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2024年03月23日

「ナイアガラ考」#105「暑さのせい EP」

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さて、連載「ポールの道」もいよいよ佳境となってまいりましたが、ココで久しぶりに「ナイアガラ考」を数回挟む事となります。と申しますのも、大方の予想通りに2024年3月21日に大瀧師匠の生前最後のオリジナル・アルバム「EACH TIME」の40周年記念盤が、箱の「EACH TIME VOX」を中心としてリリースされたからです。それにしても、毎年此の時期になると新作モドキを出す「ナイアガラ商法」も、遂に「EACH TIME VOX」まで来たので、そろそろ打ち止めにして、旧作を廉価盤にしてカタログに残していった方がいいんじゃないでしょうかね。そして、毎年ソレに便乗して「レコード・コレクターズ」誌は大瀧師匠の特集を組むのですけれど、いい加減にビートルズ関連とナイアガラ関連は、取り上げるなとは云いませんけれど、巻頭特集にするのは止めた方がいいんじゃないですかね。リリース日よりも早く特集された「レコ・コレ」2024年4月号を買って読みましたが、なんと、まあ、執筆陣は「EACH TIME VOX」を視聴する前に書いていて、アレじゃあ、単なる予想と宣伝だし、読者をバカにするのもいい加減にして欲しいもんですなあ。

さて、昨年(2023年)3月21日には「大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK / NIAGARA ONDO BOOK」がリリースされて、リアルタイムで「ナイアガラ考」でも取り上げたのですけれど、5月の頭に「はっぴいえんどBOX」に関して書いて、104回目で中断しておりました。其の「はっぴいえんど」のオリジナル・アルバム3作も、昨年にもう「何度目の再発か?」と思えるリイシュー盤も出ていて、未発表音源も数曲加えてあったりもしたのですけれど、まあ「はっぴいえんどBOX」があれば要らないでしょう。それよりもですね、2023年8月30日にリリースされた大滝詠一名義での短冊型CD「暑さのせい EP」が悪い意味で重要です。今時、短冊CDでのリリースには否定的な意見があったものの、コレは「幸せな結末」をリリース当時の短冊CDで限定リリースしたので、新作EPも短冊CDで、となったわけです。何か、ソレで絶滅した短冊CDを中古盤や新作で復活させようとする動きもあった気がしますが、今更アンナ不便な短冊CDなんて流行りませんよ。

内容は、1「暑さのせい(Single Version 30sec)」、2「暑さのせい(Single Version 15sec)」、3「あつさのせい(もうメロメロ編)」、4「Summer Lotion(Original Mix)」、5「Hankyu Summer Gift(Extended Version)」、6「Velvet Motel(Strings Mix)」、7「夏のペーパーバック(20th Anniversary Version)」、8「夏のリビエラ(SNOW TIME Version)」、9「真夏の昼の夢(Strings Mix)」、の全9曲入りです。8センチの短冊CDに9曲も入っていますが、CM曲が混じっているので(と云うか、ソレが表題曲)21分42秒で、イチオーは、大瀧師匠の夏歌を集めた限定盤CDでした。

あたくしは普通に発売日に買ったのですけれど、すぐに売り切れて、発売後半年なのにもうプレミアが付いています。えっとね、こんなの大瀧師匠の許可もなく勝手にリミックスした音源も入った「インチキ・ナイアガラ商品」なんですから、プレミア価格で買うなんてバカですよ。全てが「Alternate Version」とか「Different Version」とか書いてありますが、演奏をストリングスだけにした「Strings Mix」なんて、確実に大瀧師匠が亡くなってから勝手に捏造したテイクなので、こんなのブートレグと変わらないし、だから限定盤にしてさっさと売り切ったんでしょうなあ。こんなインチキ商品ばっかりリリースするよりも、繰り返しますが、生前に大瀧師匠が自ら編集した「B‐EACH TIME L‐ONG」や「SNOW TIME」を廉価盤でリイシューしてカタログに残して欲しいもんですなあ。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| ONDO | 更新情報をチェックする