星村麻衣の新曲「瞬間、ストロボ。」を、フライング・ゲットして聴いている。気が付けば、発売日前日にシングルを買ってしまうまで好きになっていた。2003年の夏に、片瀬那奈のオプションで付いて来た星村麻衣を初めて観た時には、こんな未来など夢想すら出来なかったよ。
31日のライヴに誘われたのだけど、断ってしまった。今、こうしてマキシ・シングルを聴いて、断って正解だったと思う。勿論、平日で仕事が在るので行けないだろうってことは在るんだけど、無理すれば行けるのだよ。でも、今、僕は此の透き通った歌声を生で聴くことは出来ない。何故なら、僕は、絶対に号泣するからだ。
僕は昨日、坂井泉水のCDをついに聴けなかった。数十枚のジャケットを呆然と見て、ひたすら呑んだ。新曲「瞬間、ストロボ。」を聴いても、僕は坂井泉水のことを考えていた。もう二度と坂井泉水の新曲は聴けない。けれど、僕には星村麻衣が居る。そして、こんな気持ちのまんまじゃ、僕は星村麻衣に逢えないんだ。もう少しだけ時間が欲しい。ふたたび、坂井泉水を聴ける様になるまで。
星村麻衣は、バンド・サウンドに頑なにこだわっている。自作曲を歌うことに徹底的に真摯に取り組んでいる。今時「シンガーソングライター・ピアニスト」を名乗っている。ハッキリ云って、2007年の音作りではない。彼女が目指しているのは、今の流行りの「J-POP」ではない。此の音楽は、洋楽だ。昔、僕が10代の頃に心をときめかせた「ロック」だ。僕にとって、彼女はKANちゃんとおんなじだ。其れはレッチリともおんなじだってことだ。そう、僕は、もうはっきりと分った。
星村麻衣は、僕たちの同志だ。
初出「COPY CONTROL」 (小島藺子/姫川未亜)