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2025年03月17日

「ポールの道」#677「LENNON SONGS」#102 「BEAUTIFUL BOY(DARLING BOY)」

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ジョン・レノンが、1980年11月17日にゲフィンからリリースしたアルバム「DOUBLE FANTASY」は、ヨーコさんとの共作で、二人の曲が交互に収録されています。A面が、1「(JUST LIKE)STARTING OVER」、2「KISS KISS KISS」、3「CLEANUP TIME」、4「GIVE ME SOMETHING」、5「I'M LOSING YOU」、6「I'M MOVING ON」、7「BEAUTIFUL BOY(DARLING BOY)」で、B面が、1「WATCHING THE WHEELS」、2「YES I'M YOUR ANGEL」、3「WOMAN」、4「BEAUTIFUL BOYS」、5「DEAR YOKO」、6「EVERY MAN HAS A WOMAN WHO LOVES HIM」、7「HARD TIMES ARE OVER」となっていて、CDで聴くと7曲目と8曲目でジョンの曲がつづいているのですけれど、アナログ盤だとA面の最後と、ひっくり返せばB面への1曲目だったのです。それでもB面の6曲目と7曲目はヨーコさんの曲が初めからつづいていたわけで、厳密に云えば元々二人の曲が交互に収録されていたわけではありません。ジョンの曲がつづく様になっているのは、やはりレコードをひっくり返してB面の1曲目になった時にヨーコさんの曲から始まると「あたしゃカックン!」になるからでしょうなあ。ジョンは「まとめてしまうと、ヨーコの曲を聴いてもらえなくなる」から交互に収録する技を使ったわけで、その辺の事は日本のバカな評論家よりもずっと考えて制作したのです。ジョンとしては、生涯を賭けて、ヨーコさんの曲も聴いてもらって、その先見性や才能を万人に理解して欲しかったのです。

A面5曲目のジョンの「I'M LOSING YOU」とA面6曲目のヨーコさんの「I'M MOVING ON」は繋げて収録されていて、内容もそれぞれのアンサー・ソングになっています。そして、A面の7曲目で最後に収録されているジョンの「BEAUTIFUL BOY(DARLING BOY)」とB面3曲目に収録されている「WOMAN」に対して、ヨーコさんはB面4曲目の「BEAUTIFUL BOYS」で返答しています。そうして、アルバムが二人の対話になっている事なんて、誰にだって分かる様に作られていて、ファンはそれを承知の上で「やっぱり、ジョンの曲だけ聴きたいなあ」となったわけですよ。だからこそ、後のベスト盤にはジョンの曲だけが選曲されているのです。ファンがアルバム「DOUBLE FANTASY」を通して聴いた事がないかの様に日本のバカな評論家は「通して聴け!」と、いつまでもバカだからバカの一つ覚えでがなるわけですけれど、ファンは最低1度は通して聴いた上で、ジョンの曲だけ聴く様になったのですよ。聴きもしないで「ヨーコさんの曲は、初めから断固として聴かない」なんて、そんな了見が狭い事はやっていないわけで、日本のバカな評論家の想像力の欠如の方が問題なのに、恥知らずな事をさも「俺だけは分かっているぜ」みたいに云っていて、正にバカ丸出しですなあ。さて、A面7曲目で最後に収録されている「BEAUTIFUL BOY(DARLING BOY)」ですけれど、ご存知の様にこの曲はジョンが息子のショーンくんに捧げた「親バカ・ソング」です。ポール・マッカートニーも愛するこの曲は、何度もシングルのカップリング曲になっています。

レコーディング・メンバーは、ジョン・レノン(ヴォーカル、アコースティック・ギター、ボコーダー)、アール・スリック(アコースティック・ギター)、ヒュー・マクラッケン(リード・ギター)、トニー・レヴィン(ベース)、ジョージ・スモール(キーボード)、ロバート・グリニッジ(スティールパン)、アーサー・ジェンキンス(パーカッション)、ランディスタイン(イングリッシュ・コンサーティーナ)です。この「BEAUTIFUL BOY(DARLING BOY)」は、アルバム「DOUBLE FANTASY」に収録された後には、ジョンの死後に、1981年に米国で「WATCHING THE WHEELS」とのベスト・カップリング盤でシングル・カットされて、1982年にベスト盤「THE JOHN LENNON COLLECTION」に収録されて、米国では同年に「HAPPY XMAS(WAR IS OVER)」のB面でシングル・カットされて、日本では1992年にCMに使用され(カップリングはヨーコさんの「BEAUTIFUL BOYS」)、1997年にドラマの主題歌になった「(JUST LIKE)STARTING OVER」のカップリングで、それぞれ短冊CDになっています。1988年のサントラ盤「IMAGINE」にも収録されて、1990年の箱「LENNON」にはアルバム「DOUBLE FANTASY」のジョンが書いた7曲全曲が収録されて、1997年のベスト盤「LENNON LEGEND」や、2005年のベスト盤「WORKING CLASS HERO」や、2010年の小箱「GIMME SOME TRUTH」や、2020年のベスト盤「GIMME SOME TRUTH.」にも選曲されて、1998年の箱「JOHN LENNON ANTHOLOGY」には別テイクが収録されました。2003年のDVD「LENNON LEGEND」では、MVが観れます。カリブ風なアレンジは、無国籍音楽の様でもあって、1979年のビーチ・ボーイズの「SUMAHAMA」の様なエセ東洋風でもあります。日本人を妻にしたジョンでも、東洋風なサウンドはこうなってしまうんですね。息子の成長が楽しみだと歌う内容は、リリースから1か月も経たずに打ち砕かれてしまうのです。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする