2010年1月12日に、リンゴ・スターは16作目(リンゴ的には14作目)のソロ・アルバム「Y NOT」を、Hip-Oからリリースしました。ビートルズのリマスター盤が話題になっている時に、ポール・マッカートニーよりも早く尻馬に乗ってオリジナル・ソロ・アルバムを出すあたりは、何ともリンゴらしいところです。内容は、1「FILL IN THE BLANKS」、2「PEACE DREAM」、3「THE OTHER SIDE OF LIVERPOOL」、4「WALK WITH YOU」、5「TIME」、6「EVERYONE WIN」、7「MYSTERY OF THE NIGHT」、8「CAN'T DO IT WRONG」、9「Y NOT」、10「WHO'S YOUR DADDY」の、全10曲入りです。プロデュースはリンゴ単独名義ですが、全曲がリンゴと義弟のジョー・ウォルシュやデイヴ・スチュワートやヴァン・ダイク・パークスやリチャード・マークスなどとの共作となっております。
中でも話題となったのは、盟友・ポール・マッカートニーの参加で、「PEACE DREAM」ではベースを、シングル・カットされた「WALK WITH YOU」ではリンゴとポールがデュエットしています。ポールはそれまでもリンゴと共演していますが、楽曲を提供せずに演奏や歌だけでの参加は珍しいです。曲名を見ただけで、まるで「ラトルズ」みたいにビートルズ・ナンバーのパロディーかと思わせる楽曲が多くて、ソノ辺がリンゴらしいし、リンゴの限界でもあります。2010年10月6日には「オールスター・バンド」として2008年8月2日にロスアンゼルスのグリーク・シアターで行ったライヴ盤「LIVE AT THE GREEK THEATRE 2008」もHip-Oからリリースしています。コレは、おそらく新作アルバムをリリースするバーターでライヴ盤もリリースする契約だったのでしょう。
ライヴ盤の内容は、1「INTRODUCTION / WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS / IT DON'T COME EASY」、2「WHAT GOES ON」、3「THE STROKE」ビリー・スクワイア、4「FREE RIDE」エドガー・ウィンター、5「DREAM WEAVER」ゲイリー・ライト、6「BOYS」、7「PICK UP THE PIECES」ヘイミッシュ・スチュアート、8「ACT NATURALLY」、9「YELLOW SUBMARINE」、10「NEVER WITHOUT YOU」、11「I WANNA BE YOUR MAN」、12「WHO CAN IT BE NOW」コリン・ヘイ、13「PHOTOGRAPH」、14「OH MY MY」、15「WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS / GIVE PEACE A CHANCE」の、全15トラックで17曲入りです。
此の時の「オールスター・バンド」は第10期で、ビリー・スクワイア、コリン・ヘイ、エドガー・ウィンター、ゲイリー・ライト、ヘイミッシュ・スチュアート、グレッグ・ビソネットが参加していて、それぞれの持ち歌も披露しているので、リンゴが歌っているのは10トラックで11曲です。ビートルズ・ナンバーが6曲で、ソロが4曲で、プラスティック・オノ・バンドのカヴァーが1曲となっていて、最後の「GIVE PEACE A CHANCE」のカヴァーが目新しいところで、他は定番曲ばかりです。「オールスター・バンド」はメンバーが何度も交代しているので、其の度にそれぞれのヒット曲が変わっていますが、リンゴの歌はほぼ固定されているので、リンゴの歌だけ聴きたい場合には、以前に紹介した「リンゴのソロ・ライヴ盤」2種(「VH1 STORYTELLERS」と「LIVE AT SOUNDSTAGE」)がオススメです。
(小島イコ)