ポール・マッカートニーが2020年12月18日にMPL/キャピトルからリリースしたソロとしては18作目で、ポール&リンダやウイングスを含めて26作目のスタジオ・アルバム「McCARTNEY V」は、全英首位!(1989年リリースのアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」以来31年ぶり)・全米2位と大ヒットして、シングル「FIND MY WAY」も好評でした。アルバム「McCARTNEY V」はCDではジャケットのサイコロが「白」と「緑」と「赤」と「青」と「黄」の5種類の色違いヴァージョンがあって、アナログ盤は19種類のカラー・レコードがあります。アルバム本編は、1「LONG TAILED WINTER BIRD」、2「FIND MY WAY」、3「PRETTY BOYS」、4「WOMAN AND WIVES」、5「LAVATORY LIL」、6「DEEP DEEP FEELING」、7「SLIDIN'」、8「THE KISS OF VENUS」、9「SEIZE THE DAY」、10「DEEP DOWN」、11「WINTER BIRD / WHEN WINTER COMES」の、全11曲入りです。
翌2021年4月16日に配信で、同年7月23日にはCDとアナログLPで、全曲をカヴァーしたアルバム「McCARTNEY V IMAGINED」がキャピトルからリリースされました。内容は、1「FIND MY WAY」フィーチャリング・ベック、2「THE KISS OF VENUS」ドミニク・ファイク、3「PRETTY BOYS」フィーチャリング・クルアンビン、4「WOMAN AND WIVES」セイント・ヴィンセント・リミックス、5「DEEP DOWN」ブラッド・オレンジ・リミックス、6「SEIZE THE DAY」フィーチャリング・フィービー・ブリジャーズ、7「SLIDIN'」EOB・リミックス、8「LONG TAILED WINTER BIRD」デーモン・アルバーン・リミックス、9「LAVATORY LIL」ジョシュ・オム、10「WHEN WINTER COMES」アンダーソン・パーク・リミックス、11「DEEP DEEP FEELING」3D RDN リミックス、の全11曲入りで、CDとLPにはボーナス・トラックで、12「LONG TAILED WINTER BIRD」イドリス・エルバ・リミックスを加えた全12曲入りの、50分7秒です。
こちらもアナログ盤は10種類も出ているのですが、コレはポールが選んだミュージシャンがそれぞれアルバム「McCARTNEY V」の好きな曲を自分のスタイルでカヴァーもしくはリミックスしていて、見事に選曲がダブっていないのでポールが上手いこと調整したのでしょう。リリースのタイミングを考えると、ポールは元々本編とカヴァー集を同時進行に近い手順で用意していたと思われます。更にポールは、2022年8月5日には「McCARTNEY 1, 2, 3 BOX」と云う箱をアナログLP3枚組とCD3枚組でリリースしています。コレは、1970年リリースのアルバム「McCARTNEY」と、1980年リリースのアルバム「McCARTNEY U」と、2020年リリースのアルバム「McCARTNEY V」の3枚組です。アナログ盤のアルバム「McCARTNEY」は透明盤で、アルバム「McCARTNEY U」は白盤で、アルバム「McCARTNEY V」はクリーミー・ホワイト盤となっていて、ソレがエド・ルシェによる「何が良いのか分からない」デザインの黒い箱に入っています。
つまり、アルバム「McCARTNEY V」の関連で、ポールは2020年の本編と2021年のカヴァー集と2022年の箱と、3ヴァージョン制作しているわけですなあ。そして、2022年12月2日には此の連載している7インチ・シングル80枚組の木箱「THE 7‘’ SINGLES BOX」の登場となるのでした。「THE 7‘’ SINGLES BOX」には80枚目で、A面にアルバム「McCARTNEY V」から「WOMAN AND WIVES」を、B面にはアルバム「McCARTNEY V IMAGINED」から「WOMAN AND WIVES」セイント・ヴィンセント・リミックスを入れた新たに制作した7インチ盤が収録されています。そして、今回で遂に「THE 7‘’ SINGLES BOX」は完結しました。シングル盤両面だけで書いてゆくネタはあるのか、とも思いましたが、なかなかどうして、アルバムよりも楽曲単位での流れの方がポールの場合は書く事がありました。そして、「THE 7‘’ SINGLES BOX」は終わりましたけれども「ポールの道」は、まだまだつづくよどこまでもなのです。よろしければ、次の展開をお楽しみに。
(小島イコ)
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