
ポール・マッカートニーは、日本のバカな評論家に云わせると、1980年代中期には低迷していた事にされています。しかしながら、ポールの1980年以降のアルバムをチャートでの成績で振り返ると、1980年の「McCARTNEY U」は全英首位!・全米3位で、1982年の「TUG OF WAR」は全英首位!・全米首位!で、1983年の「PIPES OF PEACE」は全英4位・全米15位で、1984年の「GIVE MY REGARD TO BROAD STREET」は全英首位!・全米21位で、1986年の「PRESS TO PLAY」は全英8位・全米30位で、1987年の「ALL THE BEST!」は全英2位・全米62位で、1989年の「FLOWERS IN THE DIRT」は全英首位!・全米21位です。つまり、英国では浮き沈みもなく安定した人気を誇っていたものの、米国ではドンドンと成績が落ちて、アルバム「PRESS TO PLAY」では30位まで転落して、もう落ちないだろうと思われたベスト・アルバム「ALL THE BEST!」では62位まで転がり落ちていたのです。アルバム「PRESS TO PLAY」とアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」の間にはそのベスト・アルバムがあったし、1988年に旧ソ連限定で1991年に全世界リリースした「CHOBA B CCCP」は全英63位・全米109位です。起死回生のアルバムと云われている「FLOWERS IN THE DIRT」だって、全英首位!ですが、全米21位なわけで、それで逆転満塁ホームランと騒ぎ立てる程には売れていません。日本のバカな評論家は、アルバム「PRESS TO PLAY」で組んだエリック・スチュワートがダメで、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」で組んだエルヴィス・コステロがスゴイのだ、などと云うバカ丸出しの駄文ばかり書いているのですけれど、全米30位と全米21位では全く説得力がありません。アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」には、エルヴィス・コステロとの共作が4曲収録されていますが、最初にポールとエルヴィス・コステロの共作がリリースされたのは、1987年のシングル「ONCE UPON A LONG AGO」のカップリング曲である「BACK ON MY FEET」でした。その時点では全く騒いでいなかったのに、1989年リリースのエルヴィス・コステロのアルバム「SPIKE」にポールとエルヴィス・コステロの共作2曲(「VERONICA」、「PADS, PAWS AND CLAWS」)が収録されて、シングル「VERONICA」が全米19位とスマッシュ・ヒットした辺りで、ようやく騒ぎ出したのです。簡単に云えば、日本のバカな評論家はエルヴィス・コステロが大好きで、コステロ本人が云う様に過大評価しているのです。
確かに、1989年6月5日にMPL/パーロフォンからリリースした、ポールのソロでは8作目(ポール&リンダやウイングスを含めれば16作目)のアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」は名作ではあります。レコーディングは1987年10月1日から1989年1月12日まで、じっくりと時間をかけて行われていて、その中には幻のアルバムとなったポールとフィル・ラモーンがプロデュースした「RETURN TO PEPPERLAND」用の楽曲なども含まれています。エルヴィス・コステロは4曲を共作しているものの、レコーディングでは「YOU WANT HER TOO」でデュエットしているだけなのです。幾らアーカイヴ・コレクションで二人のデモ音源が発掘されようが、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」と云う完成品でのエルヴィス・コステロの役割は、そんなに大きなものではありません。アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」の内容は、A面が、1「MY BRAVE FACE」、2「ROUGH RIDE」、3「YOU WANT HER TOO」、4「DISTRACTIONS」、5「WE GOT MARRIED(幸せなる結婚)」、6「PUT IT THERE」で、B面が、1「FIGURE OF EIGHT」、2「THIS ONE」、3「DON'T BE CARLESS LOVE(ケアレス・ラヴに気をつけて)」、4「THAT DAYS IS DONE(ふりむかないで)」、5「HOW MANY PEOPLE(ハウ・メニー・ピープル(チコ・メンデスに捧ぐ))」、6「MOTOR OF LOVE」の全12曲入りで、CDには最初から「OU EST LE SOLEIL(太陽はどこへ?)」がボーナス・トラックとして収録された全13曲入りでした。この内で「MY BRAVE FACE」と「YOU WANT HER TOO」と「DON'T BE CARLESS LOVE」と「THAT DAYS IS DONE」の4曲がポールとエルヴィス・コステロの共作で、他は全てポールの単独作です。日本では1990年3月2日に初来日公演に合わせてCD2枚組の「スペシャル・パッケージ」も出ていて、CD2が、1「MESSAGE」、2「THE LONG AND WINDING ROAD」、3「LOVELIEST THING」、4「ROUGH RIDE」、5「OU EST SOLEIL」、6「MAMA'S LITTLE GIRL」、7「SAME TIME NEXT YEAR」、8「PARTY PARTY」、9「P.S. LOVE ME DO」の9トラック8曲入りと、アルバム未収録カップリング曲が多く収録されています。
1993年8月9日に「ザ・ポール・マッカートニー・コレクション」としてリリースされた時には、オリジナルCD全13曲に、14「BACK ON MY FEET」、15「FLYING TO MY HOME」、16「LOVELIEST THING」が加わった全16曲入りになっています。それもまた、アルバム未収録曲を加えていました。そして、2017年3月24日には「アーカイヴ・コレクション」として、3CD+1DVDがリリースされています。内容は、CD1がアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」全13曲入りで、CD2とCD3は、それぞれポールとエルヴィス・コステロの共作9曲(1「THE LOVERS THAT NEVER WERE」、2「TOMMY'S COMING HOME」、3「TWENTY-FIVE FINGERS」、4「SO LIKE CANDY」、5「YOU WANT HER TOO」、6「THAT DAYS IS DONE」、7「DON'T BE CARELESS LOVE」、8「MY BRAVE FACE」、9「PLAYBOY TO A MAN」)を、ポールとエルヴィス・コステロの二人でレコーディングしたデモ音源と、1988年にバンド編成で同じ9曲をレコーディングしたデモ音源が収録されていて、「スペシャル・パッケージ」や「ザ・ポール・マッカートニー・コレクション」などに収録されたシングルのカップリング曲などは、箱にダウンロード限定で入手可能な券も収納されていました。DVDには日本人コレクターを揶揄した「MY BRAVE FACE」のミュージック・ビデオなどが収録されていて、箱は2万6千円と、お高くなっています。MVに関しては、2007年にDVD3枚組税込み6千9百円で「THE McCARTNEY YEARS」がリリースされているので、そちらで充分です。それで、音源の方は毎度お馴染みの「MOONCHILD RECORDS」から2021年にリリースされたパイレート盤「FLOWERS IN THE DIRT & MORE」の登場となるわけですけれど、このアルバムはレア音源が多いので、新品が4CDで税込み2千円でした。流石に、4枚組では税込み千円とはいかなかったわけですが、CD4枚組で全74曲入りなのですから、税込み2千円でも充分にお買い得です。シングルのカップリングなどの関連曲は網羅してあるので、「アーカイヴ・コレクション」ではダウンロード限定だった音源も、プレスCDで聴く事が出来ます。CD4枚組なので、今回と次回に2枚ずつ分けて取り上げます。
CD1は、1「MY BRAVE FACE」、2「ROUGH RIDE」、3「YOU WANT HER TOO」、4「DISTRACTION」、5「WE GOT MARRIED」、6「PUT IT THERE」、7「FIGURE OF EIGHT」、8「THIS ONE」、9「DON'T BE CARELESS LOVE」、10「THAT DAYS IS DONE」、11「HOW MANY PEOPLE」、12「MOTOR OF LOVE」、13「OU EST SOLEIL」、14「ONCE UPON A LONG AGO」、15「BACK ON MY FEET」、16「FLYING TO MY HOME」、17「THE FIRST STONE」、18「GOOD SIGN」の、全18曲入りです。1「MY BRAVE FACE」〜13「OU EST SOLEIL」の13曲は、アルバム「FLOWERS IN THE DIRT」全13曲の最新リマスター音源です。14「ONCE UPON A LONG AGO」と、15「BACK ON MY FEET」の2曲は、1987年11月リリースのシングルで、前述の通りアルバム未収録曲だった「BACK ON MY FEET」がポールとエルヴィス・コステロの共作で最初にリリースされた曲です。16「FLYING TO MY HOME」は、1989年5月リリースの先行シングル「MY BRAVE FACE」(全英18位・全米25位)のカップリング曲でアルバム未収録曲でした。17「THE FIRST STONE」は、1989年7月リリースの第2弾シングル「THIS ONE」(全英18位・全米94位)のカップリング曲で、アルバム未収録曲です。18「GOOD SIGN」は、その「THIS ONE」の12インチ・シングルにカップリングされたアルバム未収録曲です。CD2は、1「I LOVE THIS HOUSE」、2「P.S. LOVE ME DO」、3「CHRISTIAN BOP」、4「LOVE MIX」、5「LOVELIEST THING」、6「SAME LOVE」、7「PARTY PARTY」、8「ATLANTIC OCEAN」、9「RETURN TO PEPPERLAND」、10「LOVE COME TUMBLING DOWN」、11「LINDIANA」、12「THIS ONE(EARLY VERSION)」、13「NEW MOON OVER JAMAICA」、14「DON'T BREAK THE PROMISES」、15「ONCE UPON A LONG AGO(LONG VERSION)」、16「TROPIC ISLAND HUM」、17「SQUID」、18「BEAUTIFUL NIGHT(ORIGINAL VERSION)」の、全18曲入りです。
このCD2に収録された全18曲は、1987年リリース予定だった幻のアルバム「RETURN TO PEPPERLAND」に収録されるはずだった楽曲を中心に集めています。この中で、13「NEW MOON OVER JAMAICA」は、1988年にジョニー・キャッシュと共作共演した曲です。12「THIS ONE」は1989年6月リリースのアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」に収録されたのですけれど、元々はポールとフィル・ラモーンが共同プロデュースしていて、その初期ヴァージョンで、曲の構成が全く違っています。1989年12月リリースの第3弾CDシングル「FIGURE OF EIGHT」(全英42位・全米92位)にカップリングされた、5「LOVELIEST THING」は、前述の「スペシャル・パッケージ」や「ザ・ポール・マッカートニー・コレクション」にも収録されています。2「P.S. LOVE ME DO」は、1990年3月の初来日公演で披露されて、「スペシャル・パッケージ」にも収録されました。1989年に片面シングルでリリースされた、7「PARTY PARTY」も「スペシャル・パッケージ」に収録されています。3「CHRISTIAN BOP」は、1991年10月リリースのポールの初クラシック・アルバム「LIVERPOOL ORATORIO」に転用されています。14「DON'T BREAK THE PROMISES」は、ポールとエリック・スチュワートが1986年9月リリースのアルバム「PRESS TO PLAY」で共作した未発表曲で、1992年リリースの再結成10ccのアルバム「...MEANWHILE」にグレアム・グールドマンとの3人の合作として収録された曲のポール・ヴァージョンです。4「LOVE MIX」、8「ATLANTIC OCEAN」、17「SQUID」は、1997年にラジオ番組「OOBU JOOBU」でオンエアされています。18「BEAUTIFUL NIGHT」は、1997年5月リリースのアルバム「FLAMING PIE」でリメイク版が収録されていて、こちらはオリジナル・ヴァージョンでリンゴ・スターがリード・ヴォーカルを担当したコーダはまだありません。1「I LOVE THIS HOUSE」と、8「ATLANTIC OCEAN」は、1997年4月リリースのシングル「YOUNG BOY」にカップリング(「OOBU JOOBU」の一部)されています。6「SAME LOVE」と、10「LOVE COME TUMBLING DOWN」は、1997年12月リリースのシングル「BEAUTIFUL NIGHT」にカップリングされた(カップリング違いで2種ある)曲です。16「TROPIC ISLAND HUM」は、2004年にシングルになりました。9「RETURN TO PEPPERLAND」、11「LINDIANA」は、未発表となっています。これらは基本的には当時は未発表曲だったわけで、如何にポールには楽曲の貯めがあるのか、驚愕の続編は、また明日。(つづく)
(小島イコ)
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