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2024年06月25日

「ポールの道」#412「FAB4 U.S. SINGLES」#06「CAN'T BUY ME LOVE / YOU CAN'T DO THAT」

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1964年3月16日に、キャピトルはビートルズの第2弾シングル「CAN'T BUY ME LOVE / YOU CAN'T DO THAT」をリリースしました。此のシングルは本国英国では1964年3月20日に6作目としてパーロフォンからリリースされるので、英国よりも米国の方が数日とは云え早くリリースされました。キャピトルからは2作目のシングルでしたが、米国では初期作品は他社からもリリースされていたので、カップリングを変えた盤も含めると通算7作目のシングルでした。英国では予約だけで100万枚以上売れて実売で121万枚も売れて、米国では予約だけで200万枚も売れて実売で300万枚も売れて、全世界で600万枚以上も売れました。そして、此のシングルが全米首位!になった1964年4月4日付の全米ビルボード・チャートでは、「CAN'T BUY ME LOVE」が首位!、「TWIST AND SHOUT」が2位、「SHE LOVES YOU」が3位、「I WANT TO HOLD YOUR HAND」が4位、「PLEASE PLEASE ME」が5位、と首位から5位までをビートルズが独占してしまったのです。

更に、31位「I SAW HER STANDING THERE」、41位「FROM ME TO YOU」、46位「DO YOU WANT TO KNOW A SECRET」、58位「ALL MY LOVING」、65位「YOU CAN'T DO THAT」、68位「ROLL OVER BEETHOVEN」、79位「THANK YOU GIRL」と、トップ100に12曲もランクインしていて、アルバム・チャートでもアルバム「MEET THE BEATLES!」が首位!で、アルバム「INTRODUCING THE BEATLES」が2位だったのです。此の前人未到の大記録は、米国キャピトルが最初の内にはビートルズを相手にせず、他社からもリリースされていたから起きたとも云えます。首位!の「CAN'T BUY ME LOVE」と4位の「I WANT TO HOLD YOUR HAND」がキャピトルからで、2位の「TWIST AND SHOUT」がトリーからで、3位の「SHE LOVES YOU」がスワンからで、5位の「PLEASE PLEASE ME」がヴィー・ジェイからと、4つのレーベルからシングルが出ていたし、アルバムも首位!の「MEET THE BEATLES!」はキャピトルからで、2位の「INTRODUCING THE BEATLES」はヴィー・ジェイからのリリースでした。しかも、キャピトル盤シングル「CAN'T BUY ME LOVE / YOU CAN'T DO THAT」のジャケット写真は、キャピトル盤シングル「I WANT TO HOLD YOUR HAND / I SAW HER STANDING THERE」と同じです。

しかし、1964年3月27日付のオーストラリアでのチャートでは、首位!「I SAW HER STANDING THERE」、2位「LOVE ME DO」、3位「ROLL OVER BEETHOVEN」、4位「ALL MY LOVING」、5位「SHE LOVES YOU」、6位「I WANT TO HOLD YOUR HAND」と上位6曲を独占していて、しかも些か地味な楽曲がランクインしているので、もう世界中が大騒ぎ状態だったのでしょう。A面の「CAN'T BUY ME LOVE」はポール作のロックンロールで、其の後にビートルズの最初の映画「A HARD DAY’S NIGHT」にも使われて、同名アルバムにも収録されています。一方、B面の「YOU CAN'T DO THAT」はジョン作のR&B調の名曲で、映画で演奏シーンを撮影したのに使われなかった曲です。アルバム「A HARD DAY'S NIGHT」にも映画に未使用曲を集めたB面に収録されていましたが、昨年(2023年)にリリースされた新装盤「赤盤」には追加収録されました。ビートルズの楽曲を歌い込んでいるニルソンのカヴァー・ヴァージョンも、良い出来栄えです。

ところで、A面の「CAN'T BUY ME LOVE」ですが、1970年2月26日にキャピトルからリリースされた編集盤「HEY JUDE」のA面1曲目に収録されていて、2曲目もアルバム「A HARD DAY'S NIGHT」収録曲の「I SHOULD HAVE KNOWN BETTER」と、アタマの2曲だけが1964年の曲で、他が1966年から1969年までのシングル曲なので浮き捲っています。コレはですね、ビートルズのマネジャーだったブライアン・エプスタインが映画「A HARD DAY'S NIGHT」の北米での配給権だけではなく、サントラ盤の販売権までユナイテット・アーティスツに与えてしまったから起きた珍事なのです。キャピトルは英国盤アルバム「A HARD DAY'S NIGHT」の代わりに編集盤「SOMETHING NEW」をリリースするのですが、「A HARD DAY'S NIGHT」と「I SHOULD HAVE KNOWN BETTER」と「CAN'T BUY ME LOVE」はシングルでしかリリースしておらずアルバムには未収録だったので、1970年になってソノ内の2曲をアルバム「HEY JUDE」に収録しちゃったわけですなあ。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする