どうゆー脈絡での噺だったのかは分らないけれど、秀島史香が「私の大好きな10CCの“I'm Not In Love”も、ちゃんと入っているんですよ」とラジオで言ったのが嬉しかった、イコちゃんです。皆さん、秋の夜長を呑んだくれてますか?ついでに言うと、ピスちゃんが「(オレらが)メタリカのライヴで演奏する姿なんか観ないで頭を振りまくるのと、aikoのライヴでファンのコがaikoと一緒に手を振ったりピースしたりするのは、おんなじ気持ちだ」とさらっと言ったのも「はなまる」で、何か知らないけど「ピス」と「ふみか」が「れりびーれりびーれりびーれりびー♪」と歌っていたのも「グッときた」ナ。
ピストン西沢氏の「DJミックス」は面白いし、「音楽の偶然」を始めとする彼の「音楽への立ち位置」は、きっとあたしに限りなく近いと思います。さぁ〜てと、「じっくり」書くと言ってたら、もう6回目じゃん。この章、長いよ。飽きた。なんで、今回で終わらせます。まだまだ先があるんだから、「浅香唯」や「WINK」如きに「那奈回目」なんて踏ませませんよ。いや、そうじゃないか、この章は「小美人と三人娘」に関して書くんだったな。
片瀬那奈の目論見については、とっくに結論が出ています。例えば「キャンディーズ」も、「Mike(A/K/A/宇徳敬子)」も、「W」も、みんなみんな先達である「ザ・ピーナッツ」のカヴァーをレコーディングしています。それは、おんなじユニットとして当然あるべき行為なのですが、ソロ歌手である片瀬にとってはわざわざやる必然性がありません。それでも「Extended(2004)」を構築するに当たって、ソロ歌手のカヴァーだけでは伝え切れない想いがあったのでしょう。それが「淋しい熱帯魚」のカヴァー熱望になり、制作スタッフもより大きな「拡大」を企むことに繋がりました。
「1980年代の超有名女性アイドルのカヴァーを、無作為に、さらっとやってるだけじゃん」なんて思ったら、噺は進みません。何度でも言いますが、そんな「思考停止」発言で物事を済まそうとする御仁は、「無知」です。そして「無知」は「罪」なのです。何故なら、もう「知らなかった」では済まされないことを、やってしまったのですからね。
ミニアルバム発表後のライヴでの片瀬が「淋しい熱帯魚」と「C-GIRL」を好んで歌っていた事実は、残念ながら公式DVDでは完全なカタチでは残されていません。「淋しい熱帯魚」は、やはり本人も希望しての収録だったのでしょうけど、「C-GIRL」の映像が残されなかったのは、誠に遺憾に存じます。ライヴでの「Extended」コーナーは、未だに衝撃的で忘れられません。完全版でのリリースが求められて然るべきでしょう。「なんとかなりませんかねぇ?」
女性アイドル歌手にとって「歌唱力」は「絶対」ではありません。少し位、危うい音程の方が良いとさえ言えます。誰が「マライヤ」みたいに「これ見よがしに音域を誇示する技巧だけのうたをがなり立てる」10代の女の子に野太い声援を贈るでしょう?「楽天使」の「田山真美子」がソロ・デビュー曲の最後につぶやく「負けないで」や、「♪あなたイジワル♪」と歌った「CoCo」時代の三浦理恵子の甘ったれ声の方が、どんなに偉大なオペラ歌手の熱唱よりも「こころに響く瞬間」が、ひとにはあるのです。そして、その「ときめき」こそが、「音楽」にとっては、きっと大切なことでしょう。
ビートルズの曲だって、「れりびー」ではポールが弾くピアノのミスタッチがそのまんま残されているし、「恋におちたら」でハモるポールはフラットしています。いや、別に「ポールはええ加減だ」と言ってるんじゃないですよ。それどころか、彼は「ビートルズで最もプロ意識が強い片」です。ジョンなんか、カヴァー曲の正式レコーディングすら「歌詞が出鱈目」だし、自分で書いた曲すらライヴでは正確に歌えませんでした。でも、それがいい。ジョージの没になった「ど下手なギター・ソロ」を有難く聴いたり、リンゴが太鼓を叩き間違った瞬間にこそ、ファンは「にんまり」するのです。
それは何故なのか?答えは簡単ですね。それは、あたしたちが人間だからです。あたしたちは、日々を生きているから、ひとが書いて歌う音楽に心を震わせるのです。「ひとり」よりも「ふたり」へ、そして「三人」へ、ついには「集団」による大合唱へと広がっていくのが「音楽」でしょう。ちょっと調子外れだって、仲間外れにしちゃいけないよ。「おまえはダメだ」なんて言ってたんじゃ、何にも始まんないじゃないか。
音楽は素敵だ。さあ、恋をしようよ。
(第4章、STOP,)
「この章を、9月24日生まれの「同志」に捧ぐ。ゆえに、次章のタイトルも変えました。」(イコ)
「夢みる歌謡曲」第4章:小美人と三人娘(2006-9-24〜29)
取材・文:未亜
語りまくり:イコ
(文中、敬称略)
☆予告☆
第5章は「慈愛の記号(仮)」改め「テレビの中に」を、まったりとお送りいたします。
ではね、ちゃお☆
初出「COPY CONTROL」 (小島藺子/姫川未亜)