
ビートルズが、1968年11月22日に英国でステレオとモノラルで、同年11月25日に米国でステレオで、アップルからリリースした2枚組のアルバム「THE BEATLES」は、真っ白なジャケットから「ホワイト・アルバム」と呼ばれています。ビートルズは英国ではこのアルバム「THE BEATLES」までは、ステレオとモノラルでリリースしていて、それぞれ別にミックスしていました。英国では次作アルバム「YELLOW SUBMARINE」もステレオとモノラルでリリースされましたが、それのモノラル盤は単にステレオをモノラルにしただけのインチキ・ミックスなので、アルバムでステレオ・ミックスとモノラル・ミックスが別に行われていたのは、アルバム「THE BEATLES」までです。米国では、このアルバム「THE BEATLES」からはステレオのみでリリースされています。今でこそ、真っ白なジャケットで「ホワイト・アルバム」となっていますが、当初はタイトルが「A DOLL'S HOUSE」で、ジョン・パトリック・バーンによるビートルズのイラストをジャケットにする予定でした。タイトルを「THE BEATLES」と変えてからも、ビートルズの顔がイギリス海峡に彫られた見開きのデザインが検討されていました。画像がソレなんですけれど、何とも古めかしくて、もしもコレが採用されていたならば、アルバムの評価まで変わっていたのではないでしょうか。結局はボツになっているのですけれど、ブートレグのジャケットに使われています。そんなブートレグから、今回は「SAPCOR」からの1CDのアルバム「HELTER SKELTER」を紹介します。
ジャケットは1968年のビートルズの写真ですが、裏ジャケットに海峡顔ヴァージョンが見開きで載っていて、外箱が付いていて、そちらは海峡顔ヴァージョンと云う、無駄に凝った造りとなっています。内容は、1「ACROSS THE UNIVERSE」、2「SAVOY TRUFFLE」、3「HONEY PIE」、4「PEACE OF MIND」、5「ALL TOO MUCH」、6「WHAT'S THE SHAME MARY JANE」、7「YER BLUES」、8「HELTER SKELTER INTERVIEWS」、9「HELTER SKELTER」、10「HELTER SKELTER」、11「HELTER SKELTER」、12「THE APPLE NEWS」、13「THE APPLE NEWS」、14「FRENZY AND DISTORTION」、15「ABOUT “No.9”」、16「PAUL IS DEAD REVOLUTION No.9」、17「STRAWBERRY TALK TEST」、18「REVOLUTION」、19「BEYOND THE VALLEY OF A DAY IN THE LIFE」、20「SHORT OF I'M ONLY SLEEPING」の、全20曲入りです。アルバム「THE BEATLES」の収録曲を中心にしてはいますが、他の楽曲やインタビュー音源やニュース音源まで含めた、ごった煮の構成となっています。1「ACROSS THE UNIVERSE」は1968年2月のレコーディングで、シングル「LADY MADONNA」の時にボツにしたのですけれど、コレはですね、サー・ジョージ・マーティン版とフィル・スペクター版をテープ・スピードを合わせて合成したアセテイト盤音源です。2「SAVOY TRUFFLE」は初期テイクで、怪しい音源ですけれど、この曲の別テイクは珍しい音源です。3「HONEY PIE」も、初期テイクです。4「PEACE OF MIND」は、アップルのゴミ箱から出て来たと云う触れ込みで、アナログ盤時代からお馴染みの音源ですが、ビートルズが演奏した曲ではありません。
5「ALL TOO MUCH」は、アルバム「YELLOW SUBMARINE」で初出となったジョージ・ハリスン作の「IT'S ALL TOO MUCH」の事で、映画用の別ミックスです。6「WHAT'S THE SHAME MARY JANE」は、ジョンが書いた「WHAT'S THE NEW MARY JANE」の事で「イーシャー・デモ」です。7「YER BLUES」は、1968年12月のローリング・ストーンズのテレビ番組「ROCK AND ROLL CIRCUS」での、ジョンが率いる「THE DIRTY MAC」(ジョン・レノン、エリック・クラプトン、キース・リチャーズ、ミッチ・ミッチェル)による演奏ですが、コレはリハーサル音源です。8は「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」に乗せて、ジョージとポールが「HELTER SKELTER」を語るインタビュー音源で、9「HELTER SKELTER」はハード・ヴァージョンの「take 1」で、10「HELTER SKELTER」はそのハードな「take 2」のロング・ヴァージョンで、11「HELTER SKELTER」はモノラル・リミックスです。12は、メリー・ホプキンのデビュー曲「THOSE WERE THE DAYS(悲しき天使)」が流れるニュース音源で、13は「BLACKBIRD」の別テイクが流れるニュース音源です。14「FRENZY AND DISTORTION」は、ラヴィ・シャンカール先生のアルバム「RAGA」に収録されている曲なんですけれど、何故ここに入っているかと云うとですね、アナログ盤時代の1970年代のブートレグに、この「FRENZY AND DISTORTION」がアルバム「THE BEATLES」でボツになったジョージ作の「NOT GUILTY」だと誤認されて収録されていたからなのです。3「PEACE OF MIND」と云い、この14「FRENZY AND DISTORTION」と云い、おそらく、わざとかつてのブートレグに収録されていたビートルズの演奏ではない怪しい音源も収録しているのでしょう。
15は、ジョージ・ハリスンが「REVOLUTION 9」について語ったインタビュー音源です。アレはジョンとヨーコさんだけではなく、ジョージも協力(ジョージの声もハッキリ聴こえる)していて、リンゴも自分も協力したと云っていて、サー・ジョージ・マーティンまで「私とジョンで作った」などと云っていて、ポールはハブにされて悔しがったと云う、曰く付きの音源です。16は、その「REVOLUTION 9」を丸ごと逆回転させた音源で、「ポール死亡説」の根拠のひとつとして逆回転すると「PAUL IS DEAD」と聴こえるとか云われていたので、実際に逆回転させているわけですけれど、全く嬉しくないです。17は意味不明なお喋りで、18「REVOLUTION」はプロモーション・フィルム・ヴァージョンで、19「BEYOND THE VALLEY OF A DAY IN THE LIFE」は、1977年の目玉親父集団・レジデンツによるシングルで、ビートルズとジョン・レノンの曲をサウンド・コラージュした、今で云うマッシュアップです。最後の20は、「I'M ONLY SLEEPING」の間奏の逆回転ギターを更に逆回転した音源です。と云うわけで、なかなかどうして、近年のブートレグにしては、大昔のアナログ盤ブートレグの様な怪しいムードが満載の内容で、音も悪いです。但し、タイトルにもなっている「HELTER SKELTER」のハード・ロック・ヴァージョンの別テイクでの8分半のロング・ヴァージョン(もう滅茶苦茶!)は、公式盤では聴けない音源です。コレの9分半以上あるヴァージョンも、別のブートレグに収録されてはいます。公式盤の箱「THE BEATLES」などに収録されている「HELTER SKELTER」のアウトテイクはスロー・ロング・ヴァージョンとハード・ヴァージョンの3分半位のアウトテイクなので、ハード・ロング・ヴァージョンのアウトテイクはないと思っていたのですけれど、あるところにはあるんですよ。但し、何となく演奏をリピートして長くしている様な感じもある、怪しい音源です。
(小島イコ)
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