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2025年07月21日

「ポールの道」#795「THE BEATLES BLACK VOX」
#104「THE BEATLES」Super Deluxe Edition

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2018年11月9日に、ビートルズのアルバム「THE BEATLES」の50周年記念盤がアップルからリリースされました。6CD+1BDの7枚組「スーパー・デラックス・エディション」と、3CDと、4LPと、2LPの、4形態でのリリースで、CD1とCD2は、アルバム「THE BEATLES」全30曲のジャイルズ・マーティンとサム・オケルによる2018年ステレオ・リミックスで、CD3は「イーシャー・デモ」全27曲のステレオ・リミックスで、LP1とLP2が2018年ステレオ・リミックスで、LP3とLP4が「イーシャー・デモ」のステレオ・リミックスとなっています。CD1は、1「BACK IN THE U.S.S.R.」、2「DEAR PRUDENCE」、3「GLASS ONION」、4「OB-LA-DI, OB-LA-DA」、5「WILD HONEY PIE」、6「THE CONTINUING STORY OF BUNGALOW BILL」、7「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」、8「HAPPINESS IS A WARM GUN」、9「MARTHA MY DEAR」、10「I'M SO TIRED」、11「BLACKBIRD」、12「PIGGIES」、13「ROCKY RACCOON」、14「DON'T PASS ME BY」、15「WHY DON'T WE DO IT IN THE ROAD?」、16「I WILL」、17「JULIA」の全17曲入りで、CD2が、1「BIRTHDAY」、2「YER BLUES」、3「MOTHER NATURE'S SON」、4「EVERYBODY'S GOT SOMETHING TO HIDE EXCEPT ME AND MY MONKEY」、5「SEXY SADIE」、6「HELTER SKELTER」、7「LONG, LONG, LONG」、8「REVOLUTION 1」、9「HONEY PIE」、10「SAVOY TRUFFLE」、11「CRY BABY CRY」、12「REVOLUTION 9」、13「GOOD NIGHT」の全13曲入りで、合計30曲入りです。ステレオ・リミックスなので、オリジナルとは別物ですけれど、オリジナル・ステレオ・ミックスを手本とした丁寧な最新ステレオ・リミックスになっています。

CD3は、1「BACK IN THE U.S.S.R.」、2「DEAR PRUDENCE」、3「GLASS ONION」、4「OB-LA-DI, OB-LA-DA」、5「THE CONTINUING STORY OF BUNGALOW BILL」、6「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」、7「HAPPINESS IS A WARM GUN」、8「I'M SO TIRED」、9「BLACKBIRD」、10「PIGGIES」、11「ROCKY RACCOON」、12「JULIA」、13「YER BLUES」、14「MOTHER NATURE'S SON」、15「EVERYBODY'S GOT SOMETHING TO HIDE EXCEPT ME AND MY MONKEY」、16「SEXY SADIE」、17「REVOLUTION」、18「HONEY PIE」、19「CRY BABY CRY」、20「SOUR MILK SEA」、21「JUNK」、22「CHILD OF NATURE」、23「CIRCLES」、24「MEAN MR. MUSTARD」、25「POLYTHENE PAM」、26「NOT GUILTY」、27「WHAT'S THE NEW MARY JANE」の、「イーシャー・デモ」全27曲入りです。1「BACK IN THE U.S.S.R.」〜19「CRY BABY CRY」の19曲は、アルバム「THE BEATLES」に収録された曲をアルバムの曲順に並べていて、20「SOUR MILK SEA」〜25「POLYTHENE PAM」の6曲は、アルバム「THE BEATLES」には収録されていない曲を入れて、26「NOT GUILTY」と27「WHAT'S THE NEW MARY JANE」は、アルバム「THE BEATLES」のレコーディング・セッションで取り上げたもののボツにした2曲です。ジョージ作の20「SOUR MILK SEA」はジョージのプロデュースでジャッキー・ロマックスへの提供曲となり、ポール作の21「JUNK」は1970年リリースのソロ・アルバム「McCARTNEY」へ収録されて、ジョン作の22「CHILD OF NATURE」は歌詞を変えて1971年リリースのソロ・アルバム「IMAGINE」に「JEALOUS GUY」として収録されています。

ジョージ作の23「CIRCLES」は1982年のソロ・アルバム「GONE TROPPO」に収録されて、ジョン作の24「MEAN MR. MUSTARD」と25「POLYTHENE PAM」は、1969年リリースのビートルズのアルバム「ABBEY ROAD」に「レノン=マッカートニー」作として、B面のメドレーの一部として収録されています。ジョージ作の26「NOT GUILTY」は、100テイク以上もレコーディングしたもののボツとなり、1979年リリースのソロ・アルバム「GEORGE HARRISON(慈愛の輝き)」にリメイクして収録されました。最後のジョン作の27「WHAT'S THE NEW MARY JANE」は、1969年に「YOU KNOW MY NAME(LOOK UP THE NUMBER)」とのカップリングで「プラスティック・オノ・バンド」名義でシングルをリリースしようとしたものの、ビートルズとしてレコーディングした曲を別名でリリースしてはならない、とEMIに却下されました。故に、この「WHAT'S THE NEW MARY JANE」が公式盤でリリースされたのは、1996年のアルバム「ANTHOLOGY 3」が最初です。ジャイルズ・マーティンとサム・オケルは、オリジナルの4トラック・テープを発見して、それに遡ってステレオ・リミックスしています。宣伝文句には「ブートレグとは一線を画す」とありましたが、それもそのはずで、ブートレグで聴ける「イーシャー・デモ」はモノラルだし、ダブルトラックのヴォーカルにズレがあったり、演奏も雑音混じりで、あくまでも「デモ音源」にすぎなかったのです。それを、ジャイルズ・マーティンとサム・オケルはステレオ・リミックスして「アンプラグド・セッション」の様な完成度が高い音源に生まれ変わらせています。3CDや4LPにも「アウトテイク」ではなく「イーシャー・デモ」を入れているので、よっぽど自信があったのでしょうけれど、コレもマタ、完全な別物です。

その後は箱だけに入っているアウトテイク集で、CD4が、1「REVOLUTION 1(Take 18)」、2「A BEGINNING(Take 4)/ DON'T PASS ME BY(Take 7)」、3「BLACKBIRD(Take 28)」、4「EVERYBODY'S GOT SOMETHING TO HIDE EXCEPT ME AND MY MONKEY(Unnumbered rehersal)」、5「GOOD NIGHT(Unnumbered rehersal)」、6「GOOD NIGHT(Take 10 with a guitar part from Take 5)」、7「GOOD NIGHT(Take 22)」、8「OB-LA-DI, OB-LA-DA(Take 3)」、9「REVOLUTION(Unnumbered rehersal)」、10「REVOLUTION(Take 14 - Instrumental baking track)」、11「CRY BABY CRY(Unnumbered rehersal)」、12「HELTER SKELTER(First version - Take 2)」の、全12曲入りです。CD5は、1「SEXY SADIE(Take 3)」、2「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS(Acoustic version - Take 2)」、3「HEY JUDE(Take 1)」、4「ST. LOUIS BLUES(Studio jam)」、5「NOT GUILTY(Take 102!)」、6「MOTHER NATURE'S SON(Take 15)」、7「YER BLUES(Take 5 with guide vocal)」、8「WHAT'S THE NEW MARY JANE(Take 1)」、9「ROCKY RACCOON(Take 8)」、10「BACK IN THE U.S.S.R.(Take 5 - Instrumental baking track)」、11「DEAR PRUDENCE(Vocal, guitar & drums)」、12「LET IT BE(Unnumbered rehersal)」、13「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS(Third version - Take 27)」、14「(YOU'RE SO SQUARE)BABY, I DON'T CARE(Studio jam)」、15「HELTER SKELTER(Second version - Take 17)」、16「GLASS ONION(Take 10)」の、全16曲入りです。

CD6は、1「I WILL(Take 13)」、2「BLUE MOON(Studio jam)」、3「I WILL(Take 29)」、4「STEP INSIDE LOVE(Studio jam)」、5「LOS PARANOIAS(Studio jam)」、6「CAN YOU TAKE ME BACK?(Take 1)」、7「BIRTHDAY(Take 2 - Instrumental baking track)」、8「PIGGIES(Take 12 - Instrumental baking track)」、9「HAPPINESS IS A WARM GUN(Take 19)」、10「HONEY PIE(Instrumental baking track)」、11「SAVOY TRUFFLE(Instrumental baking track)」、12「MARTHA MY DEAR(Without brass and strings)」、13「LONG, LONG, LONG(Take 44)」、14「I'M SO TIRED(Take 7)」、15「I'M SO TIRED(Take 14)」、16「THE CONTINUING STORY OF BUNGALOW BILL(Take 2)」、17「WHY DON'T WE DO IT IN THE ROAD?(Take 5)」、18「JULIA(Two rehersals)」、19「THE INNER LIGHT(Take 6 - Instrumental baking track)」、20「LADY MADONNA(Take 2 - Piano and drums)」、21「LADY MADONNA(Backing vocals from Take 3)」、22「ACROSS THE UNIVERSE(Take 6)」の、全22曲入りで、3枚合計で全50曲入りです。これは、CD4の1「REVOLUTION 1」から、CD6の18「JULIA」までの46曲は、アルバム「THE BEATLES」の1968年5月30日から同年10月13日までのアウトテイクを、レコーディング順に並べています。「REVOLUTION 1」は「Take 18」で、コレを元にして完成形の「Take 20」になるのですけれど、何故か公式盤では「Take 18」しか収録しておらず、その「Take 20」だけでブートレグの存在価値を高めてしまったのは、何度も云いますけれど、疑問です。「GOOD NIGHT」のギター伴奏とジョン、ポール、ジョージのコーラス入りのテイクなんかは、完成品のオーケストラ・ヴァージョンよりも美しいです。

ポールがジャム・セッションに乗せて「LET IT BE」を歌うテイクは、メロディーが全く違います。ジョージの「NOT GUILTY」は、102テイク目だとスタッフのコールが入っています。「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」は、エリック・クラプトンのリード・ギターが別フレーズで、「HELTER SKELTER」のハード・ヴァージョンの別テイクも聴けます。インストゥルメンタルのバッキング・トラックも多いのですけれど、4人でベーシック・トラックを丁寧に何度も繰り返し演奏していたと分かります。「I'M SO TIRED」のコーラス入りヴァージョンなども珍しい音源です。それで、CD6の19「THE INNER LIGHT」から22「ACROSS THE UNIVERSE」までは、1968年1月から2月までのシングル「LADY MADONNA」用のレコーディング・セッションが収録されています。このセッション音源集にはシングル「HEY JUDE / REVOLUTION」のアウトテイクも入っているのですけれど、それらのシングル曲の公式テイクのステレオ・リミックスが入っていないのも、疑問です。BDは、アルバム「THE BEATLES」全30曲の、2018年ステレオ・リミックスの「ハイレゾ音源」と「5.1 ミックス」と「ドルビー・ミックス」に、1968年オリジナル・モノラル・ミックスが収録されています。流石は公式盤だけあって、全50曲にも及ぶアウトテイクは、ブートレグでも聴けなかった音源も多く収録されていますし、メインのステレオ・リミックスも、「イーシャー・デモ」のステレオ・リミックスも、完成度が高く、これからアルバム「THE BEATLES」を聴くのならば、この公式盤の箱があれば充分だと思います。これまで紹介してきたオリジナル盤のパイレート盤やブートレグの事は忘れて頂いて、箱は高いと思ったら、2018年ステレオ・リミックスと「イーシャー・デモ」のステレオ・リミックスの3枚組で充分でしょう。悪い事は云わないので、なるべくなら、ブートレグには手を出さない方が良いですよ。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする