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2024年03月06日

「ポールの道」#304「POSTCARDS FROM PARADISE」



2015年3月31日に、リンゴ・スターは18作目(リンゴ的には16作目)のソロ・アルバム「POSTCARDS FROM PARADISE」をユニバーサル・ミュージックからリリースしました。内容は、1「RORY AND THE HURRICANES」、2「YOU BRING THE PARTY DOWN」、3「BRIDGES」、4「POSTCARDS FROM PARADISE」、5「RIGHT SIDE OF THE ROAD」、6「NOT LOOKING BACK」、7「BAMBOULA」、8「ISLAND IN THE SUN」、9「TOUCH AND GO」、10「CONFIRMATION」、11「LET LOVE LEAD」の、全11曲入りです。楽曲は全てリンゴと、デイヴ・スチュワートやスティーヴ・ルカサーや義弟であるジョー・ウォルシュやトッド・ラングレンやリチャード・マークスやヴァン・ダイク・パークスなどとの共作で、それぞれ演奏にも参加していて、他にもピーター・フランプトンやミキシングも担当したブルース・シュガーなど、いつも通りに豪華なメンバーが参加しています。

プロデュースはリンゴ自身が務めていて、ビートルズ以前に加入していたバンドを歌った「RORY AND THE HURRICANES」(デイヴ・スチュワートとの共作)や、大瀧師匠がエルヴィスの邦題だけで詞にした「いかすぜ!この恋」の如く「これでもか!」とばかりにビートルズの曲名を歌い込んだ表題曲である「POSTCARDS FROM PARADISE」(トッド・ラングレンとの共作)や、意外と珍しいと云うかスタジオ・レコーディングは初めてだった「オールスター・バンド」(此の時は第12期)との共作・共演作の「ISLAND IN THE SUN」も収録されていて、全編で43分57秒と、2012年リリースの前作アルバム「RINGO 2012」(28分55秒)に比べたなら、こちらは新曲ばかりだし、気合が入っています。リンゴがドラムを叩いて、プロトゥースで共作者と仕上げているらしいのですが、70歳代も半ばになってそう云った事をやっているのは、流石はリンゴも「ビートルズ」です。

回顧的な内容は、もはやリンゴの持ちネタと化していますし、此のアルバムがリリースされた2015年には、リンゴはビートルズとしては既に果たしていた「ロックの殿堂」にソロとしても入ったのです。リンゴが殿堂入りしたので、ビートルズはジョン・レノンとポール・マッカートニーとジョージ・ハリスンとリンゴ・スターの4人全てが、グループとしても個人としても殿堂入りした事となりました。が、しかし、コノ頃になるとですね、天下御免のサー・ポール・マッカートニー様よりも、サー・リチャード・スターキーことリンゴ・スター様の方が、こと「ロック・アルバム」のリリースではペースが速くなっているんですよ。勿論、ポールはアルバムのリリースでは毎年何かは出していたのですけれど、旧作のリマスター盤とかライヴ盤とかクラシック・アルバムとかジャズ・スタンダード・カヴァー・アルバムとかが間に挟まれているので、オリジナル・ロック・アルバムはなかなか出してくれなくなっていたのです。ソレはですね、かなり困ったちゃんなのです。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする