2012年1月30日(英国)31日(米国)に、リンゴ・スターは17作目(リンゴ的には15作目)のソロ・アルバム「RINGO 2012」を、 Hip-Oからリリースしました。内容は、1「ANTHEM」、2「WINGS」、3「THINK IT OVER」、4「SAMBA」、5「ROCK ISLAND LINE」、6「STEP LIGHTLY」、7「WONDERFUL」、8「IN LIVERPOOL」、9「SLOW DOWN」の、全9曲入りです。アルバムを通しても28分55秒しかない作品で、楽曲はバディ・ホリーのカヴァー「THINK IT OVER」とトラディショナル・ソングをアレンジした「ROCK ISLAND LINE」以外の7曲はリンゴとヴァン・ダイク・パークスやデイヴ・スチュワートや義弟であるジョー・ウォルシュなどとの共作で、演奏にも参加していて、リンゴがセルフ・プロデュースしています。
しかしながら、バディ・ホリーのカヴァーである「THINK IT OVER」は、2011年リリースのトリビュート盤での既発音源で、1973年リリースのアルバム「RINGO」収録曲「STEP LIGHTLY」と、1977年リリースのアルバム「RINGO THE 4TH」収録曲「WINGS」は再演ヴァージョンで、「ROCK ISLAND LINE」もお馴染みのトラディショナルで、つまりは新曲はたったの5曲しかありません。ソノ上、デイヴ・スチュワートとの共作「IN LIVERPOOL」はリヴァプール・ネタの焼き直しだし、ジョー・ウォルシュとの共作「SLOW DOWN」はビートルズがカヴァーしたラリー・ウィリアムスの楽曲と同名異曲だし、新曲が少ないアルバムを出さなくとも良かった様な気もします。
それで再録した「WINGS」は先行シングルで2012年1月10日にリリースしているのですが、これまたオリジナル・ヴァージョンが1977年リリースのアルバム「RINGO THE 4TH」から日本ではシングル・カットされているのです。アルバム「RINGO THE 4TH」の邦題は「ウイングス・リンゴW」で、明らかに「ポール・マッカートニー&ウイングス」人気に便乗していました。此のアルバムはAmazonでDVD付きも売られていたのですが、内容は20分にも満たないダイジェスト版です。此れに限らず、リンゴのスタジオ・アルバムは収録時間が短いし、ネタも焼き直しが多いので、無理してアルバムにせずに、近年の様に「4曲入りEP」でリリースした方が良いと思います。
(小島イコ)
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