
1989年6月5日に、ポール・マッカートニーは、ソロでは8作目(ポール&リンダやウイングスを含めれば16作目)のアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」(全英首位!・全米21位)をリリースしました。ポールは初動で3百万枚しか売れなかった、と常人では考えられない様な感想で、1989年9月26日のノルウェー公演から1990年7月29日の北米ツアーまで、初来日公演も含めたソロとしては初のワールド・ツアーを行ったのです。ツアー・メンバーは、ポール・マッカートニー(リード・ヴォーカル、ベース、アコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、ピアノ、キーボード)、リンダ・マッカートニー(バッキング・ヴォーカル、キーボード、パーカッション)、ヘイミッシュ・スチュアート(バッキング・ヴォーカル、アコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、ベース)、ロビー・マッキントッシュ(バッキング・ヴォーカル、エレクトリック・ギター)、ポール'ウィックス'ウィッケンズ(バッキング・ヴォーカル、キーボード)、クリス・ウィッテン(ドラムス、パーカッション)の6人によるバンドで、ほとんどの楽曲をその6人だけで演奏しています。そして、103回のショーから厳選したライヴ音源を、1990年11月5日に、CD2枚組(LP3枚組)のライヴ・アルバム「TRIPPING THE LIVE FANTASTIC」全37曲入りでリリースして、同年11月19日にはCD1枚の「TRIPPING THE LIVE FANTASTIC:HIGHLIGHTS!」全17曲入りと、LP1枚の「TRIPPING THE LIVE FANTASTIC:HIGHLIGHT!」全12曲入りをリリースして、ツアーの様子はリチャード・レスター監督の映像作品「GET BACK」として発表されています。以前に「MOONCHILD RECORDS」から2022年にリリースされたパイレート盤「GET BACK & MORE」を紹介しましたが、それは映像作品「GET BACK」のサントラ音源全21曲やアナログ盤「TRIPPING THE LIVE FANTASTIC:HIGHLIGHTS!」全12曲(ビートルズ・ナンバーばかりで酷い選曲)などを収録したもので、余り物をかき集めた音源集でした。本編はやはり、全37曲入りのライヴ・アルバム「TRIPPING THE LIVE FANTASTIC」です。
内容は、CD1が、1「SHOWTIME」、2「FIGURE OF EIGHT」、3「JET」、4「ROUGH RIDE」、5「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、6「BAND ON THE RUN」、7「BIRTHDAY」、8「EBONY AND IVORY」、9「WE GOT MARRIED」、10「INNER CITY MADNESS」、11「MAYBE I'M AMAZED」、12「THE LONG AND WINDING ROAD」、13「CRACKIN’ UP」、14「THE FOOL ON THE HILL」、15「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、16「CAN'T BUY ME LOVE」、17「MATCHBOX」、18「PUT IT THERE」、19「TOGETHER」で、CD2が、1「THINGS WE SAID TODAY」、2「ELEANOR RIGBY」、3「THIS ONE」、4「MY BRAVE FACE」、5「BACK IN THE U.S.S.R.」、6「I SAW HER STANDING THERE」、7「TWENTY FLIGHT ROCK」、8「COMING UP」、9「SALLY」、10「LET IT BE」、11「AIN'T THAT A SHAME」、12「LIVE AND LET DIE」、13「IF I WERE NOT UPON THE STAGE」、14「HEY JUDE」、15「YESTERDAY」、16「GET BACK」、17「GOLDEN SLUMBERS / CARRY THAT WEIGHT / THE END」、18「DON'T LET THE SUN CATCH YOU CRYING」の、全37曲入りです。このライヴ・アルバムは、CD2枚組にも関わらず、全英26位・全米17位となっています。つまり、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」が全米21位だったので、米国ではこのライヴ・アルバムの方が売れているのです。ビートルズ・ナンバーが15曲(メドレーを分ければ17曲)(「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、「BIRTHDAY」、「THE LONG AND WINDING ROAD」、「THE FOOL ON THE HILL」、「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、「CAN'T BUY ME LOVE」、「THINGS WE SAID TODAY」、「ELEANOR RIGBY」、「BACK IN THE U.S.S.R.」、「I SAW HER STANDING THERE」、「LET IT BE」、「HEY JUDE」、「YESTERDAY」、「GET BACK」、「GOLDEN SLUMBERS / CARRY THAT WEIGHT / THE END」)と、全体の半数近くを占めていたのは驚きでした。
ウイングス・ナンバーが3曲(「JET」、「BAND ON THE RUN」、「LIVE AND LET DIE」)、ソロ・ナンバーが9曲(「FIGURE OF EIGHT」、「ROUGH RIDE」、「EBONY AND IVOTRY」、「WE GOT MARRIED」、「MAYBE I'M AMAZED」、「PUT IT THERE」、「THIS ONE」、「MY BRAVE FACE」、「COMING UP」)、カバーやリンクなどが10曲(「SHOWTIME」、「INNER CITY MADNESS」、「CRACKIN' UP」、「MATCHBOX」、「TOGETHER」、「TWENTY FLIGHT ROCK」、「SALLY」、「AIN'T THAT A SHAME」、「IF I WERE NOT UPON THE STAGE」、「DON'T LET THE SUN CATCH YOU CRYING」)と、ウイングス・ナンバーが少なく、当時の最新アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」からは6曲も演奏しています。しかし、このライヴ・アルバム「TRIPPING THE LIVE FANTASTIC」には他にも音源が出ていて、先ずは先行シングルだった「BIRTHDAY」のカップリングで「GOOD DAY SUNSHINE」、「P.S. LOVE ME DO」、「LET ’EM IN」の3曲が、「TRIPPING THE LIVE FANTASTIC:HIGHLIGHTS!」とシングルで「ALL MY TRIALS」が、そのシングルのカップリングで「C MOON」、「MULL OF KINTYRE」、「STRAWBERRY FIELDS FOREVER / HELP! / GIVE PEACE A CHANCE」が、それぞれ収録されていたのです。全37曲入りのCD2枚組で充分かと思っていたのに、まだまだ他にあったわけで、そうなると毎度お馴染みの「MOONCHILD RECORDS」から2021年にリリースされたパイレート盤「TRIPPING THE LIVE & MORE」CD3枚組で新品が税込み千円の出番となります。内容は、CD1が、1「SHOWTIME」、2「FIGURE OF EIGHT」、3「JET」、4「ROUGH RIDE」、5「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」、6「BAND ON THE RUN」、7「BIRTHDAY」、8「EBONY AND IVORY」、9「WE GOT MARRIED」、10「INNER CITY MADNESS」、11「MAYBE I'M AMAZED」、12「THE LONG AND WINDING ROAD」、13「CRACKIN’ UP」、14「THE FOOL ON THE HILL」、15「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、16「CAN'T BUY ME LOVE」、17「MATCHBOX」、18「PUT IT THERE」、19「TOGETHER」、20「GOOD DAY SUNSHINE」、21「C MOON」、22「ALL MY TRIALS」の全22曲入りです。
1「SHOWTIME」〜19「TOGETHER」の19曲は、ライヴ・アルバム「TRIPPING THE LIVE FANTASTIC」CD1全19曲の最新リマスター音源です。20「GOOD DAY SUNSHINE」、21「C MOON」、22「ALL MY TRIALS」の3曲は、ライヴ・アルバム「TRIPPING THE LIVE FANTASTIC」には未収録音源です。CD2が、1「THINGS WE SAID TODAY」、2「ELEANOR RIGBY」、3「THIS ONE」、4「MY BRAVE FACE」、5「BACK IN THE U.S.S.R.」、6「I SAW HER STANDING THERE」、7「TWENTY FLIGHT ROCK」、8「COMING UP」、9「SALLY」、10「LET IT BE」、11「AIN'T THAT A SHAME」、12「LIVE AND LET DIE」、13「IF I WERE NOT UPON THE STAGE」、14「HEY JUDE」、15「YESTERDAY」、16「GET BACK」、17「GOLDEN SLUMBERS / CARRY THAT WEIGHT / THE END」、18「DON'T LET THE SUN CATCH YOU CRYING」、19「LET ’EM IN」、20「MULL OF KINTYRE」の全20曲入り(メドレーを分ければ全22曲入り)で、1「THINGS WE SAID TODAY」〜18「DON'T LET THE SUN CATCH YOU CRYING」の18曲は、ライヴ・アルバム「TRIPPING THE LIVE FANTASTIC」CD2全18曲の最新リマスター音源です。19「LET ’EM IN」、20「MULL OF KINTYRE」の2曲は、ライヴ・アルバム未収録曲です。この中で、「BACK IN THE U.S.S.R.」、「COMING UP」、「AIN'T THAT A SHAME」、「GET BACK」、「LET ’EM IN」の5曲は東京ドーム公演からのライヴ音源です。そして、このパイレート盤「TRIPPING THE LIVE & MORE」の目玉は、CD3です。内容は、1「LET IT BE」、2「I SAW HER STANDING THERE」、3「LONG TALL SALLY」、4「GET BACK」、5「JET」、6「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID」、7「DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE」、8「LAWDY MISS CLAWDY」、9「I SAW HER STANDING THERE」、10「BAND INTRODUCTIONS」、11「HOW MANY PEOPLE」、12「PUT IT THERE」、13「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、14「P.S. LOVE ME DO」、15〜18「BIRTHDAY I.D. INTRO #1〜#4」、19「BIRTHDAY」、20「COMING UP」、21「BIRTHDAY」、22「HEY JUDE」、23「CAN'T BUY ME LOVE」、24「STRAWBERRY FIELDS FOREVER / HELP! / GIVE PEACE A CHANCE」の、全24曲(メドレーを分ければ全26曲入り)で、3CD合計で全66曲(メドレーを分ければ全70曲入り)です。
1「LET IT BE」は、1985年7月13日の「LIVE AID」に英国のトリで登場して歌ったライヴ・ヴァージョンですが、最初の方でマイク・トラブルがあったので、後でヴォーカルをレコーディングし直しています。歓声が途中で大きくなるのは、ポールの声が途中から突然聴こえたので観衆が大騒ぎになったのです。2「I SAW HER STANDING THERE」〜4「GET BACK」の3曲は、1986年6月20日の「プリンス・トラスト」からのライヴ音源で、5「JET」〜6「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID」の2曲は、1987年11月19日のベスト・アルバム「ALL THE BEST!」のプロモーションで行ったライヴ音源で、7「DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE」〜9「I SAW HER STANDING THERE」の3曲は、やはりベスト・アルバム「ALL THE BEST!」のプロモーションで1987年11月27日に行ったライヴ音源で、何故かベスト・アルバム未収録のカバーやビートルズ・ナンバーを演奏しています。10「BAND INTRODUCTIONS」〜11「HOW MANY PEOPLE」の2曲は、1989年5月22日のライヴ音源で、この曲のライヴ・ヴァージョンはレアです。12「PUT IT THERE」はシングル・ヴァージョンで、13「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」はプロモ盤音源で、悪名高い、14「P.S. LOVE ME DO」と来て、15〜18「BIRTHDAY I.D. INTRO」は、各地でのMCで、19「BIRTHDAY」はシングル・ヴァージョンで、20「COMING UP」〜23「CAN'T BUY ME LOVE」の4曲は、1990年6月30日のネブワース公演からのライヴ音源です。最後の、24「STRAWBERRY FIELDS FOREVER / HELP! / GIVE PEACE A CHANCE」の通称「ジョン・レノン・メドレー」は、1990年6月28日のリバプール公演でだけ演奏されたジョンへの追悼ライヴ音源で、ジョンが主導で書いたレノン=マッカートニー作(当時は「GIVE PEACE A CHANCE」もレノン=マッカートニー作品だった)3曲をメドレーにした演奏で、地元であるリバプールの観衆の喜び方は尋常ではありません。その模様は映像作品「GOING HOME」でも観れます。1979年12月29日の「カンボジア難民救済コンサート」以来、ポールは1989年から始まった「GET BACK TOUR」まで本格的なライヴを行っていなかったので、このCD3にはその空白期間のライヴ音源が多く収録されているし、シングルのカップリングになった「ジョン・レノン・メドレー」だけでも税込み千円以上の価値はあります。
(小島イコ)
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