前回に紹介した「GEORGE HARRISON RARITIES」CD3枚組全62曲入りと同じ「MOONCHILD RECORDS」から、其のポール・マッカートニー編である「PAUL McCARTNEY RARITIES」VOL.1& VOL.2のCD3枚組2セットで6枚組全131曲入りも出ております。VOL.1とVOL.2でバラ売りされていて、「MOONCHILD RECORDS」はリリース年が明記されていないのが欠点なのですが、ジョージと同じ2018年リリースだったようです。価格は、新品が3枚組1セット税込み千円で2セットで二千円です。バラ売りされているので片方ずつでも買えますが、普通は両方買うでしょう。ですので、合わせて6CDとして紹介してゆきます。
CD1が、1「A LOVE FOR YOU」(1971)、2「SEASIDE WOMAN」(1971)、3「SOME PEOPLE NEVER KNOW」(1971)、4「LUCILLE」(1972 Rehersal)、5「BLUEBIRD」(1973)、6「C MOON」(1972)、7「SEASIDE WOMAN」(1972)、8「LOUP(1ST INDIAN ON THE MOON)」(1973)、9「INTRODUCTION」(1973)、10「SOILY」(1973 Live)、11「BIG BARN BED」(1973 Live)、12「WHEN THE NIGHT」(1973 Live)、13「LUXY」(1973)、14「HELLO PICCADILLY」(1973)、15「JUNIOR'S FARM」(1974)、16「SALLY G」(1974)、17「SEND ME THE HEART」(1974)、18「WIDE PRAIRE」(1974)、19「SOILY」(1974)、20「PIANO INSTRUMENTAL」(1974)、21「OU EST LE SOLEIL」(1974)の、全21曲入りです。
CD2が、1「VENUS AND MARS」(1975)、2「ROCK SHOW」(1975)、3「LOVE IN SONG」(1975)、4「CALL ME BACK AGAIN」(1975)、5「LISTEN TO WHAT THE MAN SAID」(1975)、6「TREAT HER GENTLY / LONELY OLD PEOPLE」(1975)、7「EMPMTY HAND」(1975)、8「WINO JUNKO」(1976)、9「TIME TO HIDE」(1976)、10「MUST DO SOMETHING ABOUT IT」(1976 PAUL VERSION)、11「RICHARD CORY」(1976 REHEASAL)、12「JAMAICAN HILITE」(1976)、13「PRAYING MANTIS HEART」(1976)、14「MULL OF KINTYRE」(1977)、15「GIRLS' SCHOOL」(1977)、16「WATERSPOT」(1977)、17「WITH A LITTLE LUCK」(1978)、18「DON'T LET IT BRING YOU DOWN」(1978)、19「MORSE MOOSE AND THE GREY GOOSE」(1978)の、全19曲入りです。
CD3が、1「PIANO & GUITAR INSTRUMENTAL」(1979)、2「GOODNIGHT TONIGHT」(1979)、3「DAYTIME NIGHTTIME SUFFERING」(1979)、4「LOVE AWAKE」(1979)、5「EMOTIONAL MOMENTS」(1979)、6「GETTING CLOSER」(1979)、7「WINTER ROSE」(1979)、8「LOVE AWAKE」(1979)、9「SO GLAD TO SEE YOU HERE」(1979)、10「DAY AFTER ROCKESTRA」(1979)、11「CRUISIN' AHEAD」(1979)、12「YOU KNOW I’LL GET YOU BABY」(1980)、13「NEWT RACK」(1981)、14「THE HONORARY CONSUL」(1983 with ジョン・ウイリアムス)、15「SPIES LIKE US」(1985)、16「SPIES LIKE US」(1985)、17「STRABGLEHOLD」(1986)、18「TALK MORE TALK」(1986)、19「FOOTPRINTS」(1986)、20「PRESS」(1986)、21「PRETTY LITTLE HEAD」(1986)の、全21曲入りです。
CD4が、1「THE TUBE 100TH ANNIVERSARY JINGLE」(1986)、2「ONLY LOVE REMAINS」(1986 Live)、3「ACT 1 - RIGHT」(1988, 1989)、4「ACT 2 - WRONG」(1988, 1989)、5「ACT 3 - JUSTICE」(1988, 1989)、6「ACT 4 - PUNISHENT」(1988, 1989)、7「ACT 5 - PAYMENT」(1988, 1989)、8「ACT 6 - RELEASE」(1988, 1989)、9「MOTOR OF LOVE」(1989)、10「WE GOT MARRIED」(1989)、11「FIGURE OF EIGHT」(1989)、12「PEACOCKS」(1989)、13「THIS ONE」(1989)、14「HOPE OF DELIVERANCE」(1993)、15「IS IT RAINING IN LONDON」(1993)、16「NO OTHER BABY」(1993 Soundcheck)、17「ONE AFTER 909」(1995 Live)、18「MISTRESS AND MAID」(1995 Live)、19「FOR NO ONE」(1995 Live)、20「ELEANOR RIGBY」(1995 Live)、21「YESTERDAY」(1995 Live)、22「LADY MADONNA」(1995 Live)、23「STELLA MAY DAY」(1995)の、全23曲入りです。
CD5が、1「YOUR SCHOOL」(1995)、2「PIANO AND WHISTLING INSTRUMENTAL」(1995)、3「FLAMING PIE」(1997)、4「CALICO SKIES」(1997)、5「THE WORLD TONIGHT」(1997)、6「IF YOU WANNA」(1997)、7「YOUNG BOY」(1997)、8「HEAVEN ON SUNDAY」(1997)、9「BEAUTIFUL NIGHT」(1997)、10「BISHOPGATE」(1997 Live)、11「YOUNG BOY」(1997 Live)、12「LADY MADONNA」(1997 Live)、13「FLAMING PIE」(1997 Live)、14「WHEN THE WIND IS BLOWING」(1999 Rehersal)、15「YOUR LOVING FLAME」(1999 Live)、16「A SONG TO US」(1999 Live)、17「SUICIDE」(1999 Live)、18「THE LOVELY LINDA」(2001 WINGSPAN)、19「THAT WOULD BE SOMETHING」(2001 WINGSPAN)、20「3 LEGS」(2001 WINGSPAN)、21「PICASSO'S LAST WORDS(DRINK TO ME)」(2001 WINGSPAN)、22「LET ME ROLL IT」(2001 WINGSPAN)、23「MRS. VANDEBILT」(2001 WINGSPAN)、24「FROM LOVER TO A FRIEND」(2001)、25「JERK OF ALL JERKS」(2001 Live)、26「FROM LOVER TO A FRIEND」(2001 Live)、27「HER MAJESTY」(2002 Live)、28「WAITING FOR YOUR TRAIN」(2002 Soundcheck)、29「REALLY LOVE YOU」(2005 TWIN FREAKS)、30「LONG HAIRED LADY」(2005 TWIN FREAKS)、31「RINSE THE RAINDROPS」(2005 TWIN FREAKS)、32「DARKROOM」(2005 TWIN FREAKS)、33「TEMPORARY SECRETARY」(2005 TWIN FREAKS)、34「WHAT'S THAT YOU'RE DOING?」(2005 TWIN FREAKS)、35「LALULA」(2005 TWIN FREAKS)、36「MAYBE I'M AMAZED」(2005 TWIN FREAKS)の、全36曲入りです。
CD6が、1「BAND ON THE RUN」(2010)、2「EVER PRESENT PAST」(2007)、3「VINTAGE CLOTHES」(2007)、4「THAT WAS ME」(2007)、5「FEET IN THE CLOUDS」(2007)、6「MEAT FREE MONDAY」(2009)、7「HEART OF THE COUNTRY」(2009)、8「HEART OF THE COUNTRY」(2009)、9「WITH A LITTLE LUCK」(PRE-SHOW MIX)、10「GOODNIGHT TONIGHT」(PRE-SHOW MIX)、11「SILLY LOVE SONGS」(PRE-SHOW MIX)の、全11曲入りで、合計131曲入りです。1971年リリースのアルバム「RAM」のセッション音源「A LOVE FOR YOU」から始まって、2007年リリースのアルバム「MEMORY ALMOST FULL」辺りまでの音源から選曲されていて、各年代やアルバムも大まかには選ばれています。
が、しかし、CD2枚組「AFTER THE BEATLES ANTHOLOGY」のポール・マッカートニー編全35曲入りは1970年代限定だったし、CD6枚組「RARE McCARTNEY」全121曲入りは逆に1970年代をたったの8曲にしたので、そちらの二つではダブリがほとんどなかったのです。そして、此のCD6枚組「PAUL McCARTNEY RARITIES」全131曲入りも、他の二つとはほとんどダブリがありません。つまりは、三つを合わせてCD14枚組全287曲入りと考えていただいた方が分かり易いかもしれません。同じ企画でのジョン・レノンやジョージ・ハリスンやリンゴ・スターに関しては、これまで書いてきた通りで、ダブリがあり捲りなので、何れかひとつを選んでも宜しいとは思いますが、ポール・マッカートニーに関しては、レア音源集にすらダブリがないほどに楽曲を量産しつづけているので、ひとつだけに絞る事は不可能です。
しかも、しかもですよ、これでもポールのレア音源は全く揃いません。例えば1974年にポールがピアノの弾き語りを延々とつづけている、通称「PIANO DEMO」と云う音源があってですね、1974年の段階で1979年にリリースする曲まで出来ていたりするのですが、ソレは別のブートレグになっているのでこれらのレア音源集には収録されていません。ピアノ・デモには「MULL OF KINTYRE」も登場するので、アノ曲がポールとデニー・レインの共作になっているのは、些か怪しいんですよ。ポールにはアルバムごとにブートレグがあり、そちらで登場する音源はレア音源集に未収録の曲も多いし、それこそライヴ音源は数限りなくあり捲りです。それで、コレではウイングス時代はリンダやデニー・レインやジミー・マカロックの曲が入っていたりして、ソレは要らないからダブってもいいからポールの曲だけで良いのに、とも思えます。
此れに入っている「A LOVE FOR YOU」は、未発表曲を集めたアルバム「COLD CUTS」に収録予定でしたが、そちらの「COLD CUTS」収録曲や、1987年にリリース予定だったアルバム「RETURN TO PEPPERLAND」の収録曲なども、単品のブートレグが出ているのでこれらのレア・トラック集には入っていません。例えば、他のふたつに未収録曲では、此の「PAUL McCARTNEY RARITIES」には「OU EST LE SOLEIL」のデモ音源が収録されているのですが、流れから云って1974年か1975年頃の録音でしょう。此の曲が公式盤でリリースされるのは、1989年のアルバム「FLOWERS IN THE DIRT」のCDが初出なんですよ。ポールは最近のインタビューで「曲作りでスランプになって書けなくなった事は一度もない」と豪語しておりますが、ソレは本当なのです。ところで、ジャケットでポールの前に立っているのは、後に世界的なデザイナーになるステラ・マッカートニー(後方右から、リンダ、ポール、ヘザー、前方右から、メアリー、ステラ、のマッカートニー家族写真)なのですけれど、何故かカメラ目線で睨んでいて可愛いです。
(小島イコ)