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2024年02月18日

「ポールの道」#287「ELECTRIC ARGUMENTS」

Electric Arguments [帯解説・48Pカラーブックレット封入 / デジパック仕様 /国内盤] スペシャル・プライス (TRCI21X)


2008年11月24日に「THE FIREMAN」は、まさかまさかの第3作目のアルバム「ELECTRIC ARGUMENTS」を、One Little Indian(英国)・ATO(米国)・トラフィック(日本)と、インディー・レーベルからリリースしました。「THE FIREMAN」はポール・マッカートニーとユースによるユニットですが、1993年のアルバム「STRAWBERRIES OCEAN SHIP FOREST」と1998年のアルバム「RUSHES」は全編がインストゥルメンタル曲のアンビエント・ハウスでした。ところが此の3作目は、ポールが作詞作曲をして歌っているのです。つまりは、ポールのスタジオ・アルバムに近い感覚で、ファンもそれまでの「FIREMAN」とは別で「ポール・マッカートニーの作品」として考えており、ポールも自身のライヴで此のアルバムからの曲も披露したり、ベスト盤にも選曲しています。

内容は、1「NOTHING TOO MUCH JUST OUT OF SIGHT」、2「TWO MAGPIES」、3「SING THE CHANGES」、4「TRAVELLING LIGHT」、5「HIGHWAY」、6「LIGHT FROM YOUR LIGHTHOUSE」、7「SUN IS SHINING」、8「DANCE ’TIL WE'RE HIGH」、9「LIFELONG PASSION」、10「IS THIS LOVE?」、11「LOVERS IN A DREAM」、12「UNIVERSAL HERE, EVERLASTING NOW」、13「DON'T STOP RUNNING」の、全13曲に、シークレット・トラックで「ROAD TRIP」が収録されていて、10分を越えるのは最後の「DON'T STOP RUNNING」のみで、他の楽曲は2分台から5分台のポップス・サイズの曲が並んでいます。

レコーディングは、ポール・マッカートニー(リード・ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル、ベース、ダブルベース、アコースティック・ギター、エレクトリック・ギター、ピアノ、キーボード、シンセサイザー、クラヴィオライン、ハーモニウム、メロトロン、オルガン、ハープシコード、ハーモニカ、パーカッション、タンバリン、フルート、チェロ、マンドリン、ドラムス、ビブラフォン、チューブラーベル)に、ユースがポールと共同プロデュースしていて、ティム・ブランとデヴィッド・ノックがプログラミングで参加していて、つまりは1970年リリースのアルバム「McCARTNEY」や1980年リリースのアルバム「McCARTNEY U」と同様に、ポールのワンマン・レコーディングなのです。

では、何故此のアルバムはポールのソロではなく「THE FIREMAN」の3作目として発表されたのかと云うと、2作目のアルバム「RUSHES」と此の3作目のアルバム「ELECTRIC ARGUMENTS」の間に、2005年リリースのアルバム「TWIN FREAKS」があったからでしょう。ハウスの手法で既発曲をリミックスした「TWIN FREAKS」はポールも気に入ったらしく、だったら新曲でソレをやってみようとなったわけです。「THE FIREMAN」名義だからと云って聴いていないポールのファンはいないとは思いますけれど、ズバリ云ってコレは大傑作です。2008年と云えば2度目で悪妻だったヘザー・ミルズと離婚できたものの50億円もの慰謝料をふんだくられた年ですから、やけっぱちになっていたのでしょうけれど、コレは凄いアルバムです。当時「ベストヒットUSA」で小林克也さんが「やっぱり、此の人はビートルズだった」と興奮して紹介していました。

(小島イコ)

posted by 栗 at 23:00| FAB4 | 更新情報をチェックする