今年も女子プロレス団体「スターダム」の「シンデレラ・トーナメント」が開催されて、2025年3月15日に準決勝と優勝決定戦が、大田区総合体育館大会で行われました。結果から云えば、玖麗さやかが準決勝で稲葉あずさを「ときめきフォルコンアロー」で破り、決勝では準決勝で実の姉で前年度優勝者である羽南を破った吏南と闘い、玖麗さやかが「ときめきスピアー」で吏南からフォール勝ちして、優勝しました。ちなみに、玖麗さやかには「ときめきカッター」と云う技もあります。今年の「シンデレラ・トーナメント」は、若手だけをエントリーしたシリーズになりましたが、それは前年度(2024年)までとは違っていて、キャリアが1年余りの玖麗さやかが優勝し易くはなってはいました。現在のスターダムの話題と云えば、4月27日に横浜アリーナで開催される大会で「負けたら引退」を賭けて「中野たむ VS 上谷沙弥」が行われる事に集中してはいますけれど、そもそも中野たむが「退団」とか「引退」とかを賭けて上谷沙弥と対戦するキッカケとなったのが、他ならぬ玖麗さやかなのです。玖麗さやかは当時はベビーフェイスだった上谷沙弥に憧れていて、デビュー戦の相手として上谷沙弥と対戦していて、ヒールターンした上谷沙弥にヒールターンを勧められて、上谷沙弥が勝ったなら玖麗さやかはヒールターンする条件を出して、それを阻止する為に中野たむが玖麗さやかと組んでタッグ戦で闘い、中野たむが上谷沙弥から勝ったので、何でも願いを叶える事となり「負けたら退団マッチ」へと発展したのでした。
今年の「シンデレラ・トーナメント」を盛り上げる為なのか、CSの「スポーツライヴ・プラス」では2023年の「シンデレラ・トーナメント」の開幕戦と優勝決定戦の模様が再放送されたのですけれど、2年前なので、まだジュリアや林下詩美も居て、何よりも優勝決定戦がMIRAIと桜井まい(現・桜井麻衣)によるもので、つまりは現在は「マリーゴールド」に移籍してしまった選手同士の闘いだったわけです。移籍組以外でも、スターライト・キッドや鹿島沙希がまだヒールの大江戸隊だったりして、ユニットが今とは全然違っていたり、推しの安納サオリが「コズミック・エンジェルズ」に加入する時だったり、随分と景色が変わっています。昨年(2024年)までの「シンデレラ・トーナメント」は、トップ・レスラーも参加していたわけですけれど、試合時間が15分で、オーバー・ザ・トップロープと云う特殊なルールがあったので番狂わせが起こり易かったのです。そのルールで時間切れ引き分けは両者失格になったり、オーバー・ザ・トップロープで格上の選手が負けたりしていて、やはり無理があるストーリーになるので、今年は若手だけの大会にしたのでしょう。それにしたって、前年度優勝の羽南や、今や安納サオリにもシングルで勝っている吏南は、若手ながらキャリアは長く、幾ら玖麗さやかを売り出し中とは云え、優勝までさせるのは、会社の大プッシュが感じられます。その上、恒例で最後に玖麗さやかがドレス姿で出て来たら、上谷沙弥が現れて来週の沖縄大会でのシングル・マッチを要求してしまったのです。しかも、それをこの日のメインエベントで勝ったものの負傷してしまったスターライト・キッドの代わりで、スターライト・キッドとの対戦は先送りにすると云っていて、おや?4月27日に負けて引退したらどうするんだろう?なのです。
これまでの「シンデレラ・トーナメント」で優勝した選手は、白いベルトに挑戦するのがお約束だったのですけれど、赤いベルトの王者である上谷沙弥の方からわざわざ出て来てシングル・マッチを要求する流れは、何をそんなに急いでいるのだろう?とも思えます。さて、注目の中野たむですけれど、安納サオリとタッグを組んで、同じ「コズミック・エンジェルズ」の後輩と闘って勝っていて、そこで安納サオリとのシングル・マッチを二人の約束だからとか云って決めていて、何やらそうやって「引退ロード」を演出している様に匂わせています。ところが、そこに現れたのが「元・コズミック・エンジェルズ」のウナギ・サヤカだったのです。乱入したなどと記事には書かれていますけれど、堂々と自分のテーマ曲に乗せて花道から現れたので、話はついていたのでしょう。しかしですね、中野たむに「この間、もう上がるなと云ったのに」と云われた通りに、2025年1月3日に中野たむとのシングル・マッチでウナギ・サヤカは負けていて、スターダム永久追放になったはずだったのですよ。そんなウナギ・サヤカが普通にリングに上がってしまうんですから、中野たむと上谷沙弥の「負けたら引退マッチ」も信用おけません。果たして、どちらを引退させるのか、それとも両者共に引退せずに済むストーリーを描けるのか、注目しています。ウナギ・サヤカは4月26日の両国国技館での自主興行に安納サオリを上げる為にやって来たらしいのですけれど、それがまたアノ「健康サンダル・デスマッチ」だと云うんですから、困ったちゃんですなあ。
(小島イコ)