリアーを健介と呼ぶのなんて序の口で、正体不明のマスクマンの「中のひと」も平気で明かしていました。ま、ライガーとかサムライとか日本人はみんな中身を知ってますけど、海外のマスクマンまで普通にバラします。例えば辻がブラックタイガーを褒めると、平然と「エディ(ゲレロ)はプロレス一家だからね」なんぞと云うわけですよ。猪木の事を「アントン」と呼び、死闘を演じた巌流島に関して雑誌の対談で武藤に「アレは大変だったでしょ?」と訊かれたら「全然、大変じゃないよ。武藤、お前もプロレスラーなんだから分るだろ」と云い放ったりしました。まさに「当たって砕けろ!ゴーフォーブロック」です。

そんなお茶目なマサ斎藤ですらシャッポを脱ぐのが「東洋の巨人・ジャイアント馬場」です。愛弟子ジャンボ鶴田が余裕ぶっこいて「オーッ!」と試合中に手を挙げると、すかさず「ジャンボは、此処で客に問おている場合じゃないんですよ」と苦言を呈するガチ解説が御馴染みですが、あたくしが好きなのは「長州vsキラー・カーン」での解説です。全日に上がった長州軍団が仲間割れしての大将戦みたいなアングルで、其れは全日で長州と手が合うのが天龍しかいなかったから生まれたストーリーだったと思います。

試合は「裏切り者のカーンを長州が制裁する」って筋書きですので、何故かペイントして登場したカーンは反則の限りを尽くして長州を追い込まなくてはいけません。小沢さんは「いいひと」でアンドレの足を折って有名になったのも、アンドレが前夜に呑み過ぎて自爆骨折したのを咄嗟の判断でアルバトロスで折った様に見せ掛けてアンドレのプライドを守ったなんて話もあります。それで、長州が優勢になりかけたら、場外から上がったカーンは紐で長州の首を締めるわけですよ。アナウンサーが「場外で拾ったのか?汚い事をしますね〜!」と絶叫すると、馬場さんが冷静に「用意してたんでしょ。あんなもんが都合よくリング下に落ちているわけがないんですよ」と解説したのです。ガチだワァ。

真偽不明ですが、多団体ではニワトリの血を仕込んだ血袋で流血ギミックをしていた悪役レスラーを呼びつけて、馬場さんが「困るナァ、ウチではそんなインチキはヤメてくれよ。此れからは自分で額を切ってくれ」と云った話も好きです。長州とタッグで対戦し、馬場がサソリ固めを掛けられまいと踏ん張った時の実況アナの「馬場の顔が、いつもの顔じゃないっ!」ってのもナイスでした。だったら、いつもどんな顔で闘ってるのよさ。


(小島藺子)


posted by 栗 at 02:25| KINASAI | 更新情報をチェックする

2010年07月21日

「乾かぬ舌の根」

激白〜長州力の30年 [DVD]


片瀬那奈ちゃんが出演している「マイティア」のCMはCG合成で、片瀬クンはブルーバックで宙吊りになって撮影しています。ネットで配信されているメイキング映像では、吊られておどけた動きをする可愛い「かたちん」の姿が観れますが、其処で「吊られた事はありますか?」と質問されると、片瀬クンは「釣りはした事がありますけど、吊られた事はあまりないですね」とオッサン乗りで応えております。

でも、ジョージアの「未来からの使者」篇で「銀色案山子星人」を演じた時も思いっきり吊られていましたので、スポンサーに気を使ったリップサービスなのでしょう。「いえ、こないだもジョージアのCMで吊られましたよ」なんて云ったらマズいですよ。かつて「クリオス」のCMをやっていた時にラジオ公録でファンから差し入れされたのに食べなかったのでナビゲーターに「片瀬サンも召し上がって下さいよ」と振られたら、莫迦正直に「あたし、甘いモノはあまり好きじゃないから」と生放送で発言した大失態を教訓としているのかもしれません。

さて片瀬クンは発言にブレが無いのも魅力で、その場しのぎのテキトーな発言はほとんど在りません。相手に気を使った曖昧な表現はありますが、信念は曲げません。まぁ、此処までが枕で本題はプロレス・ネタに突入します。過激な仕掛人・新間は「プロレスは還暦過ぎてもやれるんですよっ」と素晴らしい発言をぶちかましましたが、確かに鉄人・ルー・テーズは70才を過ぎてもリングに上がっていました。テリー・ファンクとか大仁田なんかは何度も引退して復帰しています。

レスラーの発言もかなり好い加減で、猪木が「こんなプロレスを続けていたら10年持つ選手生命が1年で終わってしまうかもしれない(キリッ」と云い放ったのは1974年ですが、引退したのは1998年です。四半世紀も持ってしまったじゃまいか。よくプロレスには筋書きがあると云われますけど、映画やドラマみたいにしっかりしたシナリオが在るとは到底思えません。あるレスラーが「試合にシナリオ?おいおい、そんなもんを俺たちが覚えられると思うか」と云ったのは真実でしょう。おそらく、勝ち負けは決まっていて、プロセスはアドリブだと思います。

初対決の相手とは事前にリハーサルをやる事もあるとピーター本にも書かれていましたけど、あたくしが観た試合で最もカラクリが剥き出しだったのは「北斗vs神取」の第一戦です。1993年に女子プロレスのオールスター戦で行われた名勝負で、三万円もする特リンで生観戦した時には感動しました。其れで高価なヴィデオを購入して再び観たら、北斗が場外で大流血する時に「マリン・ウルフ」のパートナーである「みなみ鈴香」が思いっきり北斗の額を切ってるじゃないのよさ。

いえ、流血ギミックは珍しい事じゃないので其れは好いとして、初対決でリハもしていなかったと思われる北斗は試合中に何度も神取に指示を出しているのです。例えば「掟破りの逆ノーザン」を神取が放つのは名場面ですが、其の直前に北斗は神取に「ノーザン行け」と耳打ちしています。他の展開も全て北斗が決めていて、リングサイドのマイクが其のやり取りを全部拾っているのです。ま、其れで幻滅したかと云えばそうではなくて、其の後も北斗と神取の試合はほとんど生観戦したんですけどね。

プロレスラーの発言が如何に好い加減なのかを思い知らされたのは、長州力のインタビューでした。確かデビュー20周年記念の総集編ヴィデオ「パワーホール」って箱モノだったと思います。デビューからの名勝負を収録して、間にインタビューが入ってるって作りで、寡黙な長州が結構上機嫌で語りまくるのです。新日と云えばカール・ゴッチの元へ修行に出されるのが通例でしたが「長州は一週間で逃げ出した」なんて噂がありました。其の真相を訊くわけですよ。

するとですね、長州は「逃げた?違うよ。俺にはゴッチさんのトコにいる意味が分らなかった。何も学ぶべきものがなかったんだよ。うん、俺はさ、ゴッチさんからは何ひとつ学んでないぞ」と云い放つんです。なるほど、アマレスで五輪に出た長州ですから、ゴッチイズムには染まらなかったと説得力もあります。ところが、続けてデビュー戦の話になります。長州の代名詞とも云うべき「サソリ固め」をデビュー戦で初披露して勝った試合です。インタビュアーが「此のサソリ固めはどうやって編み出したんですか?」と訊きます。長州は笑顔満開で「ん?アレはゴッチさんだよ。ゴッチさんに教わった」と平然と応えたのでした。おいおい、思いっきりゴッチから学んでるじゃまいかっ。


(小島藺子)


posted by 栗 at 13:08| KINASAI | 更新情報をチェックする

2010年07月22日

「ジャミング」

ブルーザー・ブロディ 私の、知的反逆児


「1985.4.18」と云えば「猪木vsブロディ 運命の対決」です。当時の新日は、前年の「UWF旗揚げ」と「ジャパン・プロレス離脱」で人材がスッカラカンになっておりました。それで起死回生で全日常連のトップ外人レスラーだったブルーザー・ブロディを引き抜いたのです。

ブロディは移籍直前のタッグマッチで対戦した長州に何もさせずに一方的に叩きのめして、挙げ句に試合放棄すると云う暴挙に出ます。そして、ベートーベンの「運命」に乗せてスーツ姿で猪木の前に現れたのでした。此処までの展開は、煽りとしては最高級です。

初対決を迎え、TV中継では入場前にブロディが猪木の控え室に乱入し左腕を殴打する場面が流れました。会場に詰めかけた観客は知らなかったでしょうけど、入場時に「イノキ・ボンバイエ」がフルコーラス流れる中でガウンも着ないで左腕に包帯を巻きまくった猪木が登場し、異変に気付くのです。ワクワクするね☆

片腕が使えない猪木は一方的に攻め込まれますが、所謂ひとつの「魔性の力」で必死に応戦します。ブロディは、必殺の卍固めを後方に倒れ込んで外してしまったり、延髄斬りも何発もくらわないと倒れなかったりと「最強外人レスラー」を大いにアピールしますが、猪木がブロディの右脚に攻撃し始めて変な事になります。プロレス者には御馴染みの「ブロディのカミソリ事件」です。タイツに隠し持っていたカミソリをブロディが何度も使って、在ろう事か自分の脚を切って居るのです。

額を切る流血ギミックには慣れていましたけど、自分で脚を切りまくるなんて初めて観ましたよ。試合は流血したブロディの脚を泣き乍ら蹴りまくる猪木が俄然優勢に転じますが、へっぽこミスター高橋は失神しちゃって、小鉄が放送席から飛び出して、両者場外乱戦となり、しっかりブロディは最後にパイルドライバーを猪木に炸裂させるものの、両者リングアウトになります。猪木はすぐに立ち上がってブロディの脚を蹴りまくり、逃げ惑い乍らブロディは退場するのでした。此の落ちは、決まっていたんでしょうね。

さて、此の試合をあたくしは200回位は観ていると思うのですけど、どこまでが決まっていた事なのかは分りません。試合前に猪木が襲われるのは、TVカメラが追いかけているので決まっていたのでしょう。其れに対してブロディが脚から流血ってのも、お約束だったのでしょう。解せないのは、終盤で猪木が泣き乍らブロディの脚を蹴りまくる場面です。完全にイッているとしか思えないのですよ。特に号泣し乍ら蹴ってロープ際まで追い詰めた時に、猪木が両腕を広げて咆哮するのが名場面なのですけど、演技を超えています。

頭が良くてプライドも高いブロディは、例えば猪木のバックドロップを受ける時にも自ら「さあ、投げてみなさいよ」とばかりにクルリと背を向けたりします。徹底的に猪木は小馬鹿にされていたのかもしれません。猪木とブロディは其の後も何度か闘いますが、完全決着はありませんでした。誰とでも其れ也の名勝負を展開出来る猪木でも、ブロディとは手が合わなかったと思えます。てか、ブロディって全盛期の馬場にそっくりなんだよね。


(小島藺子)


posted by 栗 at 19:00| KINASAI | 更新情報をチェックする

2010年08月08日

「新潟競馬まで二週間、未だ告知なしですよ」

アントニオ猪木デビュー50周年記念DVD-BOX (初回生産限定)


今年も「G1」が始まりましたね。「G1」と云ってもお馬さんではなくって、パンツ一丁の男子が真夏の頂点を目指すお祭りの方です。かつては両国国技館那奈連戦!なんてトンデモなバブリー過ぎる企画まで成功させた新日本プロレスの切り札興行ですが、今大会は後楽園ホールで二回も開催すると云う嬉しいのか哀しいのかよく分んない状況になっております。まぁ、いまや後楽園ホールで興行を打てるだけでもプロレス団体としては珍しいって時代ですし、最後はキッチリと両国二連戦もやっちゃうのですから、流石は新日ですね。

三日目まで進んで、優勝候補の真壁(Aブロック)と中邑(Bブロック)が二連敗と波乱を演出しましたが、流石に三日目は勝ちました。Bブロックでは小島が二連勝で好調です。今回は両ブロック首位同士での決勝になるとの事で、兎に角リーグ戦で勝ち抜かないといけないわけです。Aブロックで太陽の天才児が「一勝一敗一分け」ってのが気になります。此の「一分け」が鍵を握りそうですね。Bブロックには外様の小島と潮崎がいて、どー考えてもどっちかが決勝に進む筋書きでしょうから、今宵の直接対決で勝った小島に分があると思えます。コジは全日をヤメてフリーになり、ノアにも参戦が決まっていますので箔が欲しいでしょうし、潮崎に星を返すストーリーも出来上がりましたね。ま、G1で外様は決勝までは行くけど優勝出来ないって事にはなってますけど、コジは元・新日だから分りません。永田さんのラーメン修行とか、中西の階段稽古とかは、もうすっかり始めから投げっ放しのお笑い担当みたいでした。特に永田さんは、一体何を考えているのでしょうか。「ラーメン作って新弟子時代を思い出せた!」って、アノ、本気じゃないですよね?

さて、今年は猪木のデビュー50周年って事で、20枚組の箱が出るそうです。10万円以上もする高額商品ですけど、密林ちゃんだと「那奈万那奈千那奈百円」だってさ。猪木全集では満足出来なかったので、迷わず買いたいところなのですが、どーも内容がよく分りません。正直「徹子の部屋」とかいらないですし、「巌流島決戦を史上初!ノーカットで収録!!」とか謳われても、ダイジェストでも退屈だったので見る前からげんなりします。普通に試合を沢山ノーカットで収録して頂ければ好いだけなんですけどね。発売は12月なので、暫く検討します。


(小島藺子)


posted by 栗 at 23:34| KINASAI | 更新情報をチェックする