ついに、コリーヌ・ベイリー・レイの日本盤が発売された。輸入盤もジャケットが変わってしまって、日本盤も新装版を使っているみたい。欲しい。たぶん、週末に買います。シングルも全部ほしい。同じ曲でも、ジャケットが違えば別の作品だ。同じ曲でも何度でも聴きたくなるから、レコードだったら擦り切れてしまって、また買ったりするんだ。
最近、「サザン」や「ミスチル」や「スピッツ」や「ケツメイシ」や、「ケンはケンでも飛来犬」や、ま、その他諸々の方々の新曲が J-WAVE でヘビロされてて聴いたのだけど、あたくしは「ラベンダーの香りに酔ってしまったのか?」としか思えないのです。
かつて近田さんは、桑田さんの「白い恋人たち」を「こんなに同じ曲ばかり書いて、彼は何がしたいのだろう?」と評したし、ピストンは「大人」のさわりだけ聴いて「林檎節だね」のひとことで片付けた。例えば、サザンの新曲はジョンのフレーズを使っているし、綺麗な曲だ。でもそれは、1978年の夏と全く違わない。はっきり言って「サザン」も「ミスチル」も「スピッツ」も「ケツメイシ」も、未発表ボツ音源でも発表したのか?と思ったぞ。
この世に「片瀬那奈」がウヨウヨしていたら、あたくしは一寸だけ嬉しいと思うかもしれないけど、やっぱそんな世界は意味がないって気付く。「LET IT BE」は、一曲しかないから、同じ曲をポールは延々と歌いつづけるんだ。彼は「LET IT BE 第13章」なんて曲は、絶対に書かないだろ?あの男こそが「ビートルズみたいな曲」なんて、いつなんどきでも書けるのにな。
どんな役をやっても同じに見えるコは「大根役者」と言われるし、作家だってマンネリじゃ廃業せにゃならんのよ。お笑いだったら、同じネタばっかやってたら誰も笑ってくれないでしょ。落語だって、いつも同じ噺をやってるわけじゃないんだぞ。音楽って、なんだ?ビートルズやスティーヴィーがやったのは、一体なんだったんだろう?
キヨシローは「君の知らないメロディー、聴いたことのないヒット曲」と歌い、「自分が聴いてないなら、何年前に出ていても新曲」と当たり前の様に言ってたっけ。つまり、アレだ。新曲は自分で見つけろってことだナ。うん。
初出「COPY CONTROL」 (小島藺子)