
2009年9月9日に、ビートルズの音源がリマスターされて2度目のCD化となりました。初CD化は1987年から1988年にかけてだったので、22年間も初CD化音源が売られていた事になります。普通のバンドだったならば、せいぜい10年で新たなリマスター盤をリリースするわけですけれど、ビートルズの場合は「出せば確実に売れる」と分かっているのに、22年間も新たなリマスター盤をリリースしなかったのです。1987年から1988年にかけての初CD化は、ビートルズの英国オリジナル・アルバム全12作13枚(「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」、「WITH THE BEATLES」、「A HARD DAY'S NIGHT」、「BEATLES FOR SALE」、「HELP!」、「RUBBER SOUL」、「REVOLVER」、「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、「THE BEATLES」2枚組、「YELLOW SUBMARINE」、「ABBEY ROAD」、「LET IT BE」)に、米国キャピトル編集アルバム「MAGICAL MYSTERY TOUR」を加えた全13作14枚に、それらには未収録だった全33曲を、新たな編集アルバム「PAST MASTERS VOLUME ONE」と「PAST MASTERS VOLUME TWO」に収録して、それらCD15作16枚で、ビートルズの公式レコーディング全213曲が揃う様になっていました。しかしながら、初期の4作(「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」、「WITH THE BEATLES」、「A HARD DAY'S NIGHT」、「BEATLES FOR SALE」)は、サー・ジョージ・マーティンの意向でモノラル・ミックスで、「HELP!」と「RUBBER SOUL」の2作はサー・ジョージ・マーティンによるステレオ・リミックスで、その後の7作(「REVOLVER」、「SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND」、「THE BEATLES」2枚組、「YELLOW SUBMARINE」、「ABBEY ROAD」、「LET IT BE」)と米国キャピトル編集アルバム「MAGICAL MYSTERY TOUR」の8作はステレオ・ミックスで、「PAST MASTERS」の2作も基本的にはステレオ・ミックス優先で、それぞれ全世界統一規格化されたのです。
ビートルズは1963年のデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」から、1968年の「THE BEATLES」までの9作10枚は、ステレオ・ミックスとモノラル・ミックスを別々に行っていて、ステレオ盤とモノラル盤を両方リリースしていました。更に、アルバム未収録曲が多いシングルは、1962年のデビュー・シングル「LOVE ME DO / P.S. I LOVE YOU」から、1969年の19作目のシングル「GET BACK / DON'T LET ME DOWN」まではモノラル・ミックスでリリースしていました。それらの片方ずつしかCD化されなかったので、リマスター盤が登場するまでは、単純に公式盤の逆のミックスを収録したパイレート盤が商売繫盛となっていました。それで、2009年リマスターでは、ステレオ・ミックスがレギュラー化して箱とバラ売りされて、モノラル・ミックスは箱でのリリースとなり、アルバム「HELP!」とアルバム「RUBBER SOUL」のオリジナル・ステレオ・ミックスもモノラル盤に収められて、幻の「YELLOW SUBMARINE」蔵出し楽曲(「ONLY A NORTHERN SONG」、「ALL TOGETHER NOW」、「HEY BULLDOG」、「IT'S ALL TOO MUCH」)に「ACROSS THE UNIVERSE」を加えた5曲の真正モノラル・ミックスも「MONO MASTERS」に収録されて、ほぼほぼ英国オリジナル盤でのミックス違いは完全収録されていました。この時点でこれらの2009年リマスター音源が再び全世界統一規格化されていて、2014年1月にリリースされた米国編集アルバム13作を収めた箱「THE U.S. ALBUMS」や、2014年6月にリリースされた日本編集アルバム5作を収めた箱「THE JAPAN BOX」では、中味は2009年リマスター音源に差し替えられています。つまり、2009年リマスター音源の登場とその音源での全世界統一規格化によって、再びパイレート盤やブートレグに隙を与えてしまったのです。
さて、今回紹介するのは、2009年に「APRIL RECORDS」からリリースされた1CDRのパイレート盤「PAST MASTERS EXTRAS IN STEREO」です。このパイレート盤は、前回に紹介した「SINGLES AND OTHERS IN MONO」の姉妹編で、あちらはモノラル・ミックスを集めていましたが、こちらはレアなステレオ・ミックスを集めています。内容は、1「FROM ME TO YOU」、2「THANK YOU GIRL」、3「SHE LOVES YOU」、4「SHE LOVES YOU」、5「I'LL GET YOU」、6「I WANT TO HOLD YOUR HAND」、7「KOMM, GIB MIR DEINE HAND」、8「SIE LIEBT DICH」、9「LONG TALL SALLY」、10「I CALL YOUR NAME」、11「I FEEL FINE」、12「DAY TRIPPER」、13「WE CAN WORK IT OUT」、14「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、15「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」、16「PENNY LANE」、17「PENNY LANE」、18「PENNY LANE」、19「ALL YOU NEED IS LOVE」、20「ALL YOU NEED IS LOVE」、21「BABY YOU'RE A RICH MAN」、22「BABY YOU'RE A RICH MAN」、23「HELLO GOODBYE」、24「I AM THE WALRUS」、25「I AM THE WALRUS」、26「YOU KNOW MY NAME(LOOK UP THE NUMBER)」の、全26曲入りです。基本的には、公式盤「PAST MASTERS」とは違ったステレオ・ミックスを集めているパイレート盤となっています。1「FROM ME TO YOU」は、公式盤「PAST MASTERS」と同じだと思われますが、2「THANK YOU GIRL」は米国キャピトル盤のエコーをかけたステレオ・ミックスです。3「SHE LOVES YOU」、4「SHE LOVES YOU」は、バカな会社がモノラル・マスター・テープ以外を破棄してしまったので、1966年12月リリースのベスト・アルバム「A COLLECTION OF BEATLES OLDIES」用にジェフ・エメリックが何とかしてモノラル・マスターからステレオ・ミックスしようと試みた2ヴァージョンです。現在では、2023年11月リリースのベスト・アルバム「THE BEATLES 1962-1966(赤盤)」で、デミックスされたステレオ・リミックスが聴けます。5「I'LL GET YOU」はシングル「SHE LOVES YOU」のB面だったので、こちらもステレオ・ミックスは存在していなくて、コレは米国キャピトル盤の疑似ステレオ・ミックスです。
6「I WANT TO HOLD YOUR HAND」は、レアな「1963年ステレオ・ミックス」です。7「KOMM, GIB MIR DEINE HAND」、8「SIE LIEBT DICH」のドイツ語ヴァージョンは、2009年の公式盤「PAST MASTERS」でもステレオ・ミックスが収録されましたが、7「KOMM, GIB MIR DEINE HAND」は米国キャピトル盤のイントロに誰だか分からない声が入っているステレオ・ミックスです。9「LONG TALL SALLY」と、10「I CALL YOUR NAME」も、米国キャピトル盤のステレオ・ミックスで、11「I FEEL FINE」は別ステレオ・ミックスで、12「DAY TRIPPER」と、13「WE CAN WORK IT OUT」は、米国キャピトル盤のステレオ・ミックスです。14「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は英国盤ステレオ・ミックスで、15「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」は米国キャピトル盤のステレオ・ミックスで、16「PENNY LANE」は西ドイツ盤のステレオ・ミックスで、17「PENNY LANE」はトランペット・エンディングのインチキ・ステレオ・ミックスで、18「PENNY LANE」は米国キャピトル盤の疑似ステレオ・ミックスです。19「ALL YOU NEED IS LOVE」は英国盤ステレオ・ミックスで、20「ALL YOU NEED IS LOVE」は米国キャピトル盤の疑似ステレオ・ミックスで、21「BABY YOU'RE A RICH MAN」は西ドイツ盤ステレオ・ミックスで、22「BABY YOU'RE A RICH MAN」は米国キャピトル盤の疑似ステレオ・ミックスです。23「HELLO GOODBYE」と、24「I AM THE WALRUS」は、英国盤ステレオ・ミックスで、25「I AM THE WALRUS」は米国キャピトル盤のステレオ・ミックスです。最後の、26「YOU KNOW MY NAME(LOOK UP THE NUMBER)」は、ロング・ヴァージョンのステレオ・ミックス(1996年3月リリースの公式盤「ANTHOLOGY 2」で初出)で、エンディングが切れています。英国公式盤22作目で最後のシングル「LET IT BE」のB面曲ですが、元々ジョン・レノンはプラスティック・オノ・バンド名義でシングル化しようと短縮版を作ったわけで、その時にモノラル・ミックスしかやらなかったのでしょう。
(小島イコ)
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