
1993年6月29日にキャピトルからリリースされた、1年遅れのメジャー・デビュー30周年を記念した6CDの箱「GOOD VIBRATIONS:THIRTY YEARS OF THE BEACH BOYS」の、今回はCD5とCD6を紹介します。CD1〜CD4の4枚は、未発表音源満載でレーベルの枠を越えた全119曲が、ほぼ年代順に並べられていました。特に注目されたのは、リリース当時には未発表だった1967年リリース予定だった幻のアルバム「SMiLE」から11曲(「GOOD VIBRATIONS」と「HEROES AND VILLAINS」のシングル・ヴァージョンを加えれば13曲)もの音源がまとめて収録されていて、その内で9曲は初出音源だった事です。アルバム「SMILE SESSIONS」が公式リリースされたのは2011年11月1日なので、それまではこの箱でしかまとめて「SMiLE」音源は聴けませんでした。他にも、やはり1977年の未完成アルバム「ADULT/CHILD」セッション音源なども収録されていて、その「ADULT/CHILD」セッション音源がリリースされるのは、今年(2026年)2月13日まで待たなければならないのです。各アルバムからも満遍なく選曲されていますが、1966年のアルバム「PET SOUNDS」から7曲(アウトテイクの「HANG ON TO YOUR EGO」を加えれば8曲)と、前述の1967年の未完成未発表アルバム「SMiLE」から11曲(公式シングルを加えれば13曲)が突出していて、1977年のアルバム「LOVE YOU」辺りまでは4曲〜6曲位は選曲しているものの、1978年のアルバム「M.I.U. ALBUM」から1989年のアルバム「STILL CRUISIN'」辺りからはそれぞれ1曲〜2曲しか選曲されていません。特に1980年代のアルバムからは、それぞれ1曲ずつしか収録されていないので、本当に駆け足で辿った感じになっています。それと云うのも、ビーチ・ボーイズの1980年以降のアルバムは、1980年のアルバム「KEEPIN' THE SUMMER ALIVE」と、1985年のアルバム「THE BEACH BOYS」と、1989年のアルバム「STILL CRUISIN'」と、1992年の「SUMMER IN PARADISE」の4作しかなかったからでもあります。アルバム「SUMMER IN PARADISE」に関しては、もうこの1993年の時点でなかった事にされました。
さて、CD5の内容は、1「IN MY ROOM」、2「RADIO SPOT #1」、3「I GET AROUND」、4「RADIO SPOT #2」、5「DANCE, DANCE, DANCE」、6「HANG ON TO YOUR EGO」、7「GOD ONLY KNOWS」、8「GOOD VIBRATIONS」、9「HEROES AND VILLAINS」、10「CABINESSENCE」、11「SURF'S UP」、12「RADIO SPOT #3」、13「ALL SUMMER LONG」、14「WENDY」、15「HUSHABYE」、16「WHEN I GROW UP(TO BE A MAN)」、17「WOULDN'T IT BE NICE」、18「CALIFORNIA GIRLS」、19「RADIO SPOT #4」、20「CONCERT INTRO / SURFIN' U.S.A.」、21「SURFER GIRL」、22「BE TRUE TO YOUR SCHOOL」、23「GOOD VIBRATIONS」、24「SURFER GIRL」の、全24曲入りです。コレはですね、全てが未発表音源となっています。1「IN MY ROOM」はデモ音源で、2,4,12,19はラジオ・スポットで、3「I GET AROUND」はカラオケ音源で、5「DANCE, DANCE, DANCE」はトラッキング・セッション音源で、6「HANG ON TO YOUR EGO」はセッション音源で、7「GOD ONLY KNOWS」はトラッキング・セッション音源で、8「GOOD VIBRATIONS」はセッション音源で、9「HEROES AND VILLAINS」、10「CABINESSENCE」、11「SURF'S UP」、の3曲はアルバム「SMiLE」用のカラオケ音源で、13「ALL SUMMER LONG」〜18「CALIFORNIA GIRLS」の6曲はヴォーカルのみの音源で、20「CONCERT INTRO / SURFIN' U.S.A.」〜22「BE TRUE TO YOUR SCHOOL」の3曲は1964年のライヴ音源で、23「GOOD VIBRATIONS」は1966年のライヴ音源で、24「SURFER GIRL」は1967年のハワイでのライヴ・リハーサル音源です。ビーチ・ボーイズの場合は、ヴォーカルのみのトラックでもコーラスの構成が良く分かって面白く聴く事が出来ますし、セッションではブライアン・ウィルソンがスタジオ・ミュージシャンに指示している様子も聴く事が出来ます。
現在では、1997年リリースの箱「THE PET SOUNDS SESSIONS」や、2011年の箱「SMILE SESSIONS」や、各アルバムの拡張盤などが続々とリリースされているのですが、その先鞭をつけたのが、この箱「GOOD VIBRATIONS:THIRTY YEARS OF THE BEACH BOYS」でした。米国盤はここまでの5CDでリリースされていて、チャート入りこそしていないものの、ゴールド・ディスクを獲得しています。ヨーロッパ盤や日本盤にはもう1枚ボーナス・ディスクが付いていて、そのCD6の内容は、1「BLUEBIRDS OVER THE MOUNTAIN」、2「TEARS IN THE MORNING」、3「HERE COMES THE NIGHT」、4「LADY LYNDA」、5「SUMAHAMA」の、全5曲入りで、合計148曲入りです。こちらは全てが既発ヴァージョンで、1「BLUEBIRDS OVER THE MOUNTAIN」は1969年のアルバム「20/20」からで、2「TEARS IN THE MORNING」は1970年のアルバム「SUNFLOWER」からで、3「HERE COMES THE NIGHT」〜5「SUMAHAMA」の3曲は1979年のアルバム「L.A.(LIGHT ALBUM)」からです。「HERE COMES THE NIGHT」は12インチ・シングル・ヴァージョンとなっていて、アルバムと同様に11分近い長尺なディスコ・ヴァージョンなのですが、アルバム・ヴァージョンよりも数秒短くなっています。「LADY LYNDA」と「SUMAHAMA」に関しては、英国でヒットした「LADY LYNDA」は兎も角として、最後が「SUMAHAMA」と云うのは何なんでしょうか。11分近い「HERE COMES THE NIGHT」が入っているので、ボーナス・ディスクとは云え26分位はあるわけですが、アルバム「L.A.(LIGHT ALBUM)」から本編も含めて全10曲中半数の5曲も収録された事になっていて、もっと他に選曲されるべき楽曲も多いのに、なんじゃらほいです。繰り返しますけれど、最後が「SUMAHAMA」じゃあ、納得がいかないし、本編が良いので余計に「SUMAHAMA」で盛大にズッコケます。途中を日本語で歌っているから日本向けに選曲したのかもしれませんが、逆効果です。
(小島イコ)
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