フジテレビTWO 3:40〜5:30
第9話「天使の雪」
第10話「約束の海」
片瀬那奈 AS 藤澤律子
「ラストクリスマス」第9話と第10話の、今年3回目の再放送です。第9話となると大詰めになって、那奈ちゃんが演じた律子さんと日垣の脇役バカップルは本筋とは関係なくなるし、主役バカップル以外も収まるところに収まってしまいます。主人公の春木を置き去りにして逃げた元婚約者なんかも出て来て波乱もあったものの、そう云う問題は何だかよく分からない展開で解決されてゆくわけで、まあ、脚本家としては波乱を起こしたいだけなので、その事後処理など知ったこっちゃなく、適当なのです。それにしたって、このドラマの登場人物は何故に色恋沙汰ばかりで、一体何をしに会社に来ているのでしょうか。ヒロインの青井には離婚歴があったりするのですが、そう云う伏線は何も回収されません。そして、遂にヒロインの青井の難病が再発します。突然の路線変更で、ロマンティック・ラヴ・コメディのはずが、ヒロインの難病で根底から覆されてしまうのです。これでコメディなんて云われたら、どうやって観ればいいのか分かりません。第10話ではニューヨークへ行く律子さんと日垣の横断歩道での切ない別れが描かれますが、おいおい、日垣は「律子を追ってニューヨークへ行く」んじゃなかったんですか?脚本家は単に横断歩道での別れを書きたかっただけなので、この別れの演出すら、次回の最終話ではなかったかの様な展開になります。一事が万事この調子なので、このドラマは真面目に観るとバカを見ます。青井は入院すると、同じ病室の同じ難病の患者がアッサリと死んでしまいます。それで春木が青井を海に連れ出して、明るく振る舞っていた青井は突然「死にたくないよ!」と号泣して、春木も「俺にはもう何もしてやれないのか!」と男泣きします。そりゃあ、そう来たならばもらい泣きしてしまいますけれど、最終話を観れば「私の涙を返して!」状態になるんですけどね。
本放送:2004年12月6日、12月13日(フジテレビ)
(小島イコ/姫川未亜)


