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2026年02月13日

「ポールの道」#1002「BEAT THE BEATLES」
#051「THE PET SOUNDS SESSIONS」

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ブライアン・ウィルソンとビーチ・ボーイズの最高傑作とされているアルバム「PET SOUNDS」は、1966年5月16日にキャピトルからモノラル・ミックスとそれを元にした疑似ステレオ・ミックスでリリースされました。あたくしが最初に買った日本盤のアルバム「PET SOUNDS」も、疑似ステレオ・ミックスでした。アルバム「PET SOUNDS」は1988年に日本で初CD化されていますが、その時はモノラル・ミックスでした。オリジナルのアルバム「PET SOUNDS」がリリースされて30周年を記念して、キャピトルは1996年5月に箱「THE PET SOUNDS SESSIONS」をリリースすると発表しましたが、諸々の事情で発売は1年半も遅れて、1997年11月4日にようやく4CDでリリースされました。内容は、CD1が、1「WOULDN'T IT BE NICE」、2「YOU STILL BELIEVE IN ME」、3「THAT'S NOT ME」、4「DON'T TALK(PUT YOUR HEAD ON MY SHOULDER)」、5「I'M WAITING FOR THE DAY」、6「LET'S GO AWAY FOR AWHILE」、7「SLOOP JOHN B.」、8「GOD ONLY KNOWS」、9「I KNOW THERE'S AN ANSWER」、10「HERE TODAY」、11「I JUST WASN'T MADE FOR THESE TIMES」、12「PET SOUNDS」、13「CAROLINE, NO」、14〜15「SLOOP JOHN B.」、16〜17「TROMBONE DIXIE」、18〜19「PET SOUNDS」、20〜21「LET'S GO AWAY FOR AWHILE」、22〜24「WOULDN'T IT BE NICE」、25〜28「YOU STILL BELIEVE IN ME」の、全28曲入りです。先ずは、この箱の一番の目玉だったのが、1「WOULDN'T IT BE NICE」〜13「CAROLINE, NO」の、アルバム「PET SOUNDS」全13曲の初めてのステレオ・リミックス音源でした。コレはですね、ブライアン・ウィルソンが監修して、エンジニアのマーク・リネットがステレオ・リミックスした音源で、賛否両論を巻き起こしました。それと云うのも、オリジナル・モノラル・ミックスとはリード・ヴォーカルが変更されていたり、曲中の雑談がカットされていたりしたからです。オリジナルのモノラル・ミックスを愛しているファンからは、オリジナルに対する冒涜だ、とまで云われてしまい、その後、アルバム「PET SOUNDS」のステレオ・リミックスは、2001年盤と2012年盤で修正されています。

14「SLOOP JOHN B.」〜28「YOU STILL BELIEVE IN ME」の15曲は、アルバム「PET SOUNDS」のレコーディング・セッション音源とバッキングのみの音源で、コレはCD2に続いています。そのCD2は、1〜2「CAROLINE, NO」、3〜4「HANG ON TO YOUR EGO」、5〜7「DON'T TALK(PUT YOUR HEAD ON MY SHOULDER)」、8〜9「I JUST WASN'T MADE FOR THESE TIMES」、10〜11「THAT'S NOT ME」、12〜13「GOOD VIBRATIONS」、14〜15「I'M WAITING FOR THE DAY」、16〜17「GOD ONLY KNOWS」、18〜19「HERE TODAY」の、全19曲入りです。CD1の後半15曲と合わせて全34曲のレコーディング・セッション音源やカラオケが収録されていて、コレは熱心なファンにとってはお宝音源ですが、一般的には延々と演奏が続いて退屈でしょう。ブライアン・ウィルソンがレッキング・クルーの面々に指示する様子なども聴けるのですけれど、あくまでもマニア向けな音源となっています。CD3は、1「WOULDN'T IT BE NICE」、2「YOU STILL BELIEVE IN ME」、3「THAT'S NOT ME」、4「DON'T TALK(PUT YOUR HEAD ON MY SHOULDER)」、5「I'M WAITING FOR THE DAY」、6「SLOOP JOHN B.」、7「GOD ONLY KNOWS」、8「I KNOW THERE'S AN ANSWER」、9「HERE TODAY」、10「I JUST WASN'T MADE FOR THESE TIMES」、11「CAROLINE, NO」、12「CAROLINE, NO」、13「WOULDN'T IT BE NICE」、14「YOU STILL BELIEVE IN ME」、15「DON'T TALK(PUT YOUR HEAD ON MY SHOULDER)」、16「I'M WAITING FOR THE DAY」、17「SLOOP JOHN B.」、18「GOD ONLY KNOWS」、19「HANG ON TO YOUR EGO」、20「HERE TODAY」、21「I JUST WASN'T MADE FOR THESE TIMES」、22「BANANA & LOUIE」、23「CAROLINE, NO」、24「DOG BARKING SESSION」、25「CAROLINE, NO」、26「GOD ONLY KNOWS」、27「WOULDN'T IT BE NICE」、28「SLOOP JOHN B.」、29「GOD ONLY KNOWS」、30「CAROLINE, NO」の、全30曲入りです。

1「WOULDN'T IT BE NICE」〜11「CAROLINE, NO」の11曲は「STACK-O-VOCALS」となっていて、アルバム「PET SOUNDS」の歌入り全11曲のアカペラ・ヴァージョンです。コレもまた、熱心なファンにとってはビーチ・ボーイズのコーラスが存分に味わえて極楽気分となるのですが、一般的には完成形で充分でしょう。12「CAROLINE, NO」〜30「CAROLINE, NO」の19曲は、19トラックと云った方が分かり易い、アルバム「PET SOUNDS」のアウトテイク集です。12と25の「CAROLINE, NO」はラジオ・スポットだし、24「DOG BARKING SESSION」は「CAROLINE, NO」のアルバム・ヴァージョンの最後に入っている犬の鳴き声のセッション音源だったりします。16「I'M WAITING FOR THE DAY」はマイク・ラヴが歌ったヴァージョンで、やっぱり歌心はブライアン・ウィルソンの方が格段上です。オリジナルではカール・ウィルソンが歌っている「GOD ONLY KNOWS」はブライアン・ウィルソンのヴォーカルで聴けますけれど、ブライアン・ウィルソンがひとりで歌った「SLOOP JOHN B.」なども含めて、ブライアン・ウィルソンはこのアルバム「PET SOUNDS」を最終的にはソロ・アルバムではなく、ビーチ・ボーイズのアルバムにした過程が分かったりもします。CD4はアルバム「PET SOUNDS」のオリジナル・モノラル・ミックス全13曲入りで、合計90曲入りとなっています。バッキング・トラックだけを聴くと、ツアーから戻ってソレを聴かされたマイク・ラヴが激怒して「こんな訳が分からない音楽は誰が聴くんだ?犬か?」と云った気持ちも分かる様な気もします。2001年にはアルバム「PET SOUNDS」全13曲のモノラル・ミックスと改良ステレオ・リミックスに「HANG ON TO YOUR EGO」を加えた全27曲入りの「2 in 1」CDがリリースされていて、2016年には全104曲入りの50周年記念の箱がリリースされています。とは云え、その箱は14曲しか未発表音源が入っていなかったので、2CDを買いました。50周年盤2CDは、CD1がモノラル・ミックスと再改良ステレオ・リミックスの全26曲と、CD2が全13曲のカラオケとライヴ音源11曲の全24曲入りの合計50曲入りとなっています。他にも色々と出ていますが、普通のファンならモノラル・ミックスとステレオ・リミックスの「2 in 1」で充分でしょう。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする