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2005年04月23日

「炎のファイター」

私、プロレスの味方です (新風舎文庫)


プロレスを好きになったきっかけは「村松本」を読んだからだった。既に二十歳を超えていたんじゃないかな。だから当初からいわゆる「暗黙の了解」を意識して、あたくしは「プロレス者」になったので、わりと稀有な奴だと思う。プロレスは、他の競技と違って「結末が決まっている」らしく、其れを世間では「八百長」と云うらしい。

プロレス者になったあたくしは、TVを録画し何度も観たり、プロレス雑誌や新聞を愛読したり、毎週の様に後楽園ホールで観戦したりした。最近は全く行かなくなったけど、一時期は年間50興行くらい生観戦したので観ていない団体や東京近郊で行ってない会場はないと思う。で、知れば知るほど「裏側」が見えてしまうのだけど、実は其れこそが面白かったのだ。

立ち技世界一と謳う「K-1」や総合格闘技と謳う「PRIDE」が人気になって、プロレスは「もうだめぽ」だって時代になったけど、心あるプロレス者は理解しているはずだよね。プロレスが総合に負けたのではないんだよ。だって、総合もプロレスだからね。語弊があるとしたら、プロレスがなければ総合は存在しえなかった、と云う。確かに今の新日なんかバカバカしくて観ていられないけれど、其れは「八百長」だからではなく、単純に「つまらない」からだ。

桜庭が「プロレスラーはホントは強いんです」と云ってブレイクしたことを、あたくしは忘れない。彼は、今でもプロレスラーなんだよ。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年04月24日

「マッチョ・ドラゴン」

新日本事件簿 第二章 [DVD]


♪稲妻が闇を裂いてー俺を呼んでるー♪全国一千万のプロレス者のみなさん、こんばんは、ラッシャー木村です。此れまで、あたくしはプロレスに関することを敢えて「なるべく書かない」よーにしておりました。語り出すと収集がつかなくなってしまうことが解っていたからです。其れに、現在は以前よりもプロレスについて詳しいわけでもないし、所謂「昔話」になってしまうなぁ、と。でも、此処はもともと「昔話」ばっかじゃねーかと開き直ってですね、もうプロレスも語ろーじゃないかと、あたくしにとってはアレも「空想音楽」だからね。

木村健悟みたいに歌が上手いプロレスラーもいるけれど、リングで歌う女子プロレスラーなんかも含めて「なんじゃこりゃ?」な方が多いもんでございます。猪木の「ファイト!」って掛け声が、今で云う「サンプリング」された「炎のファイター」(確かB面は、倍賞美津子が歌う日本語カヴァー!「いつも一緒に」)は、折角の名曲をたった其れだけで台無しにしていますが、何故か最近は猪木の入場時に流れています。余談ですが、藤田の入場にスローな「炎のファイター」を使うのは、もう止めて欲しいです。決して猪木のテーマを他のやつが使うのを良しとしないのでは在りません。あのヴァージョンがモノ哀し過ぎて「藤田が勝てそーにない」って気になっちゃうのがイヤなんです。

そんなプロレスラーのレコードの中で幻の名曲と云われるのが、前・新日プロ社長「ドラゴン藤波」が熱唱した「マッチョ・ドラゴン」です。藤波の入場テーマは、妙にチャンキーでとても此れから闘いに臨むには相応しく感じられない「ドラゴン・スープレックスのテーマ」が長く親しまれていたのですが、猪木超えを見据えた頃に新テーマに変えたのです。当然、現場ではインストが流れていたのだけど、どーゆー勘違いか本人が歌うヴァージョンがレコード化されたんですなぁ。「マッチョ・ドラゴン!燃え上がれ!」などと雄々しいコーラス入りで、妖しげな処でのニーズが在ったのかしら?などとも考えてしまいます。こんなもんを集めたCDも出ているよーなので、間違って聴いてしまったら「野良犬に噛まれた」とでも思って諦めて下さいね。

そー云えば、かつては「レスラー名言集」なんてレコードも出てました。「長州力・俺はお前の噛ませ犬じゃないんだ」とか、解説に書いてもらわないと聴いただけじゃよく分らない滑舌の悪い音声が沢山収録されていたのだけど、ふたつだけは良く分かりました。

「ラッシャー木村・こんばんは」「アントニオ猪木・ダー!」


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年05月05日

「前田は新間にステーキを喰わされて、プロレスラーになった。」

アントニオ猪木の伏魔殿―誰も書けなかったカリスマ「闇素顔」


スーパーで酒の肴を物色していたら、母親に連れられたガキが「ママ、今日はこどもの日だからステーキにしてよ」などと強請っているじゃないか。母親は「え、ステーキかぁ、でももう此れ買っちゃったし」と躊躇してたのだが、ガキは譲らず「だって毎年、こどもの日はステーキでしょ?ステーキ!ステーキ!」と騒ぎ出した。よし、分った、母親が云えないなら、あたくしが云ってやる。

おまえな、何が「こどもの日だから」だよ、何が「ステーキ」だよ。おまえみたいなガキに喰わせる牛肉なんてぇのはな、今の世の中の何処を探したって無いんだぞ。東京スポーツを隅から隅まで読んでみろっ!何?知らない?!ぼけっ!おまえみたいな短絡的で刹那的で訳知り顔のガキのせいで、今プロレスがどんな風になってるのか分ってんのか?肉を喰っていいガキってのはな、将来プロレスラーになるって決めてる奴だけなんだよ。

おまえに、あの過酷なトレーニングに耐える覚悟は在るのかと問い詰めたい。しかもだ、その過酷な修行の後に待っているのは「暗黙の了解」と云う不条理な世界なんだぞ。肉体的にも精神的にもボロボロになってしまう、そーゆー人様に後ろ指さされながらも奉仕する「男風俗」みたいな辛い職業に就くってガキだけが、肉を喰えるんだ。おまえなんざぁ「吉野屋」でいまだに牛丼を喰えないってことの事情すらも知らないのにステーキなんて百万光年早いっ!日本人なら「米」を喰え!!お母さん、いいですか、これから此のガキを「吉野屋」に連れていったら「メシと玉!」と注文させる様に躾けなさい。其れは兎も角、あたくしはおまえの斜め後方にある「白モツ」を買って、ホルモン焼きを作って酔っぱらいたいんだから、さっさと消えろっ!!

あたくしが脳内で説教したのが効いたのか、結局ガキはステーキを喰えなくなったのだが、あたくしはこれからホルモン焼きを食べるのです。だって、大人だからね。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年05月06日

「力皇って誰に勝ってベルト巻いてるの?」

新日本 対 U.W.F. 秘蔵試合 DVD-BOX


プロレスが、いよいよ「どーしよーもねーざんす」状態に陥ってます。新日とノアが今月と7月に東京ドーム大会を開催するのだけど、特に新日なんか「おいおい、大丈夫か?」と心配してしまうよね。

メインがもしIWGP戦では無く「藤波(元新日社長)、三沢 (ノア社長)VS 蝶野(元新日現場最高責任者)、ライガー(現新日マッチメイカー)」になったら終わりかな。ドームはお祭りだからって云っても、IWGPを争う王者「小島(全日)」は史上初の4冠王者であり、挑戦者「天山」は昨年のG1覇者で前王者なんですからね。一応、今のトップ同士による対決なんです。其れを差し置いてスペシャル・タッグ・マッチがメインを張るって云うなら、其れは「序列」以外の何ものでも無いわけですよ。そんな「接待プロレス」なんか、誰が金払って観るんだってことだわな。

此処に来て「武藤(全日社長)」の参戦も決まり、蝶野は「橋本(元ゼロワン社長)」の来場も示唆しました。元闘魂三銃士が揃い踏みか?と煽るわけですな。武藤ちゃんなんか、はっきりと「新日は金がいいからね」って公言していますよ。夢も希望もありゃせんがな、其れでもオールスター戦が観れるならと、いたいけなファンは行くのかね?

でも、少し考えてみれば分るのだけど、こいつらみんな昔は「新日」に居たのよ。小島と天山は「テンコジ」でタッグ組んでたんだもんな。分散してまた集まっただけなんだからね。10年前なら後楽園ホールでも観れたんだわ、一枚のチケットでな。だから「売り」は「三沢」くらいなもんなんだけど、相手の蝶野とはもう「板を割った」よーな素敵な30分フルタイム引き分け試合をやってますからね。今更、ドラちゃんに期待したって仕方ないって云うか、相手は身内じゃん。二代目タイガー VS ライガーってのも、時すでに遅し。

ノアだって誉められたもんじゃないよ。「三沢 VS 川田」って旧全日の看板カードですから。「運命の対決」って云ってもね、全日ですからね、殺伐としたもんにはなりません。「小橋 VS ケンスキー」だって初対決だけど全然わくわくしねーもんなぁ。どちらも濃厚な純プロレスを堪能出来そーだけど、I 編集長の話じゃないが「殺し」が足りないんだな。期待出来るのが、じじいの「天龍」だけってのは、哀し過ぎる。

此処まで来たら期待出来るのは、もう幻の「猪木 VS 前田」しかないね。勿論、当人同士が試合なんかしないけど、猪木が自分の子飼(藤田、カシン、リョートなど)と新日の子飼(永田さん、中西、中邑など)を軍団にして、前田直系の連中(元リングス)や最近擦り寄っている奴ら(村上、柴田など)の軍団と、限りなく「ガチ」でやる。此れだよ、もう此れしかない。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年05月07日

「今、一番の注目カードは『インリン様 VS Erica』です。
 ビターン!」

P‐chu!―沢尻エリカ写真集


まさかと思ったが、やはり新日5・14東京ドームのメインは「重役接待タッグ」に決まったらしい。「小島 VS 天山」との「ダブル・メイン」とカタチだけは「IWGP」の権威を守ろうとしたのだろう。しかし、あくまでも試合順はセミだ。よーするに「テンコジじゃドームのメインは無理」って云ってるのと同じ。

おまけに良く分からない「IWGP実行委員会」と云うのを新設したんだってさ。で、「ベルト管理、王者の適性監視、挑戦者の資格選定」を行う7人の新メムバーってのが凄い。コミッショナー兼会長に「政界きってのプロレス通、自民党元幹事長、古賀せんせい」ってのは、目をつぶってあげてもいい。「草間新日アホ社長」「福田日本レスリング協会会長」あたりも、何だか分らないけど仕方ないとしよう。「北沢テレ朝スポーツ局長」もテレビ局との関係を切られたらおしまいだから、人質ってことで容認しよう。そんでだ、残りの「中園弁護士」「故力道山未亡人」「川村ケイダッシュ会長」ってなんなんですかぁ?どこのどいつが此の面々に「プロレスのベルトを監視する」資質があるって認められるのでしょう?此れなら「坂口」や「小鉄」に任して置いた方が、よっぽどマシじゃないですか。もう、ホントに、だめだこりゃ。

前座でアレクとの試合を組まれた「鈴木みのる」は「ガッツ石松」と合体だってさ。嗚呼、、、「ガッツ」絡みで思い起こすのは「猪木 VS スピンクス」の悪夢だ。あの時「ガッツ」の素晴らしいレフェリングで「猪木」は爆勝!ならぬ爆笑!!セミの「前田 VS ニールセン」に内容で完敗してしまった。セミは確かに内容も良かったけれど、小鉄のレフェリングも良かったのだ。

時は流れ、U系の「みのる」が「ガッツ」と組むのか。ま、「高田」が今なにやってんのかを見れば、「U」もへったくれもないわけだが。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年05月12日

「TAKE IT AWAY」

Tug of War


結局、5・14新日東京ドームのメインは「小島 VS 天山」に訂正されたそーです。くだらん。つまらん。新設された「IWGP実行なんちゃら」のコミッショナーだか会長の古賀「悪法通してよかですか」せんせいが、「うーむ、やはりアレだ、ベルトの権威とゆーもんがあるだろ?」とか云って決めたんでしょうな。こんな風に「人権なんちゃら法」も俺様がゴリ押しで通してしまうぞ、と。プロレスは社会の縮図だぞ、と。怖いねえ。

あ、こんな事を書いてると、突然、家に踏み込まれて「パソコン」押収されちゃうんだな。いくら探しても、片瀬那奈ちゃんの画像しか入ってないぞ。何?肖像権侵害だってえっ!!だから、此れは『i cupid』とか正規に購入した画像なんですよお。ええっ?!おまえは商売柄アイコラとかガンガン作ってるんだろっ?って、此れは材料なんだろ?って?な、何を根拠にそげなこと云うのですか?仕事で毎日、散々画像処理していたら家に帰ってまでフォトショップなんかやりたくも無いですよお。いや、そりゃ作れって云われたらね、こっちもプロだから物凄いモンを作れますよ。でもね、「作れる」のと「作る」のは違うでしょーが?絶対ないって、分ってくださいましたか?はあ?音源?其れは全部、正規に購入したCDから取り込んでですね、個人で楽しんでいるモンですよ。ブート?プロモ?だから、其れも全部ね、身銭切って買ってんだってばさ。違法?持ってるだけでダメ?しょんにゃ、ばなな。嗚呼、駄目ダメ!あたくしのパソコン持ってっちゃ、やだあーーっ!!

いや、冗談でなく、このままだとそんな日が来る。だからな、小島、天山、しょっぱい試合したら、おまえらのせいだっ!責任取ってもらうぞ。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年05月15日

「ありがとう天山!」と小島は云った。

小島聡 [DVD]


昨日の新日ドーム大会の観客動員数が3万5000人と発表された。史上最低記録更新!猪木の引退試合(史上最高動員数「那奈万人」!)の半分!!だが、待てよ。そもそも東京ドームってそんなに人が入るのかいな?会場には「消防署への届け出定員」ってのが在って、あたくしはかつてプロレス観戦に足繁く通っていた頃は、初めて行く処では必ず其れを確認していた。あたくしらしいでしょ?

で、ドームは46,314人(固定席 42,815席)なんですな。プロレスの場合、グラウンドにも席を作るけど、せいぜい5000だろう。だから、プロレスの最大観客数は5万人くらいでないとおかしい。勿論、コンサートも同じだ。ドームには5万人しか入らない。つーか、46,314人だってばさ。

で、何で6万とか7万って数が出て来たかってゆーと、そりゃ読売が「5万5000人(かつては5万6000人)満員」って発表していたからでして、するってーとグラウンドにも席が在るんだからってんで6万と、でこっちはもっと入ったぞって云ってるうちに7万と。で、本家の野球が4万5600人満員に訂正したんで、いきなり数が減ったんですなあ。くだらん!つまらん!!

後楽園ホールは1500人位しか入らない会場なのに、かつてプロ・ボクシングの満員は3000人とかになってて、此れは何だ?ってゆーと「目の数」だって話が在る。じゃあ「奇数になるわけない」って云うと「其の日はボウイとかタモリとか写楽とかも来てたから」なんて「落ち」なんだけどね。

ま、兎も角だ、「小島 VS 天山」しょっぱかったっす。「前回のあらすじ」みたいに、また天山が脱水状態になる展開を見せられた観客は暴動を起こしてもええくらいだ。起死回生の明らかな反則パンチを解説の山ちゃんは「うーむ、ラリアットの様にも見えました」なんて云わされちゃって、心中御察知致します。最後の藤田がらみの乱闘が最大の見せ場なんだからねえ。此れは、もうダメかもしれんな。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年05月16日

「堕天使ロック」

小島聡 バージョン2 [DVD]


新日のドームに「ひろしがいっぱい」だった事は、色々と云われておりますな。どー考えても武道館、両国クラスのメインですからね、いや、三沢さんや武藤ちゃんを呼んでもあのカードじゃね。特に武藤ちゃんは水男が相手だもんね、かみ合うわけねーわ。

招待券ばらまいて、座席つぶしてもガラガラ。3万5000人で新日ドーム最低記録なんて云うけど、実際は1万5000人くらいしか入ってなかったみたいだ。この期に及んで「水増し」ですか。でも、かつて実際に観戦した「新日 VS Uインター」なんかは、ホントに立錐の余地も無いほどの超満員だったんだけどねえ。ま、遠い昔のことだけどさ。

くりかえしにもなるけど、客入りより悲惨だったのは「内容」なんだよね。ま、あたくしはTVでメインを観ただけなんだけどね。小島は明らかに「やる気ねーぞ、ばかやろー」って顔だった。そりゃ、折角四冠になったのに自分の団体では防衛戦もやらせてもらえず、完勝した相手(小島がピロヨシとやった統一戦は、ケツ決めはどー考えても時間切れ引き分け。つまり脱水状態になった牛の自滅なんで、結末はガチだと思うのだ。まったく情けない話だよ。)に、わざわざ負けに来てるんだからね。挙げ句に、結末のあっけなさって云ったらなかった。アレはまた天山がスタミナ切れしそーなんで、小島が投げてしまったんだな。藤田乱入もシナリオ通りだろーけど、牛は何も出来ず。永田さんはニヤニヤしてるし。

最大の見せ場ってのは、乱入しよーとした藤田を止めようとした「背中に傷を持つ太陽の天才児」を、野獣・藤田が殴り倒した処ですな。アレは「スカっと」爽やかでした。

さてさて、次はノアのドームなんですけどね、メインが「三沢 VS 川田」でええのか?川田は「インリン様」と「やりたい!」そーだぞ?あ、そーか、エロ社長と「インリン様」争奪戦か?

堕ちるとこまで堕ちてゆけ、堕ちればわかるさ。咲いた花がひとつになればええ。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年05月22日

「寝言は寝て云え」

いちばん強いのは誰だ―タブーなきプロレス激言


前田がスーパーバイザーとしてプロレス界に復帰して以来、話題の中心は「前田」一色になった。長州の興行も、前田が来るってだけで満員、いや、そもそも「リキプロ」の売りは長州しかいない。ハッスルでは、高田総統こと泣き虫が「リング復帰か?」なんて話もある。新日の実権を握るのは、いまだに筆頭株主「猪木」だ。藤波は三沢とやるって云うし、メキシコでは初代タイガーマスクが凱旋し大盛況だってさ。

なぁ、今が2005年ってぇのは、嘘なんだろ?

プロレスってのは、四半世紀前のスターによってしか盛り上げることが出来ない世界になってしまったのか。いや、ええよボキは格闘技を観ますから、PKサイコー!!って、あんたね、もしホントにPKがガチなら未来はないよ。プロレスは死んだ、此れからはガチのPKって云うのは、旧プロレスを否定してU系に移ったのと変わらないのだよ。「やーい!やーい!プロレスもーだめぽ、プゲラ。」とか云ってる「ガチ莫迦」なんて明日には他に行ってしまうんだからね。プロレスがなくなったら、格闘家の受け皿もなくなってしまうんですから、それこそ「もうだめぽ」だよ。

あたくしはね、プロレスが滅びたら、此の国が滅びるって思うんだ。「ガチ」絶対主義ってのは、もう観客じゃないもんな。おまえらは、ただ眺めているだけじゃん。騒げればええだけじゃん。

小鉄が「昔は違った」って云っていたけど、其れは「昔は良かった」って云ってんじゃないんですよ。切れてないですよ、ええ、もう切らしたら大したもんですよ。鬼軍曹がしみじみ語るのはな、「俺が指導していた頃が、当たり前」って話なんだぞ。此れが分らないから、おまえらは壊滅的なんだよ。「まだ始まってねーよ」じゃないんだ、おまえらにはそもそも「始まり」なんかねーんだよ。あたくしは、もう寝る。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年06月12日

「まだ見ぬ強豪」

ドリーム学園 地獄の集団レイプ狂想曲 南波杏・及川奈央・坂下麻衣・渡瀬晶・Kay 他 [DVD]


たまには観ておかないといかんな、と思いまして「ワールド・プロレスリング」にチャンネルを合わせたんですよ。そしたらなんか外人が出てるんですな、小柄なので新しいジュニアのレスラーかな?と思ったら、サッカー選手の「アレッサンドロ・デルピエロ」じゃないですか。「おまえさん、なにやってんだ?番組間違えてるぞ」って思いますよね。其れがね、なんか日本に来てたってんですよ。でも其れと新日本プロレスと何の関係が在るのかと、あ、そーかイタリア遠征したから前振りね。

ところがだ、番組は延々とデルピエロにインタビューしてるわけですよ。昔の試合を見せて「これはケンゴ・キムラー(怪獣か?)だね。」とか「んー、もー20年も昔の事だからねー、思い出したタツミ・フジナミだ!」とか名前当てっことかやってんですよ。どーもガキの頃プロレス好きだったらしいんですよ。妙に詳しいのよさ。そんでもって背広着た「ドラちゃん藤波」の登場ですよ。んで、夢の対談!!ですよ。誰の夢?もうね、(ry

挙げ句に、タイガーマスクの覆面を渡すためだけに「稲妻ケンゴ」まで背広で駆けつけての「大接待」ですよ。いやぁー、天下の「WWE」も腰を抜かす展開に目眩がしましたよ。結局、貴重な30分は全部「デルピエロ」特集でしたよ。名前当てゲームで大昔の試合がちらっと流れただけだもんね。てか、其れだって「テレビ内テレビの映像」ですから。

「毎年折角のジュニアの祭典が、下らないことで潰されてる」なんて専門誌で怒り狂って吠えてた「4代目タイガーマスク」はVTRで「初代」のふりしてデルピエロ様にサインの大サービス、たまたまイタリアに行ってて夢を壊さずに済んで良かったね。てか、本物の今じゃ太った佐山が出て来たら「あんた、誰?」で「がちょーん!」な話だったけどな。あたくしは、そっちのガチな展開の方が好きだが。

昔「ギブアップまで待てない!」ってバラエティー番組になった時だって、此処までは落ちてなかったよな。ホントにプロレスは終わってしまったんだなぁ、、、片瀬那奈ちゃんが観てたら喜んだかもしれないけどさ、あたくしだって片瀬クンの影響で「フットボール」は好きになったんだけどさ、深夜まで起きてたのは「プロレス」が観たかったからなんですよ。

其の後に放送してた番組で鶴瓶師匠が「プロレス知らんのや」と云いつつ、何故か馬場さんの弔辞を読んだ話なんかを披露して「くりぃむしちゅー」と「ロンブー」を唖然とさせてたり、裏番組(テレ東)で及川奈央が「ヨガ」をやって「ヨガる夜」って、べた過ぎなことやってた方が、よっぽど「プロレス」だったぞ。

「嗚呼、、、」(つげ義春さん声で)


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年06月13日

「ワシは牛とやったから、前田くん、
 君はライオンとやりなさい。」

空手バカ一代(7) (講談社漫画文庫)


かつて金曜8時で20%を超える栄華を誇った「ワールド・プロレスリング」が、現在の様な状況にまで堕ちたのは、昨日今日でってことじゃーない。「新日本プロレス」にも浮き沈みは何度も在って、其れでも「業界ナンバー1」としての地位は揺るぎなかった。「K-1」や「PRIDE」が出現しよーが、其のすべてを呑み込む力が在った。其れは元々其の源流が「新日」に在ったからだ。なのに、堕ちた。堕ちた過程を語ると長くなるので、此の一年の「IWGP王者」の変遷を見てみよう。

一年前の王者は、なんと「ボブ・サップ」だったのよ、覚えてないでしょ?3月に、ケンスキーからベルトが移動した時のサップは、まだまだボロが出てなかったので5月には中邑をもくだして「永久王者」とまで云われていたのです。ところが「太陽の天才児」との防衛戦を前に行われた5月、K-1主催の「ROMANEX」で、「ガチで藤田がサップに勝ってしまった」のよ。ただ勝つだけじゃなく、正に「完膚無きまでに叩きのめして」しまいまして「心を折って」しまったんですな。ほらね、プロレスラーは強いんだよ。

此の試合は総合ルールですからタイトルはかかってなかったけど、到底サップにタイトル戦をやる気なんかなくなります。其の後も連敗し、株は大暴落。サップを潰したのは、ミルコ(「目が折れた!」)じゃなく、藤田なんだけどなぁ。此の時は「ガチで新日がK-1に全勝」してるんですよ。なのに、バーターでやったドームの方は仲良く引き分けになってて、しかも「シナリオ通りのプロレス」だったんだから話になりません。ま、ガチでも柴田が武蔵に勝てたかどーかなんて分りませんけどね。其れにしたって、ファンを莫迦にしてますね。

ま、そんで6月に藤田がサップの代わりに棚ちゃんとやるんだけど、此れはもー「悲惨な試合」でした。一応ブックは在ったとは思うけど、藤田ってぇのは恐ろしい奴です。てか、棚ちゃんのこと嫌いなのかな?こないだのドームでも、子供あつかいにして、はり倒してたしなぁ。「アノコの件」と関係あったりしてな。7月には柴田と防衛戦、こっちも半分ガチで藤田はやりたい放題。挙げ句に「俺は新日所属じゃねーよ」ってんで巡業なんかには付いて行きませんし、防衛戦もやりゃしない。

此れじゃ興行の目玉にならねーってんで、10月に再びケンスキーにベルトを移動させよーと、「総合慣れした藤田が両肩を付けた状態でスリーパーをかけ続け、プロレス・ルールでフォール負けする」と云う、とんでもないシナリオを考えて実行させます。よーするに、ガチではやらせられんってことですよ。藤田、勝ちゃいますから。で、藤田にも傷が付かないでベルトだけ返してくれと、んでもって其れが所属選手だと批難轟々なんで外様の便利屋さん「ケンスキー」にやってもらおーと。もう国技館は暴動寸前ですよ。だからこそ、あの時「北斗」はすべて承知のうえで大暴れしたんですからね。流石は「女・猪木」と呼ばれただけあります。ケンスキーは、ええ嫁をもらったね。其の後、ケンスキーは11月に棚ちゃんとみのる相手に防衛し、12月には、しっかり天山に返します。ええ仕事をした御褒美にMVPももらいました。立派なプロレスラーだと思います。

ところが、ところが、満を持しての今年2月、天コロコロすけが大事なトコで脱水して滅茶苦茶。小島が仕方無く預かって、3月に中邑と60分やってから、5月に返したと。此の返す時の試合が、藤田にしろ小島にしろ、如何にも「やる気ねーっす」って顔で来るから、新日も舐められたもんですな。其の点、高山やケンスキーなんかは生活が掛かってるとは云え、大人だったなぁ。小島は大好きなので一寸ガッカリな展開だったけど、アレは天山が「ボケナスちゃん」だったとしか云えません。流石の小島も呆れたんでしょう。

よーするにアレだ、今の新日は、プロレスなのかガチなのか、迷いが在るんですな。そりゃ、ガチじゃ興行は成り立たないけどさ。だったら「ノアだけはガチ」でええじゃんと、TV中継にチャンネルを合わせたら、WWEにもはるかに及ばぬ三文芝居(女子レスラーにリング上でプロポーズして振られる、髪切りマッチで御約束のロートルが丸坊主)なんかを見せられて、げんなりですよ。で、K-1もPRIDEも、明日は我が身だと思うよ。

「嗚呼、、、」(ぐだぐだ、つづきそう。)


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年07月11日

「破壊王よ!!」

橋本真也 1992-1995 衝撃!三銃士ヒストリーPART.3 [DVD]


橋本真也、死す。

復活の日を待っていた。無念だ。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年07月12日

「真也。」

橋本真也 1995-2000 衝撃!三銃士ヒストリー PART.5 [DVD]


21年前、UWFそしてジャパン・プロレスが旗揚げし、新日本プロレスは選手やフロントが大量離脱、一体どうなってしまうんだ?と云う時期に遅咲きの「プロレス者」デビューをしたあたくしは、生まれて初めての「生観戦」をした。

TVや活字では味わえない「ライヴ」の醍醐味。パンフレットを買って、出場選手をチェックする。知らない若手が沢山載っていた。前座で登場する新人たちは、みんな「ひょろひょろ」だ。此れで、大丈夫なのか?すると一人だけ体重が100キロを超えてる新人が掲載されていた。「おおっ、こいつは凄い!」期待に胸を膨らませて、そいつの入場を待った。うわっ、デカイ!しかし、こりゃもしかしたら「ただの太ったコ」なんじゃないのか?

坊主頭のお相撲さんみたいな体型の可愛い顔をした新人。其れが「橋本真也」だった。

訃報を友人からのメールで知り、俄に信じられなかった。昨年からの団体崩壊、借金を一人で背負い、私生活でのスキャンダル、右肩の手術、と悪いニュースばかりが続いた。でも、彼ならリングに復帰しさえすれば、そんなことはすべて吹っ飛ばしてしまうはずだ。小川直也が泣いていた。蝶野正洋が泣いていた。武藤敬司は言葉を発せられなかった。

「2ちゃんねる」の「プロレス板」は、黒に赤の橋本カラーとなり、スレは「橋本」一色になっていた。翌朝のスポーツ紙は、すべて一面が「橋本」だった。そして、東京スポーツは8面の追悼紙面だ。

確かに、あの愛すべきプロレスラー「橋本真也」は死んでしまったんだろう。

あたくしが最も足繁くプロレス会場に行っていた10年前、新日のメインは橋本真也だった。高田を倒したIWGP戦には、胸が熱くなった。小川のデビュー戦での負けには、本気で怒った。ゼロワンの旗揚げで三沢にフォール負けした後、オールスターでの大乱闘、「してやったり」の表情で引き上げる奴に惚れた。

ファンの男の子と戯れる橋本の写真を観て、涙が止まらなくなった。

あんまりだよ、哀しいよ、橋本。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年07月13日

「SO COLD」

橋本真也のプロレス大百科


「橋本ショック」は、冷めない。寧ろ、じわじわと其の喪失感を味わうのは、此れからなんだろう。

本日の日刊スポーツも東京スポーツも、「追悼興行」の話題が一面を飾った。利害関係抜きに、オールスター戦を実現する機会は、こんな時しかないんだろう。昨年計画されていた「闘魂三銃士興行」を潰した「神」も、流石に今回ばかりは許してあげて欲しい。三沢も、天龍も、長州も、ゼロワンMAXも、すべてを水に流して協力してはくれないか?

一部夕刊紙で、橋本の借金や女性問題が取り上げられている。ワイドショーや週刊誌も、面白おかしく追従するのだろう。なんとも、やるせないよ。

特に一般マスコミの格好の餌食となりそうな「不倫問題」は、プロレス者の間では、周知の事実だ。プロレスを好きだからこそ、衝撃的な話題だった。「男の約束」とか「純愛」とか美談にする気も、さらさら無い。しかし、今になって死んでいった男たちを愚弄するなんて酷過ぎるだろう。そして残された母子たちを追い回す権利なんて、おまえらにはねーんだよ。

「昨年からインターネットの掲示板でも話題になっていた」だと?ふざけるなっ!!おまえらがやってるのは「2ちゃんねる」以下だ。つーほーしてやる。あやまれ!理不尽大王と破壊王に、あやまれ!!


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年07月19日

「爆勝宣言」

俺だけの王道―川田利明自伝 Dangerous K


ノアの7・18東京ドーム大会は、6万2千人の大観衆を集めた。ま、固いこと云わずに、実際超満員だった。問題も多々在る。何より看板タイトル戦を、メーンどころかセミでもセミ前でも無い「只の第那奈試合」に組まざる得なかった点は、お先真っ暗を予感させる。役者が違うんだな。だが、今回は其れ以後の三試合が良過ぎた。特にセミとメーンは、久しぶりにプロレスを観た!と云う気にさせられた。

セミの「小橋 X 健介」では、10分近く「合わせて200発近く、お互いに逆水平チョップを交互に、ただただ打ち合う」と云う、「おまえらは莫迦か?」的な展開となった。しかも、初対決の莫迦ふたりは、馴れ合いでやっているんじゃない。お互いの胸板が、赤から紫へ、そしてどす黒く変色していくのだ。つまり、常識では考えられないことを、本気でやってるわけだ。多くのプロレス者も同じ気持ちだろうが、あたくしは「感動してしまった」。だって、美しいじゃないか。

辛口の高山が素直に賞賛してしまうほど、小橋と健介は「底抜けなプロレス莫迦やろー」だった。負けた健介は、あろうことか小橋と抱き合い、高山と握手し、花道では北斗、中嶋と抱き合った。場内は、なんと大「健介コール」だ。会場に居たら、あたくしは確実に泣いていたな。

しかし、あたくしが「ぐっと」来たのは、やはりメーンの「三沢 X 川田」だった。ハイキックで三沢の鼓膜を破るほど、えげつない攻めをした川田は、それでも負けた。其れが、ブック通りだなんて話をしたいんじゃない。

終盤、三沢は執拗にエルボーを撃つ。川田は崩れ落ちる。しかし、立ち上がる。何故、彼は立ち上がるのか?其れは「三沢のエルボーを受ける為」なのだ!!川田はもう攻撃が出来ない。なのに、何度も立ち上がって、三沢に顔面と胸を突き出すのだ。あたくしは、せつなくなってしまった。

セミの打ち合い同様、こんな不可解な攻防は、プロレス以外では有り得ない。でも、あたくしたちは、其の「不可思議な世界」に魅了されて「プロレス者」になったんじゃないか。こんなにも真面目に莫迦をやってしまう奴らを「八百長」なんて云っていいわけねーんだよ。

川田は「勝ちたかった」と云った。

其の言葉に、嘘は無い。あたくしは、プロレスを愛して来てよかった。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年08月15日

「MVP は川田利明です。」

デビュー20周年記念 蝶野正洋“I am CHONO”DVD-BOX


今年の「G1」が終わったね。いや、お馬さんの方じゃなく、新日の夏の定番イヴェントですよ。15回目で、なんとまぁ「蝶野が5回目の優勝」と云う結末だったけど、シリーズ全体を観ると成功だったんじゃないかな。はっきり云って「G1」までコケちゃったら、新日は終わってしまうんだけどさ。

最後の両国二連戦を前にして、Bブロックは既に其処まで全勝の藤田と、同じく引き分けは在ったけど負けなしの中邑が決勝トーナメント進出を決めていて、両国初日は其のふたりによる直接対決。どっちが予選を首位で通過するか?ってことになったんだけど、ガチでも中邑なんぞがかないっこないうえに、全勝優勝を宣言した藤田に負ける理由は在りません。問題はAブロックで、其の時点で蝶野、川田、天山、永田さんの4人に決勝トーナメント進出の可能性が在ったわけですよ。しかし、蝶野はこう云いました。「藤田!中邑!川田!全部勝つ!オレが優勝だ!!アイアムチョーノ」あたたたた、、、ネタバレしちゃったよ。

結局「蝶野の予言通りの4人によるトーナメント」となったわけですが、同点ながら川田に直接対決で勝って居る蝶野がAブロック首位となります。此れで準決勝で待望の「藤田 vs 川田」が実現することになりました。となると、優勝は、、、準決勝で負けた中邑と、蝶野が何かこそこそと話して居たのは御愛嬌。対して、川田の負けっぷりはもの凄かったね。三沢戦など、どっかに吹っ飛んだよ。

決勝はこれまた蝶野の予想通り、藤田との対戦です。「炎のファイター・スロー・ヴァージョン」で先に入場した藤田に対して、なんと蝶野は「橋本のテーマの前奏」を付けた自分のテーマ曲で入場。ありゃりゃ、そーゆーことかい。

さらに「闘魂三銃士の技を駆使」し、勝利した後のインタビューで「ハシモトー!」と叫ぶと、場内には「爆勝宣言」が流れると云う、絵に描いたよーな感動的な結末です。

普通に考えれば、藤田が全勝優勝して当たり前の大会でした。けれど、現在の状況で「最も感動的な演出」は此れしか在りません。「だからプロレスはダメなんだっ!」なんて野暮なこたぁ云わないで下さい。何故なら、あの藤田が「負け試合でマジ・モードになっていた」んですからね。対戦した中西や川田の実直な負けっぷりが、あの藤田の心を動かしたんじゃないかな。当然のことだけど、蝶野も素晴らしかった。橋本を思う気持ちが、必要最低限のアピールで留めたトコに感じられた。「橋本の件」が無かったら、「蝶野の優勝」って「絵図」は、無かっただろう。だから、今年は此れで良かったんだ。あたくし、ナンダカンダ云っても、素直に感動してしまったよ。泣いたよ。まだまだ、プロレスはイケてますよ。

でも、もう「橋本で興行を打つ」のは、やめて欲しいな。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2005年12月12日

「新日本丸撃沈寸前」

新日魂 [DVD]


新日本プロレスは、このまま消滅してしまうのだろうか?猪木が株をユークスに売却し、新日は「ゲーム会社の子会社」になった。まぁ、放っといたら倒産していたのだから、仕方無いんだけど、此処に来て来年の「最後のドーム興行か?」と云われている大会の発表済みのメイン・カードが変更になったのだ。

「ブロック・レスナー vs 藤田和之」の IWGP 戦は、1・4東京ドームで最初に発表されたカードであり、はっきり云って「売り」は此のメインしかなかった。他は武道館、いや後楽園ホールクラスのへぼカードしか組めなかったのだよ。その唯一の目玉カードがふっとんでしまったの?ぽかーーん。「テケツを買わなくって、本当に好かったっ!」

理由は「藤田がドタキャンした」ってことらしい。で、代役は中邑に簡単に決まってしまった。なんだこりゃ?藤田は猪木事務所所属で、猪木がオーナーではなくなった為、プロレスなんかやらせないで大晦日の総合格闘技大会へ出した方が旨味があるってことか?いや、そりゃそーだな。「小川 vs 吉田」なんか、ギャラ5億円だって云うもんね。でもレスナーも「猪木事務所との契約」なんじゃないの?どーゆー「アングル」なんだ?てか「レスナー vs 中邑」がメイン?なんで?最後のドームも捨てたわけ?なんか訴訟も起こされていて、下手すりゃレスナーも出れないかもしれないじゃん。あはははは。

そもそも、今の新日にレスナーの相手になる奴なんていないじゃん。サップでも呼べよ。A-トレイン引き抜いたんだから、あいつでええよ。この際、小橋を借りて来いよ。それを、中邑って。正しく「ジョブ」の「消化試合」じゃん。ファンを舐め過ぎでしょ?はあ?「永田さんのセコンドに嶋大輔」って、なんじゃそりゃ。「金本も退団?」あらら、、、沈没船か?

「1・4」は、「最後のドーム大会」じゃないな。「新日の最期」だ。ありがとうプロレス!ありがとう新日本!!とほほ。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2006年01月05日

「どうってことねえよ」

猪木イズム DVD 新闘魂伝説


大晦日の格闘技は、ほとんど記憶に残っていません。まともに観たのは「吉田 vs 小川」くらいかな。小川は面白かったなぁ。あの勝敗が逆だったら、どっちも悲惨なことになっていたでしょう。ヒョードルや吉田に負けるなら兎も角、「インリンさまにも負けてしまった」小川に負けて引退した橋本さんがエースだったのが、かつての新日だよ。それがどうした?

そうそう、マケボノちゃんは「ど素人」にも負けたんですってね。幾らお祭りでも、土俵が違っていても、「プロレス大賞」で新人賞とベストタッグ賞の二冠に輝いた選手ですからねぇ、やっていいことと悪いことってのもあるでしょうに。じゃあ、マケボノちゃんにジョブやってるプロレスラーは「ボビーより弱い」ってことになっちゃうのかしら。

「ヒロ斉藤を、なめんなよ。」

で、1・4 ドーム ねぇ、つまんないですねー。深夜とは云え、よくもこんな下らないもんを4時間近くも放送したもんだ。でも、もしも大晦日に此れをやってたら、あたくしは新日を観てしまったんだろうなぁ。プロレスはプロレスなんだよね。今の新日は「どーしよーもねーざんす」だけど、だったら PRIDE や K-1 が、かつてのプロレスほど面白いかって云えば「うーむ」なんですよ。はっきり云って、つまらん。

ブックだのアングルだのと「最初から小馬鹿にしてプロレスを観てしまう世の中」になってしまったのですけど、見方が根本的に違ってるんだよなぁ。確かに「今の新日はつまらん!」しかし、ホントにカラクリを見破っているのかい?ノアやドラゲがそんなに面白いのかい?なんでプロレスラーの耳は、あんな風になってるんだい?何故にライガーは、あんな着ぐるみみたいなもんを着て闘うんだい?小川はどうして関節技を使わなかったんだい?山本キッドは、ホントにガチで三沢さんに勝てるのかい?

12人タッグってひと多過ぎでわけわかんねー、永田さんと村上おもすれーっ、けどなんでジュースやるかね、あにきは辞めたきゃ黙って辞めればええのにな、ドラゴン殺法でスリーパーって晩年の技を使う天才児もアレだけど、蹴ってばっかの柴田もボケだなぁ、受けの天才児ですか、21世紀のプロレスってぇのは20年前の「藤波 vs 前田」にも及ばないもんなのかい?上井いらね、中西もあの事件さえなけりゃなぁ、って普通なら(自主規制)、IWGPタッグ、単純に長過ぎです。レスナーつえーってか、元祖・神の子よえー、てか負けといて何よ?あのコメント・・・レスナー大人だ、高田も大人だし組長も山ちゃんも船木もみのるもみんな大人だ、前田こそコトナだ、ま、そこがええわけだが。

「猪木が悪い!」「猪木の爪の垢を飲め!」おい、東スポさん、ホントはどっちなのさ?って、両方なんだよな。それがプロレスなんですよ。実に勿体無いなぁ、新日くん。


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2006年01月10日

「そのまんまの役どころだ。」

PRIDE GP 2004 決勝戦 [DVD]



小川、ドラマで「ハッスル×2!」…12日スタート「小早川伸木の恋」

(サンスポ、記事消失)


以下、引用。


『格闘家、小川直也(37)が12日スタートのフジテレビ系「小早川伸木の恋」(木曜後10・0)に出演することが9日、分かった。唐沢寿明(42)扮する外科医・小早川伸木の勤務する大学病院に、診察を受けに訪れるプロレスラーという、そのまんまの役どころだ。


小川本人も昨年大みそかの「PRIDE男祭り2005」で、吉田秀彦(36)と死闘を繰り広げ、左足首をケガしたばかり。このほど都内の病院で行われた撮影現場に、松葉づえをついて現れ、負傷した左脚にはギプスが巻かれていた。その姿は患者そのもので、リアル感が漂っていた。


注目の出演シーンは、病院のロビーで小川に気付いた患者たちが次々と集まり、小川コールが巻き起こる。それに応えた小川が患者全員と「ハッスル!! ハッスル!!」と騒ぐ−というもの。


喜多麗子プロデューサーは「ヒーローで親しみを感じられるアイドル的な存在の方がいいなと探していた時、小川さんの名前があがってお願いしました。試合を控えた昨年末にオファーしたんですが、ケガした直後に出演を快諾していただきました」と驚いていた。


小川は「本人役と聞いて困りましたが、自然体で楽しくやれました。リアルな演技だったなぁ」と大満足。ただ、ケガについては、「靭帯(じんたい)を2本やられて、くるぶしにひびが入っているので、良くないです」と答え、精密検査はこれから受けるという。この模様は第3話の26日に放送される。」


引用、おわり。


「その姿は患者そのもので、リアル感が漂っていた。」って・・・そりゃそーだ。「靭帯(じんたい)を2本やられて、くるぶしにひびが入っているので、良くないです」って云ってるじゃまいか。本物の患者だよ。


「試合を控えた昨年末にオファーしたんですが、ケガした直後に出演を快諾していただきました」って、つまり、アレか?小川は「役作りの為に敢えて吉田に足を折らせた」のか?プロレスラーの鑑だな。感動したっ!!


そんなにまでして、那奈ちゃんとの再共演に賭けてくれたのかっ、カンドーしたっ!!(小川は既に「新宿暴走救急隊」(2000 NTV)で片瀬クンと共演しております。其の時の役柄も「格闘家」でした。)いやあ、涙が出たぞ。ん?絡みなしか?そりゃ残念だなぁ、実に勿体無い。


つーか、あたくしのヒーロー小川直也さんに告ぐ「ドラマよりも先に、精密検査を受けなさいっ!!」すべてを肥やしとするプロレスラーは強いんだってのはええよ、でもな、少なくともあたしは益々「なんで関節技を使わなかったんだ?」ってあたりから沸いて来た「何か」を感じてしまうぞ。こんな展開は、一寸出来過ぎだな。いいのか?これで。ねえ、小川、応えてよ。


「吉田は、ホントに、強かったのかい?」



初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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2006年01月29日

「そこで『永久電気』ですよ。」

新日本プロレス「崩壊」の真相 (宝島社文庫)


「新日」の契約更改が話題になっています。ん?「新日」ってなんだって?ごめんごめん、ちゃんと「新日本プロレス」って云わなきゃ分らないよね。え?「新日本プロレス」って知らない?そーかぁ、そーだよね。

兎にも角にも、このところの話題が契約更改ばっかだってのが終わってますね。日本のプロレス団体で契約更改を公にしているのは「新日」だけですが、「蝶野クラスでも年棒4千万弱」ですし、しかも蝶野は数年前から「実質的にはフリー」なんだもんね。昨年はついに身売りしちゃったし、怪しげなスポンサーの話もあって、いよいよ潰れるんじゃまいか?って時ですから、今回は大荒れになるだろーと予想されておりました。

現在のところ、西村、吉江、成瀬、竹村、後藤達俊、ヒロ斉藤、井上亘 、長尾、安沢(引退)と9人が退団し、ブルー・ウルフ、柳沢もフリー契約、田中、山口の両リングアナ も退社と「沈没船さながらの状況」です。「2ちゃんねる」の「新日スレ」も祭り状態で、スレ消費が数時間で進行中。個人的には後藤とヒロの退団は哀しいし、こんな時にクロネコちゃん(ブラック・キャット)が亡くなってしまったのも残念です。

『新日本プロレス「崩壊」の真相』なんてムック本も出ていて、今読んでいますけど、ぬるーい内容です。危機感なんて伝わって来ないよ。「2ちゃん」の方がマシだな。

後藤が退団前の第一回交渉で保留して「50%カットなんて酷過ぎる。高齢者にあんまりな仕打ちだっ!」って云ったのには、悪いけど爆笑しました。確かに後藤選手は実力もあるし仕事も出来たけど「高齢者」って、、、狙い過ぎ、本気で云ったなら「神」発言。でも、こーゆートコで面白いことが云えるってのが、昔気質のいいプロレスラーなんだよ。かつて「猪木を日本刀で斬り殺す!」と云った漢だもん。なんてったって「殺人バックドロップ」の使い手だもんね。相手は蘇生して議員せんせいになっちゃったけど、どーせなら(ry

で、こーゆー危機的状況で昨日から新シリーズが開幕したわけですが、深夜放送された「ワールド・プロレスリング」は、あろう事か「中邑特集」とかいって、「イタリア娘に誘惑されてにやにやする神の子」だの、神の子が語る「プロレスは総合に負けないもんっ!」(根拠なし)だの、、、えーと、あのね、試合を流せよ。

もー珍日はダメぽ、ノアだけはガチ、と思い見てみると、6人タッグでケンスキーはムシキング・テリーとの対戦を拒否しました。理由は「息子がファンだから」なんだって。すげー、ガチだ、、、とほほ。

あ、長々と一般社会人の方々にチンプンカンプンなことばっか書いてしまったな。

「どーですかぁーみなさんっ!」

「みんな、ありがとぉーーっ!!」

うん、やっぱ、「 猪 木 が 悪 い 」


初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)



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