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2026年02月11日

「ポールの道」#1000「BEAT THE BEATLES」
#049「STARS AND STRIPES VOL. 1」

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1995年8月15日にセルフ・カバー・アルバム「I JUST WASN'T MADE FOR THESE TIMES」をリリースして、同年10月24日にはヴァン・ダイク・パークスとの連名アルバム「ORANGE CRATE ART」をリリースしたブライアン・ウィルソンは、いよいよビーチ・ボーイズに復帰しました。そして、1996年8月19日にビーチ・ボーイズとしての通算32作目のアルバム「STARS AND STRIPES VOL. 1」をリバー・ノースからリリースしたのです。内容は、1「DON'T WORRY BABY」、2「LITTLE DEUCE COUPE」、3「409」、4「LONG TALL TEXAN」、5「I GET AROUND」、6「BE TRUE TO YOUR SCHOOL」、7「FUN, FUN, FUN」、8「HELP ME, RHONDA」、9「THE WARMTH OF THE SUN」、10「SLOOP JOHN B.」、11「I CAN HEAR MUSIC」、12「CAROLINE, NO」の、全12曲入りです。こうして曲名を並べてみると、かつてのヒット曲のセルフ・カバー・アルバムの様に感じられますが、実はコレがですね、カントリー界の大物ミュージシャンとのコレボレーション・アルバムとなっていて、ブライアン・ウィルソン、カール・ウィルソン、マイク・ラヴ、アル・ジャーディン、ブルース・ジョンストンの5人によるビーチ・ボーイズは、コーラスで参加しているだけなのです。演奏はナッシュヴィルの凄腕セッション・ミュージシャンが行っていて、リード・ヴォーカルはそれぞれの曲でゲスト・シンガーが担当していて、ブライアン・ウィルソンが復帰して5人組に戻ったビーチ・ボーイズの新作アルバムとして聴くと、盛大にズッコケます。現在の視点から見ると、セルフ・カバーのアルバム「I JUST WASN'T MADE FOR THESE TIMES」から、ヴァン・ダイク・パークスとのアルバム「ORANGE CRATE ART」を経て、このカントリー界とのコラボレーション・アルバム「STARS AND STRIPS VOL. 1」への流れは、ブライアン・ウィルソンのリハビリ期間だったのでしょう。

コラボレーションしているのは、1「DON'T WORRY BABY」はロリー・モーガン、2「LITTLE DEUCE COUPE」はジェームズ・ハウス、3「409」はジュニア・ブラウン、4「LONG TALL TEXAN」はダグ・スーパーノー、5「I GET AROUND」はソーヤー・ブラウン、6「BE TRUE TO YOUR SCHOOL」はトビー・キース、7「FUN, FUN, FUN」がリッキー・ヴァン・シェルトン、8「HELP ME, RHONDA」はT・グラハム・ブラウン、9「THE WARMTH OF THE SUN」はウィリー・ネルソン、10「SLOOP JOHN B.」はコリン・レイ、11「I CAN HEAR MUSIC」はキャシー・トロッコリー、12「CAROLINE, NO」はティモシー・B・シュミット、となっております。プロデュースはブライアン・ウィルソンとジョー・トーマスですが、結果は全米101位と沈没しました。カントリー・チャートでは12位まで上がっていますが、評論家からは毎度お馴染みの酷評を食らい捲り、予定していた「STARS AND STRIPS VOL. 2」はリリース出来ず、例によって「幻のアルバム」となってしまったのです。ブライアン・ウィルソンが戻って来てもこれじゃあ困ったちゃんですし、何よりも翌1997年には肺がんとなり、1998年2月6日に51歳で亡くなってしまうカール・ウィルソンが、ビーチ・ボーイズとして参加した最後のアルバムとなってしまうのです。そうして、ブライアン・ウィルソンの不調時代に音楽的なリーダーでライヴ監督も務めていたカール・ウィルソンが亡くなった事で、ビーチ・ボーイズは「マイク・ラヴ&ブルース・ジョンストン」と「アル・ジャーディン」と「ブライアン・ウィルソン」の3派に別れて活動する事となってしまいます。先を急げば、ビーチ・ボーイズが次作である33作目の新作アルバム「THAT'S WHY GOD MADE THE RADIO」をリリースするのは、このアルバム「STARS AND STRIPS VOL. 1」から16年後の、2012年まで待たなければならないのでした。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする