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2025年12月14日

「ポールの道」#941「THE BEATLES BLACK VOX」
#250「FLOWERS IN THE DIRT & MORE」PART 2

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1989年6月5日にMPL/パーロフォンからリリースされた、ポール・マッカートニーのソロでは8作目(ポール&リンダやウイングスを含めれば16作目)のアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」は、日本のバカな評論家が1986年リリースのポールのソロでは6作目(ポール&リンダやウイングスを含めれば14作目)のアルバム「PRESS TO PLAY」と比較して、ポールが大復活を遂げたなどと云う世迷言を繰り返してぶっこいています。アルバム「PRESS TO PLAY」は全英8位・全米30位で、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」は全英首位!・全米21位なので、英国での評価は8位から首位!と上がっていますけれど、米国では30位が21位になっただけで、そんなに売れてはいません。そして、二つのアルバムの間には、1987年リリースのベスト・アルバム「ALL THE BEST!」と、1988年に旧ソ連限定でリリースして、1991年に全世界リリースしたカバー・アルバム「CHOBA B CCCP」もあります。ベスト・アルバム「ALL THE BEST!」は、全英2位・全米62位で、カバー・アルバム「CHOBA B CCCP」は全英63位・全米109位なのです。つまり、オリジナル・アルバムやベスト・アルバムは英国では安定してトップ10ヒットとなっていたけれど、米国ではドンドンドンガラガッタと転落していて、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」は米国では起死回生の逆転満塁ホームランにはなっていません。更に云えば、次作である1993年リリースのアルバム「OFF THE GROUND」は全英5位・全米17位なので、米国ではアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」よりも売れています。それから、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」とアルバム「OFF THE GROUND」では、ポールとエルヴィス・コステロの共作がシングルB面だった「BACK ON MY FEET」を含めて7曲とエルヴィス・コステロのアルバムで4曲の合計11曲が収録されていて、エルヴィス・コステロがポールを蘇らせたなどとも云われています。そんな大それた事はない、とエルヴィス・コステロ本人が云っているのに、日本のバカな評論家はエルヴィス・コステロがよっぽど好きなのでしょうなあ。もしかして、褒め殺ししているのでしょうか。

ポールとの共作でエルヴィス・コステロがリリースしたのは、1989年2月リリースのアルバム「SPIKE」で2曲(「VERONICA」、「PADS, PAWS AND CLAWS」)と、1991年5月リリースのアルバム「MIGHTY LIKE A ROSE」で2曲(「SO LIKE CANDY」、「PLAYBOY TO A MAN」)の合わせて4曲で、個人的には二人の共作で最高傑作だと思う「VERONICA」は、シングルになって全米19位まで上がっています。エルヴィス・コステロのアルバムの成績は、アルバム「SPIKE」が全英2位・全米32位で、アルバム「MIGHTY LIKE A ROSE」が全英3位・全米55位です。確かに英国では売れましたが、米国ではそれほどヒットしたわけでもありません。全英首位!・全米21位だったポールのアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」も、シングルは「MY BRAVE FACE」が全英18位・全米25位で、「THIS ONE」が全英18位・全米94位で、「FIGURE OF EIGHT」が全英42位・全米92位で、「PUT IT THERE」が全英32位・米国では発売なし、とスマッシュ・ヒット止まりでした。それなのに、何故に日本のバカな評論家がアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」を過剰に持ち上げているのかと云うとですね、答えは簡単で、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」を引っ提げてポールがソロとしては初のワールド・ツアーを行って、初来日公演も遂に実現して、ビートルズやウイングスやソロの楽曲をたっぷりと披露してくれたからなのです。1曲目は「FIGURE OF EIGHT」で、最新アルバムだった「FLOWERS IN THE DIRT」からは他にもプロモーションの為に、「ROUGH RIDE」、「WE GOT MARRIED」、「PUT IT THERE」、「THIS ONE」、「MY BRAVE FACE」と、合わせて6曲も披露してくれたわけですよ。そりゃあ、悪く云う事など神をも恐れぬ所業なので、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」はスゴイし、エルヴィス・コステロも偉大だ、と云う短絡的な考えに陥ってしまったわけですなあ。ちなみに、1993年の2度目の来日公演では、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」からは1曲も演奏せず、代わりにアルバム「OFF THE GROUND」からの楽曲を多く披露してくれたわけです。更に云えば、2016年リリースのベスト・アルバム「PURE McCARTNEY」は、CD4枚組で全67曲入りだったのに、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」からは1曲も選曲されていません。それをまた、翌2017年に「アーカイヴ・コレクション」をリリースするから出し惜しみしたなどと日本のバカな評論家は云っていて、そんなわけないでしょう。だってね、前年である2015年にアーカイヴ・コレクションを出したばかりのアルバム「TUG OF WAR」とアルバム「PIPES OF PEACE」からは、普通に選曲しているんですよ。日本のバカな評論家が駄作だと云っているアルバム「PRESS TO PLAY」からだって、普通に選曲しているんですよ。

ポールはアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」をリリースした直後のインタビューで、「今度のアルバムはまだ3百万枚位しか売れていないから、ワールド・ツアーをやって、もっと売らなきゃならない」と真顔で云ってのけたのです。思わずテレビの中のポールに向かって「まだ3百万枚?」と突っ込んでしまいました。さて、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」関連曲を収めた「MOONCHILD RECORDS」から2021年にリリースされたパイレート盤「FLOWERS IN THE DIRT & MORE」の、今回は後半の2枚です。CD3は、1「THE LOVERS THAT NEVER WERE」、2「TWENTY-FIVE FINGERS」、3「TOMMY'S COMING HOME」、4「SO LIKE CANDY」、5「YOU WANT HER TOO」、6「PLAYBOY TO A MAN」、7「DON'T BE CARELESS LOVE」、8「MY BRAVE FACE」、9「THE WHITE COATED MAN」、10「COW」、11「ENDLESS DAYS」、12「POISON IVY」、13「PEACOCKS」、14「BIG DAY」、15「ONCE UPON A LONG AGO」、16「THE WHITE COATED MAN」、17「COW」、18「MESSAGE」、19「THE LONG AND WINDING ROAD」、20「ROUGH RIDE」、21「MY BRAVE FACE」、22「THE FOOL ON THE HILL」、23「PARTY PARTY」の、全23曲入りです。1「THE LOVERS THAT NEVER WERE」〜8「MY BRAVE FACE」の8曲は、ポールとエルヴィス・コステロによるデモ音源ですが、何故か「THAT DAYS IS DONE」が抜けています。それにしても、1「THE LOVERS THAT NEVER WERE」のポールのヴォーカルは、凄いです。こんなのを聴いてしまったら、現在の83歳のポールの歌声が衰えたと云われても仕方ないですよ。歳を重ねたら、誰だって衰えるんですからね。9「THE WHITE COATED MAN」〜12「POISON IVY」の4曲は、リンダ・マッカートニーがリード・ヴォーカルを担当した曲で、全てがアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」の時期のレコーディング曲ですが、1998年10月にリリースされたリンダの遺作アルバム「WIDE PRAIRIE」に4曲共に収録されています。13「PEACOCKS」〜14「BIG DAY」はアウトテイクで、15「ONCE UPON A LONG AGO」はLPヴァージョンで、16「THE WHITE COATED MAN」〜17「COW」は前述のリンダの歌の別ヴァージョンで、18「MESSAGE」は日本盤「スペシャル・パッケージ」からで、19「THE LONG AND WINDING ROAD」はシングル「THIS ONE」のカップリング曲で、20「ROUGH RIDE」はニュー・ヴァージョンで、21「MY BRAVE FACE」はエルヴィス・コステロが歌うラフ・テイクで、22「THE FOOL ON THE HILL」はセルフ・カバーで、23「PARTY PARTY」はロック・ヴァージョンです。

CD4は、1「ONCE UPON A LONG AGO」、2〜4「OU EST SOLEIL」、5「FIGURE OF EIGHT」、6「THIS ONE」、7「DISTRACTION」、8「OU EST SOLEIL」、9「GOOD SIGN」、10「PARTY PARTY」、11「FIGURE OF EIGHT」、12「OU EST SOLEIL」、13「WE GOT MARRIED」、14「PARTY PARTY」、15「OU EST SOLEIL」の、全15曲入りで、CD4枚合計で全74曲入りです。1「ONCE UPON A LONG AGO」は拡大ヴァージョンで、2〜4「OU EST SOLEIL」の3曲は拡大ヴァージョンとダブ・ミックスとインストゥルメンタルで、5「FIGURE OF EIGHT」は12インチ・ヴァージョンで、6「THIS ONE」はクラブ・ミックスで、7「DISTRACTION」はビデオ・ミックスで、8「OU EST SOLEIL」は編集ヴァージョンで、9「GOOD SIGN」は別ミックスで、10「PARTY PARTY」はリミックスで、11「FIGURE OF EIGHT」〜12「OU EST SOLEIL」の2曲はシングル・ヴァージョンで、13「WE GOT MARRIED」〜15「OU EST SOLEIL」の3曲はプロモ・ヴァージョンです。CD4枚で全74曲入りとなったのは、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」のレコーディングは長期間(1987年10月〜1989年1月)に及んで、CD2に収録された幻のアルバム「RETURN TO PEPPERLAND」が頓挫した事も理由のひとつではあります。しかしながら、この頃からのポールは、シングルを何種類もリリースしていて、CDシングルやレコード盤のシングルの他にも、12インチ・シングルもリリースしていたからです。それらのシングルは、表題曲は同じでも、カップリング曲が異なっていて、シングル「FIGURE OF EIGHT」なんかは英国だけで7種類も出ています。表題曲が同じで何種類もシングルをリリースすると云う技は、現在の日本では乃木坂46や櫻坂46などのアイドルも行っていますが、それは元祖で本家の世界のアイドルであるサー・ポール・マッカートニーが1980年代中期には既に始めていた事なのです。それから、アルバム「PRESS TO PLAY」とアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」を比べたら、個人的にはアルバム「PRESS TO PLAY」の方が好きです。エルヴィス・コステロも嫌いじゃないけれど、やっぱりエリック・スチュワートが好きなんですよ。それは好みの問題なので、日本のバカな評論家がアルバムの評価を勝手に決めてしまうのは違うと思いますよ。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする