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2026年02月18日

「ポールの道」#1007「BEAT THE BEATLES」
#056「LIVE AT THE ROXY THEATRE」

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ブライアン・ウィルソンは、1998年2月6日に弟でオリジナル・メンバーであり、自分の代わりにビーチ・ボーイズのライヴでの音楽監督や実質的には音楽的なリーダーを務めていたカール・ウィルソンが肺がんで亡くなった事で、正式にビーチ・ボーイズの解散を決めました。カール・ウィルソンが亡くなった事で、ビーチ・ボーイズは「マイク・ラヴとブルース・ジョンストンとデイヴィッド・マークスのビーチ・ボーイズ」と「アル・ジャーディン・ファミリー&フレンズ」と「ブライアン・ウィルソン・バンド」と3分裂して活動する様になりました。ブライアン・ウィルソンは、1999年3月9日からライヴ・ツアーを開始して、同年7月にはまさかの来日公演も実現しました。そして、2000年4月7日と8日にロサンゼルスのロキシー・シアターでライヴ・レコーディングしたライヴ・アルバム「LIVE AT THE ROXY THEATRE」を、先ずは同2000年6月に配信で、直ぐにブリメルからCD化され、2001年にはオグリオから、更に2002年には英国サンクチュアリと日本盤で、それぞれCD2枚組でリリースしたのです。ライヴ・アルバム「LIVE AT THE ROXY THEATRE」の内容は、CD1が、1「LITTLE GIRL INTRO」、2「THE LITTLE GIRL I ONCE KNEW」、3「THIS WHOLE WORLD」、4「DON'T WORRY BABY」、5「KISS ME BABY」、6「DO IT AGAIN」、7「CARIFORNIA GIRLS」、8「I GET AROUND」、9「BACK HOME」、10「IN MY ROOM」、11「SURFER GIRL」、12「THE FIRST TIME」、13「THIS ISN'T LOVE」、14「ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY」、15「PLEASE LET ME WONDER」の全15曲入りです。CD2は、1「BAND INTRO」、2「BRIAN WILSON」、3「’TILL I DIE」、4「DARLIN'」、5「LET'S GO AWAY FOR AWHILE」、6「PET SOUNDS」、7「GOD ONLY KNOWS」、8「LAY DOWN BURDEN」、9「BE MY BABY」、10「GOOD VIBRATIONS」、11「CAROLINE, NO」、12「ALL SUMMER LONG」、13「LOVE & MERCY」の、全13曲入りで、合計28曲入りです。

オグリオからリリースされたCD2には、14「SLOOP JOHN B.」、15「BARBARA ANN」とインタビュー音源が加わって、英国盤と日本盤には更に、16「WOULDN'T IT BE NICE」、17「HELP ME, RHONDA」、18「FUN, FUN, FUN」とインタビューが加わって、全19トラックで合計34トラック入りとなっています。ライヴ・レコーディング・メンバーは、ブライアン・ウィルソン(ヴォーカル、キーボード)、ジェフリー・フォスケット(バックグラウンド・ヴォーカル、ギター、パーカッション)、ニック・ワルスコ(バックグラウンド・ヴォーカル、ギター)、マイク・ダミコ(バックグラウンド・ヴォーカル、ギター、パーカッション)、プロビン・グレゴリー(バックグラウンド・ヴォーカル、ギター、フレンチホルン、トランペット、テルミン)、ダリアン・サハナジャ(バックグラウンド・ヴォーカル、キーボード、ヴィブラフォン)、スコット・ベネット(バックグラウンド・ヴォーカル、キーボード、ヴィブラフォン、パーカッション)、ポール・フォン・マーテンス(サックス、フルート、ピッコロ)、ボブ・リジック(ベース)、ジム・ハインズ(バックグラウンド・ヴォーカル、ドラムス)、テイラー・ミルズ(バックグラウンド・ヴォーカル、パーカッション)で、ワンダーミンツのメンバーを含む10人のミュージシャンがブライアン・ウィルソンを敬愛して鉄壁なバッキングを務めています。内容は、ビーチ・ボーイズの初期ナンバーから当時の最新アルバム「IMAGINATION」までから幅広く選曲されていて、いきなりCD1の1〜2「THE LITTLE GIRL I ONCE KNEW」と云う1965年のマイナー・ヒット曲(全米20位)から始まる意外性もありつつも、目くるめく大ヒット曲を惜しげもなく披露するオールタイム・ベスト・アルバム的なセットリストとなっています。「THIS WHOLE WORLD」や「KISS ME BABY」や「ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY」や「PLEASE LET ME WONDER」や「’TILL I DIE」などは、マイク・ラヴとブルース・ジョンストンとデイヴィッド・マークスのビーチ・ボーイズでは聴けない楽曲でした。

更に、「THE FIRST TIME」と「THIS ISN'T LOVE」と云った未発表曲(「THE FIRST TIME」はこのライヴ・アルバムが初出で、「THIS ISN'T LOVE」はインストゥルメンタル曲としての既発曲にアルバム「PET SOUNDS」で組んだトニー・アッシャーが歌詞を付けた歌モノとしては初出)を交えていたり、ベアネイキッド・レディースがブライアン・ウィルソンに捧げた「BRIAN WILSON」をブライアン・ウィルソン本人がカバーしていたり、ロネッツの「BE MY BABY」を堂々とカバーしていたり、その前後にアルバム「PET SOUNDS」からインストゥルメンタル2曲を演奏して、「GOD ONLY KNOWS」や「GOOD VIBRATIONS」と云ったカール・ウィルソンがリード・ヴォーカルを担当した楽曲を自らが歌って、カール・ウィルソンに捧げた「LAY DOWN BURDEN」や、ブライアン・ウィルソンのソロ名義だった「CAROLINE, NO」を歌っている後半の展開は、その流れ全てがカール・ウィルソンに捧げられているのでしょう。勿論、ブライアン・ウィルソン自身が書いたビーチ・ボーイズの「DON'T WORRY BABY」、「DO IT AGAIN」、「CARIFORNIA GIRLS」、「I GET AROUND」、「IN MY ROOM」、「SURFER GIRL」、「DARLIN'」、「ALL SUMMER LONG」、「WOULDN'T IT BE NICE」、「HELP ME, RHONDA」、「FUN, FUN, FUN」と云ったヒット曲も交えているし、「SLOOP JOHN B.」、「BARBARA ANN」と云ったカバー・ヒット曲も演奏しているし、ソロの「LOVE & MERCY」なども歌っていて、その出し惜しみしない選曲は流石ですし、何よりもそれだけブライアン・ウィルソンは数多くの名曲を書いて来たのだ、と云う事実が分かるのです。最初は配信限定だったのに、後にCD化されたのは、それだけこのライヴ・アルバムの評判が良かったからでしょう。ソロになってからのブライアン・ウィルソンは、ライヴではキーボードを前にして座って歌っているだけなんですけれど、この珠玉の名曲群を聴いたならば、そんな事はどうでも良くなります。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする