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2025年12月12日

「ポールの道」#939「THE BEATLES BLACK VOX」
#248「CHOBA B CCCP & MORE」

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1986年9月1日(英国・MPL/パーロフォン)・同年8月21日(米国・MPL/キャピトル)にリリースした、ポール・マッカートニーのソロでは6作目(ポール&リンダやウイングスを含めると14作目)のオリジナル・アルバム「PRESS TO PLAY」(全英8位・全米30位)は、ヒュー・パジャムのプロデュースで、10ccのエリック・スチュワートが多くの曲でポールと共作している意欲作です。ポールは1985年にシングル「SPIES LIKE US」を、ヒュー・パジャムとフィル・ラモーンとの共同プロデュースでリリースしていて、それがヒュー・パジャムと組んだアルバム「PRESS TO PLAY」となり、フィル・ラモーンとは1986年から1987年にかけてアルバム「RETURN TO PEPPERLAND」を制作していました。そのアルバムはポールとフィル・ラモーンが制作中に音作りで対立してしまい(フィル・ラモーンはバンド・サウンドを求めたが、ポールはまた当時流行の打ち込みでやろうとした)、頓挫しています。それでもレコーディングはしていたので、ブートレグでは「RETURN TO PEPPERLAND」が聴けて、内容は、1「LINDIANA」、2「I LOVE THIS HOUSE」、3「WE GOT MARRIED」、4「BEAUTIFUL NIGHT」、5「LOVELIEST THING」、6「SQUID」、7「BIG DAY」、8「THIS ONE」、9「LOVE COMES TUMBLING DOWN」、10「CHRISTIAN BOP」、11「ATLANTIC OCEAN」、12「LOVE MIX」、13「RETURN TO PEPPERLAND」、14「P.S. LOVE ME DO」、15「SAME LOVE」、16「DON'T BREAK THE PROMISES」となっております。他にも、「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」のセルフ・カバーもレコーディングしたと云われています。これらの曲は、何曲かが別のアルバムに収録されたり、シングルのカップリングになって陽の目を見る事となります。ポールはアルバム「RETURN TO PEPPERLAND」が完成しなかったので、1987年11月2日(英国・MPL/パーロフォン)・同年12月1日(米国・MPL/キャピトル)に、ベスト・アルバム「ALL THE BEST!」をリリースしました。内容は、英国盤(日本盤)LPは2枚組全20曲入りで、米国盤はLP2枚組全17曲入りです。結果から申し上げますとですね、このベスト・アルバム「ALL THE BEST!」は、全英2位・全米62位と、英国では売れたものの、米国ではアルバム「PRESS TO PLAY」の全米30位よりも更に落ちてしまったのです。

ベスト・アルバム「ALL THE BEST!」の英国盤(日本盤)CDは、1「JET」、2「BAND ON THE RUN」、3「COMING UP」、4「EBONY AND IVORY」、5「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID(あの娘におせっかい)」、6「NO MORE LONELY NIGHTS(ひとりぼっちのロンリー・ナイト)」、7「SILLY LOVE SONGS(心のラヴ・ソング)」、8「LET ’EM IN(幸せのノック)」、9「C MOON」、10「PIPES OF PEACE」、11「LIVE AND LET DIE(007 / 死ぬのは奴らだ)」、12「ANOTHER DAY」、13「ONCE UPON A LONG AGO」、14「SAY SAY SAY」、15「MY LOVE」、16「WE ALL STAND TOGETHER」、17「MULL OF KINTYRE(夢の旅人)」の、全17曲入りで、アナログ盤からカットされたのは「MAYBE I'M AMAZED」と「WITH A LITTLE LUCK(しあわせの予感)」と「GOOD NIGHT TONIGHT」の3曲です。米国盤だと選曲も曲順も違っていて、元々のアナログ盤から「MAYBE I'M AMAZED」と「MULL OF KINTYRE」と「PIPES OF PEACE」と「WE ALL STAND TOGETHER」と「ONCE UPON A LONG AGO」の5曲をカットして、「UNCLE ALBERT / ADMIRAL HALSEY」と「JUNIOR'S FARM」を足して、「COMING UP」は全米首位!となったライヴ・ヴァージョンに差し替えて、1「BAND ON THE RUN」、2「JET」、3「EBONY AND IVORY」、4「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID」、5「NO MORE LONELY NIGHTS」、6「SILLY LOVE SONGS」、7「LET ’EM IN」、8「SAY SAY SAY」、9「LIVE AND LET DIE」、10「ANOTHER DAY」、11「C MOON」、12「JUNIOR'S FARM」、13「UNCLE ALBERT / ADMIRAL HALSEY」、14「COMING UP(Live Version)」、15「GOOD NIGHT TONIGHT」、16「WITH A LITTLE LUCK(DJ Edit)」、17「MY LOVE」の、全17曲入りとなっております。英国では新曲だった「ONCE UPON A LONG AGO」がシングル・カットされて、カップリングは「BACK ON MY FEET」でした。どちらもフィル・ラモーンがプロデュースしているので、幻のアルバム「RETURN TO PEPPERLAND」用だったのかもしれません。アルバム未収録の「BACK ON MY FEET」はポールとエルヴィス・コステロの共作で、初めて世に出た楽曲でしたが、この時点ではバカな評論家は無反応だったのです。

シングル「ONCE UPON A LONG AGO」は12インチ2種やCDもリリースされていて、「MIDNIGHT SPECIAL」、「DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE」、「LAWDY MISS CLAWDY」、「KANSAS CITY」が収録されていました。これらの音源は、1987年7月20日と21日のたったの2日間でレコーディングされたロックンロール・クラシックスのカバーで、レコーディング・メンバーは、ポール・マッカートニー(ベース、ギター、ヴォーカル)、ミック・ギャラガー(キーボード、ピアノ)に、7月20日は、ミック・グリーン(ギター)、クリス・ウィッテン(ドラムス)、7月21日は、ニック・ガーヴェイ(ベース、ギター、バックヴォーカル)、ヘンリー・スピネッティ(ドラムス、パーカッション)です。そのセッションから、1988年10月31日に旧ソ連限定でメロディアからリリースされたのが、アルバム「CHOBA B CCCP(Снова в СССР)」です。オリジナル盤は、A面が、1「KANSAS CITY」、2「TWENTY FLIGHT ROCK」、3「LAWDY MISS CLAWDY」、4「BRING IT ON HOME TO ME」、5「LUCILLE」、6「DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE」で、B面が、1「THAT'S ALL RIGHT(MAMA)」、2「AIN’T THAT A SHAME」、3「CRACKIN' UP」、4「JUST BECAUSE」、5「MIDNIGHT SPECIAL」の、全11曲入りでした。1989年1月20日には、旧ソ連での第2版がリリースされて、「I’M GONNA BE WHEEL SOMEDAY」と「SUMMERTIME」が加わった全13曲入りとなりました。それで、世界中のコレクターが我先にと血眼になって旧ソ連限定盤を手に入れようとしたわけですなあ。ところが、ポールは何を血迷ったのか、1991年9月30日に更に「I'M IN LOVE AGAIN」を加えた全14曲入りのCDで全世界リリースしてしまったのです。旧ソ連限定盤のリリースを考えれば、これはポールの7作目(ポール&リンダやウイングスを含めれば15作目)のアルバムなのですけれど、旧ソ連以外では、既に1989年のアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」や、1990年のライヴ・アルバム「TRIPPING THE LIVE FANTASTIC」などを聴いた後にコレが出たわけで、全英63位・全米109位と沈没しました。

と云うわけで、その全世界リリース盤「CHOBA B CCCP」は中古盤で簡単に入手可能ですし、内容もロックンロール・クラシックスのカバーでほとんどが一発録りです。そんなアルバムにも、毎度お馴染みの「MOONCHILD RECORDS」から2022年にリリースされたパイレート盤「CHOBA B CCCP & MORE」があります。1CDで税込み千円ですので、余りオススメは出来ません。内容は、1「KANSAS CITY」、2「TWENTY FLIGHT ROCK」、3「LAWDY MISS CLAWDY」、4「I'M IN LOVE AGAIN」、5「BRING IT ON HOME TO ME」、6「LUCILLE」、7「DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE」、8「I'M GONNA BE A WHEEL SOMEDAY」、9「THAT'S ALL RIGHT(MAMA)」、10「SUMMERTIME」、11「AIN'T THAT A SHAME」、12「CRACKIN' UP」、13「JUST BECAUSE」、14「MIDNIGHT SPECIAL」、15「IT'S NOW OR NEVER」、16「I WANNA CRY」、17「I'M IN LOVE AGAIN」、18「MIDNIGHT SPECIAL」、19「KANSAS CITY」、20「I'M GONNA BE A WHEEL SOMEDAY」、21「LAWDY MISS CLAWDY」、22「CUT ACROSS SHORTY」、23「TWENTY FLIGHT ROCK」、24「LUCILLE」、25「DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE」、26「IT'S NOW OR NEVER」、27「CRACKIN' UP」、28「THAT'S ALL RIGHT(MAMA)」、29「BRING IT ON HOME TO ME」、30「SUMMERTIME」、31「I'M IN LOVE AGAIN」、32「JUST BECAUSE」、33「NO OTHER BABY」、34「POOR BOY」、35「I'M GONNA BE A WHEEL SOMEDAY」、36「TAKE THIS HAMMER」、37「LEND ME YOUR COMB」、38「AIN'T THAT A SHAME」の、全38曲入りです。1「KANSAS CITY」〜14「MIDNIGHT SPECIAL」の14曲は、全世界リリース盤「CHOBA B CCCP」全14曲の最新リマスター音源です。1989年のシングル「THIS ONE」で、16「I WANNA CRY」が、1990年のエルヴィス・プレスリーのトリビュート盤で、15「IT'S NOW OR NEVER」がリリースされています。この時には全22曲がレコーディングされたと云われていて、残り6曲中5曲(22「CUT ACROSS SHORTY」、33「NO OTHER BABY」、34「POOR BOY」、36「TAKE THIS HAMMER」、37「LEND ME YOUR COMB」)は収録されていますが、もう1曲の「I SAW HER STANDING THERE」だけが未収録です。重複曲は些細なミックス違いですし、公式盤ですらマニア向けなので、このパイレート盤は超マニア向けです。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする