nana.812.png

2025年02月16日

「ポールの道」#648「LENNON SONGS」#073 「I SAW HER STANDING THERE」

プリーズ・プリーズ・ミー


1974年11月28日に、エルトン・ジョンがマディソン・スクエア・ガーデンで行ったコンサートに、ジョン・レノンが飛び入りしました。それは、エルトン・ジョンが参加したジョンのシングル「WHATEVER GETS YOU THRU THE NIGHT(真夜中を突っ走れ)」が全米首位!を獲得したら、エルトンのコンサートにジョンがゲスト出演する賭けをしていて、エルトンの予想通りに「WHATEVER GETS YOU THRU THE NIGHT」が全米首位!になったので実現した共演でした。ジョンはエルトンと共に3曲を披露していて、全米首位!となった二人の共演曲である「WHATEVER GETS YOU THRU THE NIGHT」と、その返礼としてジョンが参加して、やはり全米首位!となったジョンが主導で書いたレノン=マッカートニー作品「LUCY IN THE SKY WITH DIAMONDS」のエルトンによるカヴァー・ヴァージョンの2曲は、当然の選曲でした。2曲共にスタジオ・レコーディングでもジョンとエルトンが共演していて、2曲共にリアルタイムで全米首位!の大ヒット作だったのですから、お客さんも、そりゃあ、もう、大騒ぎです。ジョンがステージに立ったのも、当時は事件で、何せ1972年8月30日に同じマディソン・スクエア・ガーデンで行われた「ワン・トゥ・ワン・コンサート」以来だったのです。

1972年の「ワン・トゥ・ワン・コンサート」は、ジョンにとっては失敗だったと思っていた様で、ライヴ音源や映像はお蔵入りになっていました。ジョンは1972年にテレビ番組でスタジオ・ライヴをやっていますが、大観衆を前にしたライヴはこのエルトンとの共演が最後となってしまったし、この後にもテレビ番組でのライヴで2〜3曲披露しただけです。つまり、ジョンの生涯で最後となってしまったライヴがこれなのです。そして、全米首位!の2曲と共に、もう1曲披露したのが、なんと、まあ、「I SAW HER STANDING THERE」だったのです。ジョンが「いつもは別れたフィアンセが歌っているけれど、今宵は僕が歌うよ」と云って演奏した「I SAW HER STANDING THERE」は、ビートルズの1963年のデビュー・アルバム「PLEASE PLEASE ME with Love Me Do and 12 other songs」のA面1曲目に収録されている、ポール・マッカートニーが主導で書いた「マッカートニー=レノン」作品です。デビュー・アルバムの時だけ、二人の共作名義は「マッカートニー=レノン」でした。何故、この楽曲を披露したのかは「謎」なのですけれど、ジョンとポールが二人共にソロになって公式に再演したビートルズ・ナンバーは、「I SAW HER STANDING THERE」と「COME TOGETHER」の2曲だけです。ちなみに、エルトン・ジョンは、ジョンともポールとも「I SAW HER STANDING THERE」をライヴで共演しています。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:07| FAB4 | 更新情報をチェックする