
1966年10月10日にリリースしたビーチ・ボーイズのシングル「GOOD VIBRATIONS」は、全米首位!・全英首位!と文句なしの傑作でした。ビーチ・ボーイズのリーダーであるブライアン・ウィルソンは、その「GOOD VIBRATIONS」を発展した様なアルバム「SMiLE」を制作するのですが、様様な事情で1967年5月に制作中止しています。キャピトルは勝手にジャケットを印刷して、裏ジャケットには曲名まで掲載して、1967年1月にリリースするとラジオで宣伝までしていたのですけれど、ブライアン・ウィルソンがアルバム「SMiLE」を完成させたのは、その37年後の2004年だったのです。そして、ビーチ・ボーイズ名義のアルバム「SMiLE SESSIONS」をリリースするのは、44年後の2011年です。ビーチ・ボーイズの「GOOD VIBRATIONS」は、2006年にCDシングルがリリースされていて、そちらは、1「GOOD VIBRATIONS」オリジナル・シングル・ヴァージョン、2「GOOD VIBRATIONS」セッション音源、3「GOOD VIBRATIONS」別テイク、4「GOOD VIBRATIONS」インストゥルメンタル、5「GOOD VIBRATIONS」1967年8月25日のライヴ・ヴァージョン、6「LET'S GO AWAY FOR AWHILE」オリジナル・シングルB面曲(アルバム「PET SOUNDS」より)、の全6曲入りです。全米首位!・全英首位!となったので、キャピトルは当然ながら新作アルバム「SMiLE」を期待していたわけですが、ブライアン・ウィルソンはレコーディングになかなか納得せず、途中で共作者だったヴァン・ダイク・パークスも降板してしまいました。ビーチ・ボーイズはアルバム「SMiLE」からは自らが立ち上げたレーベルである「ブラザー・レコーズ」から作品をリリースする事となり、それはビートルズが1968年に「アップル・レコーズ」を立ち上げるよりも1年も前でした。アルバム「SMiLE」が頓挫したので、ビーチ・ボーイズは1967年7月24日にはアルバム「SMiLE」の目玉のひとつだったシングル「HEROES AND VILLAINS」(B面はアルバム未収録曲「YOU'RE WELCOME」)をリリースして、全米12位・全英8位となっています。
更に、1967年8月28日には、ブライアン・ウィルソン&マイク・ラヴ名義のシングル「GETTIN' HUNGRY」(B面はアルバム「BEACH BOYS' PARTY!」からの「DEVOTED TO YOU」)をリリースしています。それと前後して、1967年7月24日にはキャピトルがまたしても勝手に2作目のベスト・アルバム「BEST OF BEACH BOYS VOL.2」をリリースしていて、内容はA面が、1「BARBARA ANN」、2「WHEN I GROW UP(TO BE A MAN)」、3「LONG, TALL TEXAN」、4「PLEASE LET ME WONDER」、5「409」、6「LET HIM RUN WILD」で、B面が、1「DON'T WORRY BABY」、2「SURFIN' SAFARI」、3「LITTLE SAINT NICK」、4「CALIFORNIA GIRLS」、5「HELP ME, RHONDA」、6「I GET AROUND」の、全12曲入りです。前作ベスト・アルバム同様に無茶苦茶な選曲で、ライヴ・アルバムやクリスマス・アルバムに収録された曲まで入れていて、流石にコレは全米50位までしか上がっていません。英国盤はこちらも独自の選曲で、A面が、1「SURFER GIRL」、2「DON'T WORRY BABY」、3「WENDY」、4「WHEN I GROW UP(TO BE A MAN)」、5「GOOD TO MY BABY」、6「DANCE, DANCE, DANCE」、7「THEN I KISSED HER」で、B面が、1「THE GIRL FROM NEW YORK CITY」、2「GIRL DON'T TELL ME」、3「THE LITTLE GIRL I ONCE KNEW」、4「MOUNTAIN OF LOVE」、5「HERE TODAY」、6「WOULDN'T IT BE NICE」、7「GOOD VIBRATIONS」の、全14曲入りです。やはり英国盤の方がマトモな選曲をしていて、全英3位まで上がっています。この当時のビーチ・ボーイズは、本国である米国よりも英国での人気が爆発していて、人気投票でビートルズを抜いて首位!となっていたのです。そして、1967年9月18日に、ビーチ・ボーイズのベスト・アルバムを除けば13作目のアルバム「SMILEY SMILE」が、ブラザー/キャピトルからリリースされました。
アルバム「SMILEY SMILE」の内容は、A面が、1「HEROES AND VILLAINS」、2「VEGETABLES」、3「FALL BREAKS AND BACK TO WINTER(WOODY WOODPECKER SYMPHONY)」、4「SHE'S GOIN' BALD」、5「LITTLE PAD」で、B面が、1「GOOD VIBRATIONS」、2「WITH ME TONIGHT」、3「WIND CHIMES」、4「GETTIN' HUNGRY」、5「WONDERFUL」、6「WHISTLE IN」の、全11曲入りです。作者は、ブライアン・ウィルソンとヴァン・ダイク・パークスの共作が3曲(「HEROES AND VILLAINS」、「VEGETABLES」、「WONDERFUL」)、ブライアン・ウィルソンとマイク・ラヴの共作が2曲(「GOOD VIBRATIONS」、「GETTIN' HUNGRY」)、ブライアン・ウィルソンとマイク・ラヴとヴァン・ダイク・パークスの共作が1曲(「SHE'S GOIN' BALD」)、ブライアン・ウィルソンの単独作が5曲(「FALL BREAKS AND BACK TO WINTER(WOODY WOODPECKER SYMPHONY)」、「LITTLE PAD」、「WITH ME TONIGHT」、「WIND CHIMES」、「WHISTLE IN」)です。この内、「WIND CHIMES」はブライアン・ウィルソンの単独作としているCDと、ブライアン・ウィルソンとヴァン・ダイク・パークスの共作としているCDがあり、「SHE'S GOIN' BALD」にヴァン・ダイク・パークスの名前がないCDもあります。リード・ヴォーカルは、ブライアン・ウィルソンが1曲(「HEROES AND VILLAINS」)、マイク・ラヴが1曲(「SHE'S GOIN' BALD」)、ブライアン・ウィルソンとマイク・ラヴの二人で1曲(「GETTIN' HUNGRY」)、カール・ウィルソンが2曲(「WITH ME TONIGHT」、「WONDERFUL」)、ブライアン・ウィルソンとカール・ウィルソンの二人で1曲(「LITTLE PAD」)、カール・ウィルソンとマイク・ラヴの二人で2曲(「GOOD VIBRATIONS」、「WHISTLE IN」)、グループ全員で2曲(「VEGETABLES」、「WIND CHIMES」)、インストゥルメンタルが1曲(「FALL BREAKS AND BACK TO WINTER(WOODY WOODPECKER SYMPHONY)」)です。プロデュースはブライアン・ウィルソン単独ではなく、ビーチ・ボーイズ全員となっています。
現在では、このアルバム「SMILEY SMILE」は、アルバム「SMiLE」が制作中止となった為に、ブライアン・ウィルソンの自宅に録音機材を持ち込んで、既に完成していた「GOOD VIBRATIONS」、制作途中だった「HEROES AND VILLAINS」、1967年4月にレコーディングしていた「VEGETABLES」(ポール・マッカートニーが野菜をかじる音で参加しているとも云われている)以外の8曲は、1967年6月3日から7月14日までの短期間でレコーディングされたと分かっています。アルバム「SMiLE」でレコーディングしていた楽曲が多いものの、「GOOD VIBRATIONS」と「HEROES AND VILLAINS」以外は新たにレコーディングし直していて、壮大なシンフォニーとなるはずだったアルバム「SMiLE」とは真逆の、音数が少ない剥き出しのサウンドになっています。故に、アルバム「SMiLE」でレコーディングされていた「HEROES AND VILLAINS」と「GOOD VIBRATIONS」の2曲のシングル曲が逆に浮いてしまっています。宣伝までされていたアルバム「SMiLE」を期待した方々にとっては肩透かしの様なアルバムとなっていて、全米41位と云う、それまでのビーチ・ボーイズのアルバムでは最低な記録となってしまいました。ところが、英国では全英9位まで上がるヒット作となっていて、当時の英国での絶大なる人気が伺える結果となっています。以前も触れましたが、このアルバム「SMILEY SMILE」は、個人的にはビーチ・ボーイズを好きになるキッカケとなったアルバムなので、現在でも愛聴しています。故に、アルバム「SMILEY SMILE」とアルバム「WILD HONEY」の「2 in 1」CDも、モノラル・ミックスとステレオ・ミックスの「2 in 1」CDも、ジャケットがイラストではなくメンバーの写真のフランス盤CDも持っています。アルバム「SMILEY SMILE」とアルバム「WILD HONEY」の「2 in 1」にはボーナス・トラックが6曲(「HEROES AND VILLAINS」、「GOOD VIBRATIONS」、「GOOD VIBRATIONS」、「YOU'RE WELCOME」、「THEIR HEARTS WERE FULL OF SPRING」、「CAN'T WAIT TOO LONG」)が収録されていますが、フランス盤にも6曲(「YOU'RE WELCOME」、「HEROES AND VILLAINS」、「GOOD VIBRATIONS」、「DO YOU LIKE WORMS」、「OUR PRAYER」、「I LOVE TO SAY DA DA」)が収録されていて、微妙に違った選曲となっています。
(小島イコ)
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