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2024年09月22日

「ポールの道」#501「FAB4 GAVE AWAY」#45 「PHOTGRAPH」「SUNSHINE LIFE FOR ME(SAIL AWAY RAYMOND)」「YOU AND ME(BABE)」

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1973年リリースのリンゴ・スターのアルバム「RINGO」には、元ビートルズのジョン・レノンとポール・マッカートニーとジョージ・ハリスンがそれぞれ楽曲を提供して、レコーディングにも参加しています。ジョンは前々回に紹介したアルバム冒頭を飾る「I'M THE GREATEST」を書いて、レコーディングにはジョン、ジョージ、リンゴが参加しています。ポールは前回に紹介したA面最後で第2弾シングルだったジョニー・バーネットのカヴァー「YOU'RE SIXTEEN(YOU'RE BEAUTIFUL AND YOU'RE MINE)」でカズー風のマウス・サックスを担当し、全米首位!に貢献していて、B面3曲目に収録されたポール&リンダ作の「SIX O'CLOCK」を提供して、レコーディングにも参加しています。そして、このアルバムに最も貢献したのは、ジョージでした。ジョージは先行シングルでアルバムではA面3曲目の「PHOTGRAPH(想い出のフォトグラフ)」をリンゴと共作して、全米首位!となり、他にもA面4曲目の「SUNSHINE LIFE FOR ME(SAIL AWAY RAYMOND)」を単独で書いていて、B面5曲目でアルバムでは最後の「YOU AND ME(BABE)」をマル・エヴァンスと共作しています。

全米首位!となった「PHOTGRAPH」のレコーディング・メンバーは、リンゴ・スター(ヴォーカル、ドラムス)、ジョージ・ハリスン(12弦アコースティック・ギター、バッキング・ヴォーカル)、ヴィニ・ポンシア(アコースティック・ギター、バッキング・ヴォーカル)、ジミー・カルヴァート(アコースティック・ギター)、クラウス・フォアマン(ベース)、ジム・ケルトナー(ドラムス)、ボビー・キーズ(テナー・サックス)、ロン&デレク・ヴァン・イートン(パーカッション)、ニッキー・ホプキンス(ピアノ)、ジャック・ニッチェ(オーケストラ・アレンジ、コーラス・アレンジ )です。リンゴとジョージの共作となってはいるものの、ジョージ色が強い楽曲ではあります。何にせよ、この楽曲はリンゴにとって初の全米首位!を獲得した代表曲のひとつとなったので、アップル時代のベスト盤や、後のオールタイム・ベスト盤にも収録されていますし、その2007年リリースのオールタイム・ベスト盤のタイトルにもなっています。ライヴでも定番曲で、2017年リリースのアルバム「GIVE MORE LOVE」では、ヴァンダヴィアーと共にセルフ・カヴァーしています。

ジョージの単独作「SUNSHINE LIFE FOR ME(SAIL AWAY RAYMOND)」のレコーディング・メンバーは、リンゴ・スター(ヴォーカル、ドラムス、パーカッション)、ジョージ・ハリスン(エレクトリック・ギター、バッキング・ヴォーカル)、ロビー・ロバートソン(エレクトリック・ギター)、レヴォン・ヘルム(マンドリン)、デビッド・ブロムバーグ(バンジョー、フィドル)、ガース・ハドソン(アコーディオン)、リック・ダンコ(フィドル)、クラウス・フォアマン(スタンドアップベース)、ヴィニ・ポンシア(バッキング・ヴォーカル)で、つまり「ビートルズ」と「ザ・バンド」が合体しています。ジョージとマル・エヴァンスの共作となっているラストの「YOU AND ME(BABE)」のレコーディング・メンバーは、リンゴ・スター(ヴォーカル、ドラムス、パーカッション)、ジョージ・ハリスン(エレクトリック・ギター)、ニッキー・ホプキンス(エレクトリック・ピアノ)、ヴィニ・ポンシア(アコースティック・ギター)、クラウス・フォアマン(ベース)、ミルト・ホランド(マリンバ)、トム・スコット(サックス、ホーンアレンジ)、ジャック・ニッチェ(ストリングス・アレンジ)です。

ジョージはジョン作の「I'M THE GREATEST」でもギターを弾いているので、リンゴとの共作「PHOTGRAPH」と、ジョージの単独作「SUNSHINE LIFE FOR ME(SAIL AWAY RAYMOND)」と、マル・エヴァンスとの共作「YOU AND ME(BABE)」と、全10曲中4曲に参加していて、シングル「PHOTGRAPH」のB面でアルバム未収録曲の「DOWN AND OUT」(現在はアルバム「RINGO」のボーナス・トラックで聴ける)でもギターを弾いています。大ヒット曲「PHOTGRAPH」で共作したリンゴがどの程度曲作りに関わっているのかは不明ですし、アルバムの最後の「YOU AND ME(BABE)」はジョージとマル・エヴァンスの共作となっていますが、マル・エヴァンスは歌詞を手伝った程度だと思えます。それだけ、共作となっている2曲もジョージ色が強いのです。元ビートルズの他の3人を始めとして、豪華絢爛なミュージシャンが「リンゴの手助けをしよう」と、正に「WIYH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS」で集ったアルバムですし、最後の「YOU AND ME(BABE)」でのセリフは感動的で泣かせますけれど、リンゴは役者もやっているわけで、ソノ辺のところは得意技なのです。ポールを引っ張り出す為に、既にジョンとジョージの参加が決定した事をちらつかせて誘ったりしていて、リンゴもなかなか強かなのですよ。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする