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2007年01月11日

「ぎゃふん」

【文藝春秋デラックス】日本の笑いマンガ1000年史 1975年9月号 No.17 [雑誌]


新日ドーム大会が、今年も開催されただけでも喜ぶべきなんだろう。闘魂三銃士の「夢」を見せるエンタメ興行だったのか?闘魂三銃士って何時の噺なんだっけ?小島のラリアットは良かった。天山は、、、其のメインで、蝶野と武藤が、橋本の技を出して勝つ。今が200那奈年ってのは、嘘なんだろ?

最後に大画面に橋本が映って「爆勝宣言」が鳴り響いたんだけど、其れって、今更だけど決まってたんでしょ?「ぎゃふん」ってひっくり返る落ちは、あんなにも盛大に決定してるのは、別にええんだ。問題は其処までの過程なんだけど、小島が強くなってるなってこと位しか、収穫なしだったなぁ。

其れでも、あたくしは、プロレスを観てしまうんだよ。

だってさ、


未亜:つまんなかったです。だって、土俵が違うんだもん。勝負論が無いですよ。

イコ:サクが噛ませ犬にされたってのは、本人も納得してるんだと思うんだけどさ。もう純粋な勝負論が通じなくなってるんだよね。どっちが勝つのかは、お互いの力量よりもルール次第。もっと云えば、、、

未亜:姐御っ!駄目でつよ、其れ以上は。(「COPY CONTROL」2007年01月02日より)



あたくしが途中で云うのを止めても、世間は放って置かないわけだよ。「桜庭VS秋山疑惑?試合 レフリーのブログ大炎上」(1月05日 J-CASTニュース)だの、「すっごい滑るよ!」(まとめwiki)って「大騒ぎ小鉄で、祭りだ、祭りだ、わしょーいっ!」なのよさ。ま、ウチとしては「西豪寺エレナ様物語」を復活させれば、許すが。六ちゃん、どーだい?ん?よくわかんないっすか?つまりですね「アカネ」と「松子」(ついでに「ケータイ刑事」も入れとく?)を制作した「ドリマックスちゃん&TBSちゃん」は、『K-1プレミアム2006 格闘技史上最大の祭典 Dynamite!!』もやってるわけよ。

エレナ様を志半ばでバッサリと切って、サクの抗議を無視した責任のすべてが、其処に在るなんて理不尽なこたぁ云いません。只、おんなじ処が関わって居たって事実だけを、云って居るのみです。

で、うやむやにしようとするから、どんどん事が大きくなっていく典型的なパターンですねぇ。FEG公式サイトでのアンケート「2006年最後のMVPは誰?」は、投票総数39万3千を超えて居る時点で、

首位:桜庭和志選手 22万4千票強(全体の57%強が投票)
最下位:秋山ナントカさん 3254票(0.8%)

桜庭は二位のランディの10倍もの支持を得て、完全勝利目前。片や、秋山は、マケボノよりも金子よりもボビーよりも下、他の誰も寄せ付けない強さでぶっちぎりのビリです。ベストバウトでは「秋山 VS 桜庭」が文句なしの最下位を独走中ですよ。

デイリー以外のスポーツ紙やテレビ局が黙殺する中、ネットの記事までも圧力で削除を繰り返しても、いくら「騒いでいるのは、2ちゃんねるだけ」なんぞとほざいても、もう無駄です。正義と真実の「東京スポーツ」が、一面で「帝王・高山」の的確過ぎる検証を掲載しましたよ。此の「疑惑の試合」を、あたくしはリアルタイムでは次の様に見ました。あくまでも私見です。

「タイガーマスクを被った下柳と桜庭が入場、清原と柔道着姿の秋山、そして多くの柔道着姿のガキが土下座して入場。秋山、道着のままボディーチェックを受けてから、何故か脱ぐ。右グローブ側面でのバックハンドブローなど打撃で挑む秋山をかわし、桜庭、何度もタックルに行くが何故か秋山の脚がスルリと抜けてしまい、故意ではないが秋山の金的に蹴りを入れ、中断中レフェリーに何か云う。いよいよ異変に気付き大きくタイムを要求するが、何故かレフェリーは無視、其の隙に秋山が殴り掛かる。打ち合いで桜庭倒れて一方的に殴られながらも脚を狙うが何故か取れず、正面からではなく何故か右グローブ側面を叩き付け続ける秋山に構わずレフェリーに「すべる!」「おい、すべるよ」「反則だ」などとTV音声でもはっきり聴き取れる抗議をつづけるが、レフェリーは莫迦の一つ覚えの様に「アクション!」を繰り返し、セコンドやガキどもが「おい!おい!おい!」と囃し立てるのに合わせて秋山は片手で妙なパウンドを続行。桜庭流血しながらも「すべるって、おい、アクションじゃねーよ」と叫ぶがレフェリーは完全にシカト。何故かレフェリーは試合を止めず、本部席がゴングを鳴らし、秋山のTKO勝ちになるが、桜庭は激高し「すべるって、反則だろ、体全部すべる、ストップ?なんで?」と抗議を止めない。レフェリー、何故か秋山の背中を手袋をしたまま一寸触って「何もない」のアピール。秋山、さっさとグローブから何かを外し道着を何故か下からさっさとはく。」

其の後、録画を再度観ると、「秋山の右グローブにはスポンサー・ロゴがなく、何故か桜庭を殴っていた部分が奇妙なカタチに膨らんでいた」り、「秋山のセコンドが何故か桜庭がタックルにいくと『すべらせろ!』『ほら、すべるぞ!』などと声を出していた」り、まぁ色々とあるわけですけど、高山が電話した時にサクが云った此の言葉が、あたしには、すべてです。

「正々堂々とやって負けたならいいが、許せない」

まさか、プロレスラーにこんなことを云われる格闘家が出てくるとはなぁ。秋山よ、あんたはすぎょいよ。100年に一人のスーパー・ヒールとして、頑張って下さい。まだ名前もちゃんと覚えてないけど、これからも応援しますね。

そして、結論が出ますた。

「秋山は反則行為で失格、秋山vs桜庭はノーコンテストに=Dynamite!! 」(1/11 スポーツナビ)

「(前略)秋山は全身にスキンクリームを塗っていた。(中略)秋山本人が姿を見せ、今回の件について謝罪。「何の弁明の余地もありません。桜庭選手、申し訳ありませんでした。どんな処分も受けるつもりでいました」と頭を下げた。また桜庭に対しては謝罪の意を表明した上で、「笑ってまたリング上で向かい合うことができたら」と話した。
 さらに桜庭からのコメントも発表された。裁定に関しては「こちらは正々堂々と試合に臨んでいるのに、このような結果になったことに対しての今回の処分内容に関しては納得しておりません」、秋山に対しては「イベント関係者、清原選手、一緒に入場した子どもたち、ファンの方に対して、謝って済む問題ではないけれど、謝ってほしい。ボクはリングに立つときは正々堂々とやりたい。ただそれだけです」というものだった。」


「サクは漢だ。秋山オワタ。」

そして「秋山成勲(やっと名前を覚えました。)問題」は、中途半端に終わった。

結局、彼は反則を犯して居て、「失格」「ファイトマネー全額没収」となり、「桜庭 VS ヌル山」は「ノーコンテスト」になったそうです。審判団も処分されるとのこと。でも、桜庭本人は勿論、ファンも納得していませんよ。「K-1 疑惑の試合 不透明すぎる決着」(1月11日 J-CASTニュース)を読んでも分る通り、こーゆー中途半端な解決を、最も嫌うのが「2ちゃんねらー」です。谷川将軍さまは、どーせターザン山本に何か云われて「じゃあ、一応、秋ちゃんの非を認めて火消ししますよ」と思ったんだろ?お莫迦さんだなぁ。ターザンなんぞに「2ちゃんねらー」が理解出来てるとでも思ってたのかい?おめでたすぎるんだよ。

ターザンは「ネット住民の力を認めろ」と、さも自分が「2ちゃんねらー」を理解し、味方であることをアピールしていますけど、そんな風に好意的に擦り寄られることこそが胡散臭くって堪らないだよね。大体、「2ちゃんねらー」なんて実体はないんだぞ。全員が何処の誰かも知らないし、年齢も性別も思想も何もかんもてんでバラバラなんだよ。おんなじ方向を向いて行動してるんじゃないの。只、嘘っぱちが嫌いなだけだよ。

「こんなんで納得できると思うなよ」たぶん、共通するのは此れだけだ。秋山の格闘家生命はもう完全に終わったけど、此の問題は此れからが本番だぞ。あたくし個人の気持ちは、「桜庭は、二度と秋山に関わらないで欲しいな」ってことくらい。そんなこたぁ云わなくとも、サクは再戦なんかやらないと思うけどね。で、もう秋山や梅木「個人」が悪いって噺じゃなくなっちゃったよ。本当に、いよいよ、すべてが崩れていくんだなぁ。

猪木、何か面白いこと云ってくれ。頼まなくとも云いそうなんで困っちゃうナ。

あ、ゴメン。もう猪木なんかよりも面白いことを云ってくれちゃってた片が居ますたね。
以下、2007年1月1日(月)大阪府内のホテルでの一夜明け会見を伝える記事より、在りし日の大スターの素晴らしい発言を、どーぞ。

 桜庭が「秋山の体に何か油が塗ってある」と猛抗議し物議をかもしていることで、桜庭との再戦の可能性もある。しかし、「リマッチは考えていない。抗議されても、それをネタにまた試合をするのはおかしい」と一刀両断しながら、「桜庭選手への憧れの気持ちは変らないので、また闘う機会があれば胸を借りるつもりで頑張ります」と秋山は意気込んだ。

 試合中の桜庭の訴えについては「選手から『タイム!』と言われて止める試合はないでしょ。全く聞こえなかったですし、あの場面で興奮している人間を止められないですよ」と、勝利に向け必死だったことを語る。

(GBRニュース 【K-1】秋山、桜庭との再戦を拒否!? 「抗議をネタに試合するのはおかしい」2007/01/03 より、引用。)



あ〜あ、もはや、川に落ちたワンちゃんだな。。。自業自得だけど。


(小島藺子)

初出「COPY CONTROL」2007-1-5〜2007-1-11


原題:「ぎゃふん」(1/5)
   「Slippin' and Slidin'」(1/9)
   「プロレスラーがプロレスもどきに負けた日」(1/10)
   「崩壊の前日」(1/11)


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2007年07月30日

「神様、ありがとう」

流智美 Presents プロレスの神様 カール・ゴッチ その真実と真髄 [DVD]


「プロレスの神様:カール・ゴッチ」が死んだ。最近は、朝スポーツ新聞を買わないので、昼過ぎ仕事の合間にネットで知りました。思わず「えっ。」と絶句。

矢も楯もたまらず、格闘技好きの同僚の席へ行き「ゴッチが死んじゃった」と云うと、「ええ、今朝のTVでやってました。西村、号泣って。」と返された。流石、現役の「プロレス者」は違うナァ。

「ファイト」が休刊して以来、益々、現在の格闘技界の動きへの興味は薄れた。けれど、やはりあたしは「プロレス者」だ。ゴッチがいなければ、猪木もドラちゃんも長州も佐山も組長も木戸サンもアキラも高田も山ちゃんも船木もみのるもetc、な〜んも始まってないのだ。

あたくしの関節技の師匠は藤原組長です。だから、ゴッチの孫弟子なんですよ。ありがとう、神様!安らかにお眠り下さい。「ゴッチ vs 猪木」の DVD 買おうっと。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2008年04月03日

「ダァーッ!!」

風車の如く―アントニオ猪木の人生相談


昨日あにいにもらったDVDは三枚組で360分もあるのに、あたくしは一気に全部観てしまいました。新日とUがやっていた時代、もう20年も前の試合だけど、面白くって面白くって観るのを止めることが出来ませんでした。でも、やっぱり猪木が絡んだ試合は別格でした。兎に角、掛け値無しに面白い!其れで、全部観終わっちゃったんですけど、本日、遂に例の箱が届いたのでした。

そうです、
「アントニオ猪木全集」 (5000セット限定)
がやって来たのですよ。

此れはね、13枚組で収録時間が「2774分」です。えっと、46時間を超えてますです。版権問題で収録出来なかった馬場さん絡みの試合とアリ戦以外の主要な試合がほとんど全てノーカットで収録されているのですよ。一生モンのお宝です。

あたくしは、スティーヴィーとゴジラを買う前に、真っ先に此れを注文したのです。普通の女の子は、確かにドラゴンやタイガーマスクや長州や前田や高田とかが好きでした。でも、あたくしは猪木信者なのです。猪木は、面白いんだよ。


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)



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2008年04月04日

「猪木最強伝説」

底なし沼 活字プロレスの哲人 井上義啓・一周忌追善本 (kamipro books)


あたくしが初めてヴィデオデッキを買ったのは1985年3月です。そう聞いて「ピン!」と来る片は、あたくしの同志でしょう。そうです、正に其の時、超獣:ブルーザー・ブロディがスーツ姿で、ベートーヴェンの「運命」に乗ってアントニオ猪木の前に対峙したのでした。あたくしは来るべき二人の闘いをヴィデオに収める為にヴィデオを買ったのです。

其れから猪木が引退する1998年までの主要な試合はすべて録画しました。「プロレス・アンコール」などで其れ以前の試合もフォローしました。1992年から1997年頃は、年間に軽く50興行は生観戦していました。もしかしたら、音楽のライヴよりもプロレス観戦の方が多いかもしれません。新日だけではなく、全日もU系も女子プロもインディーズも全部観ていました。週刊ファイトと週刊プロレスと東京スポーツは必ず買って、大きな事件が起これば週刊ゴングも買ったのです。レスラーの自伝も、暴露本もなんでもかんでも読みました。そうです、あたくしは筋金入りの「プロレス者」なのです。

総合格闘技が壱時期ブームになったけれど、世間が大騒ぎするずっと前からあたくしたちは「ヴァーリトゥード」を研究していました。桜庭が未だプロレスをやっている時から応援していました。ヒクソンもホイスも、わざわざ海外からヴィデオを入手して観ていました。「K-1」だって最初の代々木体育館でやった時から観ていたのですよ。

そんなあたくしの結論が「猪木最強」です。何度も鑑賞に耐え得る、正に「格闘芸術」が「猪木プロレス」には確かに在ります。かつて後楽園ホールでの藤原組の興行で猪木が石川とスパーリングをしました。間近で観る猪木のスパーリング!其の流れる様な動きに心底シビレました。美しかった!諸君、プロレスは綺麗なんだよ。

ところで「アントニオ猪木全集」は最初から順番に観ているのですけど、日プロ時代や新日初期のTV解説をやっている「イテテの遠藤」こと遠藤幸吉が面白過ぎるっ!

 アナ「どーですか、遠藤サン、今の攻撃はっ」

 幸吉「いやあ、クラップはもうね、基地外みたいになってますよっ!

 アナ&桜井「(無言)」



初出「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)



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「誰の挑戦でも受ける」

自伝大木金太郎 伝説のパッチギ王


あたくしがレーザー・ディスク・プレイヤーを購入したのは1995年で、最初に買ったソフトは「猪木のボックスセット」でした。

猪木自身が全盛期はアリ戦の頃(1976年)と語る様に、1970年代の猪木は本当に強いです。そして、其れは対戦相手が外人にしろ大物日本人選手にしろ、猪木と同格か格上(師匠)だったからこそ盛り上がったのです。

外人に関して云えば、ハンセンあたりからは猪木が育てなければならなかった。其の後の藤波、長州、藤原、前田などは全部、弟子です。ゆえに、過去の焼き直しが随所に見られる様になって行きます。

例えば、最初の「藤原戦」なんかは、丸っきり「大木戦」の焼き直しです。「藤波戦」で使った「鎌固め」は、新日の旗揚げ戦でゴッチに決めた技でした。弟子たちと名勝負を繰り広げる猪木は、切なかったっ!

ストロング小林や大木金太郎と闘う猪木は、生き生きとしています。特に感動的なのが、大木戦です。大木金太郎は猪木のデビュー戦の相手でした。其の大木の「原爆頭突き(なんちゅう技だっ、しかも大木は原爆をデザインしたガウンを着て入場したのだよ!)」を真っ向から受け続け、流血し、起死回生の「反則パンチ」で攻勢に出てバックドロップでフォールした後、猪木と大木が抱き合い号泣するのです。

あのな、あたくしは此れを「八百長」だなんて云えないぞ。こんな感動的な試合はないんだよ。あたくしが、全面的に保障しようじゃまいか。

「プロレスは、真剣勝負です」


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)



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2008年04月06日

「金曜日の午後八時」

空手バカ一代 (7) (講談社漫画文庫)


今月は、公式発表では未だ片瀬クンのTV出演番組がひとつしかないです。あたくしは片瀬クン以外では、ケガレシア様(最近、此処の検索語句で一番人気は此れです)と「ベストヒットUSA」とプロレスとセクスィー部長くらいしか録画予約しておりません。ゆえに、必然的に♪ウチのTVは猪木だけ♪(デヴィッド・ボウイ声で)になっています。

昨晩から今朝に掛けては、客人が来ていたからレコードもかけたりしたのですが、一人に戻ったら早速「アントニオ猪木全集」に GET BACK です。針を落としてないレコードが35枚位在ります。莫迦か、自分、、、でもね、猪木の試合が其れだけ面白いのですよ。

日プロ時代からリアルタイムでお茶の間で観ていたし、1985年からはヴィデオにも録画し、レーザーディスク箱も持っていました。生観戦した試合も多いです。つまり、此の2774分で未見の試合など全く無いと云っても過言では在りません。其れも、繰り返し何度も観たのです。結果も過程も全部記憶していて、猪木の試合後のインタビューなんか全部マネ出来る程です。嗚呼、其れなのにまた観なければいられないっ!

今は肆巻目の「異種格闘技戦」を観ています。此のDVDは試合のテーマごとに編集されているのです。其れは其れで面白い。されど、猪木の凄いところはだ、大物外国人との試合も、大物日本人との試合も、異種格闘技戦も、弟子たちとの試合も、未知なる強豪との試合も、すべて同時進行で行っていたことなのです。

此のDVDを全部観終わったなら、今度は年代順に組み替えて観てみようと思っています。実況を聴いていると分るのですが、例えばザ・モンスターマンとの異種格闘技戦の二ヶ月前にはアンドレとシングルで闘い、前週にはシンと、翌月にはハンセンと闘っているのですよっ!凄過ぎる。やはり、猪木は最強です。


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)



posted by 栗 at 19:54| KINASAI | 更新情報をチェックする

「遅れて来たプロレス者」

私、プロレスの味方です (新風舎文庫)


僕が初めてプロレスを生観戦したのは1984年で、既に23歳でした。小学生の頃には家でも日本プロレス中継を見せてもらえました。だから、馬場が初めてコブラツイストを使った試合も、其の翌週に猪木が卍固めを初公開した場面も観ました。田舎だったので新日の初期は放映してなかったけれど、アリ戦は土曜日の昼間にスライド放映していて、家族が誰もいなかったのでひとりで観ました。ある時から、急に父親が「プロレスは八百長だ」と云い出して、見せてもらえなくなっていたのです。

でも、僕が本当に「プロレス者」に変貌したのは、二十歳を超えた頃です。そうです、其の通りです。村松友視さんの名著「私、プロレスの味方です」を読んでしまったのでした。其れで「週刊ファイト」と「東京スポーツ」を定期購読する様になりました。つまり、僕は最初から「プロレスとは他の格闘技とは違う」と認識した上でハマったのです。

最初に生観戦した時、猪木・藤波 組は「MSGタッグリーグ戦」公式戦に出場しました。相手はアンドレと弱い外人(覚えてない)でした。どー考えても猪木組が格好良く弱い外人をフォールすると期待していました。なのに、猪木は負けた。なな、なんと、アンドレが一度も弱い相棒にタッチせず、最初からひとりで闘い続け、ドラちゃんをフォールしちゃったのですよ。二回目も六人タッグで、稲妻ケンゴがマードックに負けて猪木組は敗退しました。挙げ句に三度目の生観戦では、藤波が飛竜原爆固めで猪木から初フォールを奪うと云う衝撃的な幕切れだったのです。

結局、東北在住時代に二十代で生観戦した猪木は、全部負けたのです。社長でチャンピオンなのに、無様に負け続けたのです。

「猪木が勝ってダーッ!をやる場面を生で観たいっ!!」

きっと、僕が上京したモチベーションで最も大きかったのは、その想いだったと思います。


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (姫川未亜/小島藺子)



posted by 栗 at 21:31| KINASAI | 更新情報をチェックする

2008年04月07日

「ストロング・スタイル」

ブルーザー・ブロディ私の、知的反逆児


僕がマトモに師事して学んだ音楽は「声楽」だけです。つまり、楽器は全部、独学なんです。小2の時にチラシを見て、ピアノを習わせて欲しいと父親にお願いしたのだけれど、何故か叶いませんでした。ま、よーするにピアノなんか買えない家庭環境だったわけですよ。其れで、小3の時に「少年少女合唱団」に入りたいと云ったら、すぐに入団手続きをしてもらえたのです。歌うのはタダだもんね。

だから、僕は本格的に先生に付いて声楽を学んだわけです。完全なるクラシックでした。音楽はクラシックだと思っていました。レコードを買うなら「最初はシューベルトの歌唱集がいいナァ」なんて考えていて、父親に話したら喜んでました。父は歌謡曲が大嫌いでした。ま、こっそり聴いてたんだけどさ。其れでも、とてもじゃないけどレコードを買う様なもんじゃないって思っていました。男子で声楽を本格的にやっているなんて、田舎の小学校では全校で一人きりだったので、音楽の女性教師には赤ら様に贔屓されていました。其れでイジメられたりもしたけれど、僕は音楽が大好きだったから平気だったよ。

嗚呼、其れなのに、中学校に入って THE BEATLES を聴いてしまったのです。ロックの虜になっちゃったのです。もう、クラシック音楽なんて聴いてらんないし、合唱団も辞めてギターを独学で始めました。其の後の展開は、アノ時代では、よくある噺です。

そんな僕がふたたびクラシックに興味を持ったのは、プロレス者になったからでした。ブルーザー・ブロディがベートーヴェンの「運命」と共に新日に登場したり、藤原がワルキューレで入場したりしたからこそ、僕のレコード・ライブラリーには其れらが加わったのでした。


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (姫川未亜/小島藺子)



posted by 栗 at 00:01| KINASAI | 更新情報をチェックする

「燃える闘魂」

魂のラリアット


13枚組の「アントニオ猪木全集」の中でもハイライトと云えるのが、那奈巻目の「ライバルとの死闘 其ノ壱」です。此れには、インドの狂虎:タイガー・ジェット・シン、不枕艦:スタン・ハンセン、そして、超獣:ブルーザー・ブロディとの死闘が11試合、4時間超ノーカットで収録されて居ます。すべての試合が面白い!昨晩観た最新の「ノア中継」の10万光年倍素晴らしい。

特に、猪木が闘う事によって育てあげたと云えるハンセンとの4試合が最高です。ブルーノ・サンマルチノの首の骨を折ったとの伝説で、強過ぎて海外マットを追放されたとの触れ込みでハンセンは新日に上がりました。事実は「サンマルチノがカツラが取れそうになったので、其れを気にしてたところにラリアットをモロに喰らって負けたらしい」ってのもネタで、単にハンセンが下手でボディスラムをかけそこねて、北斗の「ノーザンライト・ボム」みたいなカタチになる事故が起こったらしいです。ハンセンは大スターを自分の未熟さで大怪我させて引退まで考えたものの、王者・サンマルチノが「ボーイ、おまえは悪くない!」と庇ったって泣ける話なのよさ。ハンセンは、最初は馬力が在るだけの木偶の坊です。其れが、猪木とのNWF戦を重ねて行く内に、当時のトップ外人だったシンをも凌駕する存在になっていきます。

どの選手との試合でも云えるのですが、猪木には同じパターンの其れが無いのです。全部違う展開と結果が待っています。ハンセンのウエスタン・ラリアットをマトモに受けて、場外に吹っ飛びベルトを失う試合の次には、其のラリアットを間一髪でかわしコーナー最上段から場外のハンセンの首を狙ってニードロップ!続けてブレーンバスターでフォールします。さらには、ラリアットをクロスカウンターぎみに同士討ちに持ち込み逆さ押さえ込みで勝利するのです。当時の観客も熱い!猪木が勝利するとリングサイドまで被り付きで雪崩れ込んで来ます。リングに上がろうとして永源サンや藤原組長にぶん殴られるガキもいます。怒り狂ったハンセンのとばっちりを受けて殴り倒されるのは、セコンドの前田です。長州がパンチパーマでリングサイドにいます。面白い!面白過ぎる!!

猪木こそが絶対エースでした。すべては猪木の出るメインエベントに繋がっていました。猪木は常勝チャンピオンではないのです。時には敗れてしまう。されど、主役は猪木なのです。負けても観客は猪木を観て、猪木コールをやめないのです。勝っても負けても、猪木は潔いからなのです。真っ向勝負を続けたからなんです。NWFなんてタイトルは、猪木が巻かなければ何の価値もないモノだったのです。ベルトの価値とは、巻いたレスラーが作り上げてゆくものなのです。

大物外国人レスラーとの死闘を演じられるのは、猪木だけでした。ハンセンとの最後の闘いで、お互いのコスチュームを賭けて闘い、猪木は勝利します。すると敗れたハンセンが右手を差し出し、両者は初めて握手するのです。素直に感動します。何度繰り返し観ても、泣ける名場面です。生きる勇気が湧いて来るのです。


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)



posted by 栗 at 12:59| KINASAI | 更新情報をチェックする

「一番」

WWE ハルク・ホーガン アルティメット・アンソロジー


猪木の歴史を観ていると、あらゆる「プロ格闘技」を始めたのは、アントニオ猪木であると断言出来ます。猪木はすべての元祖であり、本家でもあるのです。其れだけ猪木は多くの要素を持っています。沢山の弟子も育てましたが、結局は弟子は弟子でしかなかった。

藤波は「相手を光らせる技術」を、佐山は「アイドル性と先進的な格闘技への探究心」を、長州は「カリスマ性」を、藤原は「関節技」を、前田は「異種格闘技戦での格闘王」を、高田は「芸能人としての才能」を、橋本は「敗北の美学」を、小川は「キラー猪木」を、それぞれ受け継ぎました。他にも、武藤、蝶野、ライガー、船木、藤田、などなど多くの弟子が猪木から学びました。日本人だけではなく、ハンセンやホーガンなども、みんな「猪木チルドレン」なのです。

果たして、元祖で本家である「アントニオ猪木」は、其れらすべてを内包しているわけですよ。勝てません。永遠に敵いません。そして、其れは「総合格闘技が永遠にプロレスには敵わない」と云う結論にも行き着くのです。プロレスがなければ、U系も、K-1も、PRIDEも、なんもかんもが始まらなかった。アリ戦の後に贈られた「アリ・ボンバイエ」→「イノキ・ボンバイエ」での入場パフォーマンスですら、猪木が始めたのです。

若人に告ぐ。今こそ「猪木を見よっ」


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)



posted by 栗 at 22:00| KINASAI | 更新情報をチェックする

2008年04月08日

「猪木が悪い!」

大相撲タブー事件史 [別冊宝島1509] (別冊宝島 1509 ノンフィクション)


いやあ、参った。「アントニオ猪木全集9 闘魂浪漫〜伝説の戦い〜」がすぎょすぎる。八巻目は「ライバルとの死闘 其ノ弐」で、アンドレ、バックランド、ホーガンでした。当然、蔵前大暴動も入っていました。その次の九巻目、確かに「折ったどーっ!」のペールワン戦やグレート・アントニオ戦、ボック戦などの歴史的名勝負も収録されて居るのですが、、、なな、なんと大阪城ホール大暴動!のマサ斎藤戦と両国大暴動!!の長州戦+ベイダー戦もしっかりと収められているのです。ファンが不甲斐ない猪木に怒り、大暴動に発展した事件すらも「猪木の歴史」なのです。

猪木だからこそ、ファンは怒った。建物に火をつけ、椅子を壊し、会場を占拠したのです。1987年12月27日の両国大暴動の翌日の東京スポーツをあたくしは忘れない。その一面には大きくこう書いてありました。

「猪木が悪い!」

アノ東スポが、はっきりと断言したのです。猪木以外に暴動を誘発したレスラーなど、誰一人としていません。


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)



posted by 栗 at 07:23| KINASAI | 更新情報をチェックする

「未知の強豪」

グレート・ムタ/武藤敬司 PART.2


「猪木サンは箒を相手にしてもプロレスが出来る」と語ったのは現在は全日の社長になった武藤ちゃんです。相変わらず「アントニオ猪木全集」を観まくっていますが、此の10巻目「闘魂ロード〜未知の強豪達〜其ノ壱」を観る時、武藤ちゃんの発言は事実だと思えるのです。

本当に猪木は、誰が相手でも面白い試合にしてしまいます。中には「インフェルノ2号」なんてしょっぱいレスラーもいるのに、相手の良さを最大限に引き出したうえで倒すのです。シン、ハンセン、ブロディ、アンドレ、ホーガンなどの御馴染みの強豪相手では、試合時間も20分を超える熱戦になりますが、此の「闘魂ロード〜未知の強豪達」は、それぞれ16試合と17試合も収録されているわけでして、其れは、ほとんどが10分以内で決めてしまうモノばかりだからです。メインではなく、セミファイナルで行われた試合も多く収録されていて、在る意味、最も貴重なパートかもしれません。

実況アナも語る様に「猪木は、力のある相手には力で、技のある相手には技で対抗して来ました」なのです。猪木は完全なるオールラウンド・プレイヤーでした。そして、ミスター高橋が暴露本でいみじくも書いた様に「猪木さんは本当に強かった!」なんです。

其れにしてもだ、やはり遠藤幸吉の解説は面白いです。

(ブルート・バーナードが凶器攻撃をして)
アナ:遠藤さん!酷いことをしますねー、どーですか?
幸吉:いやぁ、こりゃ、たまりませんなぁ〜!


お茶、吹いた。10巻目のハイライトと云える20分を超える激闘の「パット・パターソン戦」は、大阪府立体育会館で行われました。リングサイド最前列のプレス席に、故・井上「週刊ファイト」編集長の姿が在ります。猪木の一挙一足を僅かでも見逃すまいと、ネットリとした眼差しで見つめております。頻繁に映り込むので、気になって試合に集中出来ませんよっ。


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)



posted by 栗 at 13:54| KINASAI | 更新情報をチェックする

「ひとり民族大移動!」

プロレス 金曜8時の黄金伝説


遠藤幸吉サンは、あたくしと同郷なので其の語り口に和んでしまうって部分も在ります。されど、猪木の実況と云えばフルタチです。そして、解説は小鉄と桜井サンです。此のトリオでの時代が、一番好きでした。特にフルタチは、決して「報道ステーション」でも「夜のヒットスタジオ」でも「F1中継」でもないのです。彼は、猪木の実況でブレイクしたのです。

フルタチが実況を卒業した時、猪木はゴッチから贈られた「格闘技世界一ベルト」をポ〜ンとあげちゃいました。弟子の藤波や長州たちは、口あんぐりです。「何で、たかが実況アナに栄光のベルトを、、、」って噺ですよ。

でもね、其れだけフルタチは猪木を愛した。其の愛に、猪木は応えたのです。「猪木が負けたら引退か?」と謳われた「1988・8・8 横浜」と、引退試合である「1998・4・4 東京ドーム」は、フルタチが実況しました。其れは「男と男の約束」だったのです。そうです、古舘伊知郎も「猪木チルドレン」なのです。

浪々とした桜井サンの解説も好いですね。彼は猪木を「猪木クン」と呼ぶんですよ。流石は「東スポ」でデビュー当時から猪木を観て来たベテラン・ジャーナリストです。

そして、なんと云っても素晴らしいのが、山本小鉄です。こないだ整体治療中に、小鉄のモノマネをしたら、先生が爆笑して手が止まってしまいました。そんなに面白いことを云ったわけじゃないんですよ。あたくしはこう云っただけです。

「藤波は、参ったは、してませんよ!」


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)



posted by 栗 at 19:38| KINASAI | 更新情報をチェックする

2008年04月10日

「まだだぁー!イノキ」

元気があれば何でもできる! (男のVシリーズ)


ついに「アントニオ猪木全集12 闘魂最終章」に辿り着きました。此の最終巻は「カウントダウン発表」から「引退」までの、こだわり編集になっているので、他の11巻が4時間収録されているのに、3時間超の収録になっています。此の頃の関東圏での試合は、ほとんど生観戦しています。其れで2774分、132試合をざっと観たわけですが、、、

「全然、足りないじゃん!」

なのです。例えば、1990年代の引退間近の試合なら、あたくしが生観戦したモノでも「猪木、高田 vs 藤原、山崎」や「猪木 vs 海賊男(正体は、たぶんカシン)」などの重要な試合が抜けています。どちらも「猪木祭り」の興行でしたが、日プロ時代まで収録出来たわけですから不可能ではないでしょう。

前者は三本勝負で、山ちゃんが猪木からハイキックでフォールを奪うと云う感動的なシーンが在りました。猪木からフォールを奪った弟子の日本人選手は「藤波」「長州」「天龍」そして「山崎一夫」の四人しかいません。其れだけ大変な偉業なのです。其れだけ、猪木は山ちゃんを認めていたわけですよ。(ま、その後「タッキー」も加わるわけだが。)

そして後者は、入場シーンで猪木も海賊男で登場する(実際に、最初に武藤ちゃんをフロリダで襲った初代海賊男の正体は猪木です!)と云う「どーってことねーや」イズム炸裂!の迷勝負だったのですが、試合後「熊殺し:ウイリー」が猪木に再戦を要求しにリングに登場したのです。其の時、猪木は「ヘイ!ウイリー、イフユウォントチャレンジミー、エニタイム、エニプレイス、アイウイルゲットイト!」と宣言したのです。よーするに「何時如何なる時にでも、誰の挑戦でも受ける」と云う猪木の名言を英語でウイリーに伝えたわけですよ。格好良かった。一緒に観に行った友達と「イノキ、カッコイー!」と同時に叫んでしまいました。

1980年代の試合でも、あたくしのヴィデオ・ライブラリーに在る試合で抜けているモノが沢山在ります。例えば、ブッチャー戦は収録された初戦よりも、完全決着となった徳島での試合の方が好かった。マサ斎藤戦も、大阪城大暴動の後の蔵前での「ノーロープ・マッチ」の方が絶対的に名勝負じゃないか。ラッシャー木村戦も一番重要な最後の闘い(猪木が木村に何もさせず、一方的に叩き潰した試合で、敗れた木村が「負けたぁーー!」と血だるまで絶叫するモノ)が入っていない!ハンセン、ホーガン、ブロディとの激闘でも収録されなかった試合が多過ぎます。

12巻、2774分、132試合を観ても、全く物足りない。巌流島でのマサ斎藤の様に叫ばなければいけません。

「まだだぁー!イノキ」


初出「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)



posted by 栗 at 08:13| KINASAI | 更新情報をチェックする

「プロレスは最強やっ!」

タイガーマスク (7) (講談社漫画文庫)


あたくしは、アントニオ猪木の引退試合に行かなかった。当然TV観戦はしたけれど、どうしても生観戦する気にはならなかったのです。当時の猪木の試合は、関東圏どころか大阪まで観に行ったのに、引退試合には行けなかった。猪木がテンカウントを聞く場面など、観たくなかったんです。

だから、あたくしが最後に生観戦した猪木の試合は引退の丁度一年前の「1997・4・12 東京ドーム」でした。其の時の「カウントダウン那奈(カウントダウンなのにドンドンと数がアップして行くのも「猪木イズム」です。)」は、結果的に最後のカウントダウンになった試合でした。其のカードとは、

「アントニオ猪木 vs タイガーキング」です。

そうです。「猪木 vs 初代タイガーマスク」です。「猪木 vs 佐山」です。正に夢のカードでした。当時は「今更、佐山でもないだろう」なんて気持ちもあったけど、今考えてみると、当時の佐山は未だ39歳だったのです。レスラーとしてはピークでした。師匠に敬意を表して体重もかなり絞り(自己申告93キロ)ちゃんと虎のマスクを被って全盛期と同じ華麗な動きで猪木に対峙しました。

「アントニオ猪木全集」を観て、不思議だったのは「落日の闘魂はみたくないっ!」と云われた1980年代中頃からのすべてヴィデオに収め生観戦もした試合ほど、何度も繰り返して観たくなったことです。特に最終巻の50代になってしまった猪木の試合が、切なく、愛おしく感じられて仕方がありません。

最後のベイダー戦(1996・1・4 東京ドーム)は、生観戦したのですが、ベイダーのボディプレスを受ける時の猪木が両手を握って待ち構えているのですよっ!凄い。あのベイダーの技を真っ向から受けているのですよっ!!

あたくしたち「プロレス者」は、一般人なんかよりも、ずっとずっと「プロレスの仕組み」を知っています。知っているからこそ、愛してやまないのです。カラクリが在っても、実際に技を受けているのは「生身の人間」なのですよ。間違ったら死んでしまうのですよ。実際に試合で亡くなったレスラーもいるのですよ。流す血は、本物なのですよ。みんな、耳がカリフラワーになっているのですよ。生半可な練習じゃないのですよ。

あたくしは、こんな過酷な競技を「八百長」だとか「ブック」だとか云ってせせら笑う輩とは、生涯、永遠に「ともだち」にはなれない。


「COPY CONTROL AGAIN」 (小島藺子)



posted by 栗 at 13:04| KINASAI | 更新情報をチェックする